写 真 フィルム
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概 説
[歴 史
[1990
分 類
[用 途 別
[- モノクロフィルム
黒 と白 の濃 淡 (モノクロ)で表 現 するフィルム。現 在 でもよく使 われ、カラーフィルムの現 像 プロセスで現 像 するモノクロフィルムも市 販 されている。かつてはネガフィルムだけでなくリバーサルフィルム(ポジフィルム)も製 造 されていた(8ミリ映 画 用 モノクロフィルムは大 半 がリバーサルだった)。現 在 は一 部 の現 像 液 を用 いて反 転 現 像 処 理 をすることでポジが得 られる。
- コピー
用 フィルム 文 献 等 の複 写 を行 なうときに使 うフィルム。コントラストが強 く、高 解 像 度 。一 般 的 なマイクロフィルムはここに含 まれる(マイクロフィルムは古 くはモノクロ・文 献 用 のみだったが、現 在 ではカラーの階 調 画 像 を記 録 するものもある)。- カラーフィルム
-
- リバーサルフィルム
被 写 体 の色 がそのまま再 現 されるフィルム。ポジフィルムともいう。透 過 原 稿 用 ・スライド映 写 機 での鑑 賞 用 に使 われる。また8ミリ映 画 用 カラーフィルムの大 半 はリバーサルだった。
- ネガフィルム
被 写 体 の色 や濃 度 が反 転 するフィルム。映 画 用 やプリント用 などに一 般 に広 く利 用 されている。ネガと略 称 することもある。
- インスタントフィルム
撮 影 後 、特 別 の現 像 作 業 を必 要 とせず写 真 が完 成 するフィルムまたは印 画 紙 。数 十 秒 から10分 程 度 で可 視 像 が得 られることからインスタント(即 席 )と呼 ばれる。
感 色 性 別
[- レギュラー・クロマチック
青 紫 -青 色 光 の波 長 にのみ感 光 するフィルム。主 に製 版 用 フィルム。- オルソ・クロマチック
青 紫 -黄 色 光 の波 長 にのみ感 光 するフィルム。かつてはポートレート用 に盛 んに使 用 された。コダックのヴェリクロームが代 表 的 なフィルムである。- パン・クロマチック
全 整 色 性 フィルム、青 紫 -赤 色 光 の可 視 光 線 全 域 の波 長 に感 光 するフィルム。現 在 のモノクロフィルムはほとんどがこのタイプである。- スーパーパン・クロマチック
可 視 光 線 全 域 の波 長 、さらには一 部 の赤 外 線 領 域 にまで感 光 するフィルム。赤 外 線 フィルム赤 外 域 に感 度 をもつモノクロフィルムとカラーリバーサルフィルム(両 方 ともコダックから発 売 )。科 学 記 録 や不 可 視 環 境 撮 影 (夜 間 監 視 など)で使 用 される。肉 眼 (可 視 光 )と異 なる独 特 の画 像 が得 られるので、芸 術 目 的 の風 景 写 真 などにも使 われる。詳 細 は赤 外 線 フィルムを参 照 。放 射 線 用 フィルム放 射 線 によって感 光 するフィルム。主 に医 療 や産 業 で利 用 。広 義 にはエックス線 用 フィルムもここに含 まれるが、通 常 はガンマ線 を使 った撮 影 に使 用 されるフィルムを言 う。そのほか、電 離 放 射 線 を検 出 する感 光 材 料 という意 味 では、核 物 理 学 や天 文 学 の分 野 では原 子 核 乾 板 と呼 ばれる写 真 乾 板 がなお主 流 である。- エックス
線 用 フィルム 医 療 用 に用 いられるエックス線 フィルムは、X線 を吸 収 して蛍 光 を放 つ増 感 紙 (スクリーン)と組 み合 わせて使 用 されるスクリーンタイプが一 般 的 であった。患 者 を通 過 したエックス線 は増 感 紙 を発 光 させ、フィルムは増 感 紙 の蛍 光 により感 光 する。フィルムの分 光 感 度 特 性 は増 感 紙 の発 する蛍 光 に対 応 しており、レギュラータイプの増 感 紙 にはレギュラー・クロマチックタイプの乳 剤 を使 用 したフィルム、オルソタイプの増 感 紙 にはオルソ・クロマチックタイプの乳 剤 を使 用 したフィルムを組 み合 わせるのが最 適 である。多 くの用 途 では感 度 を稼 ぐ(すなわち患 者 の被 曝 量 を低 減 させる)ために、フィルムの表 裏 両 面 に乳 剤 が塗 布 されている両 面 乳 剤 フィルムが用 いられた。この場 合 、増 感 紙 は二 枚 使 われ、フィルムを両 面 から挟 み込む。特 にX線 で直 接 感 光 させるフィルムをノンスクリーンタイプエックス線 フィルムと呼 ぶ。この種 のフィルムは感 光 効 率 が低 く、高 いX線 輝 度 を必 要 とするため、歯 科 など特 定 分 野 に限 って使 用 された。医 療 用 途 では、さらに高 感 度 が望 めること、現 像 処 理 に要 する時 間 が不 要 なこと、現 像 液 等 の排 液 が出 ないこと、電 子 カルテと相 性 が良 く保 存 が確 実 でスペースをとらないことから、急 激 にフィルムからデジタル機 器 への置 き換 えが進 行 していて、撮 影 された画 像 は電 子 カルテのモニターで見 るのが一 般 的 になりつつある。フィルムとしての実 体 が必 要 な場 合 はレーザープリンター様 の専 用 プリンターで専 用 のフィルム(当 然 のことながら乳 剤 は塗 布 されていない)に印 刷 する。- なお、
大 半 の写 真 フィルムはX線 で感 光 する。そのため、空 港 での手 荷 物 検 査 時 にフィルムがX線 かぶりを起 こすことがある。
色 温 度 別
[カラーフィルムは
- デイライトタイプ
色 温 度 5500度 K - 5900度 Kによる撮 影 で正 しいホワイトバランスが得 られるよう設 計 されたフィルム。ほとんどのカラーリバーサルフィルムはこのデイライトタイプである。昼 光 、青 色 写 真 電 球 、青 色 フラッシュバルブ、フラッシュライトによる撮 影 に使 用 。- タイプA(タングステンタイプ)
- 3400
度 Kの写 真 電 球 や小 型 映 画 用 ハロゲンランプによる撮 影 で正 しいホワイトバランスが得 られるよう設 計 されたフィルム。小 型 映 画 用 の8mmフィルムはこのタイプであったし、かつてコダクロームにKPAというプロ用 のタイプAフィルムが存 在 した。 - タイプB(タングステンタイプ)
- 3100
度 K - 3200度 Kの一 般 的 な写 真 電 球 による撮 影 で正 しいホワイトバランスが得 られるよう設 計 されたフィルム。現 在 でもプロ用 のエクタクロームEPYやフジクロームT64などが発 売 されており、スタジオでの商 品 や人 物 撮 影 に用 いられている。コダックのラッテン(Wratten )85Bフィルターまたはその同 等 品 を用 いることにより昼 光 でも使 用 できる。 - タイプF
- 3800
度 Kのクリアフラッシュバルブによる撮 影 で正 しいホワイトバランスが得 られるよう設 計 されたフィルム。かつてエクタクロームタイプF(ASA32)が存 在 したがフラッシュライトが普 及 して姿 を消 した。 - タイプE
- タイプEというのは
正 式 な名 称 ではないが、6500度 Kの初 期 のフラッシュライトによる撮 影 で正 しいホワイトバランスが得 られるよう設 計 されたフィルム。かつてアンスコのアンスコクロームに存 在 したのが唯 一 のものである。 - タイプS
- プロ
用 カラーネガフィルムは相 反 則 不 軌 の影 響 を避 けるため、短 時 間 露 光 用 と長 時 間 露 光 用 の双 方 が製 造 された。タイプsは短 時 間 露 光 用 でデイライトタイプである。 - タイプL
- プロ
用 カラーネガの長 時 間 露 光 用 でタングステンタイプである。1/30秒 より長 い露 光 時 間 で適 正 なカラーバランスが得 られる。
形 態 別
[- ロールフィルム
長 いフィルムを巻 いて使 うもの。一 般 の写 真 フィルムは主 にこれ。- シートフィルム
- ビューカメラやレントゲン
装 置 (直 接 撮 影 )で用 いられる。いわゆる4×5in、8×10inサイズはシートフィルム。(なお、インスタントカメラにおいて像 を得 るために使 われる材 料 は、シートフィルムに近 いがどちらかというと印 画 紙 の一 種 であるが、商 品 の名 称 としては「インスタントフィルム」となっている) - ディスクフィルム
円 盤 状 のフィルムを回 転 させつつ撮 影 する。
ISO感 度 別
[ISO
低 感 度 一 般 にISO感 度 100未 満 を低 感 度 という。粒 状 性 は非 常 に細 かく、解 像 力 などの描 写 特 性 も非 常 に高 い。そのため感 度 が低 い事 による使 いにくさを覚 悟 しても、解 像 度 や色 再 現 、質 感 などを徹 底 して要 求 される被 写 体 の撮 影 に用 いる。その一 例 として、大 きなサイズで高 画 質 での引 き延 ばしが必 要 な場 合 や、精 密 さを要 求 される接 写 、風 景 写 真 、商 品 写 真 や若 い女 性 のポートレートといった用 途 が挙 げられる。また意 図 的 に低 シャッター速 度 や開 放 絞 りが明 るい条 件 で必 要 な場 合 にも用 いられる。カラーの場 合 、ほとんどがリバーサルタイプである。中 庸 感 度 一 般 にISO感 度 100 - 200程 度 を中 庸 感 度 という。感 度 ・粒 状 性 ・解 像 度 などが低 感 度 や高 感 度 に比 べて中 間 的 な性 質 を持 ち、用 途 的 にも比 較 的 無 難 で、標 準 的 なものである。しかし最 近 ではこのクラスも従 前 の低 感 度 クラスと同 等 以 上 の描 写 性 を持 つようになって来 たし、ネガフィルムの場 合 ISO400クラスが標 準 感 度 になりつつある。高 感 度 一 般 にISO感 度 400 - 1000程 度 を高 感 度 という。粒 状 性 はやや粗 いが、今 では従 前 のISO100と同 等 以 上 にまで描 写 性 が改 善 され、感 度 本 位 のものとして、白 黒 ネガやカラーネガではISO400クラスが標 準 感 度 になりつつある。ISO100クラスに比 べ日 中 屋 外 でも天 候 の変 化 などに対 しても使 いやすく、特 にF値 の暗 いレンズが多 いズームやコンパクトカメラでは有 利 である。F値 の明 るい単 レンズでは、高 速 シャッターの使 用 や、室 内 でのノンフラッシュ手 持 ち撮 影 が可 能 となることもある。またモノクロや内 式 カラーリバーサルの場 合 、ISO1600 - 5000程 度 までの増 感 現 像 が可 能 な場 合 もある。超 高 感 度 一 般 にISO感 度 1600以 上 を超 高 感 度 という。粗 粒 子 であり、これも従 前 のISO400 - 800クラス並 みに改 善 されたとはいえ、画 質 の面 では他 の感 度 に比 べ明 らかに差 がつく。そのため室 内 スポーツや超 望 遠 レンズの手 持 ち撮 影 、ライブなどの舞 台 、盆 踊 りや縁 日 などの夜 間 の夏 祭 り、博 覧 会 場 などの屋 内 展 示 場 、天 体 撮 影 など多 少 の写 りの悪 さを覚 悟 しても高 い感 度 が必 要 な暗 い場 面 や高 速 の被 写 体 に用 いる。また意 図 的 に粗 粒 子 表 現 を行 いたい場 合 にも用 いられる。モノクロの場 合 はISO6400またはそれ以 上 の増 感 が可 能 な場 合 もある。
規 格 別
[- 2×3in
- シートフィルム。
- 3×4in
- シートフィルム。
- 4×5in
大 判 カメラ用 のシートフィルム。通 称 シノゴ。揺 らしてもフィルムがずれないというメリットがあるクイックロード式 フィルムホルダーが使 われていた時 期 があるが、現 在 はすべて生 産 を終 えている。- 5×7in
大 判 カメラ用 のシートフィルム。通 称 ゴヒチ。- 8×10in
大 判 カメラ用 のシートフィルム。通 称 エイトバイテン、略 してバイテンとも呼 ばれる。- 11×14in
大 判 カメラ用 のシートフィルム。イレブンフォーティーンと呼 ばれる。通 常 販 売 されていることは少 なく、受 注 生 産 がほとんど。- 8ミリ
映 画 用 フィルムの規 格 。幅 16ミリの映 画 用 フィルムを半 裁 して片 パーフォレーションの8ミリ幅 としたもの。映 画 『ローマの休 日 』で有 名 になった鈴 木 光 学 のエコー8はこの8ミリ幅 フィルムを使 用 した6×6mm判 の20枚 撮 りスチールカメラ。- その
後 、送 り機 構 に必 要 な幅 を小 さくして画 面 寸 法 を広 げ画 質 改 善 をはかった「スーパー8」「シングル8」という新 規 格 が誕 生 した(旧 来 の16ミリフィルムを使 う規 格 は「レギュラー8」「スタンダード8」「ダブル8」などと呼 ばれて区 別 される)。 - 8ミリはアマチュア
用 の映 画 の規 格 と位 置 づけられており、フィルムの使 用 量 の削 減 が重 要 であったことから、リバーサルフィルムが多 く用 いられていた(ネガタイプのフィルムを使 うと、ネガとそれを反 転 させた上 映 用 プリントが必 要 になり、フィルムの使 用 量 が2倍 になってしまうため)。 - 9.5ミリ
映 画 用 フィルムの規 格 。フランスのパテが開 発 し1922年 に発 表 したパテーベビー・ホームフィルムシステムの規 格 。フィルム幅 は9.5ミリだがセンターパーフォレーションの独 特 のフォーマットを採 用 してフィルム幅 いっぱいにフレームを取 っていたことから画 面 寸 法 が広 く画 質 が良 いことが特 徴 だった(8ミリ・ダブル8規 格 と比 べて、フィルム幅 はわずかに20%増 し程 度 であったものの、画 面 寸 法 は実 に3倍 にも達 する[注 釈 4])。- この
規 格 は、映 画 を商 品 として市 販 ・流 通 させることを目 的 として開 発 された。35ミリフィルムでプリントを作 成 したのちパーフォレーション間 を3等 分 したら幅 が9.5ミリになったとされる。撮 影 用 カメラも市 販 されていた。字 幕 のために約 14秒 で2コマを映 写 させるストップモーション機 構 があり、字 幕 のコマに投 光 する時 間 が長 いことから難 燃 性 のフィルムが用 いられていた[4]。 日 本 には1924年 に伴 野 商 店 (東 京 ・銀 座 )(現 :伴 野 貿 易 株 式 会 社 )によって輸 入 が開 始 され、第 二 次 世 界 大 戦 前 にはかなりの勢 力 となっていたが、戦 争 によりフィルムの入 手 が困 難 となり中 断 、敗 戦 後 には16ミリや8ミリにとってかわられて消 えていった。- 9.5ミリ
幅 のパテーベビー規 格 のフィルムは、スパイカメラとして有 名 な超 小 型 スチールカメラのミノックスの規 格 にも影 響 を与 えた。ただしパテーベビーとミノックスは、フィルム幅 こそ同 じではあるもののミノックス用 にはパーフォレーションがなく、相 互 に転 用 はできない。 - 16ミリ
映 画 用 フィルムの規 格 。ニュース映 画 やドキュメンタリー映 画 の取 材 ・テレビ番 組 やテレビCMの送 り出 し・ハイアマチュアの自 主 映 画 製 作 ・小 規 模 上 映 などの用 途 に使 われた。編 集 を前 提 とする用 途 であったため、基 本 的 にはネガフィルムでありその後 反 転 焼 付 けをして上 映 用 フィルムを得 た。本 来 は両 パーフォレーションで1駒 あたり2つずつあいていたが、その後 いろいろと改 善 され、現 在 では長 さあたりの穴 数 を半 分 に減 らし1駒 1パーフォレーションとしたものや、片 パーフォレーションにしたものが多 い(サウンドトラックは、片 側 のパーフォレーションがあった部 分 を使 っている)。- このフィルムを
流 用 したスチールカメラもあり、1960年 代 頃 まではそのためのカートリッジフィルムも販 売 されていた。画 面 サイズは10×14mm。その後 は販 売 されていないが、映 画 用 のフィルムをハンドロードすることで使 用 は可 能 。「ミノルタ16」「マミヤ16」などが有 名 。ビスカワイド16は画 面 サイズ10×52mmで水 平 包 括 角 度 100度 。ローライ16、エディクサ16等 が採 用 するドイツのDIN-16規 格 ではスーパー16のフィルムがマガジンに装 填 され画 面 サイズも12×17mmである。 - 17.5ミリ
映 画 用 フィルムの規 格 。規 格 として一 番 普 及 したのはフランスのパテが採 用 したパテールーラルで、32コマ/ft。本 国 では大 都 市 35ミリ、小 都 市 17.5ミリという棲 み分 けがされて一 時 かなり普 及 した。日 本 では伴 野 文 三 郎 が1931年 にフランスのサイレント映 画 を大 量 に輸 入 したが、日 本 での主 流 はすでにアメリカ式 の16ミリになっていた。他 にエルネマンのキノックスとそれをコピーした曽 根 春 翠 堂 のキネオカメラ、日 本 デブリーのシリウス式 、35ミリフィルムを片 側 ずつ往 復 撮 影 して裁 断 するニュースタンダード式 などがある。
- 20ミリ
- 1938
年 に、アース光 学 から「グッチー」が発 売 され、その時 に使 われたカメラのフイルム規 格 。「20ミリ・18×18mm」は、アース光 学 のグッチー・トップと、秋 田 製 作 所 のマイクロフレックスだけが採 用 した規 格 だった[5]。
- 22ミリ
映 画 映 写 用 フィルム。トーマス・エジソンが1912年 発 売 したホームキネトスコープが採 用 していた。画 面 は3列 になっており、真 ん中 の列 は天 地 逆 になっている。上 の列 を上 映 し終 わるとレンズをずらしてハンドル逆 回 転 により真 ん中 の列 を上 映 する。撮 影 機 は製 作 されていない。酢 酸 セルロース製 の緩 燃 性 のセーフティーフィルムが初 めて使 用 された。- 28ミリ
映 画 用 フィルム。フランスのパテが1910年 発 売 した「パテスコープ」が採 用 していた。パーフォレーションは片 側 が35ミリフィルムと同 様 の1コマ4個 であるが、もう片 側 は1コマ1個 。- 35ミリ
元 々は映 画 用 フィルム。通 常 の商 業 映 画 に使 われる。その後 、スチール写 真 用 フィルムにも転 用 され、映 画 ・スチール両 方 の世 界 でもっとも一 般 的 なフィルムとなった。映 画 用 としての35ミリフィルム世 界 最 初 の映 画 システムであるトーマス・エジソンのキネトグラフ/キネトスコープ、映 写 できる最 初 の映 画 システムであるリュミエール兄 弟 のシネマトグラフともに採 用 していた。同 じ幅 になったのは、当 時 映 画 用 フィルムに使 用 できた唯 一 のフィルムがコダック製 の長 さ200ft、幅 42inのロールフィルムで、これを30分 割 したためである。ただしシネマトグラフではパーフォレーションが画 面 1駒 につき左 右 1個 ずつ。映 画 は原 則 フィルムを縦 に走 らせる。スタンダード比 率 のトーキー映 画 の場 合 には16×22mmの画 面 寸 法 を持 つ。これ以 外 にも横 走 りワイドスクリーンの「ビスタビジョン」、フィルム節 約 用 の特 殊 フォーマット「テクニスコープ」、サウンドトラックを取 らない撮 影 専 用 の「スーパー35」など多 くの規 格 が並 存 しており、必 要 に応 じて選 択 される。- スチール
写 真 用 としての35ミリフィルム - 35ミリフィルムはスチールカメラ
用 にも流 用 され、映 画 用 と分 岐 したのち独 自 の発 展 を遂 げた。2003年 2月 現 在 世 界 的 に最 も広 く使 われている写 真 フィルム規 格 ともなっている。 - スチールに
使 われる35ミリフィルムは、短 く切 断 した上 でパトローネに装 填 して使 われることが多 かった。この様 式 について最 初 に製 造 したのはアグフア・ゲバルトであるが、ドイツ・コダックが「135」という規 格 名 を与 えてレチナと同 時 発 売 し、レチナの大 ヒットとともに一 般 化 した。現 在 一 般 に販 売 されているのは、35mm判 にして12枚 分 ・24枚 分 [注 釈 5]・36枚 分 をそれぞれ格 納 したもの。長 尺 のフィルムも販 売 されており[注 釈 6]、適 宜 切 断 してパトローネか専 用 マガジンに装 填 して使 用 する。過 去 の高 級 一 眼 レフの多 くは33フィートを一 括 して格 納 できる250枚 撮 りアクセサリーを用 意 していたし、ニコンF2に至 っては100フィートを格 納 し750枚 撮 りできるアクセサリーも用 意 されていた。 - スチール
写 真 用 フォーマットとしては、24mm×36mmの画 面 寸 法 のものが主 流 であり、これはライカにより普 及 したため「ライカ判 」と呼 ばれていたが、現 在 は「35mm判 」と呼 ばれている。ライカ以 前 にも35mmフィルムを使 ったカメラは存 在 したが、普 及 には至 らなかった。ライカ判 では8パーフォレーションを1駒 として撮 影 する。 他 にもいくつか画 面 寸 法 の規 格 がある。- 24mm×32mmの
露 光 サイズのものはフィルムが高 価 だった第 二 次 世 界 大 戦 敗 戦 直 後 に少 しでも撮 影 枚 数 を増 やそうという意 図 から作 られた規 格 で、ニホン判 ともいう。ワイド過 ぎたライカ判 に比 して縦 横 比 も美 しかったがアメリカ市 場 における自 動 現 像 機 の裁 断 に合 わず、すぐに廃 れた。採 用 したカメラにはニコンI、初 期 のミノルタ35、初 期 のオリンパス35、ミニヨン35があり、また同 時 代 日 本 メーカー群 の動 向 と無 関 係 にイギリスで製 造 されたレイフレックスオリジナル、チェコスロバキアでメオプタが製 造 したオペマ、ハンガリーで製 造 されたモミコン/モメッタ[注 釈 7]も全 く同 じフォーマットを使 用 する。このためニコン判 、オペマ判 等 とも呼 ばれる場 合 がある。7パーフォレーションを1駒 として撮 影 する。 - 24mm×24mm
判 はオットー・ベルニングのロボット、ツァイス・イコンのテナックス、キルフィットのメカフレックス、マミヤのスケッチ等 が採 用 しており「ロボット判 」と呼 ばれることがある。 - 24mm×18mm
判 は「ハーフ判 」と呼 ばれることが多 い。ハーフとは先 に一 般 化 したライカ判 に対 して半 分 という意 味 だが、映 画 フィルムの一 般 的 なフォーマットに近 く、「ライカ判 がダブルフレームである」とも言 える[注 釈 8])。ハーフサイズカメラは、オリンパスペンシリーズのヒットで一 時 一 般 化 しペトリハーフ、ミノルタレポ、コニカアイ、リコーオートハーフ、ヤシカハーフ、キヤノンデミ、フジカドライブ等 の追 随 製 品 が出 た。その後 もコニカレコーダー、京 セラサムライ等 断 続 的 に新 製 品 が発 売 されていたがフィルムの低 価 格 化 に伴 い廃 れている。 - その
他 マミヤ6MFにパノラマアダプターを使 用 する24×56mmパノラマ、ワイドラックスの24×59mmパノラマ、フジのTXシリーズとそのOEMであるハッセルブラッドX-Panが採 用 した24×65mmパノラマ等 がある。
- APS(IX240)
- 65ミリ/70ミリ
- これも
元 々は映 画 用 フィルムの規 格 として作 られたもの。 映 画 用 として、画 質 改 善 のために35ミリのものより大 きな画 面 寸 法 を持 つフィルムとして、65ミリ/70ミリシステムが開 発 された。撮 影 に65ミリ幅 のフィルムを使 い、上 映 にはその画 面 サイズにサウンドトラック(あるいは同 期 トラック)を付 加 した70ミリ幅 のフィルムを使 うというもの(「トッドAO」「ウルトラパナヴィジョン」の2方 式 )、撮 影 には35ミリ横 走 りのビスタビジョンを使 い上 映 に70ミリを使 うもの(「スーパーテクニラマ」)などがある。- この
規 格 のフィルムもまたスチール写 真 用 に転 用 された。120/220フィルムを使 用 するカメラの交 換 マガジン用 フィルムとして使 用 されることが多 い。 - 110
- カートリッジに
入 り、片 パーフォレーション16mm幅 で13×17mm判 。「ワンテン」、「ポケットフィルム」、「ポケットインスタマチック」などとも言 われる。1972年 にコダックが発 売 し、やがて主 要 なカメラメーカーも対 応 カメラを製 品 化 した。135フィルムを使 用 するカメラと比 較 して小 型 であることやカートリッジ式 によるカメラへの装 着 のしやすさから「ポケットカメラ」と呼 ばれ、携 帯 用 ・スナップ用 の手 軽 な機 種 を中 心 として1970年 代 から1980年 代 にかけて普 及 した。カメラの構 造 (特 にフィルム送 給 機 構 とそれに連 動 するシャッター)を簡 素 化 できるため、普 及 後 期 には安 価 で簡 素 なカメラが多 い。1980年 代 後 半 頃 に入 ると135フィルムカメラのコンパクト化 や、フィルムサイズに由 来 する画 質 の低 さにより急 速 に姿 を消 し、2000年 以 降 では、わずかにトイカメラが数 種 類 製 造 されるのみとなった。フィルムは近 年 でも富 士 フイルム(ISO100)、イタリアのフェッラーニア(Ferrania )の「Solaris」(ISO200)、アグファ(ISO200)、コダック (ISO400)の製 品 が国 内 で流 通 していたが、各 社 とも製 造 体 制 の維 持 が困 難 などの理 由 により、2008年 に相 次 いで製 造 終 了 を発 表 。富 士 フイルムの2009年 9月 の販 売 終 了 を最 後 に、いったんその歴 史 に終 止 符 を打 った。しかし2012年 からロモグラフィー社 が再 びフィルムの出 荷 を開 始 し、現 在 数 種 のフィルムが販 売 されている。 現 像 に関 しては、一 般 の写 真 店 に設 置 されているミニラボ機 ではできない場 合 が多 く、ほとんどは大 手 の現 像 所 へ取 り次 ぎとなる。ただアメリカの「Yankee」社 製 や旧 ソビエト製 の現 像 タンクの中 にはリールの幅 を調 節 する事 で110フィルムを現 像 出 来 る物 がある。いずれも現 在 は生 産 されていないが、ネットで中 古 品 を購 入 することは可 能 である。初 期 のブラジル製 レンズ付 きフィルムである「LOVe」や国 産 初 のレンズ付 フィルムである「写 ルンです」最 初 期 モデルは110フィルムを使 用 していた。1898年 から1929年 まで同 名 の5×4in判 のロールホルダー規 格 が存 在 したが全 く関 連 はない。
-
110フィルムの
裏 面 (詳 細 は画 像 をクリック) -
110フィルムの
正 面 (詳 細 は画 像 をクリック) -
トイカメラでの110フィルムの
使 用 例 (詳 細 は画 像 をクリック) -
110フィルムを
使 うトイカメラのフィルム室 (詳 細 は画 像 をクリック)
- 116
- 6.5×11cm
判 に使 われたロールフィルム。コダックではNo.1Aとつくカメラ、ツァイス・イコンではイコンタDや、ボックステンゴールの一 部 、フランスのルミエール6.5×11等 がこの規 格 を使 用 する。このフォーマットのカメラを使 用 する愛 好 家 向 けに120フィルムに履 かせるスペーサー(アダプター、ゲタ)が発 売 されており、日 本 国 内 では販 売 されていないが個 人 輸 入 で入 手 は可 能 である。 - 117
- 6×6cm
判 で6枚 撮 り用 ロールフィルム。フィルムの幅 は120フィルムと同 じだがスプールの幅 は少 し狭 い。フランケ&ハイデッケのローライフレックス初 期 のモデルはこのフィルムを使 用 するようになっていたが早 期 に120フィルムに移 行 して廃 れた。ブローニーNo.1とも呼 ばれ、アグフアによる呼 称 では1B。 - 120
- フィルム
幅 61.5mm、長 さ830mmでパーフォレーションなしのロールフィルム。ブローニーNo.2、2Bとも呼 ばれる。120はコダックによる呼 称 、2Bはアグフアによる呼 称 である。裏 紙 が付 いていてそこに各 フォーマットで使 用 時 のコマ数 表 示 があり、赤 窓 式 のカメラではそれでコマ送 りを確 認 する。35mmフィルムよりも面 積 が大 きい分 画 質 に優 れるため、ハイアマチュアやプロによって使 用 されている。本 来 は6×9cm判 (ロクキュー、8枚 撮 り)用 であったが早 い時 期 に6×4.5cm判 (ロクヨンゴまたはセミ判 、一 般 に16枚 撮 り)、6×6cm判 (ロクロク、一 般 に12枚 撮 り)に流 用 され裏 紙 にコマ数 表 示 もされている。その後 6×7cm判 (ロクナナ、10枚 撮 り)、6×8cm判 (ロクハチ、9枚 撮 り)、6×12cm判 (ロクイチニー、6枚 撮 り)、6×17cm判 (ロクイチナナ、4枚 撮 り)、6×24cm判 (3枚 撮 り)などのフォーマットにも使 用 されている。特 殊 なものとしてパノンカメラのパノンカメラAIIは50×112mmの6枚 撮 り、日 本 パノックスのパノフィックは50×120mmの6枚 撮 り。一 般 のDPE店 などミニラボでは現 像 やプリントの処 理 ができない場 合 があり、その場 合 は大 手 の現 像 所 に依 頼 するか、もしくはミニラボで現 像 所 に取 り次 いでもらうことになる。スプールは当 初 金 属 縁 のついた木 製 であったが後 に金 属 製 、さらに現 在 ではプラスチック製 になっている。 - 120フィルムは
市 場 流 通 量 が割 合 多 いので愛 好 者 も多 いが、フィルムの取 り扱 いには注 意 を要 する。120フィルムの構 造 はフィルムの裏 面 に遮 光 紙 を重 ね合 わせ巻 き軸 に巻 いただけのものなので、フィルム交 換 に時 間 が掛 かる上 、落 としてしまえばフィルムが露 光 する危 険 性 もある。 - 126
- 1963
年 、コダックがフォトキナで発 表 したカートリッジ入 りフィルム。インスタマチックとも呼 ばれる。フィルム幅 35mm、画 面 寸 法 は「26×26mm判 」の正 方 形 で、カートリッジは後 の「110フィルム」より一 回 り大 きいがよく似 た形 状 。カメラへの装 着 が簡 単 で一 眼 レフも発 売 されるなど、一 時 期 広 く普 及 したが110などの出 現 で廃 れてしまい、1980年 代 には僅 かにトイカメラが発 売 されたのみにとどまる。日 本 でも各 社 が販 売 したが、ほとんど普 及 しなかった。1999年 にコダックがフィルムの出 荷 を終 了 、近 年 までイタリアのフェッラーニアがフィルムを製 造 していた(日 本 未 流 通 )が2007年 に生 産 終 了 しており、入 手 は非 常 に困 難 。現 在 は愛 好 家 の間 ではカートリッジと裏 紙 を入 手 して35mmフィルムを巻 き直 して使 用 する手 法 が取 られている。ただ、120を620に転 用 する様 にスプールに巻 き直 すだけではない為 巻 き直 し作 業 はより煩 雑 になる。1906年 - 1949年 の期 間 に同 名 の「11×16.5cm判 」用 のロールフィルム規 格 が存 在 したが、コダックが廃 番 を流 用 しただけで関 連 はない。 - 127
本 来 は4×6.5cm判 (ベスト判 、8枚 撮 り)用 であったが、4×4cm判 (ヨンヨン、12枚 撮 り)に流 用 され1960年 代 まで多 用 されたため127=ベスト判 =4×4cm判 と誤 解 されている向 きもある。4×4cm判 の他 4×5cm判 、4×4.5cm判 、4×3cm判 (ベスト半 裁 、16枚 撮 り)にも流 用 された。かつてはスーパーサイズと呼 ばれたがコダックのヴェスト・ポケット・コダックのヒットによりベスト判 と呼 ばれるようになった。4×4cm判 は2×2inマウントに収 まりライカ判 用 スライド映 写 機 で映 写 できるため「スーパースライド」と呼 ばれて一 時 期 もてはやされた。細 軸 でカーリングがひどい欠 点 があり、また安 価 な機 種 は126へ移 行 し廃 れてしまった。- コダック
社 では1996年 にエクタクロームを製 造 中 止 したことにより、127のフィルム生 産 は全 て取 りやめている。現 在 製 品 としては、クロアチアのフォトケミカ(エフケ)で生 産 されたフィルムが僅 かに流 通 しているのみである。120フィルムから巻 き直 したフィルムが一 部 カメラ店 で販 売 されているほか、愛 好 家 自 身 による巻 き直 しも幅 広 く行 われている。 - 135
- 220
- 120フィルムの
裏 紙 をフィルムの先 端 と末 端 のみとしたフィルム。裏 紙 がない分 、120比 で2倍 のコマ数 の撮 影 が可 能 。120と直 接 の互 換 性 はないが、専 用 のマガジンや圧 板 位 置 調 整 機 構 を用 意 する形 で、120と220の両 フィルムに対 応 したカメラが多 数 存 在 しており、画 面 寸 法 も120に準 じる。赤 窓 式 のカメラではフィルムが感 光 してしまうため使 用 できない。 - 616
- フィルムは116と
同 じだがスプール軸 はこちらの方 が細 い。既 に生 産 中 止 。頭 の「6」は6枚 撮 りを意 味 する。このフォーマットのカメラを使 用 する愛 好 家 向 けに120フィルムに履 かせるスペーサー(アダプター、ゲタ)が発 売 されており、日 本 国 内 では販 売 されていないが個 人 輸 入 で入 手 は可 能 である。 - 620
- フィルムは120と
同 じだがスプール軸 はこちらの方 が細 い。既 に生 産 中 止 。このフォーマットのカメラを使 っている人 は120を620のスプールに巻 きなおすか、愛 好 家 自 身 の手 で巻 き直 されたフィルムが販 売 されているのでそれを購 入 して使 用 している。また120のフランジの周 囲 を溝 に沿 って爪 切 りなどで切 り落 として使 用 するより簡 便 な方 法 も取 られている。頭 の「6」は6枚 撮 りを意 味 するが、120フォーマットのフィルムを巻 き直 したものは8枚 撮 ることができる。現 在 でもアメリカには現 像 を請 け負 ってくれるラボが存 在 する。 - 828
主 に28×40mm判 で使 用 される。使 用 したカメラの名 称 から「バンタム判 」とも言 われる。既 にフィルム自 体 は生 産 中 止 になっているが、このフォーマットのカメラを使 用 している人 は、愛 好 家 自 身 の手 で巻 き直 されたフィルムが販 売 されているのでそれを入 手 するか、スプールと裏 紙 を入 手 して自 ら巻 き直 すかして使 用 している。本 来 は無 穿 孔 (パーフォレーションが無 い)35mmフィルムを巻 き直 すが、120フォーマットのフィルムを裁 断 して巻 き直 す事 も行 われている。また有 穿 孔 の35mmフィルムでも可 能 だが、画 像 領 域 に穿 孔 が入 り込むので有 効 画 像 サイズはそれだけ小 さくなる。- ボルタフィルム
当 初 は 1935年 にドイツ製 のボルタヴィットというカメラ専 用 に開 発 されたもの。画 面 寸 法 は24×24mmまたは24×36mm。裏 紙 付 きとし、赤 窓 式 のフィルム送 りが可 能 なためフィルム送 給 機 構 が簡 易 にでき、またカメラが比 較 的 小 型 になるために玩 具 カメラに多 用 された。フィルムは裏 紙 付 きで幅 35mmの、パーフォレーションのない135フィルムの様 である。ただし流 通 していたフィルムには135フィルムを流 用 したパーフォレーション付 きの製 品 もあった。現 在 は生 産 されておらず、市 販 品 の入 手 は不 可 能 。愛 好 家 はかつてのフィルムの裏 紙 に135フィルムを貼 り付 けて巻 き直 すなどして代 用 している。- ディスクフィルム
日 本 国 内 で発 売 されていたディスクフィルム
- 1982
年 にディスクカメラ用 としてコダックが発 売 。直 径 6.5cmの円 盤 状 フィルムの周 辺 に放 射 状 に15コマが撮 影 できる部 分 が付 いており、フロッピーディスクのような薄 型 のケースに収 められていた。画 面 寸 法 は8.2×10.6mmと「110」よりもさらに小 さく画 質 が悪 いためかあまり普 及 せず短 命 に終 わり、1998年 にフィルムの生 産 が終 了 した。ケースの問 題 や特 殊 な形 状 のフィルムのため、他 のフィルムを加 工 しての代 用 は非 常 に困 難 である。カメラ本 体 の製 造 はコダック・ミノルタ(現 コニカミノルタホールディングス)・富 士 フイルム・コニカ(現 コニカミノルタホールディングス)など数 社 にとどまっている。 - IX240
APSカメラ135フィルム( 上 )とAPSフィルム(APSフィルムの下 の円 は大 きさ比 較 のため置 いた100円 玉 )用 のフィルム。1996年 に登 場 。小 型 のカートリッジに収 められている。フィルム幅 は24mm、画 面 寸 法 は16.7×30.2mm。MRC(ミッド・ロール・チェンジ)機 能 に対 応 したカメラならば撮 影 途 中 でのフィルム交 換 が可 能 。またカメラ側 で撮 影 時 に様 々な情 報 をフイルムに磁 気 記 録 することができるようになっており、現 像 /プリント/CD-R記 録 時 にこの情 報 を利 用 できる。ニコン、キヤノン、ミノルタから一 眼 レフカメラが発 売 される等 意 欲 的 な規 格 であったが、同 時 期 に登 場 したデジタルカメラに押 されて売 れ行 きが伸 びず、フイルムの生 産 も2011年 で終 了 した。現 在 でもアメリカには現 像 を請 け負 ってくれるラボが存 在 する。- ミゼット
美 篶 商 会 のミゼット(Midget )が元 祖 であることからこう呼 ばれる。戦 前 から1950年 代 にかけて販 売 された。幅 17.5mm[6]、裏 紙 付 きでリーダーペーパーは幅 18mm。画 面 寸 法 は「14×14mm判 」。生 産 中 止 となって久 しく市 販 品 を入 手 することが不 可 能 となっていたが、東 京 の田 中 商 会 がフィルム部 品 を入 手 したのに伴 い製 造 を2016年 4月 に再 開 した。しかし、2018年 に廃 業 とともに生 産 終 了 してしまった。よって、市 販 品 を入 手 するのが再 度 不 可 能 となった。また一 部 のユーザーは120フィルムを加 工 し、自 作 して使 用 している。- ミノックス
戦 前 にラトビアで開 発 されたスパイカメラの代 表 格 とも言 える超 小 型 カメラ「ミノックス」用 のフィルム。本 家 ミノックスの他 にヤシカがアトロンシリーズ、日 向 工 業 がミニマックスシリーズ、浅 沼 商 会 がアクメルシリーズ、フジがMC-007、メガハウスがシャランシリーズを出 している。フイルム幅 は9.5 mm、画 面 寸 法 は8×11 mm、かつては36または50枚 撮 りがあった。日 本 国 内 では浅 沼 商 会 (キング)がカラーネガ(ISO100、ISO400)の15枚 撮 りと30枚 撮 りを、ミノックスがモノクロネガフィルム(ミノパン)をそれぞれ出 荷 しており、最 近 まで大 手 カメラ店 等 で購 入 が可 能 だった。キングのフィルムは出 荷 が中 止 となったあと、株 式 会 社 シャランが販 売 を再 開 し、一 時 は白 黒 ネガフィルムやリバーサルフィルムも出 荷 したが、2013年 にすべての製 品 が品 切 れとなった。ミノパンも入 手 難 の状 況 にあり、一 部 で詰 め替 えフィルムが流 通 しているのみである。自 作 する場 合 、市 販 の135フィルムをカッターで4分 割 する(フィルム上 下 のパーフォレーション部 分 をカットして取 り、中 央 の撮 影 面 をさらに2分 割 し、長 さを調 整 して空 のカートリッジに挿 入 する。もちろん作 業 は全 暗 黒 の中 でしなければならない)。構 造 上 フィルムカートリッジ内 に光 が入 りやすく、フィルムの出 し入 れはなるべく暗 い所 で行 わなければならないとともに、所 定 の撮 影 枚 数 が終 了 した際 には必 ず2枚 空 写 しをして巻 上 げてから(それ以 上 空 写 しをしてフィルムをカートリッジに全 部 巻 き込むと光 線 漏 れのを起 こす可 能 性 がある)付 属 のフィルムケースに入 れて現 像 に出 さねばならない。一 般 の写 真 店 に設 置 されているミニラボ機 では現 像 や焼 付 けができないため専 門 の現 像 所 へ送 られ、通 常 のフィルムより時 間 がかかる。フィルムサイズの関 係 上 から画 質 は低 くなりがちで、用 途 の限 られる特 殊 なフィルムとも言 える。
-
35ミリフィルム(
上 )と110フィルム(中 )とミノックス用 フィルム(ミノックスフィルムの下 の円 は大 きさ比 較 のため置 いた100円 玉 ) -
ミノックスフィルムを
上 面 から見 る -
ミノックスフィルムを
下 面 から見 る(詳 細 は画 像 をクリック) -
ミノックスフィルムを
使 うカメラのフィルム室 (写 真 はアクメルMD。詳 細 は画 像 をクリック)
- ペタル(Petal)
聖 ペテロ光 学 のペタル、さくらペタルが使 用 する。直 径 24 mmの円 形 シートフィルムに6 mm径 の写 真 を6枚 撮 る。- ラピッドシステム(Rapid System)
- アグフアが1930
年 代 から販 売 して来 たアグフアカラートを感 度 自 動 セット機 能 を付 加 するなどの改 良 をし、126フィルムに対 抗 して1964年 発 表 された[7]。35 mmフィルムをカートリッジに装 填 してあり装 填 が簡 単 で巻 き戻 し不 要 。画 面 寸 法 は18×24 mm、24×24 mmまたは24×36 mm。速 やかに廃 れて日 本 国 内 では愛 光 商 会 の製 品 を最 後 に1983年 生 産 終 了 。フィルムそのものは普 通 の35 mmフィルムと同 じであるため、カートリッジさえ残 っていれば詰 め替 えは比 較 的 容 易 である。
-
Agfa Optima Rapid 250に
装 填 されたラピッドフィルム -
ラピッドパトローネ
-
分 解 されたラピッドパトローネ
- アトム
判
- 4.5×6 cmのシートフィルム。
写 真 乾 板 から移 行 した規 格 。名 称 はアトムに由 来 する。 大 名 刺 判 - 6.5×9 cmのシートフィルム。
写 真 乾 板 から移 行 した規 格 。 手 札 判 - 8×10.5 cmのシートフィルム。
写 真 乾 板 から移 行 した規 格 。 大 手 札 判 - 9×12 cmのシートフィルム。
写 真 乾 板 から移 行 した規 格 。 - その
他 多 くの規 格 があったが既 に生 産 は終 了 している。
参 考 文 献
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- カラー
写 真 技 術 事 典 (写 真 工 業 出 版 社 、1993年 )ISBN 978-4-87956-030-8
脚 注
[注 釈
[- ^
日 本 語 の表 記 法 に仮 名 の小 書 きの無 かった時 代 の影 響 がまだあった時 代 に由 来 する商 標 であるため、といったような例 がある。そういった場 合 、発 音 ではフ「イ」ルムとしないことがもっぱらであることも多 い。 - ^ ポリエステルに
変 更 されたのは映 画 上 映 用 フィルム、文 書 保 存 用 マイクロフィルムである。映 画 撮 影 用 フィルム、写 真 用 フィルムはアセテート(TAC)である。 - ^ シングル8フィルムのように
始 めからポリエステルの製 品 も存 在 する。 - ^ ダブル8の3.5×4.8mmに
対 し、パテーベビーは6.5×8.5mm。ただし、同 じ駒 数 で必 要 になるフィルムは9.5ミリの方 が2倍 程 度 長 い。 - ^
過 去 には12枚 ・20枚 ・36枚 だったが、フィルム会 社 間 の争 いを経 て、20枚 のものは24枚 に変 更 となった。 - ^
厳 密 に言 えば長 尺 のものは35mmフィルムではあっても135フィルムではない。 - ^
当 初 の名 称 はモミコンであったがツアイス・イコンの抗 議 を受 けてモメッタに改 名 された。 - ^
映 画 の場 合 にはサウンドトラックのために使 われる幅 があり、厳 密 には異 なる。
出 典
[- ^
例 えばキオクシアの改 ざん防 止 機 能 付 きSDメモリカード。2022年 12月 18日 閲 覧 - ^ “ビネガーシンドロームとは -
酸 っぱい臭 いがしたら…”. 2015年 6月 1日 閲 覧 。 - ^ “Acetate Film Base Deterioration - The Vinegar Syndrome”. Image Permanence Institute, Rochester Institute of Technology. 2015
年 6月 1日 閲 覧 。 - ^
松 本 夏 樹 (2010-03-25), “小 型 映 画 (9.5mm)の保 存 と復 元 について” (pdf),立 命 館 大 学 映 像 学 部 現 代 GP 「映 像 文 化 の創 造 を担 う実 践 的 教 育 プログラム」報 告 書 (2009年 度 ) (立 命 館 大 学 映 像 学 部 ): pp. 34 2010年 9月 15日 閲 覧 。 - ^ “Guzzi Camera Page”. mycro.jp. 2024
年 4月 5日 閲 覧 。 - ^ カメラレビュー
増 刊 「クラシックカメラ」、p.134. - ^
富 士 フイルムのあゆみ スチルカメラで独 自 の分 野 を - カメラの自 動 露 光 化 とコンパクト化
関 連 項 目
[外 部 リンク
[- カメラの
歴 史 ③ フィルムのはじまり(日 本 カメラ博 物 館 ) 日 本 写 真 保 存 センター