同 位 体
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|
概 要
[同 位 体 比
[で
ただし
また
同 位 体 標 識 化 合 物
[利 用 方 法
[- ポジトロン
断 層 法 (PET診 断 ) - ガン
診 断 に用 いられるポジトロン断 層 法 の試 薬 には、放 射 性 同 位 体 フッ素 18(半 減 期 約 108分 )で標 識 した18F-FDGが用 いられている。またその原 料 として、酸 素 の安 定 同 位 体 、酸 素 18原 子 で標 識 した水 -18O(重 酸 素 水 H218O)が製 造 されている[4]。
地 球 惑 星 科 学 前 述 の通 り、地 球 惑 星 科 学 の研 究 分 野 では、物 質 の同 位 体 比 を質 量 分 析 器 で測 定 することにより、物 質 の起 源 、変 遷 の解 析 や、年 代 測 定 を行 うことができる。そこから、地 球 の古 環 境 やマントルなどの地 球 深 部 の物 質 の移 動 などが解 き明 かされてきた。
熱 電 変 換 素 子 太 陽 系 の小 惑 星 帯 よりも外 側 で活 動 する惑 星 探 査 機 では、太 陽 電 池 では電 力 が不 足 するという理 由 で原 子 力 電 池 として利 用 される。これは放 射 性 核 種 の原 子 核 崩 壊 の際 に発 生 するエネルギーを熱 源 として熱 電 変 換 素 子 により電 力 に変 換 する仕 組 みである。
代 謝 測 定 重 水 、水 -18Oあるいは13Cで標 識 した試 薬 を生 体 内 に投 入 すると、生 体 内 で代 謝 が進 むことにより、呼 気 や尿 などから 13C, 18O,重 水 素 (D) を天 然 存 在 比 よりも多 く含 んだ二 酸 化 炭 素 や水 分 などが採 取 できる。この採 取 した物 質 の同 位 体 比 を測 定 することにより、生 体 内 の代 謝 状 況 を解 析 できる。この安 定 同 位 体 を用 いた代 謝 測 定 の技 術 は、胃 内 にその存 在 の有 無 が確 認 できるピロリ菌 の呼 気 検 査 や、エネルギー代 謝 測 定 が不 可 欠 な肥 満 科 学 やスポーツ科 学 などに利 用 されている。同 様 に、炭 素 の放 射 性 同 位 体 で生 成 した二 酸 化 炭 素 をマーカーとして代 謝 測 定 することは、動 物 のみならず、植 物 の光 合 成 に関 する試 験 等 でも用 いられる。
- ホウ
素 中 性 子 捕 捉 療 法 (BNCT) - ホウ
素 の同 位 体 10Bの原 子 核 に中 性 子 を照 射 すると、核 反 応 により高 エネルギーのリチウムの同 位 体 7Li原 子 核 とヘリウム4He原 子 核 を放 出 する。そこで、このホウ素 10を特 定 の化 合 物 に標 識 しガン細 胞 に選 択 的 に取 り込ませると、ガン細 胞 を選 択 的 に中 性 子 照 射 により破 壊 することができる。このガン治 療 法 をホウ素 中 性 子 捕 捉 療 法 (Boron Neutron Capture Therapy, BNCT) といい、日 本 国 内 では京 都 大 学 複 合 原 子 力 科 学 研 究 所 [9]の京 大 炉 (KUR)、武 蔵 工 業 大 学 原 子 力 研 究 所 [10]の武 蔵 工 大 炉 (MITRR)、日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 のJRR-4[11]の3箇 所 に実 施 できる施 設 があったが、2018年 5月 時 点 で利 用 可 能 な施 設 は京 大 炉 (KUR) のみである(武 蔵 工 大 炉 は既 に廃 炉 であり、JRR-4も廃 炉 予 定 (2017年 6月 に廃 止 認 可 )である。京 大 炉 は福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の影 響 で研 究 用 原 子 炉 にも安 全 対 策 の強 化 が求 められたことから2014年 5月 26日 の定 期 検 査 入 りをもって運 転 停 止 中 であったが、新 規 制 基 準 に対 応 する工 事 を終 え、2017年 8月 29日 に再 稼 働 した。)。BNCTの課 題 として、中 性 子 源 に原 子 炉 が必 要 ということで、汎 用 性 に乏 しかったが、NEDO-PJに参 加 する京 都 大 学 ・森 義 治 教 授 が、原 子 炉 を使 わずに中 性 子 線 を発 生 する小 型 加 速 器 (百 平 方 メートル程 度 の大 きさ)のアイデアを2006年 イタリアで開 かれた国 際 学 会 で発 表 した[12][13][14]。2013年 には住 友 重 機 械 工 業 が福 島 県 の一 般 財 団 法 人 脳 神 経 疾 患 研 究 所 からBNCTシステムを受 注 し、世 界 初 の院 内 設 置 型 BNCTシステムとして2016年 の治 験 開 始 、2018年 の治 療 開 始 を目 指 している[15][16]。
安 定 同 位 体 比 による食 品 産 地 分 析 安 定 同 位 体 として、水 素 1Hの同 位 体 2H、炭 素 12Cの同 位 体 13C、窒 素 14Nの同 位 体 15N、酸 素 16Oの同 位 体 17O、18Oがそれぞれ存 在 していることを利 用 し、食 品 の生 育 環 境 ・地 理 学 上 の違 いを判 断 するもの。標 準 となる物 質 に安 定 同 位 体 が存 在 する割 合 (炭 素 なら、12Cに対 する13C)と、サンプルの安 定 同 位 体 が存 在 する割 合 を比 較 し、どの程 度 ずれているかを示 す値 を、安 定 同 位 体 比 (炭 素 なら、δ13C - デルタ13C)で示 す。単 位 は%(パーセント、百 分 率 )ではなく‰(パーミル、千 分 率 )で、正 の値 を取 るとき、標 準 となる物 質 よりもサンプルの方 に重 たい同 位 体 が多 いことを示 す。標 準 となる物 質 は、水 素 と酸 素 は世 界 標 準 平 均 海 水 SMOW (Standard Mean Ocean Water(英 語 : Standard Mean Ocean Water)) を、炭 素 は矢 石 化 石 (ベレムナイト化 石 のPDB (Pee Dee Belemnite))を、窒 素 は空 気 (大 気 )を、それぞれ用 いている[17]。- コシヒカリの
産 地 判 別 [18]、豚 肉 の産 地 判 別 [19]、果 汁 やはちみつへの異 性 化 糖 添 加 やはちみつの産 地 判 別 [20]などが報 告 されている。 - また
同 じ原 理 を覚 醒 剤 のプロファイリングに応 用 し、密 造 地 の特 定 に結 び付 ける研 究 も行 われている[21]。
安 定 同 位 体 比 による水 圏 の物 質 循 環 の解 析 栄 養 段 階 が一 つ上 がるにつれて炭 素 安 定 同 位 体 比 δ13C、窒 素 安 定 同 位 体 比 δ15Nが濃 縮 されることが示 されており、これを用 いて栄 養 起 源 や栄 養 段 階 の推 定 に使 用 される[22][23]。また、陸 上 起 源 の有 機 物 は δ13C、δ15Nが低 いことを指 標 とした水 圏 での起 源 の推 定 [24]、懸 濁 態 有 機 炭 素 の低 い δ13Cを指 標 として湿 地 由 来 有 機 物 の供 給 時 期 及 び寄 与 率 の推 定 [25]、湖 沼 水 中 の栄 養 塩 の起 源 の推 定 などに使 用 されている[26][27]。
脚 注
[- ^ すなわち
同 じ元 素 である。 - ^
放 射 性 同 位 体 は時 間 とともに放 射 性 崩 壊 を起 こすが、安 定 同 位 体 は自 然 界 で一 定 の割 合 をもって安 定 に存 在 する。 - ^ “10B
濃 縮 ホウフッ化 カリウム”.事 業 紹 介 >高 純 度 薬 品 事 業 >原 子 力 関 連 . ステラケミファ. 2012年 3月 22日 時 点 のオリジナルよりアーカイブ。2012年 4月 11日 閲 覧 。 - ^ a b
水 -18O製 造 、JST、2012年 4月 11日 閲 覧 。 - ^
大 陽 日 酸 SI事 業 部 、安 定 同 位 体 試 薬 /酸 素 安 定 同 位 体 、2012年 4月 11日 閲 覧 。 - ^
親 切 な物 理 (下 )P374 - ^
隕 石 中 の希 ガスの同 位 体 異 常 とプレソーラー粒 子 の説 明 - ^
東 京 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 、プレスリリース「はやぶさが持 ち帰 った小 惑 星 の微 粒 子 を分 析 -希 ガス同 位 体 分 析 からわかったこと-」、2011年 8月 26日 掲 載 、2012年 4月 11日 閲 覧 。 - ^
京 都 大 学 複 合 原 子 力 科 学 研 究 所 - ^
武 蔵 工 業 大 学 原 子 力 研 究 所 - ^
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世 界 初 病 院 設 置 型 加 速 器 によるホウ素 中 性 子 捕 捉 療 法 システム(BNCT)を受 注 (2013年 3月 4日 ) - ^ http://southerntohoku-bnct.com/
一 般 財 団 法 人 脳 神 経 疾 患 研 究 所 附 属 南 東 北 BNCT研 究 センター - ^
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岩 田 祐 子 ,桑 山 健 次 , 辻川 健 治 ,金 森 達 之 ,井 上 博 之 「覚 醒 剤 メタンフェタミンのプロファイリング」『分 析 化 学 』第 63巻 第 3号 、日 本 分 析 化 学 会 、2014年 、221-231頁 、doi:10.2116/bunsekikagaku.63.221、ISSN 0525-1931、NAID 130003391229。 - ^
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名 古 屋 大 学 「琵 琶 湖 における年 間 硝 酸 生 産 量 の推 定 に成 功 !」 - ^
角 皆 潤 「軽 元 素 安 定 同 位 体 比 の高 感 度 分 析 に基 づく地 球 惑 星 科 学 研 究 ・地 球 環 境 科 学 研 究 の新 展 開 」『地 球 化 学 』第 52巻 第 3号 、日 本 地 球 化 学 会 、2018年 、107-129頁 、doi:10.14934/chikyukagaku.52.107、ISSN 0386-4073、NAID 130007487092。
参 考 文 献
[日 本 化 学 会 編 『化 学 総 説 23同 位 体 の化 学 』学 会 出 版 センター、1979年 、ISBN 4-7622-2181-3和 田 英 太 郎 『生 物 界 におけるδ15N,δ13Cの分 布 -その40年 史 』酒 井 均 、松 久 幸 敬 著 『安 定 同 位 体 地 球 化 学 』1996年 、東 京 大 学 出 版 会 、ISBN 978-4-13-060713-1- J.ヘフス
著 、和 田 秀 樹 /服 部 陽 子 訳 『同 位 体 地 球 科 学 の基 礎 』シュプリンガージャパン、2007年 、ISBN 978-4-431-71245-9 山 中 勤 編 集 『環 境 循 環 系 診 断 のための同 位 体 トレーサー技 術 』筑 波 大 学 陸 域 環 境 研 究 センター、2006年
関 連 項 目
[核 種 環 境 同 位 体 ‐環 境 中 に存 在 する安 定 同 位 体 をトレーサーとして、さまざまな環 境 を追 跡 できる(恐 竜 の卵 の化 石 から体 温 を測 定 など)核 種 の一 覧 分 割 した核 種 の一 覧 質 量 数 原 子 量 同 位 体 効 果 重 水 原 子 力 電 池 放 射 性 トレーサー