あの名古屋なごやの超ちょう人気にんきカフェ、なぜ50年ねんも客きゃく殺到さっとう？絶品ぜっぴんコーヒー＆紅茶こうちゃだけじゃない

カフェタナカ本店ほんてんのスイーツ陳列ちんれつケース、焼やき菓子かしコーナー

「現象げんしょうの裏うらにある本質ほんしつを描えがく」をモットーに、「企業きぎょう経営けいえい」「ビジネス現場げんばとヒト」をテーマにした企画きかくや著作ちょさくも多数たすうあるジャーナリスト・経営けいえいコンサルタントの高井たかい尚之なおゆき氏しが、経営けいえい側がわだけでなく、商品しょうひんの製作せいさく現場げんばレベルの視点してんを織おり交まぜて人気にんき商品しょうひんの裏側うらがわを解説かいせつする。

　経営けいえいの視点してんでカフェを分析ぶんせきすると、人気にんき店てんには共通きょうつう点てんがある。そのひとつが、他た店てんと差別さべつ化かした上うえで、常つねに新あたらしいテーマに挑いどみ続つづけるかどうかだ。

　もともとカフェは開業かいぎょうも多おおいが廃業はいぎょうも多おおいという業態ぎょうたいだ。昭和しょうわ時代じだいのように、一いち人前にんまえになるまで10～15年ねんを他た店てんで修業しゅうぎょうを積つんだベテランが開業かいぎょうするのではなく、数すう年ねん経験けいけんを積つんだ若手わかてが積極せっきょく的てきに独立どくりつする現在げんざいでは「3年ねん続つづく店みせは少すくない」といわれる。

　常連じょうれん客きゃくの支持しじを受うけて繁盛はんじょう店てんとなってからも中長期ちゅうちょうき的てきな人気にんき継続けいぞくは難むずかしい。長年ながねん続つづけた末すえに閉店へいてんする店みせの多おおくは「常連じょうれん客きゃくと一緒いっしょに店みせも歳としをとってしまう」という理由りゆうが大おおきい。かつて通かよってくれた常連じょうれん客きゃくも20年ねん、30年ねんとたつうちに、会社かいしゃを退職たいしょくしたり体調たいちょうを崩くずしたりして足あしが遠とおのく。店主てんしゅも歳としを重かさねると毎日まいにちの営業えいぎょうは難むずかしくなる。筆者ひっしゃの事務所じむしょ近ちかくに長年ながねん営業えいぎょうする喫茶店きっさてんがあるが、何なん年ねんも前まえから週しゅうに2日にち程度ていどしか営業えいぎょうしていない。

　そう考かんがえると、愛知あいち・名古屋なごや市しにある「カフェタナカ」の事例じれいは「ブランド活性かっせい化か」や「事業じぎょう承継しょうけい」の視点してんからも興味深きょうみぶかい。

創業そうぎょう50年ねんを機きに、自家じか焙あぶ煎せんじコーヒーをリニューアル

スチームパンクのコーヒーマシン

　2014年ねん10月がつ末まつ、カフェタナカはコーヒーの提供ていきょうの仕方しかたを変かえた。スチームパンクという最新さいしんマシンを導入どうにゅうしたのだ。

　少すこし専門せんもん的てきな話はなしになるが、スチームパンクとは米べいアルファ・ドミンチェ（ALPHA DOMINCHE）が開発かいはつした、サイフォンで淹いれるコーヒーの原理げんりを応用おうようしたもので、コーヒー豆まめの撹拌かくはん、コーヒーの抽出ちゅうしゅつ温度おんどや抽出ちゅうしゅつ量りょうなどの設定せっていは機械きかいに付属ふぞくするタブレットでアプリを導入どうにゅうして行おこなう。設定せってい幅はばは豆まめの状態じょうたいや室温しつおんなどに応おうじて変かえられるので、ハイテクだが職人しょくにんの手作業てさぎょう部分ぶぶんも多おおい。導入どうにゅう時じは全国ぜんこくでも数すう台だいしかなく中部ちゅうぶ地区ちく初はつ登場とうじょうだったという。