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「安楽死法制化を阻止する会」の声明
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1978ねん11月 「安楽あんらく法制ほうせい阻止そしするかい」の声明せいめい




  「最近さいきん日本にっぽん安楽あんらく協会きょうかい太田おおた典礼てんれい理事りじちょう)を中心ちゅうしんに、安楽あんらく肯定こうていし、肯定こうていするばかりでなく、これを法制ほうせいしようとするうごきが表面ひょうめんしている。
  しかし、このようなうごきはあきらかに、医療いりょう現場げんば治療ちりょう看護かんご意欲いよく阻害そがいし、患者かんじゃやその家族かぞく闘病とうびょう気力きりょくうしなうばかりか、生命せいめい絶対ぜったいてき尊重そんちょうしようとする人々ひとびとおもいを減退げんたいさせている。こうした現実げんじつをみるにつけ、我々われわれすくなくとも、安楽あんらく法制ほうせいうごきをこれ以上いじょう黙視もくし放置ほうちすることはゆるされないと、社会しゃかいてき立場たちばからかんがえざるをえなくなった。
  現在げんざい安楽あんらく肯定こうていろんしゃ主張しゅちょうする「安楽あんらく」には、疑問ぎもんおおすぎるのである。しんひとのためをかんがえて、というよりも、なまのこ周囲しゅういのための「安楽あんらく」である場合ばあいおおいのではないか。つよ立場たちば人々ひとびと満足まんぞくのために、よわ立場たちばひとたちの生命せいめいうばわれるのではないか。きたい、という人間にんげん意志いしねがいを、がねなくまっとうできる社会しゃかい体制たいせい不備ふびのまま「安楽あんらく」を肯定こうていすることは、事実じじつじょう病人びょうにん老人ろうじんに「ね」と圧力あつりょくくわえることにならないか。現代げんだい医学いがくでは、患者かんじゃ確実かくじつ予想よそうできないのではないか……。
  これらの疑問ぎもんいて、安楽あんらく即座そくざ承認しょうにんすることは、我々われわれには到底とうていできない。実態じったいまなびつつかんがえ、討論とうろんし、ただしい方向ほうこう追求ついきゅうするためには、我々われわれは「安楽あんらく法制ほうせい阻止そしするかい」を組織そしきし、しん生命せいめい尊重そんちょうする社会しゃかい建設けんせつをめざそうとするものである。
  みぎ声明せいめいする。

いちきゅうななはちねんじゅういちがつ
安楽あんらく法制ほうせい阻止そしするかい
発起人ほっきにん  武谷たけや三男みつお 那須なす宗一そういち
野間のま ひろし 松田まつだ道雄みちお
水上すいじょう つとむ


……以上いじょう……

猪瀬いのせ[1987:153]に引用いんよう
 猪瀬いのせ 直樹なおき 19870820 『をみつめる仕事しごと』 新潮社しんちょうしゃ、209p. 1200 三鷹みたか



安楽あんらく尊厳そんげん  ◇日本にっぽん安楽あんらく協会きょうかい  ◇安楽あんらく法制ほうせい阻止そしするかい」の声明せいめいたいする反駁はんばく声明せいめい  ◇松田まつだ道雄みちお  ◇Archive
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