2022年ねん12月のガリレオ衛星えいせいの動うごき。上うえが北きた。衛星えいせいは実際じっさいよりも大おおきく描画びょうがしている。囲かこみ内ないは木星もくせいの拡大かくだい像ぞう（正せい立像りつぞう）（ステラナビゲータでシミュレーション）。

衛星えいせいの動うごきをシミュレーション動画どうがにしたので、観察かんさつの際さいの参考さんこうにしてください（I：イオ／II：エウロパ／III：ガニメデ／IV：カリスト）。図ずは上うえが北きたになっています。天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうでは像ぞうが回転かいてんしていることが多おおいので見比みくらべるときには注意ちゅういしましょう。

縞しま模様もようと大だい赤あか斑まだら

天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうで木星もくせいを見みると、縞しま模様もようがあるのがわかります。口径こうけい5cm程度ていどの小型こがた望遠鏡ぼうえんきょうでも、目立めだつ2本ほんを確認かくにんできるでしょう。

口径こうけいが大おおきくなると、さらに多おおくの縞しま模様もようが見みえてきます。気流きりゅうが安定あんていしているとき（風ふうがないとき）や木星もくせいが南みなみの空そらに見みえるとき（昇のぼった直後ちょくごや沈しずむ直前ちょくぜんではないタイミング）のほうが条件じょうけん良よく見みえるでしょう。

探査たんさ機き「カッシーニ」が撮影さつえいした木星もくせい。縞しま模様もようや大だい赤あか斑まだら（右みぎ下かの赤あかい渦巻うずまき）が見みえる。左下ひだりしたの黒くろい丸まるは衛星えいせいの影かげ。画像がぞうクリックでリリース元もとページへ（クレジット：NASA / JPL / University of Arizona）。

さらに、大だい赤あか斑むらという模様もようも見みえるかもしれません。大だい赤あか斑まだらは直径ちょっけいが地球ちきゅう数すう個こ分ぶんもある、巨大きょだいな台風たいふうのようなものです。木星もくせいは約やく10時じ間あいだで自転じてんしているので、大だい赤あか斑まだらが裏うらにまわっていることもあります。シミュレーション動画どうがやステラナビゲータを参考さんこうにして、タイミングを見計みはからって観察かんさつするようにしましょう。

公開こうかい天文台てんもんだいや科学かがく館かんなどで開催かいさいされる観望かんぼう会かい（観察かんさつ会かい、観測かんそく会かい）では、大おおきい望遠鏡ぼうえんきょうで木星もくせいを見みることができます。お近ちかくのイベント情報じょうほうは、全国ぜんこくプラネタリウム＆公開こうかい天文台てんもんだい情報じょうほうページ「パオナビ」で検索けんさくしてみてください。
※新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう対策たいさくとして、事前じぜん申もうし込こみや人数にんずう制限せいげんなどの可能かのう性せいがあります。詳くわしくは施設しせつやイベント主催しゅさい者しゃなどにご確認かくにんのうえ、安全あんぜんに注意ちゅういしてご参加さんかください。

1994年ねん7月がつにハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうがとらえた、シューメーカー・レビー彗星すいせい（D/1993 F2）の衝突しょうとつ痕こん。画像がぞうクリックでリリース元もとページへ（クレジット：JPL / NASA / STScI）。

1998年ねん11月にハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが紫外線しがいせんで撮影さつえいした木星もくせいの北極ほっきょくのオーロラ（擬似ぎじカラー）。画像がぞうクリックでリリース元もとページへ（クレジット：NASA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: NASA / ESA, John Clarke (University of Michigan)）。

木星もくせいの軌道きどうはわずかにつぶれた楕円だえん形がたなので、地球ちきゅうと最さい接近せっきんするときの距離きょりは毎回まいかい変かわります（満月まんげつの大小だいしょうや、火星かせいの大だい接近せっきん・小しょう接近せっきんと同おなじことです）。今こんシーズンは12年ねんのうちで最もっとも近ちかづくタイミングで、とくに今回こんかい（9月がつ26日にち、約やく5.91億おくkm）は21世紀せいき中ちゅうで一番いちばん近付ちかづきます^（*1）。最さい接近せっきんのうちでも距離きょりが大おおきい2029年ねん4月がつ13日にち（約やく6.66億おくkm）と比くらべると、約やく7400万まんkm近ちかい距離きょりです^（*2）。火星かせいの大だい接近せっきん・小しょう接近せっきんほど大おおきく見みえ方かたが変かわるわけではありませんが^（*3）、12年ねんのうちで最大さいだいの木星もくせいであることを、少すこし意識いしきしてみると面白おもしろいかもしれません。

*1：21世紀せいき中ちゅうで2番目ばんめに近ちかいのは12年ねん後ごの2034年ねん10月がつ1日にちで、今回こんかいより約やく7万まんkm遠とおい。

*2：21世紀せいき中ちゅうで最さい遠とおの最さい接近せっきんは2076年ねん3月がつ30日にち（約やく6.67億おくkm）。

*3：直径ちょっけい比ひで約やく13%変かわる（火星かせいは75%以上いじょう変かわる）。

2022年ねん9月がつ26日にちと2029年ねん4月がつ13日にちの、地球ちきゅうと木星もくせいの位置いちと距離きょり。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい（ステラナビゲータで星図せいず作成さくせい）。

1989年ねんに打うち上あげられた探査たんさ機き「ガリレオ」は、史上しじょう初はじめて木星もくせいを周回しゅうかいしながら観測かんそくを行おこないました。ガリレオは1995年ねんから2003年ねんにかけて木星もくせいやその衛星えいせいを観測かんそくし、数々かずかずの美うつくしい画像がぞうや科学かがくデータをもたらしました。

• Galileo（NASA）

土星どせい探査たんさ機き「カッシーニ」や冥王星めいおうせい・太陽系たいようけい外縁がいえん天体てんたい探査たんさ機き「ニューホライズンズ」も、それぞれのメインターゲットへと向むかう途中とちゅうに木星もくせいを観測かんそくしています。

1996～1997年ねんにガリレオが撮影さつえいしたガリレオ衛星えいせい。左ひだりからイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。画像がぞうクリックでリリース元もとページへ（クレジット：NASA / JPL / DLR）。
主おもな特徴とくちょう：イオ：活発かっぱつな火山かざん活動かつどうが見みられる／エウロパ：氷こおりに覆おおわれ、内部ないぶ海うみが存在そんざいする／ガニメデ：水星すいせいよりも大おおきい。内部ないぶ海うみがあるかもしれない／カリスト：地質ちしつ変動へんどうがほぼなく、古ふるい物質ぶっしつが残のこっているとみられる

2011年ねん8月がつに打うち上あげられ2016年ねん7月がつに木星もくせいに到着とうちゃくした探査たんさ機き「ジュノー」は、木星もくせいの北極ほっきょくと南極なんきょくを通とおる楕円だえん軌道きどうを周回しゅうかいしながら、木星もくせいの大気たいきや磁場じば、内部ないぶの様子ようすなどを調しらべています。

• Juno（NASA）
• Mission Juno（Southwest Research Institute）

「星ほしナビ」2020年ねん9月がつ号ごうでジュノーの成果せいかを特集とくしゅう（8ページ）。

2017年ねん12月にジュノーが撮影さつえいした木星もくせいの南極なんきょく。画像がぞうクリックでリリース元もとページへ（クレジット：NASA / JPL-Caltech / SwRI / MSSS / Gerald Eichstädt）。

2018年ねん10月がつにジュノーが撮影さつえいしたイルカのような模様もよう（クレジット：NASA / JPL-Caltech / SwRI / MSSS / Brian Swift / Sean Doran）。

2018年ねん12月にジュノーが撮影さつえいした大だい赤あか斑むらと白斑はくはん（クレジット：NASA / JPL-Caltech / SwRI / MSSS / Gerald Eichstädt / Sean Doran）。