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PSY、バックは『江南スタイル』のロゴ
PSY、2012年
コンサートにて、2013年
PSY(サイ、1977年12月31日 - )は、大韓民国のラッパー、ソングライター、音楽プロデューサーである。本名はパク・チェサン(ハングル: 박 재상; ハンチャ: 朴 載相)。
韓国ソウル特別市江南区の出身。祖父のパク・キオクは、半導体検査機器製造会社の「DI(ディアイ)」を創業し、父のパク・ウォンホは、DI社の大株主・代表理事である[2]。
1996年にアメリカのボストン大学に入学し、経営学を専攻[3]。その後バークリー音楽大学に編入して音楽を学んだと言われているが、卒業したという記録はない[4]。2001年1月、デビューアルバムを発表。同年11月15日大麻問題で警察に検挙され活動を自粛する。偶然、2002年ワールドカップの街頭応援の途中、生放送のインタビューに出たのをきっかけにメディアに再び出演し、9月に発売した『チャンピオン』が大ヒットして再起に成功した。2003年から2005年までの徴兵期間は、軍隊ではなく、兵務庁が指定した企業で勤務する「兵役特例措置」を受けていた。2007年3月、韓国観光広報大使として確実な復帰を果たしたが、2007年5月に、兵役に代わる産業機能要員としての勤務が問題となり、同年12月、兵務庁から入隊通知を受けて、現役として再入隊した[5]。私生活では2006年に結婚、2007年に双子の娘が誕生。
PSYは、デビュー当時から原則として自身で作詞・作曲を手がけてきたが、2006年ごろからは、作曲家のユ・ゴニョン(1996~99年に活動していたヒップホップデュオ『Untitle』の元メンバー)と一緒に楽曲を共作することが多くなり、『芸能人』(2006年)、『Right Now』(2010年)などの楽曲が生み出された[6][7]。
同じくユ・ゴニョンとの共作で作られた、2012年7月にリリースしたアルバム『PSY6甲』のタイトル曲『江南スタイル』は、欧米諸国を中心に世界的大ヒットを記録し、PSYは一躍、韓国を代表するスターとなった。同曲のPVは、YouTubeで最も閲覧された動画のひとつであり、2021年3月の時点で、再生回数は40億回を突破した[8] 。アメリカのビルボードチャートHot 100では最高2位を獲得し、イギリス 、オーストラリア 、オーストリア 、オランダ 、カナダ、ベルギー 、ドイツ 、デンマーク 、フィンランド 、ホンジュラス、ポルトガル、ニュージーランド、ノルウェー、ルクセンブルクの計14ヶ国では、公式チャートで最高1位を獲得した。2012年には大韓民国大衆文化芸術賞で最高褒賞である文化勲章を受章。本人はこれについて「あれはもう事故のようなものなので、そうそう起こることではありません。あんな事故がしょっちゅう起こっていたら人類は滅びてしまいます[9]」と語っている。しかし日本では、『江南スタイル』の世界的ヒットが各マスコミでも取り上げられるものの、セールス的には振わなかった。[10]
2013年4月に江南スタイル以来約9カ月ぶりとなる楽曲「ジェントルマン」のミュージックビデオ(MV)をYouTube上に公開し、公式動画の再生回数の増加ペースは1時間で100万アクセス以上となり[11][12]、わずか1日で2000万アクセス以上[13]に達した。その後、24時間で3840万件という最多再生回数を記録したことによりギネスに登録された[14]。
2013年5月26日にイタリア、ローマのスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマで行われたコッパ・イタリア決勝戦のASローマ対SSラツィオの試合前には江南スタイルとGENTLEMANを歌唱した。しかし、観客席からは爆竹やチーム応援歌などを使った妨害が起き、焦ったPSYはボリュームを上げて歌った。そしてPSYの顔がビジョンに映し出された時、観客席から盛大なブーイングが起こった。結局PSYはブーイングが鳴り止まぬ中ステージを降りた。[15][16]これは、2002 FIFAワールドカップにおけるイタリア対韓国戦で大韓サッカー協会がバイロン・モレノ主審を買収したとされる八百長疑惑がきっかけで、イタリアのサッカー業界やファンの間での韓国に対するイメージ悪化が原因とされている。
2016年には、『ダイスの神』とコラボし、彼をモデルにした「ダディPSY」が登場した。
2018年5月、所属していた事務所YGエンターテインメントと8年におよぶ専属契約を終了[17]。2019年1月、新たに個人で総合エンターテインメント会社「P NATION」を設立した[18]。
YouTubeのPSYに関連した動画(ミュージックビデオ・ユーザー生成コンテンツ・歌詞動画)は、2021年4月21日~2022年4月22日の1年間に8億3100万回再生された。この期間、PSYの曲の国別再生回数は、ベトナム(7480万)、韓国(5860万)、アメリカ(5760万)、インド(4400万)、メキシコ(4290万)の順に多かった。最も多く再生された曲は、やはり代表曲の「江南スタイル」で、同上期間では4億7700万回再生された。「江南スタイル」の、YouTube公式MVにおける累計再生回数は、発表から10年が経過した2022年4月25日時点で約44億回である[19]。
- リズムの中に - ソ・イニョン 作詞・作曲
- ウィハヨ(Cheers!) - シンファ 作詞・作曲
- お兄さんはぴったり私のスタイル PSY Feat.HyunA
- Ice Cream - キム・ヒョナ
- 『高校教師、恋の教育実習』(原題:몽정기 夢精期 2002年)
- 『高校教師、恋の教育実習2』(原題:몽정기2 夢精期2 2005年)
ウィキメディア・コモンズには、
PSYに
関連するカテゴリがあります。
受賞歴 |
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歴代大賞受賞者()内の数字は第○回の意、『』内は曲名、アルバム部門の『』内のみアルバム名 | 1980年代 |
- 1986(1)チョー・ヨンピル『虚空』
- 1987(2)イ・ムンセ『愛が過ぎ去れば』
- 1988(3)チュ・ヒョンミ『新沙洞のあの人』
- 1989(4)ピョン・ジンソプ『あまりに遅れたでしょう』
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1990年代 |
- 1990(5)ピョン・ジンソプ『君に再び』
- 1991(6)キム・ヒョンシク『私の愛私のそばに』
- 1992(7)シン・スンフン『見えない愛』
- 1993(8)シン・スンフン『君を愛するから』
- 1994(9)キム・ゴンモ『言い訳』
- 1995(10)キム・ゴンモ『誤った出会い』
- 1996(11)キム・ゴンモ『スピード』
- 1997(12)H.O.T.『幸福』
- 1998(13)キム・ジョンファン『愛のために』
- 1999(14)チョ・ソンモ『悲しい霊魂式』
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2000年代 |
| アルバム部門 | |
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デジタル音源部門 | |
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2010年代 |
アルバム部門 | |
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デジタル音源部門 | |
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2020年代 |
アルバム部門 | |
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デジタル音源部門 | |
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21回デジタル音源部門新設、アルバム部門大賞は24回から、授賞式開催時期は25回まで年末、26回以降は翌年年始 |
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歴代大賞受賞者(括弧内の数字は第○回の意) | 1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 |
- 2020(30)防弾少年団
- 2021(31)NCT 127
- 2022(32)NCT DREAM
- 2023(33)NCT DREAM
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授賞式開催時期は2006年度第16回まで年末、2007年度第17回以降は翌年の年始 |
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歴代大賞受賞者()内の数字は第○回の意、今年のアルバム賞『』内はアルバム名、今年の歌賞『』内は曲名 | 2000年代 |
今年の歌手賞 | |
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今年のアルバム賞 | |
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今年の歌賞 |
- 2006(8)SG Wannabe『私の人: Partner For Life』
- 2007(9)BIGBANG『LIES』
- 2008(10)Wonder Girls『Nobody』
- 2009(11)2NE1『I Don't Care』
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2010年代 |
今年の歌手賞 |
- 2010(12)2NE1
- 2011(13)少女時代
- 2012(14)BIGBANG
- 2013(15)G-DRAGON
- 2014(16)EXO
- 2015(17)BIGBANG
- 2016(18)BTS
- 2017(19)BTS
- 2018 (20) BTS
- 2019 (21) BTS
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今年のアルバム賞 | |
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今年の歌賞 | |
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2020年代 |
今年の歌手賞 | |
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今年のアルバム賞 |
- 2020(22)BTS『MAP OF THE SOUL : 7』
- 2021(23)BTS『BE』
- 2022(24)BTS『Proof』
- 2023(25)SEVENTEEN『FML』
- 2024(26)SEVENTEEN『SEVENTEENTH HEAVEN』
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今年の歌賞 | |
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2006年から大賞3部門
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歴代大賞受賞者()内の数字は第○回の意、ベストソング賞『』内は曲名、アルバム賞『』内はアルバム名 | 2000年代 |
アーティスト賞 | |
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アルバム賞 | |
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ベストソング賞 |
- 2009(1)少女時代『Gee』
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2010年代 |
アーティスト賞 |
- 2010(2)少女時代
- 2011(3)BEAST
- 2012(4)BEAST
- 2013(5)SHINee
- 2014(6)IU
- 2015(7)BIGBANG
- 2016(8)EXO
- 2017(9)EXO
- 2018(10)BTS
- 2019(11)BTS
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アルバム賞 | |
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ベストソング賞 | |
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レコード賞 | |
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2020年代 |
アーティスト賞 |
- 2020(12)BTS
- 2021(13)IU
- 2022(14)イム・ヨンウン
- 2023(15)NewJeans
- 2024(16)aespa
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アルバム賞 |
- 2020(12)BTS『MAP OF THE SOUL : 7』
- 2021(13)IU『LILAC』
- 2022(14)イム・ヨンウン『IM HERO』
- 2023(15)IVE『I've IVE』
- 2024(16)aespa『Armageddon』
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ベストソング賞 | |
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レコード賞 | |
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2005年にオンラインで創設、2009年に第1回授賞式開催 音楽の賞・韓国の音楽に関する賞 |
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歴代受賞者()内の数字は第○回、受賞曲は音源部門を参照 | 2010年代 |
1月 | |
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2月 | |
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3月 | |
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4月 | |
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5月 | |
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6月 | |
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7月 | |
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8月 | |
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9月 | |
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10月 | |
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11月 | |
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12月 | |
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2020年代 |
前年12月 | |
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1月 | |
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2月 | |
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3月 | |
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4月 | |
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5月 | |
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6月 | |
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7月 | |
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8月 | |
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9月 | |
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10月 | |
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11月 | |
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授賞式開催は翌年。 |
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歴代1位獲得者『』内はデジタルチャートが曲名、アルバムチャートがアルバム名 | 2010年代 |
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2020年代 |
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全般 | |
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芸術家 | |
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