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立岩真也「共同連のやろうとしていることはなぜ難しいのか、をすこし含む広告」
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共同きょうどうれんのやろうとしていることはなぜむずかしいのか、をすこしふく広告こうこく

立岩たていわ しん 200508 『共同きょうどうれん』100(100ごう記念きねんごう特集とくしゅう

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*この文章ぶんしょう希望きぼうについて』(2006,青土おうづちしゃ)に収録しゅうろくされました(立岩たていわ[2006:104-107])。おもとめください。

立岩真也『希望について』表紙

 共同きょうどうれんのことは、おもしろい――おもしろいといういいかたわたしはよくするのだが、失礼しつれいないいかたかもしれない――ところだとおもっていて、になりながらも、そして機関きかんなどはかなり以前いぜんからおくっていただいているのだが、よくりません。すみません。以下いか学者がくしゃふぜいの文章ぶんしょうかせてもらいます。
 安積あさか純子じゅんこ(いまは安積あさか遊歩ゆうほとおしている)いたなま技法ぎほう――いえ施設しせつらす障害しょうがいしゃ社会しゃかいがくというほんが1990ねんた(藤原ふじわら書店しょてん、1995ねん増補ぞうほ改訂かいていばん)。そこで、いくつかの主題しゅだいわたしらにはむずかしすぎてまだわからないのでここではけない、といた。ひとつは「優生ゆうせい思想しそう」のことで、これは1997ねん私的してき所有しょゆうろん(勁草書房しょぼう)ですこかんがえることになった。もうひとつは、関連かんれんするが「障害しょうがい肯定こうていする」というもののいいかたをどうかんがえるかだった。このことについては石川いしかわじゅん倉本くらもと智明ともあきへん障害しょうがいがく主張しゅちょう(2002ねん明石書店あかししょてん)にはいっている「ないにこしたことはない、か・1」でかんがえてみた(はなしわっていないのだが、「2」が気配けはいはない)。
 そしてもうひとつが労働ろうどうのことだった。障害しょうがいしゃ就労しゅうろうという主題しゅだいかぎらず労働ろうどうについてかんがえることはこれからしばらくのおおきな主題しゅだいだと、わたしはかなりにまじめにおもっている。最近さいきん拙著せっちょ自由じゆう平等びょうどう――簡単かんたんべつ姿すがた世界せかい(2004ねん岩波書店いわなみしょてん)でも、「労働ろうどう分配ぶんぱい労働ろうどう分割ぶんかつもおもしろい主題しゅだいとしてある。しばらくわたしたちは消費しょうひ社会しゃかいかたってきたのだが、とくにこれからなんじゅうねんかは労働ろうどうがもっともおおきな主題しゅだいひとつとなるだろう。」といた(p.24)。この主題しゅだいかんがえる本格ほんかくてき仕事しごとはこれからになる。まずおおまかにおもっていることをいたみじかほんひとすかもしれない※。それから、ひとたちともいっしょに仕事しごとをして、すうねんにはなにえればとおもう。そんな悠長ゆうちょうなとしかられるのはたいへんもっともなことなことではある。しかし、そのぐらいのおおきな問題もんだいではあるとおもう。
 とりあえずかんがえていることは上記じょうき自由じゆう平等びょうどう』にごくみじかくだがいた。また、ホームページhttp://www.arsvi.com「50じゅん索引さくいん→「労働ろうどう」とくといたものもんでいただける。そしてそこからもリンクされているし、またホームページ→「立岩たていわ」からもけるが、「できない・と・はたらけない――障害しょうがいしゃ労働ろうどう雇用こよう基本きほん問題もんだい(2001ねん、『季刊きかん社会しゃかい保障ほしょう研究けんきゅう』37-3:208-217、国立こくりつ社会しゃかい保障ほしょう人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょ)という文章ぶんしょういたことがあって、その全文ぜんぶんんでいただける。
 ただそこでは、共同きょうどうれん参加さんかしているような組織そしき仕事場しごとばのことについてはかんがえられていない。これも今後こんご課題かだいである。わたしがいる大学院だいがくいん立命館大学りつめいかんだいがく先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう)にこんど入院にゅういんしてくる院生いんせいで、「障害しょうがいしゃ労働ろうどう」のことを調しらべるというひと※がいて、そのひと共同きょうどうれんのこともりたいとっている。そのひとに、そして共同きょうどうれんのみなさんにも、よろしくおねがい、とおまかせなのだが、その院生いんせい政策せいさくとか理論りろんとかというタイプの研究けんきゅう方向ほうこうにはいまのところかなそうなもするので、わたしからひとつだけ。
 作業さぎょうしょ作業さぎょうするひと給料きゅうりょう作業さぎょうしょ指導しどういんというばれるひとの10ぶんの1にたないといったことがよくあって、共同きょうどうれんは、基本きほんてきに、そういうのはおかしいのじゃないかとってきたとおもう。そしてそうったのは基本きほんてきただしいはずだ。だがやっかいなのは、なかのほとんどにそのような格差かくさ存在そんざいする場合ばあい、ある組織そしきだけが平等びょうどう原則げんそく維持いじすることがむずかしいということだ。それは、簡単かんたんえば、そうすると、より仕事しごとができるひと流出りゅうしゅつしていき、仕事しごとができないひと流入りゅうにゅうしてくることによる。(じつはこれは、障害しょうがいしゃ仕事場しごとばとそのそと世界せかいとの関係かんけいにだけでなく、あるくにとそのそと世界せかいとの関係かんけいにもえる。たとえば金持かねもちにたかぜいをかけるとその金持かねもちはげていくかもしれず、福祉ふくしサービスの水準すいじゅんげるとそのサービスがしいひとたちがはいってくるかもしれない。だから作業さぎょうしょ問題もんだいとグローバリゼーションの問題もんだいとは、基本きほんてきにはおなじなのだ。このことは、ごくみじかくだが『自由じゆう平等びょうどう序章じょしょうだいせつ国境こっきょう制約せいやくする」いた。)さてどうするか。決定的けっていてきなただひとつのこたえというのでなく、そうかないがある程度ていどくいくつかの手段しゅだんかんがえ、わせてみるということになるだろう。あまりいさましいことはえなさそうだ。しかしそれでもいちはやってみて整理せいりしてみる価値かちはあるだろうとおもう。そんなことも、これから「もっともおおきな主題しゅだいひとつ」になる(ことにわたし勝手かってめた)労働ろうどうという主題しゅだいかんがえることの一部いちぶになる。

※それから15ねんったが(まだ)ほんていない。現在げんざい出版しゅっぱんしゃ品切しなぎちゅう希望きぼうについて』すことがあればそこに、あらたな文章ぶんしょうすかもしれない(2021/01/13)。
田島たじま 明子あきこさん。種々しゅじゅあったすえ、田島たじまさんは作業さぎょう療法りょうほうがく)の歴史れきし研究けんきゅうして博士はかせ論文ろんぶんき、学位がくい取得しゅとく著書ちょしょ刊行かんこうすることになった。

 原稿げんこう送付そうふ:2004.01

 つづきはどうなるか?↓
立岩たていわ しん也 2020/04/24 障害しょうがいしゃ・と・労働ろうどう メモ」,「公共こうきょうろん講義こうぎのための資料しりょう


UP:20040121 REV:0122,0201(リンク追加ついか), 20121111, 20210113
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