ミニレビュー

ソニー「αあるふぁ9 III」グローバルシャッターは動画どうがでもきる!? 従来じゅうらいくらべてみた

αあるふぁ9 III

ソニーは、横浜よこはま・みなとみらいのぴあアリーナMMにて、しんミラーレスカメラ「αあるふぁ9 III」の実機じっき体験たいけんできるイベント「αあるふぁ SPECIAL EVENT 2023」を開催かいさいみじか時間じかんではあるが、フルサイズミラーレスではじめてグローバルシャッターを搭載とうさいしたαあるふぁ9 IIIを体験たいけんしたので、動画どうが撮影さつえい視点してんでのレポートをおとどけする。

αあるふぁ9 IIIは、11月7にち23(日本にっぽん時間じかん)より米国べいこく開催かいさいされたイベントない製品せいひん発表はっぴょうおこなわれた。詳細しょうさいべつ記事きじ確認かくにんしていただきたいが、特徴とくちょう以下いかとおりとなっている。

  • フルサイズミラーレスでは世界せかいはつのグローバルシャッター方式ほうしきセンサー
  • AIプロセッシングによるAF/AE追従ついしょう、ブラックアウトフリーで最高さいこう120コマ/びょう連続れんぞく撮影さつえい
  • 5じくボディないしゅブレ補正ほせい機能きのうで8だんまでのブレ補正ほせい
  • プリキャプチャー機能きのう
  • 最高さいこうシャッタースピード1/80,000びょう(れんうつし1/16,000びょう)
  • 純正じゅんせいフラッシュでぜんそくフラッシュ同調どうちょう可能かのう(最大さいだい1/80,000びょう)
  • ノンクロップの4K120p動画どうが撮影さつえい
  • 4じくマルチアングル液晶えきしょうモニター
αあるふぁ9 III(ひだり)、ぜん機種きしゅαあるふぁ9 II(みぎ) 録画ろくがボタンが変更へんこうされている。静止せいし/動画どうが/S&Qのスイッチも近年きんねんαあるふぁシリーズとおなじものに
αあるふぁ9 III(ひだり)、ぜん機種きしゅαあるふぁ9 II(みぎ) ボタンの配置はいちやロゴのがたなど、こまかい変更へんこうてんおおいイメージ
αあるふぁ9 III(ひだり)、ぜん機種きしゅαあるふぁ9 II(みぎ) αあるふぁ9 IIIはαあるふぁ7R Vとおなじ4じくマルチアングル液晶えきしょうモニターが搭載とうさいされた
αあるふぁ9 III(ひだり)、ぜん機種きしゅαあるふぁ9 II(みぎ) グリップの一回ひとまわおおきくなった印象いんしょうで、ホールドかんはかなり向上こうじょうしている
αあるふぁ9 III(ひだり)、ぜん機種きしゅαあるふぁ9 II(みぎ)
本体ほんたい前面ぜんめんにカスタムボタンがえたのも特徴とくちょう

おおきくアピールされているグローバルシャッターだが、どのような利点りてんがあるかというと、ゴルフのスイングやくるま電車でんしゃなど、高速こうそくうご被写体ひしゃたい撮影さつえいしたさいに、ゆが撮影さつえいできること。

従来じゅうらいのローリングシャッター方式ほうしきは、撮影さつえいするさい画像がぞう撮像さつぞうめん上部じょうぶ画素がそから下部かぶかって順番じゅんばんしをおこなうため、高速こうそくうごくものを撮影さつえいすると、上下じょうげいがんでしまうという問題もんだいがあった。たとえばゴルフのスイングを撮影さつえいすると、ゴルフクラブががっているかたち撮影さつえいされることがある。

グローバルシャッター方式ほうしきでは、センサーのぜん画素がそ同時どうじ露光ろこうしをおこなうため、ローリングシャッター方式ほうしき発生はっせいするゆがみがなく、たままの映像えいぞう撮影さつえいできる。

これだけのはなしくと、全部ぜんぶグローバルシャッターでいのでは?とおもってしまうが、これまで採用さいようされてこなかった理由りゆうはもちろんある。代表だいひょうてきれいでは、ローリングシャッター方式ほうしきよりも解像度かいぞうどいろ表現ひょうげんめんおとってしまうことなどがあったのだが、こういった技術ぎじゅつてき課題かだいすこしずつクリアしていき、今回こんかい採用さいよういたったという。開発かいはつ期間きかんかされなかったが、「技術ぎじゅつてきなハードルがたか機能きのうなので開発かいはつ期間きかんながかった」とのことだ。

これらの機能きのうたいして心配しんぱいになるのが本体ほんたいねつ問題もんだいだが、想定そうていされるスポーツ撮影さつえい報道ほうどう機関きかんでの使用しよう基準きじゅんとして、その状況じょうきょう問題もんだい範囲はんいねつ対策たいさくほどこした設計せっけいになっているという。

動画どうがゆがみなくれる? 実際じっさいくらべてみた

このゆがみのない映像えいぞう動画どうが撮影さつえいにも利点りてんがあるということで、実際じっさいにローリングシャッターとどのようながあるのか撮影さつえいした。イベント会場かいじょうならんでいたポールを被写体ひしゃたいにカメラを左右さゆうったれいと、バットをスイングするれいを、グローバルシャッター採用さいようαあるふぁ9 IIIと、ローリングシャッターのぜん機種きしゅαあるふぁ9 IIやαあるふぁ7C IIでくらべてみたのがつぎ動画どうがだ。

αあるふぁ9 III】グローバルシャッターってなにがすごいの? 従来じゅうらいくらべてみた

まずポールのれいだが、実際じっさいてみるとわかりやすい。ローリングシャッター方式ほうしきでは、ポールの上部じょうぶがカメラをっているきの反対はんたい方向ほうこうかたむいているようにえ、つづけるとポールがぐにゃぐにゃうごいているようにえる。これがαあるふぁ9 IIIで撮影さつえいした映像えいぞうではポールがまっすぐったままうつっているので、映像えいぞう全体ぜんたいがくっきりとうつっているようにかんじられる。

ローリングシャッター方式ほうしきではポールががっているようにうつ
おなじように撮影さつえいしてもグローバルシャッター方式ほうしきではまっすぐにうつ

バットのスイングのれいでは、通常つうじょう速度そくどではそこまでちがいがあるようにはえないのだが、スロー再生さいせいしてみると、ローリングシャッターのほうられた瞬間しゅんかんや、いたあとのバットががっているようにえる。これがグローバルシャッターでは、どのシーンでもバットがまっすぐうつっているため、スロー再生さいせいでもバットの起動きどうがハッキリとえている。

ひだりがローリングシャッター方式ほうしきみぎがグローバルシャッター方式ほうしき
ひだりがローリングシャッター方式ほうしきみぎがグローバルシャッター方式ほうしきはじめときの部分ぶぶんでローリングシャッター方式ほうしきではバットががっているのがわかる

従来じゅうらいはこういったはやうご被写体ひしゃたいいがんでうつってしまうことが一般いっぱんてきだったわけだが、グローバルシャッターの採用さいようでそのゆがみがなくなることで、映像えいぞう表現ひょうげんにおいても、いままでにはない表現ひょうげんができるようになりそうだ。風車かざぐるまのプロペラのうごきや、うご被写体ひしゃたい併走へいそうしての撮影さつえいなどもまたてくるわってくるだろう。

今回こんかいはグローバルシャッターによる効果こうかがメインとなったが、αあるふぁ9 IIIでは、4K120pのスロー動画どうがをクロップなしで撮影さつえいや、VLOGCAM「ZV-E1」にも搭載とうさいされているダイナミックアクティブモード、10bit 4:2:2での撮影さつえい、Log撮影さつえい、S-Cinetone、ブリージング補正ほせいなど、動画どうが撮影さつえいけの機能きのう充実じゅうじつしている。詳細しょうさいなレビューはまたべつ機会きかいにおとどけしたい。

ソニー レンズテクノロジー&システム事業じぎょうシニアマネジャー 須崎すさき光博みつひろ(ひだり)、ソニーマーケティング プロダクツビジネス本部ほんぶ デジタルイメージングビジネス統括とうかつ部長ぶちょう おか祐介ゆうすけ(みぎ)
野澤のざわけいさとる