障害しょうがい者しゃ自身じしんでヘルパー時間じかん数すうの改善かいぜん交渉こうしょうを

　長時間ちょうじかんのヘルパー制度せいどが必要ひつような最さい重度じゅうどの障害しょうがい者しゃであっても、市町村しちょうそんには、障害しょうがい者しゃ個々人ここじんが自立じりつした生活せいかつができるような支給しきゅう決定けっていをする責務せきむがあります（障害しょうがい者しゃ基本きほん法ほう・障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほう）。現在げんざい、国くにの障害しょうがいヘルパー制度せいどの理念りねんにのっとって、必要ひつようなヘルパー時間じかんを個々人ここじんごとに決定けっていしている市町村しちょうそんも増ふえてきた一方いっぽう、いまだに過半数かはんすうの市町村しちょうそんでは、長時間ちょうじかん介護かいごを必要ひつようとする重度じゅうどの障害しょうがい者しゃに対たいして、一律いちりつのヘルパー制度せいどの上限じょうげんを設もうけるなど、制度せいど運営上うんえいじょうの違反いはんを行おこなっている実態じったいがあります。
　ヘルパー制度せいどの変かわり目めは交渉こうしょうで大おおきく制度せいどを伸のばすチャンスです。２００３年ねんの支援しえん費ひ制度せいど開始かいし時じにも、多おおくの市町村しちょうそんで２４時じ間あいだ介護かいご保障ほしょうや大幅おおはばなヘルパー制度せいどのアップが実現じつげんしました。自立じりつ支援しえん法ほうでも、事情じじょうは同おなじです。ヘルパー制度せいども義務ぎむ的てき経費けいひになり、市町村しちょうそん行政ぎょうせいの介護かいごの公的こうてき責任せきにんも高たかまりました。
　２００６年度ねんど以降いこうは、自立じりつ支援しえん法ほう施行しこうにより、ヘルパー制度せいどが義務ぎむ的てき経費けいひとなったため、１年ねん中ちゅう、いつの季き節ぶしからの新規しんき利用りよう開始かいし（施設しせつ等とうからの地域ちいき移行いこうによるアパート暮くらしなど）でも、国庫こっこ補助ほじょ（正確せいかくには国庫こっこ負担ふたん）がつきます。
　市町村しちょうそんと交渉こうしょうし、命いのちにかかわる状態じょうたいであることを事細ことこまかに説明せつめいし、ヘルパー制度せいどの必要ひつような補正ほせい予算よさんを組くんでもらうまで交渉こうしょうを続つづける必要ひつようがあります。
　交渉こうしょうは今いまから行おこなえます。以前いぜんから１人にん暮くらししている方ほうも、今いまから時間じかん数すうアップに向むけて交渉こうしょうを行おこなうことが可能かのうです。（たとえば、「学生がくせいボランティアが卒業そつぎょう等とうでいなくなってしまった」、「障害しょうがいが進行しんこうした」、「制度せいどが不足ふそくする部分ぶぶんのヘルパー時間じかんを緊急きんきゅう対応たいおうで無料むりょうで介助かいじょ派遣はけんしてくれていた事業じぎょう所しょが、単価たんか改正かいせいで赤字あかじになり介護かいご派遣はけんできなくなったので、他た事業じぎょう所しょに切きり替かえる」などの理由りゆうがある場合ばあいは、緊急きんきゅうで交渉こうしょうが可能かのうです）。

　当会とうかいには、人口じんこう１万まん人にん以下いかの過疎かその町まちから都会とかいまで、どんな規模きぼの自治体じちたいでも２４時じ間あいだの介護かいご制度せいどを作つくった際さいのサポートの実績じっせきがあります。交渉こうしょうをしたい方ほうは、制度せいど係がかりまでご連絡れんらくください。厚生こうせい労働省ろうどうしょうの情報じょうほう、交渉こうしょうの先進せんしん自治体じちたいの制度せいどの情報じょうほう、交渉こうしょうノウハウ情報じょうほうなど、さまざまな情報じょうほうがあります。当会とうかいに毎週まいしゅう電話でんわをかけつつ行いった交渉こうしょうで２４時じ間あいだ介護かいご保障ほしょうになった市町村しちょうそんの実績じっせきが多おおくあります。ぜひ自治体じちたいとの交渉こうしょうにお役立やくだててください。 　

制度せいど係がかり　００３７−８０−４４４５（通話つうわ料りょう無料むりょう）１１時じ〜２３時じ。

交渉こうしょうのやり方かたガイドブック
　限定げんてい販売はんばいヘルパーの時間じかん数すうアップの交渉こうしょうをする障害しょうがい者しゃに限かぎり販売はんばいします（当該とうがい自治体じちたいでヘルパー制度せいどの上限じょうげんを上あげる最高さいこう時間じかん数すう交渉こうしょうを行おこなう方ほう）。　申込もうしこみは発送はっそう係がかり０１２０−８７０−２２２へＦＡＸふぁっくすか電話でんわで。（交渉こうしょうを行おこなう障害しょうがい当事とうじ者しゃかどうか、制度せいど係がかりから電話でんわさせていただいてからお送おくりします。）　５００円えん＋送料そうりょう

障害しょうがい保健ほけん福祉ふくし主管しゅかん課長かちょう会議かいぎが開ひらかれました

　９月くがつ１８日にちに厚生こうせい労働省ろうどうしょうは障害しょうがい保健ほけん福祉ふくし関係かんけい主管しゅかん課長かちょう会議かいぎを開催かいさいしました。内容ないようは概算がいさん要求ようきゅうの説明せつめいと、就労しゅうろう関係かんけいのほか、企画きかく課か・精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし課かの所管しょかんするものが主おもで、今回こんかいはヘルパー制度せいど関係かんけいの情報じょうほうは特とくにありません。
　課長かちょう会議かいぎ資料しりょうはホームページからリンクしています。

注目ちゅうもくページ

・資料しりょう４ 　　　

４７都道府県とどうふけんの障害しょうがい福祉ふくし計画けいかくの全国ぜんこく集計しゅうけいが掲載けいさいされています。 集計しゅうけいの結果けっか、施設しせつ入所にゅうしょ者しゃ１４．６万まん人にんのうち、１．９万まん人にんが地域ちいき移行いこう（主おもにグループホーム等とうへ）することが計画けいかくされています。（そのうち今後こんご４年ねんでは１．１万まん人にん） 　

４７都道府県とどうふけんの計画けいかく上じょうでは精神せいしん障害しょうがい者しゃで退院たいいん可能かのうとされたのはたった４．９万まん人にんですが、２３年度ねんどまでに３．７万まん人にんが地域ちいき移行いこうすると計画けいかくされています。 　

ホームヘルプサービスの見込みこみ量りょうでは、平成へいせい１８年度ねんど３４０万まん時じ間あいだが２３年度ねんどには１．５倍ばいの５２２万まん時じ間あいだと計画けいかくされています。 　

・資料しりょう６−２

障害しょうがい者しゃ雇用こようの少すくない企業きぎょうから罰金ばっきんを取とって、障害しょうがい者しゃ雇用こようの多おおい企業きぎょうに支払しはらわれる調整ちょうせい金きんの制度せいどがあります。現在げんざいは労働ろうどう者しゃ数すう３００人にん以上いじょうの企業きぎょうが対象たいしょうですが、これを５６人にん以上いじょうの企業きぎょうに拡大かくだいすることが検討けんとうされています。

自薦じせんヘルパーと２４時じ間あいだ介護かいご保障ほしょう

（ＡＬＳなど最さい重度じゅうどの皆様みなさまへ）

　現在げんざい、ＡＬＳなどの重度じゅうど全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃで、２４時じ間あいだ３６５日にちの自薦じせんヘルパー（障害しょうがい者しゃが自分じぶんで面接めんせつ採用さいようし、教育きょういくし、介護かいごローテーションを決きめる他人たにん介護かいご者しゃ）を使つかいながら、自宅じたくで暮くらす人ひとが、全国ぜんこく各地かくちに増ふえています。

制度せいどの歴史れきし

　７０年代ねんだいから東京とうきょうでは重度じゅうどの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃが施設しせつから出でて1人ひとり暮くらしを始はじめました。最初さいしょは駅えきや大学だいがくで募集ぼしゅうのビラまきをして介護かいご者しゃを集あつめていました。障害しょうがい者しゃは東京とうきょう都とと交渉こうしょうして、全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうが制度せいど化かされました。この制度せいどは、障害しょうがい者しゃが自分じぶんで確保かくほした他人たにん介護かいご者しゃに働はたらいた時間じかんに応おうじ、公的こうてきに給与きゅうよが出でる制度せいどです。
　重度じゅうどの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃにとって、昔むかしは、ホームヘルパー制度せいどは使つかい物ものにならない制度せいどでした。９０年代ねんだいまでは、多おおくの地域ちいきでは、ヘルパー制度せいどを使つかおうとしても、個々人ここじんの障害しょうがいに応おうじた介護かいごができない、抱かかえができない、言語げんご障害しょうがいはき取きとれない、など、ひどい有様ありさまでした（これに対たいして、従来じゅうらいから自分じぶんたちで確保かくほした介護かいご者しゃは自分じぶん専用せんようで長時間ちょうじかんの介護かいごに入はいるので障害しょうがい者しゃ個々人ここじんごとの特殊とくしゅな介護かいごができていました）。ところが１９９０年ねんにはヘルパー制度せいどの上限じょうげんが国くにで撤廃てっぱいされ、予算よさんがどんどん増ふえました。介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうでは、１日にち２４時じ間あいだのうち一部いちぶしか介護かいごがまかなえませんでした。そのため、最さい重度じゅうどの障害しょうがい者しゃは、ヘルパー制度せいども改善かいぜん交渉こうしょうし、自分じぶんたちで確保かくほした介護かいご者しゃを行政ぎょうせいの登録とうろくヘルパーとして推薦すいせんし、自分じぶん自身じしんの専属せんぞくヘルパーとすることに成功せいこうしました（これを介護かいご保障ほしょうの運うん動体どうたいでは、「自薦じせんヘルパー方式ほうしき」と呼よんでいます）。大勢おおぜいの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃがその方式ほうしきを次々つぎつぎととりいれ、公的こうてきな仕組しくみとして確立かくりつされていきました。次つぎに、２４時じ間あいだ介護かいごの必要ひつような全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃが各かく市町村しちょうそんとその地域ちいきの交渉こうしょうし、２４時じ間あいだ介護かいごの必要ひつような1人ひとり暮くらしの障害しょうがい者しゃには、ヘルパー制度せいどと介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうをあわせて、２４時じ間あいだ３６５日にちの介護かいごが保障ほしょうされる市町村しちょうそんが増ふえました。障害しょうがい者しゃ自身じしんで確保かくほして教育きょういくした介護かいご者しゃを２ふたつの制度せいどに登録とうろくし、公的こうてきに介護かいご者しゃに給与きゅうよが払はらわれる仕組しくみが出来上できあがりました。（１人ひとりの障害しょうがい者しゃに週しゅうに４〜５人にんほどの（主おもに）常勤じょうきんの介護かいご者しゃが入はいっていました）。
　東京とうきょう都と以外いがいでも９０年代ねんだいには九州きゅうしゅう･四国しこくで後のちに続つづく市しが出でて、それが２００７年ねんには、北海道ほっかいどう地方ちほうから九州きゅうしゅう地方ちほうの全ぜん地方ちほうに２４時じ間あいだ介護かいご保障ほしょうの市町村しちょうそんが存在そんざいするようになりました。今いまでは、離島りとうの市しや過疎かそ地ちの人口じんこう1万まん人にん以下いかの町まちでも、1人ひとり暮くらしの人工じんこう呼吸こきゅう器き利用りよう者しゃの場合ばあいは２４時じ間あいだ３６５日にちの介護かいご制度せいどを認みとめるようになっています。すべて障害しょうがい者しゃの運動うんどうで実現じつげんされています。また、ＡＬＳの場合ばあい、同居どうきょ家族かぞくが１名めいのみの場合ばあいも、過疎かそ地ちの市町村しちょうそんでも、１日にち１６時間じかん以上いじょうの介護かいご制度せいどが認みとめられる例れいが増ふえてきています。
　いわゆる自薦じせんヘルパーの方式ほうしきや全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうを実施じっしする市町村しちょうそん数すうは、２００２年度ねんどには全国ぜんこくで２００箇所かしょを超こえ、それらの市町村しちょうそんの人口じんこう合計ごうけいは４０００万まん人にんを超こえていました。

支援しえん費ひ制度せいど以後いご

　２００３年度ねんどより、ヘルパー制度せいどは支援しえん費ひ制度せいどに変かわり、それまで市町村しちょうそんが（委託いたくを含ふくめて）実施じっししていたヘルパー事業じぎょうは、ＮＰＯや株式会社かぶしきがいしゃなど民間みんかん事業じぎょう者しゃが自由じゆうに行おこなえるようになりました。これにより、行政ぎょうせいが行おこなっていた自薦じせんヘルパー方式ほうしきや全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうは廃止はいしされ、支援しえん費ひ制度せいどのヘルパー制度せいどに統合とうごうされました。一方いっぽうで、47都道府県とどうふけんで、自立じりつ生活せいかつ運動うんどう系けいの障害しょうがい者しゃ団体だんたいが全国ぜんこく団体だんたいの支援しえんを受うけ、ＮＰＯ法人ほうじんのヘルパー事業じぎょう所しょを運営うんえいするようになりました。
　全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ介護かいご人じん派遣はけん事業じぎょうを実施じっししていた自治体じちたいでは、自立じりつ生活せいかつセンターなどのＮＰＯにそれまでの自薦じせんの制度せいどの利用りよう者しゃの登録とうろく受うけ入いれを依頼いらいしました。また、1つの市町村しちょうそん内ないではなく、おおむね通勤つうきん範囲はんいであれば他たの市しや他たの県けんのヘルパー事業じぎょう所しょも使つかえるようになりました。
　この２００３年ねんの大おおきな改正かいせいにあわせ、全国ぜんこく障害しょうがい者しゃ介護かいご保障ほしょう協議きょうぎ会かいと全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎ会かいなど全国ぜんこくの障害しょうがい者しゃ団体だんたいが共同きょうどうし、全国ぜんこくホームヘルパー広域こういき自薦じせん登録とうろく協会きょうかい（略称りゃくしょう：全国ぜんこく広域こういき）を設立せつりつしました。障害しょうがい者しゃが自薦じせんヘルパーを使つかいたければ、全国ぜんこくどこに住すんでいても、全国ぜんこく広域こういきのフリーダイヤルに申もうし込こめば、介護かいご保険ほけんでも障害しょうがいヘルパー制度せいどでも、地元じもとの事業じぎょう所しょに自薦じせん登録とうろくできる仕組しくみになっています。

事例じれい

　現在げんざい、ＡＬＳの自薦じせん登録とうろくヘルパーの利用りよう者しゃも全国ぜんこく各地かくちにおり、自分じぶんで求人きゅうじん広告こうこくし、面接めんせつ・採用さいようしたヘルパーを、自分じぶんで教育きょういくして、自分じぶん専用せんようのヘルパーに育そだてながら生活せいかつしています。
　たとえば、Ａさんは北日本きたにっぽんの過疎かそ地ちに住すんでいます。同居どうきょ家族かぞくは１名めい。介護かいご保険ほけんのヘルパー事業じぎょう所しょは吸引きゅういんをしてくれないため、使つかい物ものにならず、長ながらく自費じひで介助かいじょ者しゃを雇用こようして１日にち１６時じ間あいだの介護かいごを使つかっていましたが貯金ちょきんも尽つきてきました。そこで、自薦じせんの介助かいじょ者しゃに全国ぜんこく広域こういきで３級きゅうの通信つうしんヘルパー研修けんしゅうを受講じゅこうさせ、介護かいご保険ほけんを全部ぜんぶヘルパーに使つかって全国ぜんこく広域こういきに登録とうろくして自薦じせんヘルパーにしました。その上うえ、介護かいご保険ほけんを全部ぜんぶ使つかい切きったので、障害しょうがいヘルパーの時間じかん数すうも出だすように市役所しやくしょに交渉こうしょうが可能かのうになり、障害しょうがいヘルパー制度せいどの支給しきゅう決定けっていも受うけ、これも全国ぜんこく広域こういきに自薦じせん登録とうろくしました。その後ご交渉こうしょうを続つづけ、１日にち１６時じ間あいだの介護かいご（１日にち２交代こうたい）を介護かいご保険ほけんと障害しょうがいヘルパー制度せいどですべて自薦じせんヘルパーでまかなえるようになりました。介護かいご者しゃが退職たいしょくするときは、求人きゅうじん専門せんもん誌しに８時じ間あいだ勤務きんむの日給にっきゅうで求人きゅうじん広告こうこくを出だして新人しんじん介護かいご者しゃを面接めんせつ・雇用こようし、古ふるい介護かいご者しゃと一緒いっしょに介護かいご方法ほうほうを教おしえます。
　求人きゅうじん広告こうこくの費用ひようや採用さいようされた介護かいご者しゃのヘルパー研修けんしゅう受講じゅこう費用ひよう（求人きゅうじん広告こうこくは盆暮ぼんくれ正月しょうがつも働はたらけるいい人材じんざいを確保かくほするために無む資格しかく者しゃを対象たいしょうに行おこないます）なども一定いってい時間じかん働はたらけば全国ぜんこく広域こういきから全額ぜんがく助成じょせいされる仕組しくみを作つくっています。
　別べつの過疎かそ地ちのＢさんの場合ばあいは、同様どうように自薦じせんヘルパーを使つかっていますが、同居どうきょ家族かぞくがほとんど介護かいごできない状態じょうたいのため、市しと話はなしをして、ほぼ２４時じ間あいだの介護かいごが介護かいご保険ほけんと障害しょうがいヘルパーでまかなえるようになっています。
　Ｃさんの場合ばあいは、さらに過疎かその土地とちに住すんでいます。通勤つうきん圏内けんないに全国ぜんこく広域こういきの提携ていけい事業じぎょう所しょがなかったため、Ｃさんが声こえをかけた実際じっさいに介護かいごに入いれる人材じんざい３人にんで、全国ぜんこく広域こういきが事業じぎょう所しょを１ヶ月かげつで作つくりました。
　Ｄさんの場合ばあい、自薦じせんヘルパーを使つかい始はじめながら、地域ちいきの難病なんびょうや重度じゅうど障害しょうがい者しゃの地域ちいき生活せいかつ支援しえんを行おこなう自立じりつ生活せいかつセンター（ＣＩＬ）を作つくりたいとの希望きぼうがありました。その地域ちいきでは、ほとんどの重度じゅうど障害しょうがい者しゃは介護かいごが必要ひつようになってもヘルパーを使つかって自宅じたくで生活せいかつできるとは思おもっていません。入所にゅうしょ施設しせつの中なかにいる障害しょうがい者しゃもまったく外そとに出でることができず、刑務所けいむしょのような生活せいかつを送おくっています。外そとに出でたいという相談そうだんもあります。そこで、ＣＩＬ立たち上あげのための研修けんしゅうを東京とうきょうなどで受講じゅこうしてもらうことになりました。飛行機ひこうきに乗のって自薦じせん介護かいご者しゃと毎月まいつき通かよってきてもらっています。その費用ひようもヘルパー事業じぎょう費ひの事業じぎょう所しょ収益しゅうえきの中なかから捻出ねんしゅつ可能かのうです。

自分じぶんで自分じぶんの介護かいごに責任せきにんを持もつことが必要ひつよう

　ＡＬＳの地域ちいき生活せいかつ支援しえんでの失敗しっぱい例れいがあります。Ｅさんは社協しゃきょう等とうからヘルパー派遣はけんを２４時じ間あいだ滞在たいざいで受うけていましたが、介護かいごが少すこしでもうまくいかないと、ヘルパーにつらく当あたり、事業じぎょう所しょにヘルパー交代こうたいを求もとめ、ついには事業じぎょう所しょでは介護かいごを派遣はけんできる人材じんざいがいなくなり、Ｅさんは病院びょういんに入はいることになりました。
　長時間ちょうじかんの高度こうどな介護かいごの必要ひつような場合ばあい、通常つうじょうのサービス形態けいたいでは無理むりなのです。ヘルパー利用りよう者しゃ自身じしんが自分じぶんで介護かいご体勢たいせい全体ぜんたいをコントロールし、人材じんざい育成いくせいに責任せきにんをもつ体勢たいせいでないとうまくいきません。そのためにはＡＬＳの当事とうじ者しゃが専用せんようの研修けんしゅう（雇用こよう主ぬしとしてのプログラム等とう）を受うける必要ひつようがあります。現在げんざいは講師こうしはＡＬＳ以外いがいの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃですが、ＡＬＳの当事とうじ者しゃが講師こうしをできるよう、講師こうし養成ようせいも徐々じょじょに行おこなわれ始はじめたところです。

　自薦じせんについてお問合といあわせは0120-66-0009全国ぜんこくホームヘルパー広域こういき自薦じせん登録とうろく協会きょうかいまで。介護かいご制度せいどの交渉こうしょうについては全国ぜんこく障害しょうがい者しゃ介護かいご保障ほしょう協議きょうぎ会かいホームページhttp://www.kaigoseido.netもご覧らんください。月刊げっかん誌しバックナンバーを数すう年ねんさかのぼって読よむと全国ぜんこくの状況じょうきょうがわかります。

（ＪＡＬＳＡ（日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい会報かいほう）７２号ごうより転載てんさい）

ホームページの掲示板けいじばんより

　（家事かじ援助えんじょについて）

Ｑ　自立じりつ支援しえん法ほうによる訪問ほうもん介護かいごサービスについ
私わたし自身じしん重度じゅうど身体しんたい障害しょうがい者しゃです。夫おっと（健常けんじょう者しゃ）は働はたらきに出でていて出社しゅっしゃも早はやく、帰宅きたく時間じかんも遅おそく、自分じぶんのことすらままならない小学校しょうがっこう低てい学年がくねんの娘むすめがいる家庭かていです。日にち中ちゅうは電動でんどう車椅子くるまいすを利用りようし屋や内外ないがいの移動いどうをしています。
　重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごサービスにおいて、調理ちょうり、洗濯せんたく等とうの家事かじ全般ぜんぱんにかかる一般いっぱん的てきに主婦しゅふが行おこなう家庭かてい内ないの仕事しごとについて、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごを利用りようする障害しょうがい者しゃ本人ほんにんのみの家事かじだけ行おこなえて、その他たの家族かぞくの分ぶんの家事かじは利用りよう者しゃが希望きぼうしてもサービスをしてもらえないのか？

Ａ　健常けんじょう者しゃの時ときに主婦しゅふとして家いえの家事かじを全部ぜんぶ行おこなっていたという理由りゆうで、主婦しゅふが重度じゅうどの障害しょうがい者しゃになったあとも、家いえの全すべての家事かじを行おこなうのをヘルパー制度せいどで認みとめられるかと言いうと、そうではありません。
　しかし、逆ぎゃくに、同居どうきょの健常けんじょう者しゃ家族かぞくがいるからと言いって、全すべての家事かじ援助えんじょを使つかえないかと言いうと、それも間違まちがいです。（具体ぐたい的てきには育児いくじは障害しょうがいヘルパーの対象たいしょうですので、子供こどもの食事しょくじ作づくりは、ほぼどこの市町村しちょうそんでも可能かのうでしょう。子供こどもの洗濯せんたくも明日あした学校がっこうで着きなければいけないものは昼ひるに障害しょうがい者しゃがヘルパーと行おこなうしかないでしょう。これは市しとの話はなし合あいで認みとめられる可能かのう性せいはあると思おもいます）。
　障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうでは、法令ほうれい通知つうち上じょうは、家事かじ援助えんじょについては、介護かいご保険ほけんと同おなじ書がきぶりに変かわっています。
　介護かいご保険ほけんの場合ばあいは多おおくの自治体じちたいで、「同居どうきょ家族かぞくがいる場合ばあいは一切いっさいの家事かじ援助えんじょはまかりならぬ」という間あいだ違ちがった運用うんようをする自治体じちたいが多おおいのですが、それは間違まちがっています。
　ちなみに厚生こうせい労働省ろうどうしょうの介護かいご保険ほけんの担当たんとう職員しょくいんの見解けんかいなどは、以下いかの福祉ふくし・介護かいごオンブズマンのホームページの7/15のページに詳くわしく紹介しょうかいされています。 http://www.eonet.ne.jp/~ombudsman/inde-ombudsman-home.htm
　障害しょうがいヘルパーの制度せいどは「自立じりつした生活せいかつができるように支援しえんする」ことが目的もくてきです。介護かいご保険ほけんとは理念りねんが違ちがうので、一般いっぱん的てきに、介護かいご保険ほけんよりは同居どうきょ家族かぞくがいる場合ばあいの家事かじ援助えんじょについて、広ひろく認みとめています。市町村しちょうそんに細こまかく生活せいかつ状じょう況きょうを説明せつめいして、話はなし合あってみてください。 （一部いちぶ変かえてあります）

障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに与野党よやとうで改正かいせいの動うごき

高齢こうれい者しゃ医療いりょう費ひ、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほう、負担ふたん増ぞうの凍結とうけつを検討けんとう・与党よとうが一致いっち

（日経新聞にっけいしんぶん9/25）

　自民じみん、公明こうめい両りょう党とうは24日にち、伊吹いぶき文明ふみあき、北側きたがわ一雄かずお両りょう幹事かんじ長ちょうらによる政権せいけん協議きょうぎで、高齢こうれい者しゃ医療いりょう費ひの負担ふたん増ぞう凍結とうけつと障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの抜本ばっぽん見直みなおしを巡めぐり、今後こんご、具体ぐたい 的てきな検討けんとうを急いそぐことで一致いっちした。「政治せいじとカネ」を巡めぐる問題もんだいでは、政治せいじ団体だんたいの「1円えん以上いじょう」の経常けいじょう経費けいひと政治せいじ活動かつどう費ひに関かんする領収りょうしゅう書しょ添付てんぷの義務付ぎむづけで合意ごういしたが、領収りょうしゅう書しょの公開こうかい方法ほうほうでは折おり合あわず、事実じじつ上じょう、結論けつろんを先送さきおくりした。
　両りょう党とうは25日にち午前ごぜんに開ひらく福田ふくだ康夫やすお自民党じみんとう総裁そうさいと太田おおた昭宏あきひろ公明党こうめいとう代表だいひょうによる党首とうしゅ会談かいだんで合意ごうい文書ぶんしょに署名しょめいし、正式せいしきに連立れんりつ政権せいけんの継続けいぞくを確認かくにんする予定よていだ。

医療いりょう費ひなど負担ふたん増ぞう凍結とうけつ、国庫こっこ負担ふたん1000億おく円えん超ちょうも・厚労省こうろうしょう試算しさん

（日経新聞にっけいしんぶん9/25）

　与党よとう内ないで検討けんとうされている高齢こうれい者しゃの医療いりょう費ひ負担ふたん増ぞうの凍結とうけつ、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの抜本ばっぽん見直みなおしなどが実施じっしされると、年とし1000億おく円えんを超こえる国庫こっこ負担ふたんが発生はっせいする可能かのう性せいがあることが厚生こうせい労働省ろうどうしょうの試算しさんでわかった。厚労省こうろうしょうは「他たの社会しゃかい保障ほしょう費ひを1000億おく円えん超ちょうも削けずるのは不可能ふかのう」としており、社会しゃかい保障ほしょう費ひの膨張ぼうちょうにつながるのは必 至いたり。この臨時りんじ国会こっかいで法ほう改正かいせいが必要ひつようになる可能かのう性せいもあり、国会こっかい運営うんえいの焦点しょうてんの１ひとつになりそうだ。
　厚労省こうろうしょうによると、2008年ねん4月がつから70―74歳さいの低てい所得しょとく者しゃらの医療いりょう費ひの自己じこ負担ふたんを現行げんこうの1割わりから2割わりに引ひき上あげる措置そちの凍結とうけつで発生はっせいする国庫こっこ負担ふたんは500億おく円えん。確実かくじつに来年らいねん4月がつの実施じっしを凍結とうけつするには、健康けんこう保険ほけん法ほうをこの臨時りんじ国会こっかいで再さい改正かいせいする必要ひつようがある。
　費用ひようの原則げんそく1割わり負担ふたんを自己じこ負担ふたんさせる障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうはすでに施行しこう済ずみ。この1割わり負担ふたんを撤回てっかいすると、国庫こっこ負担ふたんは4百ひゃく億おく円えん増ふえる。撤回てっかいのためには、同どう法ほうを改正かいせいする必要ひつようがあり、すでに民主党みんしゅとうも臨時りんじ国会こっかいに自己じこ負担ふたん見直みなおしを盛もり込こんだ改正かいせい案あんを出だす方針ほうしんを示しめしている。

解説かいせつ　自己じこ負担ふたんの撤廃てっぱい先行せんこうでは困こまる

障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの改正かいせいについて（介護かいご保障ほしょう協議きょうぎ会かい解説かいせつ）

　民主党みんしゅとうは自己じこ負担ふたんと、施設しせつの単価たんか保障ほしょうだけを法案ほうあんに入いれています。自民党じみんとうがその同おなじ線上せんじょうで同調どうちょうするのでは、困こまったことになります。
　現在げんざい、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの最大さいだいの問題もんだいは、（生活せいかつ保護ほごを取とれば解決かいけつする）自己じこ負担ふたんの問題もんだいではありません。命いのちにかかわるような事態じたいが起おきていることです。具体ぐたい的てきには、地域ちいきで暮くらす重度じゅうどの全身ぜんしん性せい 障害しょうがい者しゃにとって、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごでは（制度せいど改正かいせいで単価たんかが低ひくくなりすぎて）事業じぎょう所しょが見みつからず、支給しきゅう決定けっていを受うけてもその半分はんぶん以下いかしかサービスが受うけられない利用りよう者しゃが全国ぜんこくで多発たはつしています。また、家族かぞくの介護かいごが得えられない障害しょうがい者しゃが毎日まいにち２４時じ間あいだや１６時じ間あいだの介護かいごが必要ひつようでも、国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの制度せいどができたおかげで、必要ひつよう な介護かいごの半分はんぶん設もうけられない状態じょうたいが全国ぜんこく各地かくちにあります。
　自己じこ負担ふたんや施設しせつの単価たんかの問題もんだいよりも、これらの命いのちにかかわる緊急きんきゅう事態じたいのほうが、はるかに重要じゅうよう事項じこうです。

ＣＩＬ（自立じりつ生活せいかつセンター）を作つくりたい方ほうへ

自薦じせんヘルパー（パーソナルアシスタント制度せいど）推進すいしん協会きょうかい

通信つうしん研修けんしゅう参加さんか希望きぼう者しゃを募集ぼしゅう中ちゅう（受講じゅこう料りょう無料むりょうです）

　障害しょうがい当事とうじ者しゃが主体しゅたい的てきにＣＩＬ（事業じぎょう＆運動うんどう）を行おこなうための研修けんしゅうシステムとして、通信つうしん研修けんしゅうと宿泊しゅくはく研修けんしゅうを組くみ合あわせた研修けんしゅうを準備じゅんびしています。エンパワメント方式ほうしきの自立じりつ支援しえんサービスを行おこないながら地域ちいきの制度せいどを変かえる運動うんどうを行おこなうという理念りねんにそった当事とうじ者しゃ団体だんたいを作つくるという方ほうは受講じゅこう料りょう無料むりょうです。内容ないようは、団体だんたい設立せつりつ方法ほうほう、24時じ間あいだ介助かいじょサービスと個別こべつ自立じりつプログラム、介護かいご制度せいど交渉こうしょう、施設しせつ等とうからの自立じりつ支援しえん、団体だんたい資金しきん計画けいかく・経理けいり・人事じんじ、指定してい事業じぎょう、運動うんどう理念りねんなどなど。現在げんざい、通信つうしん研修けんしゅうの参加さんか者しゃを募集ぼしゅうしています。（通常つうじょう、ＣＩＬの立たち上あげには、古参こさんのＣＩＬでの数すう年ねんの研修けんしゅう（勤務きんむ）が必要ひつようで、運動うんどう経験けいけんや社会しゃかい経験けいけんがある人ひとでも２年ねん２０００時じ間あいだほどの研修けんしゅう時間じかん数すうが必要ひつようです。しかし、大都市だいとし部ぶから離はなれた地域ちいきでＣＩＬを作つくるためには、数すう年間ねんかんの勤務きんむ研修けんしゅうは難むずかしいため、地元じもとで生活せいかつしつつ、通信つうしん研修けんしゅうや合宿がっしゅく研修けんしゅうで基礎きそを学まなんだ後のち、実地じっちで少すこしずつ小ちいさなＣＩＬを始はじめながら、毎週まいしゅう連絡れんらくを取とりつつ５〜１０年ねんほどかけてノウハウを覚おぼえて成長せいちょうしていく育成いくせい方法ほうほうを行おこなっています）。
くわしくはお問合といあわせ下ください。フリーダイヤル０１２０−６６−０００９（推進すいしん協会きょうかい団体だんたい支援しえん部ぶ10時じ〜22時じ）へ。