環境かんきょう・科学かがく

「みんなの0円えん物件ぶっけん」で守まもられた湿原しつげん　キタサンショウウオ生息せいそく地ち

　分布ぶんぷが北海道ほっかいどう東ひがしの釧路くしろ湿原しつげんにほぼ限かぎられ、絶滅ぜつめつが危惧きぐされる両生類りょうせいるい・キタサンショウウオの生息せいそく地ちが支援しえんを募つのって土地とちを取得しゅとくし、管理かんりする「ナショナルトラスト」で実績じっせきのあるNPO法人ほうじんの手てで保全ほぜんされることが決きまった。きっかけは不動産ふどうさんの無償むしょう譲渡じょうとマッチング支援しえんサイト。サイトを介かいしてキタサンショウウオの生息せいそく地ちが守まもられる

月つきに地下ちか空洞くうどう　探査たんさ基地きちの適地てきちか　温度おんど安定あんてい、放射線ほうしゃせんも緩和かんわ

　月面げつめんで200カ所かしょ以上いじょう確認かくにんされている「縦穴たてあな」の一ひとつが地下ちか空洞くうどうにつながっており、激はげしい寒暖かんだん差さや放射線ほうしゃせん、隕石いんせきから身みを隠かくせる安全あんぜんな探査たんさ基地きちの適地てきちとなる可能かのう性せいがあるとの研究けんきゅうを、イタリア・トレント大だいなどのチームが15日にち発表はっぴょうした。英えい科学かがく誌しネイチャーアストロノミーに論文ろんぶんが掲載けいさいされた。　縦穴たてあなは地球ちきゅうから見みて中央ちゅうおうから東ひがし

宇宙うちゅう環境かんきょうが口腔こうくう内ないに及およぼす影響えいきょうは？　「宇宙うちゅう歯学しがく研究けんきゅう会かい」初はつの総会そうかい

　宇宙うちゅう環境かんきょうが口腔こうくう（こうくう）内ないに及およぼす影響えいきょうなどを研究けんきゅうする「日本にっぽん宇宙うちゅう歯学しがく研究けんきゅう会かい」の初はつの総会そうかいが13日にち、名古屋なごや市し千種ちくさ区くの愛知学院大あいちがくいんだい楠元くすもとキャンパスであった。　研究けんきゅう会かいでは、宇宙うちゅうでの長期ちょうき滞在たいざい者しゃや、民間みんかん人じんの宇宙うちゅう旅行りょこう者しゃが現あらわれる中なか、宇宙うちゅう空間くうかんが口腔こうくう細菌さいきんに及およぼす影響えいきょうや、低てい重力じゅうりょくが口腔こうくう周辺しゅうへんの筋肉きんにくに与あたえる影響えいきょうなどを各地かくちの歯科しか大だい

シェア傘かさ、利用りようが過去かこ最多さいた　「プラごみ削減さくげん」の意識いしき高たかまりも影響えいきょうか

　雨傘あまがさを共有きょうゆうするサービスが、急速きゅうそくに拡大かくだいしている。スタートアップが手てがけるシェア傘がさ「アイカサ」は、6月の利用りよう回数かいすうが過去かこ最多さいたを更新こうしん。運営うんえい会社かいしゃは今後こんごも設置せっち場所ばしょを増ふやしていく方針ほうしんで、「生なま活動かつどう線せんの全すべてをカバーしたい」としている。　◇アプリ登録とうろく者しゃ60万まん人にん超ちょう　「アイカサ」は、鉄道てつどう駅えきや商業しょうぎょう施設しせつ、コンビニなどに設もうけた

武甲山ぶこうざんの未み調査ちょうさ問題もんだい　39年ねん前まえの報告ほうこく書しょで環境かんきょう整備せいびの必要ひつよう性せいを指摘してき

　武たけ甲山こうざん（標高ひょうこう1304メートル）にある国くに指定してい天然記念物てんねんきねんぶつの石灰岩せっかいがん地ち特殊とくしゅ植物しょくぶつ群落ぐんらくの現地げんち調査ちょうさを埼玉さいたま県けん横瀬よこせ町まちが40年ねん以上いじょう実施じっししていない問題もんだいで、町まちが当時とうじまとめた調査ちょうさ報告ほうこく書しょは、群落ぐんらくの代表だいひょう的てき植物しょくぶつのチチブイワザクラにとって指定してい地ちの環境かんきょう条件じょうけんは好このましいものではなく、環境かんきょう整備せいびの必要ひつよう性せいを指摘してきしていた。町まちは「指定してい地ちへの環境かんきょう負まけ

蚊かに「嫌いやな記憶きおく」植うえ付つける虫むしよけ　吸血きゅうけつから身みを守まもる新あらたな発想はっそう

　蚊かは人ひとにかゆみをもたらすだけでなく、人ひとから人ひとへ病原びょうげん体たいを運はこぶ厄介やっかいな存在そんざいだ。「世界せかいで最もっとも人ひとを殺ころす生物せいぶつ」とされる蚊かから身みを守まもるため、吸血きゅうけつ行動こうどうを抑制よくせいするための研究けんきゅうが進すすめられている。新あらたな発想はっそうで作つくられた虫むしよけは、蚊かに「嫌いやな記憶きおく」を植うえ付つけるという。　◇「やる気き」をそぐ　蚊かは、長ながい脚あしを使つかって人ひとに気きづかれないよ

デジタル化か、環境かんきょうに影響えいきょう大だい　莫大ばくだいなエネルギー消費しょうひ　国連こくれん「規制きせい必要ひつよう」

　国連こくれん貿易ぼうえき開発かいはつ会議かいぎ（UNCTAD）は10日とおか、デジタル分野ぶんやの発展はってんが環境かんきょうに及およぼす影響えいきょうに焦点しょうてんを当あてた2024年版ねんばん「デジタル経済けいざい報告ほうこく書しょ」を公表こうひょうした。原料げんりょう調達ちょうたつから製品せいひんの廃棄はいきまで、情報じょうほう通信つうしん技術ぎじゅつ（ICT）は莫大ばくだい（ばくだい）なエネルギーなどを消費しょうひ。リサイクルの推進すいしんなど、より厳きびしい環境かんきょう規制きせいが必要ひつようだと指摘してきしている。　I

生命せいめい物質ぶっしつの材料ざいりょうは小惑星しょうわくせいから？　リュウグウ試料しりょうに有機ゆうき酸さん65種類しゅるい

　日本にっぽんの無人むじん探査たんさ機き「はやぶさ2」が2020年ねんに小惑星しょうわくせいリュウグウから持もち帰かえった試料しりょうから、アミノ酸あみのさんや核酸かくさん塩基えんきなど生命せいめいに欠かかせない物質ぶっしつの材料ざいりょうになる65種類しゅるいもの有機ゆうき酸さんを見みつけたと、海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうなどのチームが10日とおか付づけの英えい科学かがく誌しネイチャーコミュニケーションズ電子でんし版ばんに発表はっぴょうした。　リュウグウのような小惑星しょうわくせいが太古たいこ

「地球ちきゅう的てき課題かだいの実験じっけん村むら」活動かつどう終了しゅうりょう　成田空港なりたくうこう周辺しゅうへんの自然しぜん環境かんきょう再生さいせい訴うったえ

　成田空港なりたくうこうを巡めぐる反対はんたい運動うんどうの解決かいけつを目指めざし国こくも参加さんかした1993～94年ねんの円卓えんたく会議かいぎで提案ていあんされ、空港くうこう周辺しゅうへんの千葉ちば県けん成田なりた市しや芝山しばやま町まちで98年ねんから約やく25年間ねんかん、農林のうりん業ぎょうなどが営いとなまれた「地球ちきゅう的てき課題かだいの実験じっけん村むら」が、今春こんしゅん、その活動かつどうを終おえた。村むらの関係かんけい者しゃらは「今後こんごは個人こじんの立場たちばで活動かつどうを続つづけたい」と話はなす。　成田空港なりたくうこうは66年ねんに建設けんせつが閣議かくぎ

水中すいちゅう写真しゃしん連載れんさい So Blue

取扱とりあつかい注意ちゅうい！海うみの「ビーナス」はか弱よわい存在そんざい

　「ビーナスの飾かざり帯たい」という、優雅ゆうがで官能かんのう的てきな日本にっぽんでの呼よび名なを持もちます。ほんのりと虹色にじいろにきらめき、神秘しんぴ的てきで不思議ふしぎな存在そんざいです。英語えいご名めいも「Venus　girdle（ビーナスのガードル）」。ローマ神話しんわの愛あいと美びの女神めがみ「ビーナス」が由来ゆらいだそうです。　正式せいしきな和名わみょうは、趣おもむきに欠かけるものの分わかりやすい「オビクラゲ」。とは

欧州おうしゅう発明はつめい家か賞しょうに佐川さがわ真人まさと氏し　世界せかい最強さいきょうの永久えいきゅう磁石じしゃく開発かいはつ　大同特殊鋼だいどうとくしゅこう顧問こもん

　欧州おうしゅう特許庁とっきょちょうは9日にち、技術ぎじゅつ進歩しんぽに貢献こうけんした優すぐれた発明はつめい家かに贈おくる「欧州おうしゅう発明はつめい家か賞しょう」の授賞じゅしょう式しきを地中海ちちゅうかいの島国しまぐにマルタの首都しゅとバレッタで開ひらいた。世界せかい最強さいきょうの永久えいきゅう磁石じしゃくを開発かいはつした大同特殊鋼だいどうとくしゅこうの佐川さがわ真人まさと顧問こもん（80）＝徳島とくしま市し出身しゅっしん＝が非ひ欧州おうしゅう部門ぶもんに選えらばれた。　佐川さがわ氏しは1982年ねん、ネオジムという物質ぶっしつと鉄てつを組くみ合あわせたネオジム磁石じしゃくを開発かいはつ。

冬ふゆのチリの砂漠さばくで9年ねんぶりに花はなが咲さく　エルニーニョ現象げんしょうの影響えいきょうか

　南米なんべいチリの北部ほくぶに広ひろがるアタカマ砂漠さばくでここ数日すうじつ、白しろや紫むらさきの花はな々が開花かいかしている。南半球みなみはんきゅうのチリで冬ふゆに当あたる今いまの時期じきに、花はなが咲さくのは9年ねんぶり。背景はいけいには6月がつ中旬ちゅうじゅんまで続つづいたエルニーニョ現象げんしょうの影響えいきょうがあるとの見方みかたが出でている。　5000メートル級きゅうのアンデス山脈あんですさんみゃくの裾野すそのに広ひろがるアタカマ砂漠さばくは降水こうすい量りょうが少すくなく、世界せかいで最もっとも乾燥かんそう

「JR東海とうかい、今いまこそ原点げんてんに」　リニア工事こうじで湧わき出でた発想はっそうの問題もんだい点てん

　JR東海とうかいが進すすめるリニア中央ちゅうおう新幹線しんかんせんのトンネル掘削くっさく工事こうじで、岐阜ぎふ県けん瑞浪みずなみ市しの井戸いどやため池いけの水位すいい低下ていかが発覚はっかくした問題もんだいは、環境かんきょう保全ほぜんや水みず資源しげんに関かんして「地域ちいきとの合意ごういをどう形成けいせいすべきか」という課題かだいを改あらためて突つきつけた。今回こんかいの問題もんだいはなぜ起おきたのか。国土こくど交通省こうつうしょうリニア中央ちゅうおう新幹線しんかんせん静岡しずおか工こう区くモニタリング会議かいぎの委員いいんを務つとめる元もと大同だいどう大だい教きょう

牛うし由来ゆらいの高こう病原びょうげん性せい鳥とりインフルエンザ　ヒトに高たかい感染かんせん力りょくか　東大とうだいチーム

　牛うしに感染かんせんしたH5N1型がたの高こう病原びょうげん性せい鳥とりインフルエンザウイルスは、ヒトへの感染かんせん効率こうりつが鳥とり由来ゆらいのウイルスよりも高たかい可能かのう性せいがあると、東京とうきょう大新おおしん世代せだい感染かんせん症しょうセンターの河岡かわおか義裕よしひろ機構きこう長ちょうらのチームが発表はっぴょうした。マウスやフェレットに強つよい病原びょうげん性せいを示しめすことも確認かくにん。ウイルスが変化へんかした可能かのう性せいがあり、ヒトへの感染かんせん拡大かくだいが懸念けねんされる。　チ

原発げんぱつ・出口でぐちなき迷走めいそう

「原発げんぱつ『安やすい』」はウソだった？　政府せいふ、既設きせつ原発げんぱつも資金しきん支援しえんへ

　原発げんぱつは「安やすい」――。国くにが原子力げんしりょくを推進すいしんするうえでの根拠こんきょとなっていた原発げんぱつの経済けいざい性せいとは矛盾むじゅんする資金しきん支援しえん策さくが動うごき出だした。安全あんぜん対策たいさくなどで原発げんぱつのコストが膨ふくらんだためで、政府せいふは「新設しんせつ」の原発げんぱつに限かぎっていた支援しえんの対象たいしょうを「既設きせつ」にまで広ひろげる方針ほうしんだ。いつの間まに原発げんぱつは「高たかい」電源でんげんとなったのか。その負担ふたんは誰だれが負おうのか。　◇

原発げんぱつ・出口でぐちなき迷走めいそう

地震じしん、津波つなみ、テロ…跳はね上あがる原発げんぱつコスト　負担ふたんは消費しょうひ者しゃへ

　日本にっぽんが原子力げんしりょく政策せいさくを推進すいしんしてきた論拠ろんきょのひとつがコストの安やすさだった。新あらたに始はじまった「長期ちょうき脱だつ炭素たんそ電源でんげんオークション」を通つうじた原発げんぱつへの資金しきん的てきな支援しえんはその前提ぜんていを覆くつがえす策さくといえ、電気でんき料金りょうきんを支払しはらう消費しょうひ者しゃにも負担ふたんがのしかかることになりそうだ。　それまで「安やすい」とされてきた原発げんぱつのコストが跳はね上あがったきっかけのひとつは、

マイク遮断しゃだんから一転いってん、8時じ間あいだの再さい懇談こんだん　水俣みなまた患者かんじゃ、長年ながねんの苦くるしみ口々くちぐちに

　料理りょうりを作つくっても（感覚かんかく障害しょうがいで）味見あじみができない。この気持きもち、分わかりますか――。5月の水俣病みなまたびょう患者かんじゃ・被害ひがい者しゃらとの懇談こんだんの場ばで環境省かんきょうしょう職員しょくいんがマイク音声おんせいを遮断しゃだんした問題もんだいを受うけ、8日にちに開ひらかれた伊藤いとう信太郎しんたろう環境かんきょう相しょうとの再さい懇談こんだん。一転いってんして「持もち時間じかん」を設もうけないやり取とりは視察しさつを含ふくめて計けい約やく8時じ間あいだに及および、被害ひがい者しゃ側がわは要望ようぼうや長年ながねんの苦くるしみ

水俣病みなまたびょう救済きゅうさいとマイク遮断しゃだんは「別べつ問題もんだい」　全面ぜんめん解決かいけついまだ見通みとおせず

　水俣病みなまたびょう患者かんじゃ・被害ひがい者しゃらとの懇談こんだん時じのマイク遮断しゃだん問題もんだいを受うけ、環境省かんきょうしょうは5月、水俣病みなまたびょう対策たいさくを部署ぶしょ横断おうだん的てきに進すすめるためのタスクフォースを省内しょうないに設置せっちした。伊藤いとう信太郎しんたろう環境かんきょう相しょうは当初とうしょ、その役割やくわりについて「問題もんだい解決かいけつのために最大限さいだいげん何なにができるか、具体ぐたい的てきな政策せいさくにしていく」と、水俣病みなまたびょう問題もんだいの解決かいけつに向むけて動うごき出だすことをにおわせる発言はつげんをし

「ゼロ回かい答こたえだ」　マイク問題もんだいで再さい懇談こんだん、水俣病みなまたびょう患者かんじゃ認定にんてい巡めぐり反発はんぱつも

　伊藤いとう信太郎しんたろう環境かんきょう相しょうと水俣病みなまたびょうの患者かんじゃ・被害ひがい者しゃとの懇談こんだん中ちゅうに環境省かんきょうしょう職員しょくいんが被害ひがい者しゃ側がわのマイク音声おんせいを切きった問題もんだいで、被害ひがい者しゃ団体だんたいとの再さい懇談こんだんが8日にち、熊本くまもと県けん水俣みなまた市しで始はじまった。被害ひがい者しゃらの救済きゅうさいについて、伊藤いとう氏しは従来じゅうらいの立場たちばを変かえず、議論ぎろんは平行へいこう線せんをたどった。　伊藤いとう氏しはこの日ひ、「水俣病みなまたびょう被害ひがい者しゃ・支援しえん者しゃ連絡れんらく会かい」を構成こうせいする6団体だんたいと懇談こんだん。

学会がっかい連合れんごう有志ゆうし、科か研けん費ひの倍増ばいぞう求もとめ署名しょめい活動かつどう　競争きょうそう激化げきか、円えん安やす追おい打うち

　日本にっぽんの研究けんきゅう力りょく低下ていかに歯止はどめをかけようと、国内こくないの学会がっかい連合れんごう有志ゆうしは今月こんげつ、国くにが支給しきゅうする科学かがく研究けんきゅう費ひ助成じょせい事業じぎょう（科か研けん費ひ）の倍増ばいぞうを求もとめる署名しょめい活動かつどうを始はじめた。国くにから大学だいがくへの交付こうふ金きん削減さくげんに伴ともない、科か研けん費ひの獲得かくとく競争きょうそうは激化げきかしており、研究けんきゅう課題かだい1件けん当あたりの配分はいぶん額がくが減少げんしょう。円えん安やすや物価高ぶっかだかも研究けんきゅう資金しきん不足ふそくに追おい打うちをかけていると訴うったえている。署しょ