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コメダとタリーズの売上が増加している理由…圧倒的強者スタバを脅かすか? | ビジネスジャーナル
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コメダとタリーズの売上うりあげ増加ぞうかしている理由りゆう圧倒的あっとうてき強者きょうしゃスタバをおびやかすか?

ぶん長井ながい雄一朗ゆういちろう/ライター
コメダとタリーズの売上が増加している理由…圧倒的強者スタバを脅かすか?の画像1コメダ珈琲こーひーてんのシロノワール(「Wikipedia」より/RadioActive)

“カフェ戦争せんそう”が激化げきかしている。大手おおてチェーンとまち喫茶店きっさてんなどがしのぎをけずるなか、コンビニエンスストアのカウンターコーヒーがヒット商品しょうひんとなり、消費しょうひしゃうばいがつづく。また、あぶせんじ方法ほうほう抽出ちゅうしゅつしゃちがいをし、こう品質ひんしつなコーヒーをえるした「だい4のなみ(フォースウェーブ)」の到来とうらいもささやかれており、今後こんごもコーヒー需要じゅようたかまりが予想よそうされているのだ。

 帝国ていこくデータバンクの調査ちょうさ【※1】によると、喫茶店きっさてん・カフェ経営けいえい業者ぎょうしゃ1180しゃの2017ねん売上うりあげだか合計ごうけいは、前年ぜんねん4.6%ぞうの6415おく3200まんえんとなり、拡大かくだい傾向けいこうつづいている。

 売上うりあげだかランキングでは、1のスターバックスコーヒージャパンがやく1709おくえん全体ぜんたいやく4ぶんの1をめる。2はドトールコーヒーのやく725おくえん、3タリーズコーヒージャパンのやく302おくえん増収ぞうしゅうりつトップはコメダ売上うりあげだか243おくえん前年ぜんねん10.7%ぞう)、いでタリーズ(どう9.1%ぞう)となっている。

 コメダやタリーズが躍進やくしんした理由りゆうなにか。また、王者おうじゃスタバは安泰あんたいなのか。帝国ていこくデータバンク東京とうきょう支社ししゃ情報じょうほう情報じょうほう取材しゅざい編集へんしゅう伊佐いさ美波みなみふく主任しゅにんはなしをうかがった。

コメダとタリーズ、好調こうちょう舞台裏ぶたいうら

 コメダの売上うりあげだか前年ぜんねん10.7%ぞう、タリーズの9.1%ぞうという増収ぞうしゅうりつは、スタバ(6.4%ぞう)、ドトール(1.8%ぞう)、売上うりあげだか4のサンマルクカフェ(3.0%ぞう)をおおきくはなす。このなにか。

「16ねん上場じょうじょうしたコメダホールディングス傘下さんかのコメダは、FC加盟かめいてん部門ぶもん関東かんとう関西かんさい九州きゅうしゅう地区ちく出店しゅってん順次じゅんじすすめられ、ロイヤリティ収入しゅうにゅう増加ぞうかしました。また、店舗てんぽすうえたことでコーヒーまめやパンなどの食材しょくざい販売はんばいりょう増加ぞうかしています。コメダといえば、モーニングサービスに代表だいひょうされる価格かかくめんでの手頃てごろかんくわえ、きめささやかな接客せっきゃくサービスや郊外こうがいひろいスペースからなる居心地いごこち空間くうかんづくりが特徴とくちょうで、それらの施策しさく幅広はばひろ客層きゃくそうれられているてんおおきいでしょう。FCとしての店舗てんぽ展開てんかい手元てもと資金しきんおさえながら、短期間たんきかんきゅう拡大かくだいしています。

 タリーズもFCの店舗てんぽ拡大かくだい順調じゅんちょうです。メニューめんでは、飲料いんりょうくわえて、パスタやパンケーキ、アイスクリームなどのフードるい充実じゅうじつさせ、きゃく単価たんか上昇じょうしょうつとめています。親会社おやがいしゃ伊藤園いとうえんもタリーズブランドをかしたコーヒー飲料いんりょう販売はんばいすすめており、販促はんそくめんでは相乗そうじょう効果こうかられるメリットもありますね」(伊佐いさ

スタバ、ドトールの地位ちい安泰あんたいか?

 今回こんかい調査ちょうさあらためてりになったのが、スタバの圧倒的あっとうてき存在そんざいかんだ。前述ぜんじゅつしたように、17ねん売上うりあげだかやく1709おくえん全体ぜんたいやく4ぶんの1をめ、2のドトールに2ばい以上いじょうをつけている(※今回こんかい調査ちょうさでは、ドトールコーヒーと日本にほんレストランシステムはべつ会社かいしゃとして算出さんしゅつしたが、両者りょうしゃは2007ねん経営けいえい統合とうごうし、親会社おやがいしゃはドトール・にちレスホールディングスとなっている)。「スターバックス コーヒー」の運営うんえいやコーヒー関連かんれん商品しょうひん販売はんばいがけ、18ねん9がつまつ時点じてん店舗てんぽすうは1392(うちライセンス106)だ。

 コンビニけチルドカップのカフェラテやエスプレッソなどをリニューアルしたほか、「ミルクカスタードプリン」や「チョコレートプリン」などの期間きかん限定げんてい商品しょうひん人気にんきあつめ、既存きそんてんきゃく単価たんか来店らいてん客数きゃくすう増加ぞうか。さらに、新規しんき出店しゅってんすう増加ぞうかした結果けっか店舗てんぽ売上うりあげ・ライセンス収入しゅうにゅうともに増収ぞうしゅうとなった。

「スタバは、わか女性じょせいきゃく中心ちゅうしんこう評価ひょうかているフラペチーノなどのぶし限定げんていドリンクを重点じゅうてん販売はんばいするなど、まだまだ好調こうちょうです。また、ドリンクやフードなどの商品しょうひんだけでなく、店舗てんぽデザインや従業じゅうぎょういん対応たいおうなどによる“居心地いごこち提供ていきょう”というてんでは、他社たしゃとは一線いっせんかくした独自どくじ地位ちいきずき、こう収益しゅうえき体質たいしつ構築こうちくしています。

 一方いっぽうで、人手ひとで不足ふそく顕在けんざいするなか、ブランドりょく一本いっぽんでどこまでがんばれるかという側面そくめんもあるでしょう。また、直営店ちょくえいてんでの展開てんかいがほとんどなので、『将来しょうらい店舗てんぽすうあしかせになることもあるのでは』との意見いけんかれます。他方たほう店舗てんぽ立地りっちさなどから今後こんご、アパレルや雑貨ざっかてんなど業態ぎょうたい新規しんき併設へいせつするカフェブランドとしては一番いちばん想起そうきされるであろうてんつよみとえるでしょう」(どう

 スタバのこれまでの実績じっせきかんがえれば、当面とうめん安泰あんたいかもしれない。一方いっぽう売上うりあげだか2のドトールは増収ぞうしゅうりつ前年ぜんねん1.8%ぞうと、どう3タリーズや5コメダくらべて見劣みおとりする。競争きょうそう激化げきかするカフェ業界ぎょうかいにおいては、2のドトールとて安穏あんのんとはしていられないだろう。

明暗めいあんかれる?カフェ業界ぎょうかいいま

 年商ねんしょう100おくえん以上いじょうの10しゃ売上うりあげだか全体ぜんたいの66.3%をめるなど、カフェ業界ぎょうかい大手おおて主導しゅどう寡占かせんすすみつつある。今後こんごは、ぐみぐみがより鮮明せんめいになり明暗めいあんかれていくのだろうか。

一部いちぶ大手おおてでは、複数ふくすう業態ぎょうたいつよみをかして相乗そうじょう効果こうかねらうごきが活発かっぱつしています。カフェ業界ぎょうかい業種ぎょうしゅとの親和しんわせいたかいためです。おなじグループ企業きぎょうないでカフェビジネスやフード開発かいはつのノウハウを業種ぎょうしゅかして利益りえき拡大かくだいにつなげているれいもあります。顧客こきゃく獲得かくとく競争きょうそう激化げきかするなか、経営けいえい統合とうごうなどによるブランドの多角たかくや、事業じぎょう売却ばいきゃくなどによる事業じぎょう選択せんたく集中しゅうちゅう必要ひつようせまられることもあるかもしれません」(どう

 大手おおて一角いっかくであるユーシーシーホールディングスは、主力しゅりょくの「上島うえしま珈琲こーひーてん」などへの積極せっきょくてき投資とうしおこなうため、今年ことし5がつにカフェチェーン「珈琲こーひーかん」の株式かぶしき投資とうしファンドに譲渡じょうとした。

ドトールもこう価格かかく路線ろせん

 また、売上うりあげだかではランキングがいだが、日本にほんレストランシステムのうごきは注目ちゅうもくあたいする。主力しゅりょくの「星乃ほしの珈琲こーひーてん事業じぎょうでは、競合きょうごう他社たしゃとの競争きょうそう食事しょくじメニューの固定こていなどで既存きそんてん集客しゅうきゃくすう前年ぜんねんから微減びげんとなったものの、しん業態ぎょうたい「OSLO COFFEE」の出店しゅってん積極せっきょくした。ハンドドリップや急冷きゅうれいしきアイスコーヒーなどの「サードウェーブ」にちか業態ぎょうたい話題わだいあつめ、充実じゅうじつしたフードメニューできゃく単価たんか上昇じょうしょう既存きそん店舗てんぽ以外いがい業態ぎょうたい好調こうちょうだったため、全体ぜんたい集客しゅうきゃくすうきゃく単価たんかともに前期ぜんき上回うわまわり、増収ぞうしゅうたしている。

 この「星乃ほしの珈琲こーひーてん」やコメダ運営うんえいする「コメダ珈琲こーひーてん」は、フルサービスといわれるシステムで支持しじあつめている。同様どうように、一部いちぶ大手おおてではてい価格かかくからいちすすんだ「上質じょうしつ空間くうかん接客せっきゃくサービス」をうごきがられる。代表だいひょうかく東和とうわフードサービスが運営うんえいする「椿つばき珈琲こーひーてん」などだが、てい価格かかくたいドトール高級こうきゅう喫茶店きっさてん神乃じんの珈琲こーひー」の出店しゅってん加速かそくさせている。

喫茶店きっさてん・カフェ業界ぎょうかいは、時代じだい変遷へんせんとともに細分さいぶんされてきました。手軽てがるなコンビニコーヒーが支持しじあつめ、セルフしきカフェの価格かかく優位ゆういせいくずれつつあるなか、フルサービスの業態ぎょうたい支持しじています。こう価格かかく路線ろせん業態ぎょうたいは、ポジションの確立かくりつとブランドの定着ていちゃく集客しゅうきゃくつとめています」(どう

 今後こんごも、てい価格かかくたいのセルフしきこう価格かかくたいのフルサービスのカフェが共存きょうぞんしていくことになりそうだが、これも消費しょうひしゃこのみが多様たようしているからなのだろうか。

国内こくないのコーヒー消費しょうひ堅調けんちょうです。サードウェーブの流行りゅうこうやコンビニコーヒーのだいヒットが契機けいきとなり、コーヒーに興味きょうみひとえたといわれています。くわえて、あぶせんじ方法ほうほう抽出ちゅうしゅつしゃちがいをした『フォースウェーブ』がせるうごきもあり、コーヒー需要じゅよう今後こんごさらにたかまると期待きたいされています」(どう

 一方いっぽうで、まち喫茶店きっさてん苦戦くせんいられている。売上うりあげだか規模きぼべつると「1おくえん未満みまん」が832しゃ構成こうせい70.5%)で最多さいたとなっており、個人こじん事業じぎょうしゃは203しゃどう17.2%)。帝国ていこくデータバンクの『飲食いんしょくてん倒産とうさん動向どうこう調査ちょうさ』によると、17年度ねんど喫茶店きっさてん倒産とうさん前年度ぜんねんど29.8%ぞうの61けん(うち個人こじんは29けん発生はっせいしているほか、代表だいひょうしゃ高齢こうれいなどで休廃業きゅうはいぎょう解散かいさん余儀よぎなくされるケースもすくなくない。

 カフェ業界ぎょうかい熾烈しれつ競争きょうそうは、さらに過熱かねつしていきそうな気配けはいだ。
ぶん長井ながい雄一朗ゆういちろう/ライター)

【※1】
2013ねんから2017ねんとし売上うりあげだか判明はんめいし、「喫茶店きっさてん経営けいえいおも事業じぎょうとしている1180しゃ法人ほうじん個人こじん営業えいぎょう)を帝国ていこくデータバンクの企業きぎょう概要がいようファイル「COSMOS2」(147まんしゃ収録しゅうろく)から抽出ちゅうしゅつし、分析ぶんせき

長井雄一朗/ライター

長井ながい雄一朗ゆういちろう/ライター

建設けんせつ専門せんもん記者きしゃなどをてフリーライターに。建設けんせつ関連かんれん事件じけん・ビジネス関係かんけい執筆しっぴつちゅう

Twitter:@asianotabito

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