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「終末期」関係調査・研究
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終末しゅうまつ関係かんけい調査ちょうさ研究けんきゅう

安楽あんらく尊厳そんげん


このHP経由けいゆ購入こうにゅうしていただけたら感謝かんしゃ

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/170cce2b3f176bd2492573de0003e6da/$FILE/20080128_1shiryou1~3-1.pdfより

末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい昭和しょうわ62ねん〜)
ちょう 森岡もりおか 恭彦やすひこ東京大学とうきょうだいがく医学部いがくぶ教授きょうじゅ当時とうじ
おもなテーマ
末期まっき医療いりょう現状げんじょう
末期まっき医療いりょうのケア
施設しせつ在宅ざいたく末期まっき医療いりょう
国民こくみん理解りかい
調査ちょうさ方法ほうほう 文献ぶんけん調査ちょうさ

末期まっき医療いりょうかんする国民こくみん意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい平成へいせい5ねん〜)
ちょう かき忠生ただお (がんセンター中央ちゅうおう病院びょういん院長いんちょう当時とうじ
おもなテーマ
末期まっき医療いりょうたいする国民こくみん関心かんしん
延命えんめい治療ちりょう
患者かんじゃ意思いし尊重そんちょう、リビングウイル
尊厳そんげん安楽あんらく
調査ちょうさ方法ほうほう アンケート調査ちょうさ末期まっき医療いりょうかんする国民こくみん意識いしき調査ちょうさ

末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい平成へいせい9ねん〜)
ちょう まつます 恵一けいいち済生会さいせいかい中央ちゅうおう病院びょういん院長いんちょう当時とうじ
おもなテーマ ー国民こくみん意識いしき変化へんか
末期まっき医療いりょうのありかた
治療ちりょう方針ほうしんとう決定けってい
医療いりょう従事じゅうじしゃ患者かんじゃ意識いしき
調査ちょうさ方法ほうほう アンケート調査ちょうさ末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさ


◆1988 『昭和しょうわ63年度ねんど厚生こうせい科学かがく研究けんきゅう特別とくべつ研究けんきゅう事業じぎょうたきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう研究けんきゅう報告ほうこくしょ
 厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし老人ろうじん保健ほけん[1990:1-54]*
  研究けんきゅう班長はんちょう 竹中たけなかおさむ社会福祉・医療事業団しゃかいふくしいりょうじぎょうだん
  研究けんきゅうはんいん 大塚おおつか宣夫のりお青梅おうめけいとも病院びょういん)/木下きのした康仁やすひと日本にっぽん老人ろうじん福祉ふくし財団ざいだん)/中田なかたまゆみ(川崎かわさき市立しりつ井田いだ病院びょういん)/なな恵子けいこ東京とうきょう老人ろうじん総合そうごう研究所けんきゅうじょ)/松田まつだ鈴夫すずお時事通信社じじつうしんしゃ)/山口やまぐちあきら国立こくりつ精神せいしん神経しんけいセンター)/米本よねもと恭三きょうぞう東京とうきょう慈恵医科大学じけいいかだいがく
厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし老人ろうじん保健ほけん 19900331 たきりゼロをめざして――たきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう だいはん中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,160p. ASIN: 4805806818 1100 [amazon][boople] ※, a06 n01
  →なせることをめぐ言説げんせつ 1980年代ねんだい

末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい(1988〜)
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/170cce2b3f176bd2492573de0003e6da/$FILE/20080128_1shiryou1~3-1.pdfより
ちょう 森岡もりおか 恭彦やすひこ東京大学とうきょうだいがく医学部いがくぶ教授きょうじゅ当時とうじ
おもなテーマ
末期まっき医療いりょう現状げんじょう
末期まっき医療いりょうのケア
施設しせつ在宅ざいたく末期まっき医療いりょう
国民こくみん理解りかい
調査ちょうさ方法ほうほう 文献ぶんけん調査ちょうさ

末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい 19880616 「末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい報告ほうこくしょ」,厚生省こうせいしょう日本にっぽん医師いしかいへん[1989:3-16]*,町野まちのさくへん[1997:277-283] *
厚生省こうせいしょう日本にっぽん医師いしかい へん 19890925 末期まっき医療いりょうのケア――その検討けんとう報告ほうこく中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,207p. ISBN-10: 4805806648 ISBN-13: 978-4805806647 2039 [amazon][amazon] ※ d01.
町野まちの さく西村にしむら 秀二しゅうじ山本やまもと 輝之てるゆき秋葉あきば 悦子えつこ丸山まるやま 雅夫まさお安村やすむら つとむ清水しみず 一成いっせい臼木うすき ゆたか へん 19970420 安楽あんらく尊厳そんげん末期まっき医療いりょう――資料しりょう生命せいめい倫理りんりほうII』しんやましゃ,333p. ISBN:4-7972-5506-4 3150 [boople][amazon] ※ d01.

内閣ないかく政府せいふ広報こうほうしつ 1990 「医療いりょうにおける倫理りんりかんする世論せろん調査ちょうさ
 http://www8.cao.go.jp/survey/h02/H02-10-02-17.html

調査ちょうさ目的もくてき医療いりょう技術ぎじゅつ進歩しんぽともな医療いりょうじょう倫理りんりてき問題もんだいかんする国民こくみん意識いしき調査ちょうさし,今後こんご施策しさく参考さんこうとする。

調査ちょうさ項目こうもく
(1)先端せんたん医療いりょうかんする意識いしき
(2)延命えんめい医療いりょうかんする意識いしき
(3)治療ちりょう方法ほうほう決定けっていかんする意識いしき

調査ちょうさ対象たいしょう
(1) 母集団ぼしゅうだん 全国ぜんこく20さい以上いじょうもの
(2) 標本ひょうほんすう 3,000にん
(3) 抽出ちゅうしゅつ方法ほうほう そうだん無作為むさくい抽出ちゅうしゅつほう

調査ちょうさ時期じき  平成へいせいねん10がつ18にち平成へいせいねん10がつ28にち

回収かいしゅう結果けっか
(1) 有効ゆうこう回収かいしゅうすう(りつ) 2,209にん(73.6%)
(2) 調査ちょうさ不能ふのうすう(りつ) 791にん(26.4%)
不能ふのう内訳うちわけ転居てんきょ78  長期ちょうき不在ふざい99 一時いちじ不在ふざい312 住所じゅうしょ不明ふめい34 拒否きょひ 234 その34

Q6(1)  〔回答かいとうひょう7〕 生命せいめいをのばすために必要ひつよう医療いりょうけることについて,あなたはどうおもいますか。このなかであなたのおかんがえにちかいのはどちらですか。まず,「(1)あなたご自身じしん場合ばあい」についてはどうですか。(以下いか(2)から(3)まで順次じゅんじく。)(1)あなたご自身じしん場合ばあい
(27.2) (ア) 医学いがくじょう最新さいしん成果せいか十分じゅうぶん活用かつようして,延命えんめいのために最善さいぜんくすのがよい
(65.2) (イ) あまり不自然ふしぜんなことはせずに,寿命じゅみょうのままにまかせるほうがよい
( 7.6) わからない
Q6(2)  〔回答かいとうひょう7〕 (2)肉親にくしん場合ばあいで,本人ほんにん延命えんめい意思いしがわからない場合ばあい
(35.5) (ア) 医学いがくじょう最新さいしん成果せいか十分じゅうぶん活用かつようして,延命えんめいのために最善さいぜんくすのがよい
(53.2) (イ) あまり不自然ふしぜんなことはせずに,寿命じゅみょうのままにまかせるほうがよい
(11.3) わからない
Q6(3)  〔回答かいとうひょう7〕 (3)肉親にくしん場合ばあいで,本人ほんにん延命えんめい希望きぼうしていない場合ばあい
(21.3) (ア) 医学いがくじょう最新さいしん成果せいか十分じゅうぶん活用かつようして,延命えんめいのために最善さいぜんくすのがよい
(67.3) (イ) あまり不自然ふしぜんなことはせずに,寿命じゅみょうのままにまかせるほうがよい
(11.4) わからない


◆199205  読売新聞社よみうりしんぶんしゃ「がんと尊厳そんげんたいする世論せろん調査ちょうさ
 全国ぜんこく有権者ゆうけんしゃ3000にん対象たいしょう 質問しつもん:「尊厳そんげんとは回復かいふく見込みこみがない末期まっき患者かんじゃに、ただ生命せいめいばすためだけの医療いりょうつづけるよりも、寿命じゅみょうのまま人間にんげんらしいかたねがうというかんがかただが、あなたはこの尊厳そんげんかんがかたみとめますか、みとめませんか」→「みとめる」54%、「どちらかとえばみとめる」32%

読売新聞よみうりしんぶん大阪おおさか本社ほんしゃ生活せいかつ情報じょうほう へん 19981125 『いのちをつめて――終末しゅうまつ医療いりょう現場げんばから』,ブロンズしんしゃ,230p. ISBN-10: 489309159X ISBN-13: 978-4893091598 1600 [amazon] ※ d01.t02
 「尊厳そんげん容認ようにんはちわり
 読売新聞よみうりしんぶん全国ぜんこく世論せろん調査ちょうさでは、きゅうねんからきゅうねんまで毎年まいとし、「尊厳そんげん」についての質問しつもんもうけている。<0202<
 「回復かいふく見込みこみがない末期まっき患者かんじゃに、ただ生命せいめいばすためだけの医療いりょうつづけるよりも、寿命じゅみょうのまま人間にんげんらしいかたねがうという、尊厳そんげんかんがかたみとめますか」とのいに、”容認ようにん”は、きゅうねんはちろく%、きゅうさんねんはちさん%、きゅうよんねんはち%、きゅうねんはちろく%と、毎回まいかいはち〇%をえる高率こうりつだった。
 自分じぶんが「かり末期まっき医療いりょうけているとしたら」尊厳そんげんえらぶかについては、「えらびたい」はきゅうねんななよん%、きゅうさんねんなな%、きゅうよんねんななよん%だった。
 厚生省こうせいしょうきゅうさんねん実施じっしした「末期まっき医療いりょうかんする国民こくみん意識いしき調査ちょうさ」でも、病状びょうじょう悪化あっかして末期まっき植物しょくぶつ状態じょうたいおちいった場合ばあいよんにんさんにんが、延命えんめい治療ちりょう中止ちゅうしのぞんでいた。」(読売新聞よみうりしんぶん大阪おおさか本社ほんしゃ生活せいかつ情報じょうほうへん[1998:202-203])

◆1993

真部まなべ 昌子まさこ 20070711 わたしたちのわりかた――延命えんめい治療ちりょう尊厳そんげんのはざまで』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ学研がっけん新書しんしょ12,226p. ISBN-10: 4054034756 ISBN-13: 978-4054034754 756 [amazon][kinokuniya] ※ d01 et
 「日本にっぽんでは、厚生省こうせいしょういちきゅうきゅうさんねん全国ぜんこく成人せいじん男女だんじょさん〇〇〇にんたいし「末期まっき医療いりょうたいするアンケート調査ちょうさ」をおこなっています。その結果けっかは、たん延命えんめいはか治療ちりょう希望きぼうしないものおおく、また、「積極せっきょくてき安楽あんらく」を希望きぼうするものすくない、ということでした。
 時代じだいとも医学いがく医療いりょう発展はってん進歩しんぽだけでなく、医療いりょう全体ぜんたい環境かんきょうおおきく変化へんかしていることから、国民こくみん医療いりょうたいする意識いしき変化へんかしていくであろうことがかんがえられます。
 末期まっき医療いりょうかんしては、幾度いくど同様どうよう調査ちょうさおこなわれました。しかし、結果けっかきゅうさんねんのものとおおきくはわらず、日本にっぽんにおいては「積極せっきょくてき安楽あんらく」はなじまない状況じょうきょう確認かくにんされてい<123<ます。」(真部[2007:123-124])

◆1997〜 『「福祉ふくしのターミナルケア」にかんする調査ちょうさ研究けんきゅう事業じぎょう報告ほうこくしょ』(1997)〜

末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい 19980626 「末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい報告ほうこくしょ」→*
厚生省こうせいしょう健康けんこう政策せいさくきょく総務そうむ監修かんしゅう 20000610 『21世紀せいき末期まっき医療いりょう中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,225p. ISBN:4-8058-4249-0 2100 [amazon][kinokuniya][boople][BK1] ※ d01 et

・「たんなる延命えんめい医療いりょうとは、生存せいぞん期間きかん延長えんちょうのみを目的もくてきになされれる医療いりょうをいう。」
 とい「あなた自身じしん(あなたの担当たんとうする患者かんじゃ)がいたみをともない、しかもなお見込みこみがなく死期しきせまっている(6ケ月かげつ程度ていどあるいはそれよりみじか期間きかん想定そうてい)とげられた場合ばあいたんなる延命えんめいだけのための医療いりょうについてどうおかんがえになりますか。」

今井いまい きよし 20020405 理想りそう医療いりょうかたれますか――患者かんじゃのための制度せいど改革かいかくを』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ,275p. ISBN-10: 4492700811 ISBN-13: 978-4492700815 [amazon] ※ a06
 「厚生こうせい労働省ろうどうしょうのパンフレットでは、「たんなる延命えんめい治療ちりょうのぞまないひとやくななわり」といてありますが、これはただしい表現ひょうげんではないことです。質問しつもん内容ないようは「いたみをともない、なお見込みこみがないだけでな<133<く、死期が追っていると告げられた場合、単なる延命だけのための治療をどう考えますか」というものです。高齢者の場合、痛みが伴わない末期も少なくありませんし、慢性の病気の場合、死期が追っているかどうかの判断も難しいのです。どこからを末期というのかということも問題ですが、はなはだしい研究では、死亡一年前からを末期とみなすようなひどいものもありました。」(今井[2002:136])

 1998   厚生省こうせいしょう末期まっき医療いりょうについての意識いしき調査ちょうさ」(1998ねん1〜3がつ)
  医師いし1577にん一般いっぱん市民しみん2422にん対象たいしょう
  医師いし回復かいふく見込みこみがないうえに死期しき半年はんとし以内いないせまっている患者かんじゃに「延命えんめい医療いりょうはやめたほうがい」62.1%、「やめるべきだ」15.3% けいやくわり、そのうち88%:延命えんめい医療いりょう中止ちゅうししたのちおこな措置そちとして「患者かんじゃいのちみじかくなる可能かのうせいがあっても、いたみなどの緩和かんわ重点じゅうてんをおく」
  一般いっぱん市民しみんなお見込みこみのない病気びょうき自分じぶん死期しきせまった場合ばあい医師いしおこな治療ちりょうについて「延命えんめい治療ちりょうはやめたほうがよい」51.7%、「延命えんめい治療ちりょうつづけられるべき」16.0%。
  「末期まっき医療いりょう関心かんしんがある」一般いっぱん市民しみん80.9%、医師いし93.9%
  「安楽あんらくになるために積極せっきょくてき方法ほうほう生命せいめい短縮たんしゅくさせる」一般いっぱん市民しみん13.3%、医師いし1.9%
  「持続じぞくてき植物しょくぶつ状態じょうたいにおける延命えんめい治療ちりょうをやめたほうがよい、やめるべき」一般いっぱん市民しみん78.8%、医師いし86.2%
  「リビング・ウィルについて賛成さんせい一般いっぱん市民しみん47.6%、医師いし69.5%
  「リビング・ウィルについてあつかかた法制ほうせいをすべき」一般いっぱん市民しみん47.8%、医師いし55.2%

医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう 1999 『「終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう報告ほうこくしょ
 http://www.ihep.jp/publish/report/past/h11/h11-3.htm#1-3-3
1-3-3 終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう

(1)調査ちょうさ研究けんきゅう種類しゅるい
医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう自主じしゅ研究けんきゅう事業じぎょう

(2)調査ちょうさ研究けんきゅう目的もくてき
  これまでの日本にっぽん医療いりょうは、根治こんじてき治療ちりょう注力ちゅうりょくし、終末しゅうまつにおける患者かんじゃにニーズを重視じゅうししてこなかったとえる。8わりという院内いんない死亡しぼうりつや、「平成へいせい年度ねんど社会しゃかい医療いりょう入院にゅういん機関きかんべつ医療いりょう実態じったい調査ちょうさ」に末期まっき患者かんじゃたいする死亡しぼう直前ちょくぜんじゅう処置しょち結果けっかてきには延命えんめい治療ちりょうとう日本にっぽん医療いりょう特有とくゆう現象げんしょう実態じったいとしてられている。
  なかでも、がん患者かんじゃとうたいする医療いりょうは、緩和かんわケアが整備せいびなために入院にゅういん期間きかん欧米おうべい諸国しょこくの7〜10ばいおよぶなどの現象げんしょうこっている。これは、QOLとう配慮はいりょした患者かんじゃ主体しゅたい医療いりょうのありかたかんがえるじょうでも、かぎられた医療いりょう資源しげん効果こうかてき配分はいぶんのありかたかんがえるじょうでも、終末しゅうまつ医療いりょうのありかた検討けんとうでは象徴しょうちょうてき事象じしょうかんがえられるだろう。
  このような状況じょうきょうまえ、ほん研究けんきゅうでは、終末しゅうまつ医療いりょうのありかたについて、患者かんじゃ満足まんぞく経済けいざいせい観点かんてんから、しょ外国がいこく(イギリス、米国べいこくとう)における実態じったい調査ちょうさするとともに、わがくに実態じったいとの比較ひかく分析ぶんせきつうじて、今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうのありかた検討けんとうする基礎きそ資料しりょう作成さくせい目的もくてきとした。

(3)調査ちょうさ研究けんきゅう方法ほうほうおよび具体ぐたいてき内容ないよう
 日米にちべいカ国かこく中心ちゅうしんに、各国かっこく終末しゅうまつ医療いりょう緩和かんわケアにかんする制度せいど統計とうけいじょう実態じったいなどをあきらかにし、これをもとに今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうのありかたかんする検討けんとうおこなった。
  とくに、米国べいこくかんしては、現地げんち調査ちょうさおこなうことによって、その実態じったいをより詳細しょうさい把握はあくすることにつとめた。
1)終末しゅうまつ医療いりょう実態じったい
 終末しゅうまつ医療いりょうかんする各国かっこく実態じったいについて、以下いか観点かんてんとうから調査ちょうさした。また、その結果けっかいたった経緯けいい要因よういんとうかんして分析ぶんせきおこなった。
死亡しぼう場所ばしょ
死亡しぼうまえ入院にゅういん期間きかん
死亡しぼうまえ医療いりょう行為こうい
死亡しぼうまえ医療いりょう

2)緩和かんわケアの実態じったい
 終末しゅうまつ医療いりょうのうち、とくにがんとう患者かんじゃたいする緩和かんわケアに着目ちゃくもくし、各国かっこく実態じったいについて、以下いか観点かんてんとうから調査ちょうさした。
終末しゅうまつ医療いりょうにおける緩和かんわケアの位置いちづけ
緩和かんわケア実施じっし施設しせつ病床びょうしょうすう比率ひりつ
緩和かんわケア利用りようすう利用りようしゃ属性ぞくせい緩和かんわケアにかんする診療しんりょう報酬ほうしゅう制度せいどとう実態じったい
制度せいど普及ふきゅう影響えいきょうあたえている要因よういんとう

3)  わがくににおける今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうのありかたかんする検討けんとう
 しょ外国がいこくにおける制度せいどおよ実態じったいと、わがくに制度せいどおよ実態じったい比較ひかく分析ぶんせきつうじ、わがくににおける今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうのありかたかんする検討けんとうおこなう。

(4)調査ちょうさ研究けんきゅう結果けっか
1)終末しゅうまつ医療いりょう実態じったい
 日本にっぽん病院びょういんでの死亡しぼう割合わりあいぜん死亡しぼうしゃのうち、医療いりょう機関きかん死亡しぼうしたもの割合わりあい以下いかおなじ)がたかいことは一般いっぱんられているが、にちべいえいこくについて、この実態じったいあきらかにした。
病院びょういんでの死亡しぼう割合わりあい日本にっぽんやく80%、えいべい両国りょうこくやく50%であった。
・ これにたいして、入所にゅうしょ施設しせつでの死亡しぼう割合わりあいは、日本にっぽんやく2%、米国べいこくやく20%、イギリスでやく13%であった。
米国べいこくでの死亡しぼうまえ移動いどう経路けいろでは、施設しせつから病院びょういん移動いどう最期さいごむかえているのは全体ぜんたいの5%程度ていどで、一度いちど病院びょういんはいった場合ばあい自宅じたくまたは施設しせつもどって最期さいごむかえているものが、やく10%程度ていどあった。
病院びょういんへのアクセスせいと、自宅じたく施設しせつへの復帰ふっきりつ病院びょういんでの死亡しぼう割合わりあいたかくしているおも原因げんいん推察すいさつされた。

2) 緩和かんわケアの実態じったい
米国べいこくにおけるホスピス事業じぎょうしゃやく3,100(うち入院にゅういんがた施設しせつは200)あり、100施設しせつにもたない日本にっぽん実状じつじょうとはおおきくかけはなれている。
米国べいこくではホスピスサービスの97%が在宅ざいたくサービスであり、日本にっぽんでもホスピス普及ふきゅうのためには、在宅ざいたくサービスの活用かつようかぎになるとかんがえられる。
米国べいこくでは、メディケアにおいて6ヶ月かげつあいだかぎってホスピスサービスの給付きゅうふおこなっているが、がんなどのように、いたみなどによるQOLの低下ていか期間きかん一定いっていであるものについては制度せいどとしてマッチしているが、こころ疾患しっかんなどのように、QOLの低下ていかがランダムな疾患しっかんについては、この制度せいどがなじんでいないことなどがあきらかになった。

(5)調査ちょうさ研究けんきゅう体制たいせい
(担 とう
安田やすだ 純子じゅんこ医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう研究けんきゅういん
大泉おおいずみ 洋一よういち医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう研究けんきゅういん
齋藤さいとう 直人なおと医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう研究けんきゅういん

委託いたくさき
株式会社かぶしきがいしゃ 日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ
所属しょぞく役職やくしょくとうについては平成へいせい12ねんがつまつ現在げんざい

(6)研究けんきゅう成果せいか
終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう報告ほうこくしょ

石井いしい 暎禧 20010121 終末しゅうまつ医療いりょう医療いりょう危機ききをもたらすか――「終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう報告ほうこくしょ」のただしいかた,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』2086 http://www.sekishinkai.or.jp/ishii/opinion_tc03.htm

 「一連いちれんくすり医療いりょう悲惨ひさん老人ろうじん病院びょういんへの批判ひはん、そして医療いりょう保険ほけん財政ざいせい破綻はたんするという歴史れきし過程かてい進行しんこうしているなかで、過剰かじょう医療いりょう批判ひはんをてことして老人ろうじん医療いりょう抑制よくせいろん感情かんじょうてきかえ主張しゅちょうされてきた。これに情緒じょうちょてきって医療いりょう批判ひはんをすることが、医療いりょう経済けいざい学者がくしゃのやるべきこととはおもわれない。しかも老人ろうじん医療いりょう危機ききろん対応たいおうさくとして、提案ていあんされることのおおくは、診療しんりょう報酬ほうしゅうじょう長期ちょうき入院にゅういん是正ぜせい薬価やっか差益さえき縮小しゅくしょう部分ぶぶんてき包括ほうかつばらいの導入どうにゅう急性きゅうせい病床びょうしょう長期ちょうき療養りょうよう病床びょうしょう分離ぶんり長期ちょうき療養りょうよう基本きほんてき介護かいご保険ほけん移行いこうさせるなど、すでに着手ちゃくしゅされている政策せいさくぎず、げん制度せいど手直てなおしの範囲はんいえない。筆者ひっしゃ批判ひはんしてきた人々ひとびとの「政策せいさく提言ていげん」のあたらしさは、意図いとしているかかはべつとして、老人ろうじん早死はやじににさせることにより、人口じんこう問題もんだい解決かいけつし「老人ろうじん医療いりょう」をげようとするなさけない提案ていあんにある。
 日本にっぽん社会しゃかいはいかに高齢こうれいしゃかかまもっていくかがわれている。「国民こくみん負担ふたんりつ」や「老人ろうじん医療いりょう抑制よくせい」という言葉ことば呪縛じゅばくはなって、「すでにこった未来みらい」の老人ろうじんケアコストの増大ぞうだい数値すうちてき把握はあくし、どこかに無駄むだがあるのではないかという幻想げんそうて、まずそれをにな覚悟かくごめるべきである。無駄むだはあるだろうが、その程度ていどでは問題もんだい解決かいけつしない。国民こくみん覚悟かくごうながすためこそ、医療いりょう福祉ふくし提供ていきょうしゃは、その仕事しごとしつたかめ、それを可能かのうにする効率こうりつてき社会しゃかいてきシステムを提案ていあんしていかなければならない。その過程かていあやまった既得きとくけんて、制度せいど合理ごうりてき改革かいかく覚悟かくごおこなうべきであろう。このてんでは医療いりょうしゃがわにも責任せきにん一端いったんがある。」(わりの部分ぶぶん

滝上たきのうえ 宗次郎そうじろう 20010210 「(つづけ介護かいご保険ほけんはなぜ失敗しっぱいしたか――21世紀せいき社会しゃかい保障ほしょう制度せいどとは」,『週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい』5677:78-81

 「昨秋さくしゅう御用ごよう機関きかんである医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこうは、「終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよび政策せいさくかんする研究けんきゅう」という報告ほうこくしょした。「死亡しぼう直前ちょくぜん医療いりょう抑制よくせい医療いりょう全体ぜんたいあたえるインパクトはさほどおおきくないとかんがえられる」と正確せいかく記述きじゅつもあるものの、いち〇〇ページをえるこの報告ほうこくしょは、全体ぜんたい高齢こうれいしゃ生存せいぞんけん否定ひていする思想しそうちている。その表題ひょうだいにあるように「政策せいさくかんする研究けんきゅう」だからであろう。
 昨年さくねん老年ろうねん学会がっかい学術がくじゅつ集会しゅうかい会長かいちょうつとめた佐々木ささき英忠ひでただ東北大学とうほくだいがく教授きょうじゅは94ねんにある調査ちょうさおこなった。人口じんこういちまんにん宮城みやぎけんのあるまちでは、死亡しぼう直前ちょくぜんいちカ月かげつあいだ医療いりょうはちよんさいまえではやくななまんえんであるのにたいして、はちさい以上いじょうまんえんきゅうさい以上いじょういちまんえん極端きょくたんすくない。
 ではなぜ高齢こうれいしゃ医療いりょう無意味むいみであるという一部いちぶ世論せろんがあるのか。それはがんの末期まっき焦点しょうてんしぼってマスコミがかえ報道ほうどうするからだろう。苦痛くつうやわらげる以外いがい延命えんめい治療ちりょうはせずにホスピスにうつったり、れた自宅じたくもどって最期さいご充実じゅうじつしてごすがん患者かんじゃすくなくない。しかし、なお見込みこみがなく、苦痛くつうがあり、余命よめいがあとすこし、だと予測よそくできる病気びょうきはほかにどれほどあるのか。さらに高齢こうれいしゃのがんならば、おおくは苦痛くつうもなく進行しんこうきわめておそい。余命よめい判断はんだんできずとてもながいのである。
 経済けいざい学者がくしゃは、高齢こうれいしゃのがん患者かんじゃへの延命えんめい医療いりょうれいげて、まったく根拠こんきょもなくよう介護かいご高齢こうれいしゃ救命きゅうめい医療いりょうまでも否定ひていするが、人命じんめい無視むしもはなはだしい。厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、弱者じゃくしゃ人権じんけん無視むし転化てんかしやすい「健康けんこう日本にっぽん21」運動うんどう即刻そっこくやめるべきだ。早朝そうちょう庭師にわしりをぎたはなるバラえんはいつてもうつくしい。だが、日本にっぽん社会しゃかいはバラえんではない。」

終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい 2002年度ねんど〜2004年度ねんど
 報告ほうこくしょ 04/07/23
だいかい議事ぎじろく 04/06/23
だいかい議事ぎじろく 04/06/04
だいかい議事ぎじろく 04/03/24
だいかい議事ぎじろく 04/02/20
だいかい議事ぎじろく 03/11/19
だいかい議事ぎじろく 02/12/12
だいかい議事ぎじろく

終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい 20040703 「終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい報告ほうこくしょ――今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうかたについて」http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0723-8.html終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかいへん[2005:1-125]*
終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい へん 20050115 今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうかた中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,229p. ISBN-10: 4805845775 ISBN-13: 978-4805845776 2310 [amazon] ※ b d01 t02

 「あなた自身じしん(あなたの担当たんとうする患者かんじゃ)がいたみをともない、しかもなお見込みこみがなく死期しきせまっている(6ケ月かげつ程度ていどあるいはそれよりみじか期間きかん想定そうてい)とげられた場合ばあいたんなる延命えんめいだけのための医療いりょうについてどうおかんがえになりますか。」

◆20070422 『報道ほうどう2001』「今週こんしゅう調査ちょうさ」より
 http://www.fujitv.co.jp/b_hp/2001/chousa/2007/070422.html
 (4がつ19にち調査ちょうさ・4がつ22にち放送ほうそう/フジテレビ)
 フジテレビ・報道ほうどう2001「代理だいりはは延命えんめい治療ちりょう中止ちゅうし――なま 渦中かちゅう医師いし当事とうじしゃかたる」(07:30〜08:55)
とい2】あなたは、「安楽あんらく」や「尊厳そんげん」を日本にっぽんでもみとめるべきだとおもいますか。
  YES 75.2%
とい3】あなたが、もしなお見込みこみのない病気びょうきおかされ、死期しきせまっているとげられた場合ばあいたんなる延命えんめい治療ちりょう中止ちゅうししてほしいとのぞみますか。
 YES 69.6% NO 20.8% (その・わからない) 9.6%
とい4】あなたは、「安楽あんらく」や「尊厳そんげん」を日本にっぽんでもみとめるべきだとおもいますか。
 YES 75.2% NO 11.2% (その・わからない) 13.6%
 *川島かわしま たかし一郎いちろう立岩たていわしん 出演しゅつえん

終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい平成へいせい19年度ねんど〜)
 2008/01/17 「だいかい終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい開催かいさいについて」
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/s0124-3.html
 2008/01/24 だいかい 終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい
 だいかい資料しりょう http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/s0124-6.html
 うえ掲の調査ちょうさ質問しつもん項目こうもく:「いたみをともない、しかも」という文言もんごんけずられてる
 「あなた自身じしん(あなたの担当たんとうする患者かんじゃ)がいたみをともない、しかもなお見込みこみがなく死期しきせまっている(6ケ月かげつ程度ていどあるいはそれよりみじか期間きかん想定そうてい)とげられた場合ばあいたんなる延命えんめいだけのための医療いりょうについてどうおかんがえになりますか。」
 →「あなた自身じしん(あなたの担当たんとうする患者かんじゃ)がなお見込みこみがなく死期しきせまっている(6ケ月かげつ程度ていどあるいはそれよりみじか期間きかん想定そうてい)とげられた場合ばあいたんなる延命えんめいだけのための医療いりょうについてどうおかんがえになりますか。」


言及げんきゅう

立岩たていわ しん也 2008 『…』,筑摩書房ちくましょぼう 文献ぶんけんひょう


UP:20080329
身体しんたい×世界せかい関連かんれん書籍しょせき  ◇BOOK
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