宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう（JAXA）は4月がつ6日にちに開催かいさいされた宇宙うちゅう開発かいはつ委員いいん会かいにおいて、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでの支援しえん取とり組くみ等とうを報告ほうこくした。

同どう機構きこうでは、国内外こくないがいでの災害さいがい地域ちいきを観測かんそくし当該とうがい政府せいふ・自治体じちたいへのデータ提供ていきょうを行おこなっている地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい「だいち」（ALOS）撮影さつえい画像がぞうに基もとづいた「災害さいがい活動かつどう用ようマップ」を大だい地震じしん当日とうじつのうちに各かく県けん対策たいさく本部ほんぶに送付そうふ。翌日よくじつから大だい津波つなみによる冠水かんすいや地殻ちかく変動へんどうの様子ようすを観測かんそくして画像がぞうをウェブサイトで公開こうかいし、関係かんけい機関きかんへの情報じょうほう提供ていきょうを続つづけている。

各国かっこく宇宙うちゅう機関きかんによる災害さいがい時じの国際こくさい協力きょうりょく枠組わくぐみ「国際こくさい災害さいがいチャータ」に基もとづき、「だいち」のような海外かいがいの観測かんそく衛星えいせいの画像がぞうから宮城みやぎ県内けんないの公園こうえんのSOSメッセージが確認かくにんされ同どう県けんに報告ほうこくされた例れいもある。

地上ちじょう局きょくがダメージを受うけたために固定こてい電話でんわや携帯けいたい電話でんわがつながらなくなっている地域ちいきでは、災害さいがいに強つよい衛星えいせい通信つうしん回線かいせんが力ちからを発揮はっきしている。人工じんこう衛星えいせい「きく8号ごう」（ETS-VIII）や「きずな」（WINDS）を介かいした通信つうしん用ようの可か搬型アンテナが岩手いわて県けん各所かくしょに設置せっちされ、対策たいさく本部ほんぶ間あいだでの会議かいぎやインターネットによる安否あんぴ情報じょうほうのやりとりなどに利用りようされている。

また、宇宙うちゅう飛行ひこう士しが長ながく着用ちゃくようできるよう開発かいはつされた消けし臭しゅう下着したぎなども被災ひさい地ちに届とどけられた。

今回こんかいの報告ほうこくには含ふくまれていないが、限かぎられた物資ぶっしで隔離かくりされた生活せいかつを送おくる宇宙うちゅう長期ちょうき滞在たいざいにおいて、宇宙うちゅう飛行ひこう士しを被験者ひけんしゃとした遠隔えんかく診療しんりょうシステムの実験じっけんや宇宙うちゅう線せんによる放射線ほうしゃせん被曝ひばく管理かんりの研究けんきゅうなどが行おこなわれており、その蓄積ちくせきが重要じゅうような防災ぼうさい対策たいさくになり得えることを改あらためて感かんじさせる。