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太陽風によって温められる木星大気 - アストロアーツ
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太陽たいよう風ふうによって温あたためられる木星もくせい大気たいき

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太陽たいよう風ふうにより木星もくせいの極きょく域いきで生しょうじるオーロラが、従来じゅうらい考かんがえられていたよりも深ふかい部分ぶぶんまで木星もくせい大気たいきを加熱かねつしていることが明あきらかになった。この変化へんかは太陽たいよう風ふうの到達とうたつから1日にち以内いないという素早すばやい反応はんのうを見みせることもわかった。

【2019年ねん4月がつ16日にち すばる望遠鏡ぼうえんきょう／NASA JPL】

太陽たいようから吹ふき出だされたプラズマである太陽たいよう風ふうが地球ちきゅう大気たいき中ちゅうのガスと相互そうご作用さようしてオーロラが発生はっせいすると、そのオーロラによって地球ちきゅうの大気たいきが加熱かねつされる。これは地球ちきゅうだけでなく、木星もくせいの極きょく域いきで発生はっせいするオーロラでも同様どうようの現象げんしょうが起おこる。

NASAジェット推進すいしん研究所けんきゅうじょのJames Sinclairさんたちの研究けんきゅうチームは、すばる望遠鏡ぼうえんきょうの中なか間あいだ赤外線せきがいせんカメラ「COMICS」を使つかって木星もくせいを観測かんそくし、そのオーロラが木星もくせいの成層圏せいそうけんの加熱かねつにまで影響えいきょうを与あたえていることを明あきらかにした。従来じゅうらい考かんがえられていたよりも深ふかいところまで影響えいきょうが及およぶことを示しめしている。

木星成層圏にあるメタンの発光強度
すばる望遠鏡ぼうえんきょう「COMICS」でとらえた木星もくせい。成層圏せいそうけんにあるメタンの発光はっこう強度きょうどを示しめしており、極ごく域いきの明あかるいホットスポットは太陽たいよう風ふうの影響えいきょうで加熱かねつを受うけていることを表あらわす。2017年ねん1月がつ12日にち撮影さつえい（提供ていきょう：NAOJ/NASA/JPL-Caltech、以下いか同どう）

「太陽たいよう風ふうがもたらす『宇宙うちゅう天気てんき』現象げんしょうの最もっとも顕著けんちょな例れいが、木星もくせいに与あたえる影響えいきょうです。太陽たいようから吹ふき付つけられるプラズマが、これまで考かんがえられていたよりも木星もくせい大気たいきの深ふかい所ところまで影響えいきょうを及およぼしている様子ようすが、今回こんかいまさに観測かんそくされたのです」（Sinclairさん）。

この観測かんそくは、NASAの木星もくせい探査たんさ機き『ジュノー』を地球ちきゅうから支援しえんする国際こくさい協調きょうちょう観測かんそくキャンペーンの一環いっかんとして行おこなわれたもので、2017年ねん1月がつから5月がつにかけて実施じっしされた。太陽たいよう風ふうが木星もくせいにぶつかってからわずか1日にち以内いないで、大気たいき中ちゅうの化学かがく的てき性質せいしつに変化へんかが生しょうじて大気たいきの温度おんどが上昇じょうしょうした様子ようすがとらえられている。

木星の成層圏の温度変化
COMICSがとらえた木星もくせい。太陽たいよう風ふうの影響えいきょうにより、1日間にちかんで極ごく域いきの温度おんどが変化へんかしていることがわかる

「太陽たいよう活動かつどうによって宇宙うちゅう空間くうかんから降ふり注そそぐ高こうエネルギー粒子りゅうしが木星もくせい大気たいきの加熱かねつや化学かがく反応はんのうを引ひき起おこすことを、明確めいかくに示しめしています。このような現象げんしょうは、若わかかりしころの地球ちきゅうや他たの恒星こうせいを巡めぐる系けい外がい惑星わくせいといった、強つよい恒星こうせい活動かつどうにさらされる過酷かこくな環境かんきょうを持もつ惑星わくせいの大気たいき中ちゅうで起おこりうる複雑ふくざつな有機ゆうき化学かがく反応はんのうについて、手てがかりを与あたえてくれるものでもあります」（東北大学とうほくだいがく 笠かさ羽わ康正こうせいさん）。

〈参照さんしょう〉

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