フジテレビ系「ノイタミナ」枠で放送中のアニメ「NO.6」のエンディングテーマ「六等星の夜」が話題を呼んでいる。この曲は、喪失感を乗り越えて前向きに生きていこうとする意志を、壮大なメロディラインに乗せてハスキーな女性ボーカルが歌い上げるものだ。
はかなさと力強さを併せ持つ、このボーカリストの正体は女性シンガー・Aimer(エメ)。幼少時より音楽に親しんでいた彼女は、10代の頃に突然声が出なくなり音楽活動を一時断念するというアクシデントを乗り越え、この個性的な歌声を手に入れた。そんな彼女の才能に人気クリエイター集団・agehaspringsが注目し、共同で楽曲制作を始めた。この両者の強力なタッグにより生まれたのが「六等星の夜」だ。
Aimerはこの「六等星の夜」を含むトリプルA面シングル「六等星の夜 / 悲しみはオーロラに / TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」で、9月7日にメジャーデビューを果たす。今回の特集では、彼女を深く知る人物やデビュー作の映像、そして本人の証言から、Aimerの魅力に迫る。
agehasprings玉井健二が語るAimerの魅力
今回のシングルのプロデュースを手がけるのはagehasprings代表・玉井健二。彼は今年5月にリリースされた、洋邦の名曲をジャズアレンジでカバーしたコンピレーションアルバム「Your favorite things」でAimerをボーカリストとしてフィーチャーし、彼女の才能を大きく開花させた。Aimerとの出会い、そしてその魅力について、玉井はこのようなコメントを寄せている。
“空気を一変させる”…あらゆる才能に与えられる表現ですが、
Aimerの持つ声はその数多の才能の中でもっとも稀有な“結晶”だと想います。
その声を耳から取り込んだ瞬間すべての時間や風景が色を変え、
もう二度とない儚い想い出のように感じさせる。
ちょっとした囁きですら強いチカラで揺さぶってくるバイブレーションとなる…そんな印象を持ちました。
AimerをフィーチャーしてJAZZコンピを創ってみたら、すべてのメガヒット曲が“Aimerの曲”になってしまいました。
僕の初めてといっても過言ではない計算ミスを呼び起こしたのは、彼女が持つ変幻自在のバリエーション。
綿密なコンセプトや計画を持って臨んでも“一筆書き”のように進めて一瞬で終わってしまうAimerのレコーディングスタイルは、
事前の予想図を必ず塗り替えてしまった上で、携わるすべての人を魅了し取り込んでゆく不思議な魔力を持っています。
やはり、相当“稀有な”アーティストだと言わざるを得ません。
彼女がまだなにを隠し持っているか?…それを早く暴きたい衝動にいま最も駆られています。