麻生あそう財務ざいむ相しょう、辞意じい表明ひょうめいで安倍あべ首相しゅしょうが慰留いりゅうか…首相しゅしょう続投ぞくとうの意欲いよく消失しょうしつ、内閣ないかく総そう辞職じしょくで新しん首相しゅしょう選出せんしゅつも

写真しゃしん：ロイター/アフロ

　政府せいふは12日にち、財務省ざいむしょうが森友もりとも学園がくえんへの国有こくゆう地ち売却ばいきゃくに関かんする決裁けっさい文書ぶんしょ14件けんを書かき換かえていたと、国会こっかいに報告ほうこくした。昨年さくねん2月がつの問題もんだい発覚はっかく後ご、国会こっかい答弁とうべんとの整合せいごう性せいを図はかるために財務省ざいむしょう理財りざい局きょくの指示しじに基もとづいて行おこなわれたと認定にんていした。土地とち取引とりひきについて「特例とくれい的てき」と記しるした部分ぶぶんや、「価格かかく等とうについて協議きょうぎした」と価格かかく交渉こうしょうを示唆しさする部分ぶぶん、さらには安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうと妻つまの昭恵あきえ氏し、麻生あそう太郎たろう財務ざいむ相しょうら複数ふくすうの政治せいじ家かの名前なまえも削除さくじょされていたことがわかり、政界せいかいは重大じゅうだい局面きょくめんを迎むかえた。

「自民党じみんとう関係かんけい筋すじによると、麻生あそう氏しは安倍あべ首相しゅしょうに辞意じいをもらしたが、安倍あべ首相しゅしょうは全力ぜんりょくで慰留いりゅうしたといいます。麻生あそう氏しは安倍あべ内閣ないかくの要よう。各かく省庁しょうちょうに“にらみ”をきかせられるのは彼かれしかいない。安倍あべ首相しゅしょうの最大さいだいの理解りかい者しゃである以上いじょう、経験けいけんもある麻生あそう氏しの代かわりはいない。だから安倍あべ首相しゅしょうとしては最大限さいだいげん、麻生あそう氏しを守まもっています。

　麻生あそう氏しはアルゼンチンで19日にちに開幕かいまくする20カ国かこく地域ちいき（G20）財務ざいむ相しょう・中央ちゅうおう銀行ぎんこう総裁そうさい会議かいぎを欠席けっせきする見通みとおしです。G20を花道かどうにして辞意じいを申もうし出でるとみられていましたが、もっと早はやい時期じきに辞やめることも考かんがえられます」

　こう語かたるのは、政治せいじジャーナリストの朝霞あさか唯夫ただお氏しだ。安倍あべ内閣ないかくの屋台骨やたいぼねともいえる麻生あそう財務ざいむ相しょうが内閣ないかくから去されば、安倍あべ内閣ないかくは持もたないという見方みかたが強つよいが、朝霞あさか氏しによれば、安倍あべ首相しゅしょう自身じしんも進退しんたいについて考かんがえ始はじめているという。

「今週こんしゅう末まつのマスコミ各社かくしゃの世論せろん調査ちょうさで、安倍あべ内閣ないかくの支持しじ率りつは30％台だいになる可能かのう性せい大だいです。今月こんげつ25日にちに開催かいさいされる党とう大会たいかいで憲法けんぽう9条じょうなどの改憲かいけん条文じょうぶん案あんを示しめせなくなった今いま、安倍あべ氏しには首相しゅしょうを続つづける意欲いよくがなくなったとの声こえも囁ささやかれています。4月がつ以降いこうに総そう辞職じしょくをするとみられています」（同どう）

　2018年度ねんど予算よさん案あんは、2月がつ28日にち夜よるの衆院しゅういん本ほん会議かいぎで自民じみん・公明こうめい両りょう党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされ、参院さんいんに送おくられている状態じょうたい。予算よさん案あんは参院さんいんの議決ぎけつがなくても送付そうふから30日にちで自然しぜん成立せいりつするため、年度内ねんどないの成立せいりつが確定かくていしている。

「自然しぜん成立せいりつではなく野党やとうにも出席しゅっせきを促うながし、国会こっかい正常せいじょう化かを図はかるためにも総そう辞職じしょくが条件じょうけんになる。国会こっかいは今いま、空転くうてん状態じょうたいですが、今いまの自民党じみんとうも安倍あべ一いち強きょうの一枚岩いちまいいわではない。そこで麻生あそう氏しがどのタイミングで辞意じいを表明ひょうめいするかがポイント。麻生あそう氏しが辞任じにんすれば、安倍あべ内閣ないかくは持もちません」(同どう)

憲法けんぽう改正かいせいが先送さきおくり

　自民党じみんとうは13日にち、憲法けんぽう改正かいせい論議ろんぎで積つみ残のこしとなっている9条じょうと緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこうの創設そうせつについて、25日にちの党とう大会たいかい前まえの条文じょうぶん案あん策定さくていを見送みおくる方向ほうこうで検討けんとうに入はいった。党とう大会たいかいでは改憲かいけんの方向ほうこう性せいを示しめすにとどまる見通みとおしだ。森友もりとも文書ぶんしょ書かき換かえ問題もんだいで揺ゆれる国会こっかいを早期そうきに収束しゅうそくすることが最さい優先ゆうせん事項じこうのため、当面とうめんの憲法けんぽう改正かいせいを見送みおくったかっこうだ。