アベノミクスへの批判ひはんが少すくない“意外いがいな”理由りゆう？

「首相しゅしょう官邸かんてい HP」より

　昨年さくねん末まつの記事きじから、4つほどピックアップしてみた。

●日本人にっぽんじんのネット利用りよう時間じかんが大幅おおはば増ぞう、週末しゅうまつに父親ちちおやと過すごす時間じかんも　ー　日本にっぽんリアルタイム（12月26日にち）

　この記事きじが元々もともと英文えいぶんで書かかれているということに、若干じゃっかん興味きょうみをひかれた。記事きじの内容ないよう自体じたいは総務そうむ省しょうによる5年ねんごとの「国民こくみん生活せいかつに関かんする調査ちょうさ」の説明せつめいに過すぎない。記事きじを読よんでも、「あーまぁそうだろうね」程度ていどにしか思おもわない。

　しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルである。いまだ巨大きょだいな経済けいざい大国たいこくで、かつ昔むかしも今いまもこれからも文化ぶんか大国たいこくであろう日本にっぽんの人々ひとびとの生活せいかつには、やはり興味きょうみがあるのだろうか？　アメリカとは違ちがう何なにかがあるのだろうか？

　英語えいごの元もと記事きじの題名だいめいは『Japanese Sink More Time Into Online』となっているが、そんなことよりも男性だんせいが家事かじをする時間じかんが女性じょせいに比くらべて圧倒的あっとうてきに短みじかいとか、父親ちちおやと平日へいじつ夕飯ゆうはんを食たべると答こたえた子供こどもが3割わり弱じゃくであるとか、そういったことのほうが本当ほんとうは気きになって記事きじを書かいたのではないか？　しかし、そう書かくと女性じょせいから批判ひはんも出でそうなので、ネット利用りよう時間じかんを取とりあえず前面ぜんめんに出だして記事きじを書かいたのではないか？　などと思おもってしまった。元もとの英語えいご記事きじも読よんでみないと背景はいけいが掴つかみにくい興味深きょうみぶかい記事きじ。

●クリスマスプレゼントの返品へんぴん競争きょうそう　ー　ウォール・ストリート・ジャーナル（12月25日にち）

　アメリカという国くにはとても変かわっている、と日本人にっぽんじんには思おもえる。一見いっけんテクノロジーが進すすんでいるようで、いまだに小切手こぎってとか使つかってるし、恐おそろしく非ひ効率こうりつなことも色々いろいろと残のこっている。移民いみんの国くにであるので、あえて人ひとと人ひとの接触せっしょくを多おおく維持いじすること、顔かおと顔かおを合あわせることを大切たいせつにしてきたのではないか。一概いちがいに信用しんようし切きれないからこそ、あえて人ひとの接触せっしょくを担保たんぽし、実際じっさいに見みて確認かくにんするステップを残のこしてきたのではないか。

　この記事きじのような、クリスマスプレゼントの返品へんぴんが10～15％あるというのも驚おどろきである。そして買かったお客きゃくさん、もしくはもらったお客きゃくさんが店みせにまたやってくる。そこでクリスマス商戦しょうせん時じよりもさらに店員てんいんを増ふやして待まっているという。オフラインのアメリカらしさを知しる記事きじ。

●「アベノミクス」を海外かいがい紙しはどう分析ぶんせきしたか？　ー　NewSphere（12月26日にち）

「アベノミクス」とは言いい得えて妙みょうである。レーガノミクスにならった命名めいめいに違ちがいない。このアベノミクスを海外かいがい紙しはどう分析ぶんせきしたかという記事きじだが、記事きじを読よむ限かぎり、どの海外かいがい紙しも大たいしたことは書かいてない。事実じじつ解説かいせつに近ちかい。

　しかし、本当ほんとうはそこが肝きもだと思おもう。今いままで日本にっぽんは為替かわせ介入かいにゅうをして円えん高だかを阻止そししようとすると、世界せかいのさまざまな方面ほうめんから「一いち国こくだけがそのようなことをするのはケシカラン」との批判ひはんを受うけた。しかし、今回こんかいはそのような声こえは、海外かいがい政権せいけんやIMFからも海外かいがいマスコミからも聞きこえてこない。ヨーロッパ危機ききなどが起おきた直後ちょくごの今いま、ヨーロッパをはるかに超こえる対たいGDP借金しゃっきんを抱かかえる日本にっぽんが、景気けいき回復かいふくのために公共こうきょう投資とうしを再開さいかいしようとしているのに、それに対たいする批判ひはんや不安ふあんもほとんど聞きこえてこない。

　飲のんだくれの親爺おやじがまた飲のもうとすると、周まわりは批判ひはんし止どめようとする。しかし、金持かねもちの親爺おやじが肝臓かんぞうの数値すうちが悪わるくなってきたのでまったく飲のみ食くいもせずに引ひきこもっていたのが、久ひさし振ぶりに春はるめいて飲のみ食くいに出掛でかけ始はじめても、誰だれも文句もんくは言いわないのである。しばらくは金かねを使つかってくれと思おもうであろう。海外かいがい紙しの反応はんのうを見みて、「それだけ日本にっぽんはこれまで何なにもしなさ過すぎたのだ」と、そこまで突つっ込こんでほしかった。

　ちなみに同どうメディアが12月28日にちに配信はいしんした『海外かいがい紙しが安倍あべ政権せいけんの経済けいざい政策せいさくに呈ていした苦言くげんとは？』という記事きじでは、少々しょうしょう海外かいがい紙しのネガティブな意見いけんも紹介しょうかいされている。しかし、かなりマイルド。

●インテリジェントなモノ、スーパーストレス時代じだい…JWT「2013年ねん10大だいトレンド」を発表はっぴょう　ー　アドタイ（12月25日にち）

　訳わけの問題もんだいかもしれないが、あまりピント来こない。

「トレンド」とは、業界ぎょうかいが演出えんしゅつする需要じゅよう喚起かんきのためにつくり上あげるストーリーではないかと感かんじてしまう。しかしそんなふうに感かんじる私わたしは、トレンドに乗のれないオジサンなのかもしれない。しかし、9番目ばんめに出でてくる「デジタルな世界せかいでプライバシーを守まもる」の項こうで具体ぐたい例れいとして出でてくるダークルーム（アメリカの大学生だいがくせい・高校生こうこうせいはパーティをする時ときに、飲酒いんしゅする部屋へや「ダークルーム」をつくり、携帯けいたい電話でんわやカメラを持もち込こみ禁止きんしにしてネットから遮断しゃだんするとのこと）は面白おもしろかった。ネット上じょうのトレンドはリアルトレンドなのか？　お酒さけはサイバースペースでは飲のめない。

　自分じぶんの生いき方かたや価値かち観かんには影響えいきょうはないが、ビジネスしていく上うえでは知しらなければいけないことなんでしょうね、トレンドって。

【松本まつもと大まさる氏しの過去かこのキュレーション記事きじ】
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