岩屋寺山

三さん次じ、岩屋いわや寺てらの裏山うらやま、ぐるり一周いっしゅう

まくら
今いま、備後西びんごにし国こくの観音かんのん札所ふだしょを巡拝じゅんぱいしているんですよ。数日すうじつ前まえに第だい１７番ばんの岩屋いわや寺てらを回まわってきました。
この寺てらは、観音かんのんの寺てらよりも不動ふどうの寺てらのほうが似につかわしい、修験しゅげんの寺てら、山伏やまぶしの寺てらなんですよ。
境内けいだいからは、三次盆地みよしぼんちが見渡みわたせる、ううむ、ひろびろとした景観けいかんだねぇ。ところで、この裏側うらがわはどうなっているんだろう。
ほんぺん
きょうは、その疑問ぎもんを解とくために出でかけてきました。南みなみ麓ふもとの畠敷はたじき地区ちく、食品しょくひんスーパーハタジキの駐車ちゅうしゃ場じょうに止とめさせてちょうだいね。

土日どにち混雑こんざつ時じに用意よういしてある第だい二に駐車ちゅうしゃ場じょうに止とめようね。通常つうじょうの駐車ちゅうしゃ場じょうに止とめては迷惑めいわくをかけてしまうもの。
駐車ちゅうしゃ場じょうから山やまを眺ながめると、岩屋いわや寺てらの西側にしがわに小山こやまが張はり出だしている。この山やまに比叡ひえい尾城おじろがあって、戦国せんごく期きの山城やましろだったんだそうな。
バス道どうに沿そって歩あるこうかい。畠敷はたじき東ひがし、信号しんごうのある交差点こうさてん、ここに医院いいんの駐車ちゅうしゃ場じょうがある。そこに岩屋いわや寺てらまでの絵え地図ちずがあるから見みといてね。
道みちに沿そって歩あるけばええよ。三さん次じ一いち畑はたけ薬師くすしへの矢印やじるしがあるが、これは岩屋いわや寺てらのことなんだよ、矢印やじるしに任まかせて進すすめばええよ。

道みちの広ひろい狭せまいで、どっちに行いくか悩なやむ箇所かしょに出でる、そこの溝川みぞかわが岩屋いわや寺川てらがわ、川かわ沿ぞいに進すすめば間違まちがいはないよ。
谷たにの出口でぐちに来きた。毘沙門堂びしゃもんどうがあって、ここから岩屋いわや寺てらへの参道さんどうになるんだね。
ここ数日すうじつの雪ゆきで参道さんどうは真まっ白しろ、誰だれも通かよっていない、わたしが最初さいしょの足跡あしあとを印しるすんだよ。
仁王におうのいない仁王門におうもんを過すぎ、狭せばまった岩場いわばのアゴを過すぎ、石仏いしぼとけが林立りんりつする野原のはらを見みやり、岩盤がんばん一枚岩いちまいいわの麓ふもとに地蔵じぞうが五ご、六ろく体たい、前まえには色いろ鮮あざやかな花はなが供そなえてある。
鎮守ちんじゅのヤシロへの分岐ぶんきだが、今日きょうは行いくのは止とめておくよ。岩場いわばの上うえなので、雪ゆきで滑すべったらオオゴトになるもの。

谷たにを渡わたって地蔵堂じぞうどうを越こえれば岩屋いわや寺てらの本堂ほんどうはもうすぐなんだね。
本堂ほんどう前まえから鎮守ちんじゅのヤシロが見下みおろせる、巌いわお頭あたまは白しろく雪ゆきをかぶって朱しゅ塗ぬりのヤシロだけ色いろが鮮あざやかだ。雪ゆきのない先日せんじつの風景ふうけいとは大だい違ちがいだね。
本堂ほんどうに額がくずき、境内けいだいの端はしから盆地ぼんちを見渡みわたす、昨夜さくやは雪ゆき、今日きょうはどこまでも銀世界ぎんせかいじゃのぅ。
さて、目的もくてきはこの寺てらの裏山うらやまなんですよ、さっさと出発しゅっぱつしよう。
寺てらの左ひだりに車道しゃどうがある、谷たにから歩あるいて登のぼらなくても参詣さんけいできるんだね。このようにしなくては、参詣さんけい者しゃが寄よらなくなり、いずれ廃すたれてしまうのさ。精せい一いち杯はいの努力どりょくなんだよ。

途中とちゅう、展望てんぼう台だい、岩屋いわや寺てら公園こうえんに向むかう水平すいへいの歩道ほどうがある。今日きょうはそっちには行いかないよ。
杉林すぎばやしの中なかを行いき、岩屋いわや寺てらと案内あんないする看板かんばんのふたつ目め、ここの分岐ぶんきで奥おくに向むかおうよ。
下さがれば舗装ほそう路ろで岩屋いわや寺てら公園こうえん、登のぼると地道じみちで奥山おくやまに向むかう道みちなんですよ。
池いけが現あらわれる、こっち側がわ斜面しゃめんにふたつ、反対はんたい側がわ斜面しゃめんにもうふたつ、低ひくい山やまで浅あさい谷たになのに、池いけの水みずは深ふかくたっぷり湛たたえてある。
よくまぁこんな狭せまい流域りゅういきの水源すいげん地ちに池いけを作つくろうと思おもったもんだ。

池いけからわずかで分水嶺ぶんすいれい、道みちはだらだらと下おりていくね。
こんな山やまの中なかなので誰だれも通かよっていないと思おもっていたが、車くるまの跡あとがある。山やま仕事しごとなんだろうか。伐採ばっさいの現場げんばはどこにも見当みあたらないがなぁ。
ゆるゆるだらだらと道みちは緩慢かんまんに下くだって、やぁ、集落しゅうらくが見みえる、後山うしろやま町まち中組なかぐみ集落しゅうらくだ。
舗装ほそう路ろと合流ごうりゅうするが、集落しゅうらくと反対はんたい方向ほうこうに歩あるくんだよ。そのまま水平すいへいにたどればええよ。
水平すいへい道どうは曲まがり曲まがって次つぎの集落しゅうらく、後山うしろやま町まち久光ひさみつ集落しゅうらく、民家みんかに出会であえば、ここでは左折させつするんだよ。
この先さきで舗装ほそうはなくなり、地道じみちに変かわる。でも、道みちの幅はばには変かわりはないさ。

県けんの造林ぞうりん公社こうしゃの植林しょくりん地ちなんだね、それでりっぱな道みちが付つけてある。
なんでこの辺あたりに詳くわしいか、それはね、この道みちが、わたしの中学校ちゅうがっこう高校こうこうの通学つうがくの道みちだったんですよ。
今いまは、雪ゆきに覆おおわれて仔細しさいは解わからないが、当時とうじはもっと狭せまい道みちだったが見渡みわたす風景ふうけいに見覚みおぼえがあるよ。
あれ、新あたらしい車くるまの跡あとは別べつの方向ほうこうへ向むかってしまう、犬いぬの足跡あしあとと一緒いっしょだったから、さては鉄砲てっぽう射うちの車くるまだったんだろうな。
雪ゆき降ふる前まえの車くるまの跡あとをたどりながら進すすもうか。この辺あたりは、昔むかしの記憶きおくと重かさなり難がたい箇所かしょだなぁ。こんな風景ふうけいだったかな。
峠とうげのてっぺん、車くるまはここまでで引ひき返かえしている。ははぁ、この先さきは昔むかしながらの道みちなのだ。

この谷たにの様子ようすには見覚みおぼえがあるよ、この道みちを自転車じてんしゃで通とおったもんだよ。
今いまの親おやは、まずこんな道どうを子供こどもに通とおらせはしないさ、子供こどもも嫌いやがるよ。でも、昔むかしは、ここを通とおるのが当然とうぜんだったのさ。
おかげで骨太ほねぶとな体からだに育そだった、この険路けんろ難路なんろを毎日まいにち通とおったせいだろうね。
谷たには開あけて平地ひらちが見みえるようになったよ。
林道りんどうを抜ぬけて里さとに出でた、鎮守ちんじゅの杜もりが見みえるでしょ、熊野くまの神社じんじゃ、そこまで行いくとするか。
三さん次じ周辺しゅうへんに適当てきとうなハイキングコースがないが、このコースならどうかね。岩屋いわや寺てらと熊野くまの神社じんじゃを結むすぶコースなんですよ。

おぅい、教育きょういく委員いいん会かい、社協しゃきょう(社会しゃかい教育きょういく協議きょうぎ会かい）、そのお歴々れきれきのかたがた、どぉお、検討けんとうしてみてはいかが？
熊野くまの神社じんじゃの前まえに近隣きんりんの地図ちず看板かんばんがある。後うしろの山やまが比叡ひえい尾山おやま、ぐるっと両方りょうほうから迫せまったまま、登のぼることなくパスした山やまなんですよ。
岩屋いわや寺山てらやま公園こうえんと名前なまえがあるんだもの、地図ちずに山名やまなが無なくても気きにすることはないさ、岩屋いわや寺山てらやまを登のぼったんだということにしよう。
岩屋いわや寺山てらやまの山頂さんちょうは？　ま、ええじゃないか、裏山うらやま一帯いったいを歩あるいたということで了解りょうかいしてよ。

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