Su-9 (航空機こうくうき・初代しょだい)

Su-9 «K» / Су-9 «К»

Su-9 «K»

• 用途ようと：戦闘せんとう爆撃ばくげき機き
• 設計せっけい者しゃ： スホーイ設計せっけい局きょく
• 製造せいぞう者しゃ：
• 運用うんよう者しゃ：試作しさくのみ
• 初はつ飛行ひこう：1946年ねん
• 運用うんよう状じょう況きょう：退役たいえき

Su-9(スホーイ9、スホイ9；ロシア語ご:Су-9スー・ヂェーヴャチ)又または«K»(«К»カー)は、ソ連それんのスホーイ設計せっけい局きょくで開発かいはつされた戦闘せんとう爆撃ばくげき機きである。同どう時期じきにより優すぐれたYak-17やMiG-15などの開発かいはつが進すすんだこともあり、量産りょうさんはされなかった。のちに同おなじ名称めいしょうを持もつ別べつの機体きたい(Su-9)が生産せいさんされたため、現代げんだいでは当機とうきについては「初はじめのSu-9」(Су-9 (Первый))と呼よぶことが多おおい。DoDが割わり当あてたコードネームはType 8。

概要がいよう

初はじめのSu-9(以後いご単たんに「Su-9」と表記ひょうき)は、それまでSu-2レシプロ軽かる爆ばく撃げき機きの設計せっけいなどの実績じっせきしかなかったスホーイ設計せっけい局きょくにとって初はつのジェット機じぇっときとなった。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん下したに鹵獲ろかくされたナチス・ドイツのMe 262に最終さいしゅう的てきな設計せっけいでは影響えいきょうを受うけ似通にかよっていたが、元々もともとはコピーではなかった。

当初とうしょ、計画けいかくは「偉大いだいなる戦闘せんとう機きの王様おうさま」として知しられていたポリカールポフ設計せっけい局きょくのニコライ・ポリカールポフと中型ちゅうがた爆撃ばくげき機きYer-2の開発かいはつで知しられるエルモラーエフ設計せっけい局きょくのウラジーミル・エルモラーエフによって始はじめられたが、1944年ねん7月がつ30日にちにはポリカールポフが胃癌いがんで、12月31日にちにはエルモラーエフがチフスで相次あいついで没ぼっしたことにより、計画けいかくは翌よく1945年ねん3月がつにエルモラーエフ設計せっけい局きょくを吸収きゅうしゅうしたスホーイ設計せっけい局きょくによって継承けいしょうされることとなった。

Su-9は、1946年ねんに初はつ飛行ひこうを果はたし、1947年ねん8月がつ3日にちにトゥーシノ飛行場ひこうじょうで行おこなわれた航空こうくうパレードで公開こうかいされ、三さん日にち後ごに最終さいしゅう飛行ひこう試験しけんが開始かいしされた。飛行ひこう試験しけんでは1948年ねん5月がつ25日にちまでに136回かいの飛行ひこうを終おえてこれを完了かんりょうした。最高さいこう時速じそく885キロ、高度こうど8,000メートル、44分ぶんの飛行ひこう時間じかんを記録きろくした。片方かたがたのエンジンが作動さどうせずとも、良好りょうこうな操縦そうじゅう性せいを維持いじしていた。同機どうきの生産せいさんは推薦すいせんされたものの、MiG-9やYak-15よりも開発かいはつが大幅おおはばに遅おくれたため、ソ連それん政府せいふはこれを拒否きょひし計画けいかくは中止ちゅうしされた。また、このときアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくはSu-9の存在そんざいを確認かくにんし、「Type 8」という識別しきべつ番号ばんごうをつけた。番号ばんごうを付与ふよするという方式ほうしきは正式せいしき名称めいしょうの明あきらかにならない敵てき機きであるソ連それん機きを識別しきべつするために考案こうあんされた手段しゅだんであったが、あまり効率こうりつ的てきではなかったのでのちにいわゆるNATOコードネームに取とって代かわられた。

2基きのRD-10(РД-10)ターボジェットエンジンを搭載とうさいしていたSu-9だが、スホーイはエンジンをTR-1(ТР-1)に変更へんこうした発展はってん型がたのSu-11 «LK»や、それをさらに改修かいしゅうしたSu-13 «TK»などの開発かいはつも行おこなったが、Me 262に似にすぎていることからヨシフ・スターリンから嫌きらわれ、どの機体きたいの量産りょうさん化かも認みとめられなかった。加くわえて、大型おおがた後退こうたい翼つばさ機きのSu-15 «P»の墜落ついらく、Su-17 «R»の開発かいはつ失敗しっぱいを拠より所どころにソ連それん中央ちゅうおうよりサボタージュを行おこなったとして批判ひはんされ、スホーイ設計せっけい局きょくは閉鎖へいさが命めいぜられた。

各かく型かた

Su-9 / Су-9

RD-10エンジンを搭載とうさいした試作しさく戦闘せんとう爆撃ばくげき機き。設計せっけい局きょく名称めいしょうとして«K»(«К»カー)とも呼よばれた。 Su-9(«K»)

Su-11 / Су-11

TP-1エンジンを搭載とうさいした発展はってん型がた。設計せっけい局きょく名称めいしょうとして«LK»(«ЛК»エルカー)とも呼よばれた。

Su-13 / Су-13

前線ぜんせん戦闘せんとう機きとして開発かいはつされた、Su-11の発展はってん型がた。TP-1に換かえ、より強力きょうりょくなRD-500エンジンを搭載とうさいした。主翼しゅよくはSu-11に比くらべ相対そうたい的てきな厚あつみを9 %まで減少げんしょうされ、水平すいへい尾翼びよくは後退こうたい翼つばさとなった。設計せっけい局きょく名称めいしょうとして«TK»(«ТК»テーカー)とも呼よばれた。

スペック (Su-9)

• 全幅ぜんぷく：11.20 m
• 全長ぜんちょう：10.55 m
• 翼つばさ面積めんせき：20.20 m²
• 空虚くうきょ重量じゅうりょう：4,060 kg
• 通常つうじょう離陸りりく重量じゅうりょう：5,890 kg
• 発動はつどう機き：RD-10(РД-10) ターボジェットエンジン ×2
• 出力しゅつりょく：900 kg/s ×2
• 最高さいこう速度そくど：885 km/h
• 実用じつよう航続こうぞく距離きょり：1,200 km
• 最大さいだい上昇じょうしょう力りょく：5,000 m/min
• 実用じつよう上限じょうげん限度げんど：12,800 m
• 乗員じょういん：1 名めい
• 武装ぶそう：
  • 37 mm機関きかん砲ほうN-37(Н-37) ×1(弾たま数すう40発はつ)、23 mm機関きかん砲ほうNS-23(НС-23) ×2(弾たま数すう2 門もん共通きょうつうで200発はつ)
  • 250 kg爆ばく弾だんFAB-250(ФАБ-250) ×2、または500 kg爆ばく弾だんFAB-500(ФАБ-500) ×1(但ただし、爆ばく弾だん搭載とうさいに際さいしては37 mm機関きかん砲ほうは機体きたいから降おろす必要ひつようあり)

運用うんよう国こく

• ソビエト連邦れんぽう

参考さんこう文献ぶんけん

• Gordon, Yefim. Early Soviet Jet Fighters. Hinckley, Leicestershire, UK: Midland, 2002. ISBN 1-85780-139-3.
• 『世界せかいの傑作けっさく機き No.120 スホーイSu-15“フラゴン”』文ぶん林はやし堂どう：初はじめのSu-9、Su-9/11/15シリーズ全般ぜんぱん。

関連かんれん項目こうもく

• Me 262 - 世界せかい初はつの実用じつようジェット戦闘せんとう機き

外部がいぶリンク

• Уголок неба. 2004 (Страница: "Сухой Су-9 (Первый)" Дата модификации: 16-03-2006) （ロシア語ご）
• Сухой / Су-9, 11, 13 （ロシア語ご）
• Уголок неба. 2004 (Страница: "Сухой Су-11 (Первый)" Дата модификации: 18-05-2006) （ロシア語ご）