チェス・プロブレム
![]() |
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 8 | |||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
チェス・プロブレム(
概 要
[たとえばある
プロブレムと
局 面 が作 り物 である(composed)。すなわち、局 面 は実 際 の試 合 から採 られたものではなく、問 題 を示 すために創 作 されたものである。通 常 は「ルールに従 った手 順 で生 じえる局 面 でなくてはならない」という縛 りはあるが、実 戦 で生 じる局 面 ではないのが普 通 である。特 定 の解 答 条 件 (stipulation)を持 つ。たとえば、指 定 した手 数 で黒 のキングをメイトする、など。特 定 のテーマ(theme、単 数 または複 数 )を持 つ。プロブレムは一 般 にあるテーマを表 現 するために創 作 される。効 率 (economy)を重 視 する。つまり、テーマの表 現 と完 全 作 であるために必 要 最 小 限 の駒 しか使 ってはならない。美 的 な価 値 (aesthetic value)がある(後 述 )。
美 的 な価 値
[プロブレムは
- プロブレムの
局 面 は合 法 でなくてはならない。つまり、初 形 から合 法 手 を続 けて生 じる局 面 であることが必 要 。そのための手 順 が実 戦 的 な意 味 での大 悪 手 を含 んでいても、作 品 のキズとは見 なされない。 - プロブレムの
初 手 (key move あるいは キーと呼 ばれる)は唯 一 でなくてはならない。解 答 条 件 を満 たす初 手 が複 数 あるものは「別 解 がある(cooked)」と言 われ、不 完 全 作 として専 門 雑 誌 等 には掲 載 されないはずである。例 外 は、テーマ上 関 連 のある複 数 のキーを意 図 して作 られたプロブレムである。この種 のプロブレムは特 にヘルプメイトに多 い。 直 接 メイト問 題 においては、理 想 的 にはどの黒 の応 手 に対 しても白 の指 し手 は1つでなくてはならない。最 初 の手 (キー)以 外 で白 の指 し手 に選 択 肢 があるものはデュアルと呼 ばれる。キーが複 数 ある場 合 とは違 って、デュアルはそのプロブレムに他 の面 で魅 力 が大 きければ許 容 されることも多 い。解 は手 あたり次 第 の読 みによって出 てくるものではなく、なんらかのテーマに沿 って説 明 できるものでなくてはならない。よく用 いられるテーマには独 特 の名 称 がついている(一 部 は用 語 の項 に挙 げた)。解 の初 手 (キー)は自 明 なものであってはならない。たとえばチェック、駒 取 り、直 接 メイトにおいて黒 キングの動 きを狭 める手 などは悪 いキーとされる。黒 キングの逃 げ道 のひとつをふさぐ手 でも、逃 げ道 の総 数 を減 らさないキーは認 められる。また、黒 からのチェックを防 ぐキーも特 に嫌 われる。一 般 的 に言 って、実 戦 における得 な手 から遠 いほど、意 外 性 のあるよいキーということになる。問 題 図 にはポーンの昇 格 によって生 じた駒 があってはならない。盤 上 の駒 は例 外 なく、作 意 解 を成 立 させるためか、別 解 を排 除 するために役 立 っていなくてはならない。解 答 者 の注 意 をそらすための余 分 な駒 (飾 り駒 )を加 えてはならない(まれに、それがテーマに貢 献 している場 合 は認 められることがある)。またそのテーマがより少 ない駒 数 で表 現 できるのなら、そうすべきである。- プロブレムは
手 の効 率 を見 せなくてはならない。テーマは実 現 可 能 な最 短 手 数 で見 せることが望 ましい。この点 は、詰 将 棋 や詰 碁 とは異 なるところである。詰 将 棋 や詰 碁 の趣 向 作 では、テーマを最 大 限 に繰 り返 して長 手 数 作 品 に仕 上 げることがよく行 われるからである。
主 な種 類
[プロブレムにはさまざまな
直 接 メイト(directmate) -白 が初 手 を指 し、黒 がどのように応 じても指 定 された手 数 以 内 で黒 のキングが詰 まされる(稀 に黒 が初 手 になるものもある)。さらに以 下 に分 類 される。- 2
手 問 題 -白 が1手 指 し、黒 がどのように応 じても次 の手 で黒 のキングが詰 まされる。 - 3
手 問 題 -白 が1手 指 し、黒 がどのように応 じても次 の手 またはその次 の手 で黒 のキングが詰 まされる。 - n
手 問 題 -白 が1手 指 し、黒 がどのように応 じても指 定 された手 数 以 内 で黒 のキングが詰 まされる。
- 2
- ヘルプメイト -
黒 が初 手 を指 し、黒 白 が協 力 して黒 のキングを(最 短 で)詰 ませる - セルフメイト -
白 が初 手 を指 し、黒 の意 思 にかかわらず黒 が白 のキングを詰 ませる - リフレクスメイト - セルフメイトに、
白 黒 双 方 とも次 の1手 でチェックメイトできる手 があれば、その手 を指 さなければならないという条 件 を付 加 したもの。この条 件 を黒 のみに適 用 したものは準 リフレクスメイトと呼 ぶ。 連 続 系 -一 方 が連 続 して手 を指 すもの。いずれの場 合 も、相 手 キングへは最 終 手 を除 いてチェックをかけてはならない。連 続 メイト -白 が連 続 して何 手 か指 し、黒 のキングを詰 ます形 式 連 続 ヘルプメイト -黒 が連 続 して何 手 か指 し、白 が1手 指 して黒 のキングを詰 ます形 式 のヘルプメイト連 続 セルフメイト -白 が連 続 して何 手 か指 し、黒 が1手 (強 制 手 )指 して白 のキングを詰 ます形 式 のヘルプメイト連 続 リフレクスメイト -白 が連 続 して何 手 か指 し、黒 が1手 指 して白 のキングを詰 ます形 式 のリフレクスメイト
どの
- レトログレード
解 析 -指 定 された局 面 に至 る手 順 を求 めること。プロブレムとしてはある局 面 を提 示 し、たとえば「白 の最 終 手 は?」「c1にあったビショップはどう移 動 したか?」などと問 う直 接 的 なものもあれば、通 常 のプロブレム(直 接 メイトなど)の局 面 が、アンパッサンが可 能 か、キャスリングが可 能 かなどを判 断 する必 要 がある局 面 であるという間 接 的 なものもある。レトログレード解 析 が主 目 的 であるようなプロブレムは単 にレトロと呼 ばれることもある。レトロプロブレムの一 種 で非 常 に重 要 なものとして次 のものがある。最 短 プルーフゲーム -解 答 者 はチェスの初 形 から与 えられた局 面 までのゲーム手 順 を答 える。その局 面 を実 現 するにあたって白 黒 双 方 が協 力 するが、指 し手 はすべて合 法 手 でなければならない。通 常 は与 えられた局 面 に到 達 するまでの手 数 が決 まっているが、与 えられた局 面 を最 少 手 数 で実 現 する手 順 を求 めよという場 合 もある。
- Construction task - ある
条 件 を満 たすゲームあるいは局 面 を作 れという問 題 で、問 題 図 はない。たとえばサム・ロイドの出 題 (Le Sphinx誌 、1886年 )に「黒 が4手 で白 をメイトする手 順 を求 めよ」がある。解 答 は 1. f3 e5 2. Kf2 h5 3. Kg3 h4+ 4. Kg4 d5# である。ほかにはたとえば「連 続 した開 き王 手 が最 大 回 数 現 れるゲーム」「一 方 の色 の16個 の駒 を盤 上 に置 いて効 きが最 も少 ない局 面 」など、決 められた条 件 で最 大 あるいは最 小 の数 を問 うconstruction taskもある。
例 題
[a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 8 | |||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
これは、T. Tavernerが1881
このプロブレムを
プロブレムの
略 号
[プロブレムの
- # - チェックメイト
- = - ステイルメイト(フランス
語 でステイルメイトを意 味 するpatあるいはそれを略 記 したpが使 用 されることもある) - h - ヘルプメイト
- s - セルフメイト
- r - リフレクスメイト
- ser- -
連 続 ・・・
これらの
スタディでは、「
競 技 会
[プロブレムの
創 作 競 技
[解 答 競 技
[もうひとつ、
どちらの
称 号
[International Judge of Chess Compositionsの
用 語
[ここにあげた
- アイデアルメイト -
白 黒 双 方 のすべての駒 がメイトに参 加 しているピュアメイト。 - アリストクラート -
初 期 局 面 でポーンのないプロブレム。 - アルビノ -
白 のポーンが初 形 位 置 (2段 目 )にあり、4種 類 の指 し手 (1枡 前 進 、2枡 前 進 、左 への駒 取 り、右 への駒 取 り)が可 能 な状 況 が生 じるプロブレム。(関 連 項 目 :ピカニニィ) - アンチブリストル -
同 一 の線 上 における、黒 の同 種 の2駒 による干 渉 。(異 なる線 上 にある場 合 は、ホルツハウゼンという) - エクセルシオール -
解 の進 行 の間 に初 形 位 置 のマスにあったポーンが成 るために盤 の端 まで動 くようなプロブレム。サム・ロイドによる作 品 から命 名 された。 - S -
一 般 のチェスではナイトはNと表 記 するが、プロブレムではナイトをSと表 記 する(Sはドイツ語 のSpringerの頭 文 字 )。プロブレムでNといえば、フェアリー駒 のナイトライダーを意 味 する。 - n
手 詰 -白 が初 手 を指 し黒 がどのように応 じても高 々n手 で黒 のキングを詰 ませる、という条 件 (ただし、n > 3)を持 つ直 接 メイト。創 作 競 技 では、ヘルプメイト、セルフメイト、その他 のクラスに分 けられるのと同 様 、しばしば、2手 詰 、3手 詰 とクラスが分 けられる。 重 い -初 期 局 面 において比 較 的 駒 が多 いプロブレムに適 用 される形 容 詞 。重 さは効 率 の観 点 から可 能 な限 り避 けられるべきである。仮 想 手 - セットプレイとpost-key playとは逆 に、紛 れに続 く指 し手 。軽 い -初 期 局 面 において比 較 的 駒 数 の少 ないプロブレムに適 用 される形 容 詞 。軽 さは効 率 の観 点 から通 常 は望 ましい。干 渉 -第 2 の駒 によるある駒 の効 き筋 遮 断 、つまり、あるマスからその動 きを制 限 し遮 る。干 渉 の種 類 により、グリムショウ、ノボトニ、アンチブリストル、ホルツハウゼン、ビュルツブルグ-プラフッタ、プラフッタなど様 々な名 前 が与 えられている。- キー -
解 の初 手 。意 図 的 でなく、2つ以 上 の詰 む手 があるプロブレムは別 解 ありと言 われる。 - グロテスク -
非 常 に不 自 然 な初 期 局 面 、特 に大 量 の駒 がある局 面 や白 のマスと黒 のマスで大 きく駒 数 に違 いがある局 面 、を持 つプロブレムあるいはスタディ。 - クリアランス -
一 般 的 に、駒 をある特 定 のマスに動 くことができるようにするある駒 の動 き。マスクリアランスでは、第 2の駒 が最 初 の駒 がいたマスを占 めることができるように最 初 の駒 が動 く。ラインクリアランスでは、第 2の駒 が最 初 の駒 がいたマスを通 過 して目 的 のマスへ動 けるように最 初 の駒 が動 く。ブリストルとしても知 られるラインバケーションは、ある駒 があるラインを動 いた後 、別 の駒 がその駒 の通 過 したマスに動 けるという、ラインクリアランスの特 別 な様 式 である。 - グリッド
盤 - チェス盤 を 2 × 2 のグリッドに 16分 割 した盤 。指 し手 は別 のグリッドに動 かすものに限 定 される。したがって、駒 の効 きが通 常 より減 少 する。 - グリムショウ、グリムショー - 2 つの
黒 の駒 がある地 点 で相 互 に干 渉 することを特 色 とする共 通 の仕 掛 け - Post-key play - キーの
後 に続 く指 し手 、すなわち、プロブレムの条 件 を満 たすような一 連 の指 し手 。これはセットプレイと仮 想 手 と対 立 する(これら双 方 はプロブレムの美 しさにおける重 要 な要 素 ともなる可 能 性 がある)。 効 率 、経 済 性 - プロブレムの創 作 において効 率 は一 般 的 に良 いことであるとみなされているが、それが何 を意 味 するか、そして効 率 的 であるために最 も重 要 であるものは何 かということを討 議 することは自 由 である。駒 あるいは force の効 率 (必 要 以 上 の駒 を使 用 しない)、空 間 の効 率 (チェス盤 を最 大 限 に用 い、すべての駒 をある隅 へ詰 め込まない)および動 機 の効 率 (そのテーマに適 切 な解 決 法 においてすべてのラインを保 つ)はすべて重 要 であるものとみなされる。先 を越 された -後 の作 者 が知 らないで、以 前 のプロブレムである特 定 のプロブレムのテーマと設 定 がすでに現 れていれば、そのプロブレムは先 を越 されたと言 われる。局 面 は同 一 である必 要 はなく、非 常 に似 ていれば足 りる。作 者 が故 意 にこのような作 品 を発 表 した場 合 、剽 窃 されたの語 が使 用 される。配 置 およびテーマは限 られた数 しかなく、またチェスプロブレムは何 百 年 もの間 作 成 されてきているため、もし相 対 的 に単 純 なテーマであるプロブレムの場 合 、現 実 に衝 突 の機 会 が高 い。しかし、同 一 作 や類 似 作 はいつでもすぐ知 らされるとは限 らない。- 3
手 詰 -白 が初 手 を指 し黒 がどのように応 じても高 々3手 で黒 のキングを詰 ませる、という条 件 を持 つプロブレム。創 作 競 技 において、(ヘルプメイト、セルフメイト、その他 のクラスに分 けられるのと同 様 、)しばしば、2手 詰 、n手 詰 とクラスが分 けられる。 実 戦 手 - post-key playの項 を参 照 のこと。- By-play - プロブレムのテーマに
直 接 結 びつかない変 化 。たとえば、3手 問 題 で初 手 に付 随 するスレットを防 がない変 化 のこと。 - シリンダー
盤 -盤 の端 がつながっているもの。a列 とh列 がつながっているものを垂 直 シリンダー盤 、1列 と8列 がつながっているものを水 平 シリンダー盤 という。a列 とh列 および1列 と8列 がつながっているものはアンカーリングと呼 ばれる。 - スイッチバック - ある
駒 が初 期 位 置 から動 いた後 、同 じ経 路 を通 って元 に戻 ること(たとえば、ルークが e3-e5-e3 と動 くこと)ラウンドトリップと比 べてみよ。 - スレット -
黒 が防 御 を放 棄 した場 合 に白 が指 す手 あるいは変 化 。キーの次 にスレットのないプロブレムはブロックである。 - セットプレイ -
先 に他 方 のプレイヤーが動 かしたとすれば、プロブレムの初 期 局 面 から可 能 となるような指 し手 。たとえば、直 接 詰 においては、セットプレイは(白 の指 し手 よりはむしろ)黒 の指 し手 から始 まる一 連 の指 し手 からなる。セットプレイが存 在 する場 合 、初 手 がセットプレイの筋 を変 化 させないことがままあるが、その場 合 プロブレムは完 全 ブロックであり、そうでない場 合 、プロブレムはミューテートである。セットプレイは「指 し手 の相 」の1つである。 - セルフメイト -
本 文 参 照 。 全 種 類 成 -解 にすべての可 能 な駒 種 へのプロモーション(ポーンの昇 格 )が含 まれるプロブレム。通 常 ならば、クイーン、ビショップ、ルーク、ナイト。局 面 にフェアリー駒 があればそれらの駒 へも成 れなければならない。相 -初 手 、紛 れ、セットプレイの後 の指 し手 はそれぞれ指 し手 の相 を構 成 する。セットプレイを持 つプロブレムは2つの相 を持 つと言 われる。(セットプレイは1つの相 であり、post-key playは別 の相 である)3つの紛 れを持 つプロブレムは4つの相 のプロブレムとなろう(各 紛 れは1つの相 であり、post-key playは第 4の相 である)。異 なる相 における指 し手 は時 折 互 いに関 連 しあう。- タートンダブリング -
第 2の駒 がある駒 の前 で同 一 のライン上 へ動 けるようにある駒 がそのラインを動 くダブリングの一 種 。それからこの第 2の駒 は第 1の駒 の動 きとは異 なる方 向 から動 く。ヘンリー・タートンに因 んで名 付 けられた。チェプラーダブリングと比 較 せよ。 - ダブリング -
互 いに守 りあえる2つの駒 を、同 一 の線 (ランク、ファイル、斜 線 )上 に重 ねる動 き。タートンダブリングとチェプラーダブリングはその特 殊 な場 合 である。 - チェプラーダブリング -
第 2の駒 がある駒 の後 ろで同 一 のライン上 へ動 けるようにある駒 がそのラインを動 くダブリングの一 種 。それから第 1の駒 は前 と同 じく同 一 の方 向 へ再 び動 く。エリッヒ・チェプラーに因 んで名 づけられた。タートンダブリングと比 較 せよ。 直 接 メイト - (先 に動 かす)白 が、あらゆる防 御 に対 して指 定 された手 数 で黒 をメイトとするよう要 求 されるプロブレム。そのようなプロブレムは通 常 、「(check)mate in two」(2手 詰 )あるいはより多 い手 数 による詰 の条 件 により示 される。直 接 メイトの語 はこれらの種 類 のプロブレムと、ヘルプメイト、セルフメイト、リフレクスメイト、その他 と区 別 するのに有 益 である。- ツイン -
同 一 の作 者 が作 成 し、互 いに少 し配 置 の異 なる2つ以 上 のプロブレム。通 常 は、駒 の位 置 が異 なる、駒 が増 減 している、駒 の種 類 が異 なる、の3つがある。 - テーマ - プロブレムにロジック、
統 一 性 、美 を与 える隠 されたアイデア。 - デュプレックス - 2つの
解 があり2番 目 の解 が第 1の解 における色 の役 割 を変 えたものであるプロブレムの種 類 。つまり、先 に黒 が指 しても詰 むし、先 に白 が指 しても詰 む。デュプレックスの最 も一 般 的 な種 類 はヘルプメイトである。 - ドミネーション - スタディにおいて、ある
駒 の動 きにかなりの自 由 度 があるにもかかわらず、取 られる運 命 にある状 態 。 - 2
手 詰 -白 が初 手 を指 し黒 がどのように応 じても2手 で黒 のキングを詰 ませる、という条 件 を持 つプロブレム。創 作 競 技 において、(ヘルプメイト、セルフメイト、その他 のクラスに分 けられるのと同 様 、)しばしば、3手 詰 、n手 詰 とクラスが分 けられる。 逃 げ道 -黒 のキングが合 法 的 に移 動 できる(すなわち、白 の駒 で守 られておらず、黒 の駒 で占 められていない)マス。もし黒 がこれらのマスのうちの1つへ駒 を動 かせば、キングの可 動 性 が減 少 し、セルフブロックとなる。黒 がこれらのマスうちの1つから動 かせば、それはsquare-vacationである。- ノボトニ - 2つの
駒 から取 られる可 能 性 のある位 置 への捨 駒 により、取 った駒 により他 方 の駒 の利 きを遮 断 する手 筋 。本 質 的 にグリムショウは重 要 なマスへの白 の捨 て駒 によりもたらされる。 - バージョン -
以 前 のプロブレムの改 作 であるようなプロブレム。作 品 の効 率 を改 善 したり、別 解 を排 除 するためのものであることが多 い。 - バッテリー -
後 ろの駒 から攻 撃 をするために前 の駒 が動 く(つまり、将 棋 で言 う開 き王 手 をするための)1対 の駒 。たとえば、白 のナイトが白 のルークと黒 のキングの間 にいて、そのナイトが動 く、すなわちバッテリーが開 かれれば、チェックがかかる。 - バブソンの
課 題 -黒 のポーンの成 に対 し、白 のポーンが同 じ駒 に成 ることで応 えるプロブレム。全 種 類 成 の特 殊 な場 合 である。 - ピカニニィ -
黒 のポーンが初 形 位 置 (2段 目 )にあり、4種 類 の指 し手 (1枡 前 進 、2枡 前 進 、左 への駒 取 り、右 への駒 取 り)が可 能 な状 況 が生 じるプロブレム。(関 連 項 目 :アルビノ) - ピュアメイト - メイトされたキングとその
周 りのすべての空 きマスは敵 からは1つの駒 の利 きしかなく、(間 に入 ってチェックを防 ぐためにそのような駒 がピンされない限 り)キングの周 りにいる味 方 の駒 は敵 側 から攻 撃 されていない状 態 であるメイト。 - ビュルツブルグ-プラフッタ -
異 なるライン上 の動 きが似 た2つの黒 の駒 の間 での相 互 干 渉 。本 質 的 に、ある変 化 では駒 B で駒 A を干 渉 し、別 の変 化 では駒 A で駒 B を干 渉 する、ホルツハウゼン干 渉 の対 。重 要 なマスでの白 の捨 て駒 によりその干 渉 がもたらされるのであれば、それはプラフッタである。 - フェアリーチェス -
通 常 のルールでないチェス。キルケ、マキシ、非 伝 統 的 な駒 種 (フェアリー駒 )を使 用 するもの、非 伝 統 的 な盤 (たとえば、シリンダー盤 やグリッド盤 )を使 用 するものなどがある。 複 数 解 、デュアル -理 想 的 には、プロブレムを解 く際 に、白 は1つの指 し手 だけを持 つべきである。初 手 以 外 のどの手 番 でも白 に代 わりの手 があれば、複 数 解 である。複 数 解 は別 解 ほど重 大 な欠 点 ではなく、さほど重 要 でない筋 では複 数 解 は許 されるかもしれない(この点 で意 見 が異 なる)。デュアル回 避 ― 2つの明 らかに等 価 な白 の指 し手 のうち1つだけが働 かせる ― により美 徳 となすプロブレムもある。- プラフッタ、プラチュッタ -
捨 てられた白 の駒 が2個 の同 様 な動 きをする黒 の駒 により取 られる可 能 性 があり、その白 の駒 をどちらで取 っても、他 方 の駒 を干 渉 するプロブレム。本 質 的 に重 要 なマスでの白 の捨 て駒 によりもたらされるホルツハウゼン干 渉 (あるいはビュルツブルグ-プラフッタ干 渉 )と対 である。 - プルーフゲーム -
与 えられた手 数 で作 者 が与 えた最 終 局 面 となる対 局 を構 成 するというプロブレム。レトログレード解 析 の一 種 である。 - ブロック - キーがスレットを
用 意 しないが、黒 がツークツワンクである局 面 になるようなプロブレム。完 全 ブロックの作 品 では、セットプレイにおけるすべての黒 の手 はメイトをもたらし、キーは単 に手 待 ちとなる。不 完 全 ブロックにおいては、セットプレイにおいてすべての黒 の手 がメイトをもたらす訳 ではない。― その初 手 はメイトしないものに備 える。ミューテートではセットプレイにおいてもたらされるいくつかのメイトは初 手 に従 って変 更 される。 別 解 -作 者 が気 づかなかった第 2の初 手 。別 解 は重 大 な瑕 であり、プロブレムを無 価 値 にする。かつては、発 表 後 に別 解 が発 見 されることは珍 しくなかったが、最 近 ではコンピュータによる検 討 が行 なわれるようになり、めったになくなった。- ヘルプメイト -
本 文 およびデュプレックスの項 を参 照 のこと。 - マキシ -
黒 が合 法 手 のなかで最 も長 い指 し手 を指 す義 務 のあるプロブレム。指 し手 の長 さは、たとえば、1つ右 に動 く手 は1、1つ斜 め前 に動 く手 はルート2、ナイトが動 く手 はルート5である。最 も長 い差 し手 が複 数 ある場 合 はその中 から1つ選 択 できる。セルフメイトに付 加 されることが多 い。 紛 れ - キーと異 なり、黒 の唯 一 の強 防 により詰 まない手 。紛 れの後 の変 化 は仮 想 手 と呼 ばれ、プロブレムを満 足 させるものにする重 要 な一 部 でありうる。- ミニアチュア -
初 期 局 面 で駒 数 が7個 以 下 であるようなプロブレム。 - ミューテート - セットプレイにおける
少 なくとも1つの詰 筋 が初 手 に続 くよう変 化 するようなブロックプロブレムの1種 。 - メレディス -
初 期 局 面 で駒 数 が8から12個 であるようなプロブレム。 - モデルメイト -
白 のキングとポーンを除 くすべての駒 がメイトに参 加 しているピュアメイト。キングとポーンはメイトに参 加 していても構 わない。ボヘミアンスクールの一 員 による特 定 の特 徴 のプロブレム。 - ラウンドトリップ -
解 において、あるマスを離 れた駒 が後 に遠 回 りの経 路 で(たとえば、ルークがe3-g3-g5-e5-e3と動 く)そこに戻 るもの。スイッチバックと比 べてみよ。 - Lacny、Lacnyサイクル - ある
指 し手 の相 において、応 手 a, b, c に対 しそれぞれ A, B, C で詰 ませ、他 の指 し手 の相 において、応 手 a, b, c に対 しそれぞれ B, C, A で詰 ませるプロブレム。他 の指 し手 の相 は、セットプレイ、トライ、ツインの2解 目 などが相 当 する。さらに別 の指 し手 の相 において、応 手 a, b, c に対 しそれぞれ C, A, B で詰 ませるプロブレムは完 全 Lacnyと呼 ばれる。応 手 は3つ以 上 であればよい。最 初 にこのテーマを発 表 した人 名 からこう呼 ばれている。 - リフレクスメイト -
本 文 参 照 。 - レトログレード
解 析 、レトロ解 析 、レトロ -与 えられた局 面 への指 し手 の推 論 。プロブレムが、(たとえば、プルーフゲームあるいは課 題 が黒 の最 終 手 を決 定 するプロブレムにおけるように)完 全 にレトログレード解 析 で構 成 されることや、あるいはより大 きなプロブレムの一 部 となることがある (たとえば、与 えられた局 面 へ至 る途 中 でキングを動 かし(これはキャスリングできないことを意 味 する)、したがって解 を正 しく与 える(キャスリングする手 が誤 りである)ことを決 定 するために必 要 となることがある)。 連 続 詰 -一 方 が連 続 して指 すことのできるプロブレム。本 文 も参 照 のこと。
脚 注
[注 釈
[- ^
解 答 1. Sh5+ Rxh5 2. Rxg6+ Kxg6 3. Re6#
出 典
[関 連 項 目
[- チェス
- エンドゲーム・スタディ
- ウラジーミル・ナボコフ -
小 説 だけでなく、チェス・プロブレムの作 家 としても有 名 。 - サム・ロイド - パズル
作 家 、チェス・プロブレムの作 品 も多 い 若 島 正 (日 本 チェス・プロブレム協 会 前 会 長 、解 答 IM)詰 将 棋 詰 碁
外 部 リンク
[![]() |
- チェス
用 語 小 辞 典 (英 和 ) (プロブレム用 語 の説 明 もある) - プロブレム
創 作 常 置 委 員 会 - Solving Chess -
解 答 競 技 部 門 の大 会 告 知 、結 果 発 表 - ウェイバックマシン(2001年 4月 6日 アーカイブ分 ) 英 国 チェスプロブレムソサエティ- フィンランドチェスプロブレムソサエティ
- Problemesis - オンラインのプロブレム
雑 誌 (英 語 またはフランス語 ) - Problemesis -
用 語 集 とテーマのリスト - Die Schwalbe - ドイツのチェスプロブレム
雑 誌 (ドイツ語 ) - Mat Plus - ユーゴスラビアのチェスプロブレムソサエティの
機 関 誌 - Probleemblad - オランダチェスソサエティの
機 関 誌 (英 語 またはオランダ語 ) - StrateGems - Official publication of the Good Companions
- Chess Composition Books - パブリックドメインのプロブレム
作 品 集 - Chess Problem Database Server - プロブレムデータベース
- Chess Composition Microweb
- Bruno's Chess Problem of the Day (in English and French)
- a8Q!, Chess Composition Resource
- Chess Puzzles by Grandmasters
- ChessBase Puzzles
- ChessProblems - インタラクティブにプロブレムを
解 くサイト - The Retrograde Analysis Corner - レトロ
解 析 の問 題 に特 化 したサイト