コンビニおにぎり、事故じこ誘発ゆうはつで死しの危険きけんも…ファストフードのチキンで発はつがん性せい物質ぶっしつ検出けんしゅつ

「Thinkstock」より

　私わたしは以前いぜん、添加てんか物ぶつや医薬品いやくひん、その他たの化学かがく物質ぶっしつの安全あんぜん性せいに関かんする研究所けんきゅうじょで、主席しゅせき研究けんきゅう員いんとして変異へんい原ばら性せいの実験じっけんに従事じゅうじしていました。

　突然変異とつぜんへんい性せいを示しめす物質ぶっしつと発はつがん性せいを示しめす物質ぶっしつとの間あいだには、極きわめて高たかい相関そうかん関係かんけいがあります。突然変異とつぜんへんい性せいが認みとめられた物質ぶっしつは、添加てんか物ぶつとしての開発かいはつは中止ちゅうしとなり、次つぎに予定よていされていた動物どうぶつ等とうによる安全あんぜん性せい試験しけんは行おこないません。

　魚さかなや肉にくを焼やくと焦こげた部分ぶぶんがとても強つよい突然変異とつぜんへんい性せいを示しめすことは、かなり以前いぜんから知しられています。この研究けんきゅうから、グルタミン酸ぐるたみんさんやトリプトファンなどのアミノ酸あみのさんが加熱かねつされた場合ばあいに、極きわめて強つよい突然変異とつぜんへんい性せいを示しめす物質ぶっしつが生しょうじることが明あきらかになりました。

　米国べいこくではラットによる実験じっけんで大腸だいちょうがんを起おこすことが明あきらかになっているヘテロサイクリックアミンが、焼やいたチキン（鶏肉とりにく）から検出けんしゅつされ問題もんだいになっております。米国べいこくの医師いし6000名めいがファストフード店てんに抗議こうぎしました。この物質ぶっしつは米べい保健ほけん福祉ふくし省しょうが2005年ねんに発はつがん性せい物質ぶっしつに指定していしました。

　アミノ酸あみのさんを多おおく含ふくむ添加てんか物ぶつは、表示ひょうじを見みればわかります。「調味ちょうみ料りょう（アミノ酸あみのさん）」「調味ちょうみ料りょう（アミノ酸あみのさん等とう）」などで、「タンパク加水かすい分解ぶんかい物ぶつ」は法令ほうれい上じょうは添加てんか物ぶつではなく食品しょくひんとして扱あつかわれていますが、表示ひょうじはされています。

　そのほかのアミノ酸あみのさんとして、グリシンがあります。グリシンを摂取せっしゅすると快眠かいみんできるといわれており、安眠あんみん・快眠かいみんが謳うたわれて売うられています。3g飲のむとよく眠ねむることができます。
　　
　このグリシンは、おにぎりや弁当べんとうに2.5～3％添加てんかすると、微生物びせいぶつの繁殖はんしょくを抑おさえることができます。おにぎりや弁当べんとうを100g食たべると、グリシンが3g摂取せっしゅされます。通常つうじょう販売はんばいされているおにぎりは100g前後ぜんこうです。お腹なかが膨ふくれるだけでも眠ねむたくなるのに、その上うえグリシンが効果こうかを表あらわすと、一番いちばん心配しんぱいされるのは居眠いねむり運転うんてんです。注意ちゅういしないと、交通こうつう事故じこを起おこし死亡しぼうする危険きけんもあります。

　以上いじょうより、私わたしたちが食品しょくひん添加てんか物ぶつと接せっする上うえで注意ちゅういすべき点てんは以下いかのように整理せいりできます。

（1）アミノ酸あみのさんだから安全あんぜん、とは思おもわない
（2）タンパク加水かすい分解ぶんかい物ぶつだから安全あんぜん、とは思おもわない
（3）化学かがく調味ちょうみ料りょうを使用しようした場合ばあい、揚あげる、焼やく、焙あぶる（あぶる）など高温こうおんでの調理ちょうりはできるだけ避さける
（4）化学かがく調味ちょうみ料りょうを使用しようしている食品しょくひんは、なるべく購入こうにゅうしないようにする
（5）肉にくや魚さかなの焦こげ（こげ）に注意ちゅういする
（6）食品しょくひんの表示ひょうじをよく見みる

（文ぶん＝小しょう薮やぶ浩ひろし二郎じろう／食品しょくひんメーカー顧問こもん）