日本にっぽんドローンスポーツ連盟れんめい スター創出そうしゅつ、ドローンレースなど発展はってんを目指めざす

　2022年ねん11月29日にち、「一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんドローンスポーツ連盟れんめい」（以降いこう、JDSF）の設立せつりつが発表はっぴょうされた。日本にっぽんでもドローンを用もちいたスポーツが広ひろまりつつあるが、海外かいがいと比くらべるとまだまだ発展はってん途上とじょうといえる状況じょうきょうだ。JDSFは「ドローンのさらなる普及ふきゅう・発展はってん」を目指めざす活動かつどうを行おこなうとしているが、具体ぐたい的てきにどのような取とり組くみを計画けいかくしているのだろうか。

　JDSFが主軸しゅじくとするのが「ドローンレースの普及ふきゅう」だ。代表だいひょう理事りじの大岩おおいわ宏ひろし年ねん氏しによると「もともとドローンを中学生ちゅうがくせいや高校生こうこうせいといった若年じゃくねん世代せだいに身近みぢかなものに感かんじてもらいたいと思おもっていた。ドローンレースを盛もり上あげることで、若年じゃくねん層そうに面白おもしろさや魅力みりょくをアピールでき、ドローン業界ぎょうかいを盛もり上あげることができるのではと考かんがえた」という。そこから普及ふきゅう活動かつどうの内容ないようや、新あらたに開催かいさいするドローンレースのレギュレーションを検討けんとうしていく中なかで、ドローン系けいのYouTuberやマーケティングの専門せんもん家かと連携れんけい。今回こんかいの連盟れんめい設立せつりつに至いたったという。

　また、ドローンレースの普及ふきゅうによる「ドローン操作そうさ技術ぎじゅつの向上こうじょう」や「高たかい操縦そうじゅう技術ぎじゅつを持もつ人材じんざいの輩出はいしゅつ」も連盟れんめいの目的もくてきのひとつ。ドローンレースで身みに付つく操縦そうじゅう技術ぎじゅつは他た分野ぶんやでも役立やくだつものだ。例たとえば、ドローンを用もちいた高度こうどな映像えいぞう撮影さつえいや、人ひとが入いれない狭せまい場所ばしょや危険きけんな場所ばしょをドローンで検査けんさするケースが増ふえており、そうした場面ばめんでドローンレーサーが活躍かつやくしている。

　今後こんご、ドローンを用もちいた仕事しごとが増ふえたとしても、目的もくてきに応おうじた技術ぎじゅつを持もつパイロットがいなければ意味いみはない。ドローンレースが普及ふきゅうし、高たかい技術ぎじゅつを持もつ人ひとが増ふえれば、レース以外いがいでも活躍かつやくの場ばが生うまれる。一方いっぽう、他た産業さんぎょうもドローンを活用かつようしやすくなると、Win-Winの関係かんけいが築きづける。JDSFではこのような「ドローン産業さんぎょうの発展はってん」も目的もくてきとしている。

電波でんぱ法ほうや航空こうくう法ほうなど課題かだいは多おおい

　JDSFが普及ふきゅう促進そくしんを目指めざすドローンレースは、規定きていのコースを周回しゅうかいし、その速はやさを競きそうドローンスポーツのひとつ。「レーシングドローン」と呼よばれる専用せんようの機種きしゅを用もちいて行おこなわれ、パイロットには高たかい操縦そうじゅう技術ぎじゅつが求もとめられる。海外かいがいでは有名ゆうめいなスポンサーがついた大だい規模きぼな大会たいかいが開ひらかれるなど注目ちゅうもくを集あつめており、例たとえばアメリカでは12名めいのトッププレーヤーが活躍かつやくするプロリーグが設立せつりつされ、人気にんきを高たかめている。

　日本にっぽんでもジャパンドローンリーグが、ドローンレースを開催かいさいしており、高たかい技術ぎじゅつを持もつ選手せんしゅが何人なんにんも誕生たんじょうしている。しかし、海外かいがいと比くらべると一般いっぱんへの認知にんちやドローンレースの普及ふきゅうが進すすんでいない状況じょうきょうだ。その原因げんいんのひとつに電波でんぱ法ほうの問題もんだいが挙あげられる。現在げんざい、レース用ようドローンに用もちいられている映像えいぞう通信つうしん機きは5.8GHzの電波でんぱ帯たいが用もちいられる。海外かいがいでは誰だれでも使つかえるが、日本にっぽんでは5.8GHzの電波でんぱ帯たいを使つかうにはアマチュア無線むせん免許めんきょの取得しゅとくや開局かいきょく申請しんせいなどが必要ひつようで、時間じかんと労力ろうりょくを要ようする。また航空こうくう法ほうの問題もんだいで屋外おくがいでは自由じゆうに飛とばせない。

　他ほかにも、専用せんようのレーシングドローンは安やすくても数すう万まん円えんが必要ひつようだが、アマチュア無線むせんの場合ばあいはレースで賞金しょうきんが出だせない仕組しくみになっている。賞金しょうきんをもらうためには産業さんぎょう用ようである「陸上りくじょう特殊とくしゅ無線むせん」の取得しゅとくが必要ひつようとなるなど、「始はじめるのに費用ひようがかかりすぎる」というのもネックだ。JDLの取とり組くみによって少すこしずつドローンレースの認知にんち度どは高たかまっているものの、興味きょうみを持もったが気軽きがるにドローンレースを行おこなえない環境かんきょうにある。

スター選手せんしゅを生うみ出だし若年じゃくねん層そうの人気にんきを獲得かくとくする

　日本にっぽんは法律ほうりつとの兼かね合あいで、手軽てがるにドローンレースができない状況じょうきょうだが、少すこしずつ打開だかいの道みちは見みえている。例たとえば、通信つうしん規格きかくについては、特殊とくしゅな免許めんきょを必要ひつようとしない規格きかくの映像えいぞう送信そうしん器きを用もちいたレーシングドローンが開発かいはつされており、実現じつげんすれば誰だれでも楽たのしめるようになる。また、JDSFでは航空こうくう法ほう対策たいさくとして、アリーナなど屋内おくないでのドローンレースを展開てんかいしていくことを考かんがえるなど、レース環境かんきょうの整備せいびにも取とり組くんでいる。

　また、「お金かねの問題もんだい」については、ドローンレースで活躍かつやくした選手せんしゅがプロとして活動かつどうできるよう、スポンサーを募つのったり選手せんしゅの活動かつどうサポートも行おこなったりする予定よていだ。ドローンレースの魅力みりょくを効果こうか的てきに発信はっしんできる環境かんきょうを作つくることで、より多おおくの人ひとにドローンレースやドローンそのものに興味きょうみを持もってもらえるよう動うごいている。最近さいきんでは日本にっぽんダンスリーグが設立せつりつされダンス人気にんきが高たかまっているが、同おなじようにドローンレースについても大おおきなリーグを設立せつりつし、認知にんち度どを高たかめるとしている。

　海外かいがいでは韓国かんこくのミンチャン・キム選手せんしゅなど、ドローンレースに携たずさわる人ひとなら誰だれでも知しっているスター選手せんしゅが何人なんにんも登場とうじょうしているが、日本にっぽんのリーグからスター選手せんしゅが出でてくれば、ドローンへの興味きょうみや関心かんしんもさらに高たかまるはずだ。ドローンレース業界ぎょうかいが盛もり上あがれば、法律ほうりつの緩和かんわなどにつながる可能かのう性せいもあるだろう。

　大岩おおいわ代表だいひょう理事りじによると、ドローン関係かんけい者しゃからの反響はんきょうは大おおきく、他たの団体だんたいやチームから「どんなことをしていくのか」と問とい合あわせが寄よせられているという。また、春はる頃ごろには大おおきな大会たいかいを開催かいさいする予定よていだ。法ほう整備せいびなど課題かだいは多おおいが、JDSFの取とり組くみが日本にっぽんのドローン産業さんぎょうをどのように変かえていくか注目ちゅうもくしたい。

「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」配信はいしんのご案内あんない

ASCII STARTUPでは、「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」と題だいしたメールマガジンにて、国内こくない最先端さいせんたんのスタートアップ情報じょうほう、イベントレポート、関連かんれんするエコシステム識者しきしゃなどの取材しゅざい成果せいかを毎週まいしゅう月曜げつように配信はいしんしています。興味きょうみがある方ほうは、以下いかの登録とうろくフォームボタンをクリックいただき、メールアドレスの設定せっていをお願ねがいいたします。