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Glover, Jonathan[ジョナサン・グラバー]
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Glover, Jonathan

ジョナサン・グラバー


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顔写真かおじゃしん簡単かんたん経歴けいれき
http://faculty.uccb.ns.ca/philosophy/arpa/glover.htm
[上記じょうきのものは、1999ねんひらかれた学会がっかい[Atlantic Region Philosophical Association]の広報こうほうpage にあるものなので、そのうちえるかもしれません。 本務ほんむこうでのあまりくわしくない説明せつめい以下いか]
http://www.kcl.ac.uk/depsta/law/research/cmle/staff.html


主著しゅちょ

 1970 Responsibility, Routledge & Kegan Paul/Humanities Press.

 1977 Causing Death and Saving Lives, Penguin Books.[1990 にreprinted]

 1984 What Sort of People Should There Be ?, Penguin Books.※
   ※pbk. Harmondsworth, Middlesex, England ; New York, N.Y., U.S.A. :
   Penguin, 189p. ISBN:0140222243 £2.50 ($5.95 U.S.)
  =1986(部分ぶぶんやく土屋つちやしゅん飯田いいだたかしやく,「こころよ経験けいけん ひと人格じんかく」(だいしょう飯田いいだへん[1986:199-205],「混合こんごうシステム」(だいしょう一部いちぶ飯田いいだへん[1986:32-41]
  =1996 (加藤かとう 尚武なおたけ飯田いいだ たかし 監訳かんやく)未来みらい世界せかい倫理りんり――遺伝子いでんし工学こうがくとブレイン・コントロール』 産業さんぎょう図書としょ

 1985 Self Creation, Longwood Press. [べいばん]

 1988 I: The Philosophy and Psychology of Personal Identity, Penguin Books.

 2000[初版しょはんは1999] Humanity: A Moral History of The 20th Century, Yale University Press.
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共著きょうちょ

 1989 Ethics of New Reproductive Technologies : The Glover Report to the European Commission, DeKalb : Northern Illinois University Press.
   Studies in biomedical policy, 159p. ISBN:0875801471


編著へんちょ

 1976 The Philosophy of Mind, (Oxford Readings in Philosophy) Oxford University Press.

 1990 Utilitarianism and Its Critics, Macmillan.

 1995 (With Martha Nussbaum) Women, Culture, and Development: A Study of Human Capabilities, (WIDER Studies in Development Economics) Oxford University Press.
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☆ その

 1991 MEDICAL-ETHICS AND THE ELDERLY - A CASE BOOK - WAYMACK,MH, TALER,GA
   THEOR MED, V12, N1, P93-95.

立岩たていわしん私的してき所有しょゆうろんより

だいしょうちゅう19 関連かんれんして、Nozick[1974=1992:67-72]、Glover[1984=1986:199-205]の「経験けいけん機械きかい」についての記述きじゅつ参照さんしょうのこと。「あなたがのぞむどんな経験けいけんでもあたえてくれる」(Nozick[1974=1992:67])この機械きかいをなぜひとのぞまないのかについてろんじられている。かれらのこのいにたいする回答かいとう本文ほんぶんわたしべたこととおなじではないが、ちか部分ぶぶんがある。このたね議論ぎろんから、つまり経験けいけん機械きかいのぞまないというノージックもみとめる前提ぜんていから、ノージックたち議論ぎろんくつがえすことが可能かのうだとわたしかんがえている。

だいしょうちゅう30 積極せっきょくてき優生ゆうせい支持しじするグラヴァーの主張しゅちょう検討けんとうする(Glover[1984]、著書ちょしょとしてGlover[1977]、Glover et al.[1989]とう以下いか森村もりむらすすむ[1987]の紹介しょうかいによる)。
 1.「性格せいかくとかたか知性ちせいといったものは遺伝いでんではなくそだった環境かんきょう産物さんぶつなのだから、積極せっきょくてき遺伝子いでんし工学こうがく無意味むいみだというひとがいる。しかしこの批判ひはん論点ろんてんをそらしている。」
 2.「関連かんれんした批判ひはんとして、「遺伝子いでんしとかわる遺伝子いでんしなどは存在そんざいせず、遺伝子いでんし環境かんきょうによって具合ぐあいかったりわるかったりする」というものもあるが、人間にんげんはけっして環境かんきょう真空しんくう地帯ちたい発生はっせいするのではなく、特定とくてい環境かんきょうなかきるのだから、人間にんげん生活せいかつするものとして現実げんじつじょう問題もんだいになる環境かんきょうなかでのしをかんがえればりる」
 3.「遺伝いでん形質けいしつおおくは、単一たんいつ遺伝子いでんしではなしに多数たすう遺伝子いでんしあいだ複雑ふくざつ相互そうご作用さようによってまるから、遺伝子いでんし工学こうがく実用じつようてきでないといわれるかもしれない。だが」単純たんじゅん組合くみあわせに形質けいしつ依存いぞんしている部分ぶぶんもあるかもしれないし、技術ぎじゅつ発展はってんもありうる。
 4.「積極せっきょくてき遺伝子いでんし工学こうがくおやないつくりだすために、…親子おやこ家族かぞくについての見方みかた根本こんぽんてきえてしまうかもしれないという不安ふあんもある。だが、これも十分じゅうぶん反論はんろんたりえない。だいいちに、親子おやこあいだ相違そういそだった場所ばしょときけた教育きょういくなどの環境かんきょう産物さんぶつでもあるが、それだからといって世代せだい断絶だんぜつふせぐために環境かんきょう固定こていせよとは主張しゅちょうされない…。だいに、親子おやこかん家族かぞくかん時代じだいとともに変化へんかし、われわれのしたしんでいるものもべつ絶対ぜったいのものではないから、その変化へんか阻止そしするためにはなにかつよ理由りゆう必要ひつようがある」
 5.「不自然ふしぜん」「かみえんずるもの」という批判ひはんたいして、「はなっておけばんでしまう病人びょうにんすく医療いりょうは「不自然ふしぜんではないののか? 自然しぜんさや神意しんいうったえる議論ぎろんは、あまりにも漠然ばくぜんとしていてとらえしょがない。そのうえ、かみ議論ぎろんは、かみ存在そんざいしんじているひとにしか意味いみたない。」
 6.政策せいさくてき統制とうせいたいする危惧きぐについては、「子供こどもにいかなる遺伝子いでんしあたえるかは、おやとなるべきものめればよい。…遺伝子いでんし操作そうさ自由じゆうは、人々ひとびとおそれるような人間にんげんせい画一かくいつとはぎゃくにその多様たようへとかうだろう。」
 7.「現在げんざい人類じんるいはこれ以上いじょう改善かいぜん余地よちがなく、その遺伝子いでんし進化しんか究極きゅうきょくというわけではない…から、遺伝子いでんし工学こうがく進化しんかさからっているわけでもない。」
 8.「その環境かんきょうにおいて通常つうじょうよりもいちじるしく不利益ふりえき状態じょうたい子供こども故意こいにおくことがゆるされてよいとはおもえない。/しかしながら、そのような危害きがい子供こどもあたえないとしたら、おや遺伝子いでんし操作そうさするのはなぜわるいのだろうか。おやは、子供こども成長せいちょうさえすればよいとかんがえてそだてたりはしない。あるしゅのタイプのひとそだてようとするのである。…それは、特定とくてい方向ほうこうづけと、ぎゃく方向ほうこう可能かのうせい排除はいじょとを意味いみしている。子供こども正直しょうじき人間にんげんそだてるということは、子供こども率直そっちょくであるように動機どうきづけ、子供こども不正直ふしょうじきになる可能かのうせいをつみとることである。おや成長せいちょうにこのようにして影響えいきょうあたえるのは不当ふとうだ、とはかんがえられていない。私的してき家族かぞくという制度せいど是認ぜにんする以上いじょうおや育成いくせいについて圧倒的あっとうてき権限けんげんつことはみとめられねばならない…。/もっとも…基本きほん生理せいりてき精神せいしんてき能力のうりょく身体しんたい完全かんぜんせいそこなうような操作そうさ禁止きんしされねばならない。」
 9.「子孫しそん第三者だいさんしゃたいして重大じゅうだい危害きがいあたえる危険きけんおおきい」という理由りゆうは、十分じゅうぶんおもみをもつ。しかし「危険きけんせい遺伝子いでんし操作そうさ慎重しんちょうさの問題もんだいであって、全面ぜんめんてき禁止きんし問題もんだいではない」(以上いじょう森村もりむら[1987:120-127])
 1.2.3.4.5.9.をみとめよう。6.について、多様たようかうかどうかは疑問ぎもんだが、すくなくとも、積極せっきょくてき優生ゆうせいが、国家こっか管理かんりてきなものであるとはかぎらないという論点ろんてんみとめうる(だいせつ2)。7.について、なに人類じんるい進化しんかなのかわたしにはわからないが、一応いちおうみとめておくとしよう。のこるのは8.だけである。これについて本文ほんぶんこたえた。
 なおつぎ引用いんよう文中ぶんちゅうのグローバーはグラヴァーとどう一人物いちじんぶつであり、ノージックについてはだいしょうせつだいしょうちゅう19、だいしょうせつれた。「グローバーは、ひとつの選択肢せんたくしとして、”遺伝子いでんしのスーパーマーケット”というアイディアを提案ていあんしている。/グローバーが哲学てつがくしゃのロバート・ノジックのアイディアからヒントをたという計画けいかくによると、これからおやになろうというひとたちが、遺伝いでんかんする選択せんたくリストから、自分じぶんたちの子供こどものためにどんな特徴とくちょうをとり、どんな欠点けってん矯正きょうせいするかを、あたかもスーパーでものをするときのように、自由じゆうえらぶことができるというものだ。/ある夫婦ふうふ自分じぶん子供こどものために、音楽おんがく才能さいのうとガンにかかりにくい体質たいしつというふたつの遺伝子いでんしえらぶかもしれない。べつ夫婦ふうふは、かれらなりにかんがえたべつ遺伝子いでんしえらぶだろう。コントロールばんによってすべての人間にんげん統轄とうかつするような中央ちゅうおう管理かんり方式ほうしきさえなければ、遺伝子いでんし多様たようせいるどころか、むしろえるはずである。」(Shapiro[1991=1993:339-340])

言及げんきゅう

立岩たていわ しん也・有馬ありま ひとし 2012/10/** 生死せいしかたおこない・1――尊厳そんげん法案ほうあん抵抗ていこう生命せいめい倫理りんりがく生活せいかつ書院しょいん


作成さくせい立岩たていわ しん
UP:? REV:20030506, 20090903, 20100704, 20120921
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