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電通の過労死裁判、「人の命が失われても罰金50万円」が象徴する日本の現実 | ビジネスジャーナル
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電通でんつう過労かろう裁判さいばん、「ひといのちうしなわれても罰金ばっきん50まんえん」が象徴しょうちょうする日本にっぽん現実げんじつ

ぶんふかふえ義也よしや/ライター
電通の過労死裁判、「人の命が失われても罰金50万円」が象徴する日本の現実の画像1社員しゃいん過労かろう自殺じさつけて22消灯しょうとうされた電通でんつう本社ほんしゃビル(写真しゃしん東洋とうよう経済けいざい/アフロ)

 労働ろうどう基準きじゅんほう違反いはんざいわれていた電通でんつうたいして、東京とうきょう簡易かんい裁判所さいばんしょは10月6にち求刑きゅうけいどおりとなる罰金ばっきん50まんえん判決はんけついわたした。

 電通でんつうでは2015ねん12月に新入しんにゅう社員しゃいんだった高橋たかはしまつりさんが長時間ちょうじかん労働ろうどうすえ自殺じさつしており、違法いほう残業ざんぎょう問題もんだい沙汰ざたされていた。9月22にちひらかれたはつ公判こうはんでは、同社どうしゃ山本やまもと敏博としひろ社長しゃちょう出廷しゅっていし、起訴きそ内容ないようについて「間違まちがいありません」とみとめて謝罪しゃざいしたことも話題わだいになっていた。

 この判決はんけつについて、ブラック企業きぎょう被害ひがい対策たいさく弁護べんごだん代表だいひょうつとめる弁護士べんごし佐々木ささきあきら以下いかのようにかたる。

労基法ろうきほう違反いはん場合ばあい裁判さいばん形式けいしき略式りゃくしき法廷ほうてい経営けいえいしゃばれることもなく、書面しょめんじょうのみでおこなわれるケースがおおいです。しかし、今回こんかい電通でんつうのケースでは正式せいしき裁判さいばんとしておこなわれ、また山本やまもと社長しゃちょう出廷しゅっていしました。これは、非常ひじょうおおきな意味いみつことだとおもっています。

 電通でんつう事件じけん発端ほったんに、長時間ちょうじかん労働ろうどう過労かろう問題もんだいたいして社会しゃかいてき非難ひなんあつまりました。そして、裁判所さいばんしょが『これはおおきな問題もんだいだ』とかんがえて正式せいしき裁判さいばんにしたということですから、歓迎かんげいすべきながれではあります。

 しかしながら、電通でんつうでは高橋たかはしさんが自殺じさつまれているため、『1人ひとりいのちうしなわれたのに罰金ばっきん50まんえんやすすぎる』というこえるのは当然とうぜんかもしれません。直接ちょくせつ刑事けいじ事件じけんわれればちがっていたのかもしれませんが、あくまで労基法ろうきほう違反いはん裁判さいばんであるため、これは法律ほうりつ構造こうぞうじょう仕方しかたのないめんもあります。

 ただし、企業きぎょうにとって罰金ばっきんけいらうというのはおおきなことであり、だい企業きぎょうであればあるほどずかしいことでもあります。電通でんつうというだい企業きぎょう罰金ばっきんけい有罪ゆうざいになったという事実じじつは、金額きんがくとしてはちいさいかもしれませんが、社会しゃかいおおきな影響えいきょうあたえたとおもいます」(佐々木ささき

会社かいしゃいのちささげる必要ひつようはない」

 現在げんざい政府せいふは「はたらかた改革かいかく」を推進すいしんしている。この判決はんけつは、日本にっぽん企業きぎょうはたらかた政府せいふ政策せいさくにも影響えいきょうおよぼすのだろうか。

高橋たかはしさんの自殺じさつ原因げんいん労災ろうさい、つまり『業務ぎょうむじょう問題もんだいである』と認定にんていされたことが政府せいふあたえる影響えいきょうおおきいとおもいます。いま厚生こうせい労働省ろうどうしょう勤務きんむ勤務きんむあいだを9時間じかん以上いじょうける『勤務きんむあいだインターバル』の導入どうにゅう推奨すいしょうしています。

 これは、残業ざんぎょうおそくまで勤務きんむした場合ばあい翌日よくじつ出勤しゅっきん時間じかんおそくするというものです。ただし、現在げんざい法的ほうてき制度せいどではなく、たん推奨すいしょうしているにすぎません。また、政府せいふ用意よういしている労基法ろうきほう改正かいせいあんでも、これは努力どりょく義務ぎむにとどまっています。

 そして、この労基法ろうきほう改正かいせいあんでは、残業ざんぎょう時間じかん上限じょうげんについてもあらたにさだめるとされているのですが、1カ月かげつ平均へいきんで80あいだ単月たんげつで100あいだ未満みまんまで容認ようにんするという内容ないようのため、『完全かんぜん過労かろうをなくす』というところまではめていないとおもいます」(どう

 ブラック企業きぎょう長時間ちょうじかん労働ろうどう問題もんだいたいしては、いまだはたらがわ自衛じえいする努力どりょく必要ひつようということだ。では、はたら人々ひとびとはどんなことにをつければいいのだろうか。

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