社会しゃかい人じん1年ねん目め　何なにができれば合格ごうかくライン？

　新しん年度ねんどが始はじまって半月はんつきほど。

　新しん社会しゃかい人じんになった人ひとは、学生がくせい時代じだいとは勝手かってが違ちがう「仕事しごと」という時間じかんにまだ戸惑とまどっているころかもしれません。やる気きはあるけど、何なにをどうがんばればいいのか見みえてこないから、とりあえず目めの前まえのことを一生懸命いっしょうけんめいこなす状態じょうたいは疲つかれるし、ストレスがたまります。

■新人しんじんが上司じょうしの期待きたいを超こえるのはカンタン

　こんな時じ、「仕事しごとで接せっする上司じょうしや先輩せんぱいが自分じぶんに求もとめているのは何なになのか？」ということに考かんがえを向むけると、気持きもちが楽らくになるもの。少すくなくとも、入社にゅうしゃしたばかりの新卒しんそつ社員しゃいんにいきなり高たかい売上うりあげノルマや、会社かいしゃの根幹こんかんとしての活躍かつやくを求もとめる企業きぎょうはないはずです。

　ただ、それでも「こういうことができたら、すばらしい新人しんじんだな」という「期待きたい」はあります。『仕事しごと1年生ねんせい「これ」だけできれば100点てんです!』（山形やまがた琢也たくや著ちょ、すばる舎しゃ刊かん）は、入社にゅうしゃしたばかりの新卒しんそつ社員しゃいんに対たいして、上司じょうしや先輩せんぱいが求もとめていることを明あきらかにしています。

　新卒しんそつ社員しゃいんへの彼かれらの期待きたいは、決けっして高たかいハードルではありません。シンプルで、すぐに実践じっせんできることばかりです。だからこそ、しっかり越こえておきたいところ。一体いったいどんなことが求もとめられているのでしょうか？

■人間にんげん性せいは言葉ことばより行動こうどうで伝つたわる

　新卒しんそつ社員しゃいんにとって、やるべきことの「いの一番いちばん」は、直属ちょくぞくの上司じょうしの信頼しんらいを得えること。「この人ひとは、安心あんしんして仕事しごとを任まかせられるな」と思おもってもらうことです。

　自分じぶんが信頼しんらいに足たる人間にんげんだということを知しってもらうなら、言葉ことばで表現ひょうげんするよりも、行動こうどうで示しめす方ほうが相手あいてには伝つたわります。というよりは、社会しゃかい人じんは言葉ことばよりも行動こうどうで相手あいての人間にんげん性せいを判断はんだんする習慣しゅうかんがついている、と言いった方ほうがいいかもしれません。

　もちろん、いきなり大おおきな成果せいかを出だすということではありません。

　上司じょうしに言いわれたことを確実かくじつにこなす。新人しんじんとして決きめられたことを確実かくじつにやる。そしてその内容ないようと結果けっかを報告ほうこくする。

　やるべきことはそれだけ。そして、それさえできれば、新卒しんそつ社員しゃいんとしては十分じゅうぶん「合格ごうかく」なのです。

■「先手せんて必勝ひっしょう」をクセにする

　もう一ひとつ大切たいせつなのが「先手せんて必勝ひっしょう」をクセにすること。どんなことでも、相手あいての先回さきまわりするように行動こうどうしてみましょう。

　打うち合あわせの場所ばしょに、相手あいてよりも先さきに行いっているのも先回さきまわりですし、相手あいてが挨拶あいさつするよりも先さきにこちらから挨拶あいさつすることもそう。営業えいぎょうに行いくことになったら、相手あいて先さき担当たんとう者しゃについてできるかぎりの情報じょうほうを入いれておくことも先回さきまわりです。

　上司じょうしに会議かいぎ用ようの書類しょるいコピーを頼たのまれたら、単純たんじゅんにコピーするだけでなく、一人ひとり分ぶんずつまとめてそれぞれの席せきにおいておくことも、一種いっしゅの先回さきまわりです。この「先回さきまわりグセ」がつけば、新人しんじんとして「合格ごうかく」どころか「かなりすごい新人しんじん」かもしれません。

■「一生懸命いっしょうけんめい」「できるかぎり」はもうやめよう

　組織そしきを導みちびいたり、人ひとをまとめたりする立場たちばであれば、抽象ちゅうしょう的てきな理念りねんを語かたるべき時ときもありますが、入社にゅうしゃ初年度しょねんどの新人しんじんにはそういう場面ばめんはほとんどないはず。上司じょうしや先輩せんぱいに何なにかを説明せつめいする時ときは、できるだけ具体ぐたい的てきに、数値すうち化かできるものは数値すうち化かして説明せつめいしましょう。

　といっても、難むずかしいことは特とくにありません。「一生懸命いっしょうけんめい～します」「できるかぎり～します」といった言葉ことばをやめて「1日にち15件けん営業えいぎょうに回まわります」などと、数字すうじを使つかって表現ひょうげんするだけです。

　そして、言いったことは実践じっせんしてみて、できなかったらなぜできなかったかを考かんがえる。そしてできるようになる方法ほうほうを考かんがえる。仕事しごとは基本きほん的てきにこのプロセスの繰くり返かえしです。だから早はやいところ身みにつけてしまいましょう。これもできていたら、新人しんじんとしてはほとんど非ひの打うちどころがないのではないでしょうか。

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　新人しんじんとして、上司じょうしや先輩せんぱいの期待きたいに応こたえることは、決けっして難むずかしいことではありません。だけどもっと大切たいせつなことは、新人しんじんのうちに、その後ご成長せいちょうしていくための下地したじを作つくっておくこと。本書ほんしょではそのためにやるべきことや身みにつけておくべき習慣しゅうかん、心構こころがまえについて解説かいせつしています。

　新人しんじん時代じだいの取とり組くみでその後ごの人生じんせいがすべて決きまるわけではありませんが、早はやいうちに社内しゃないでの自分じぶんの評価ひょうかを確立かくりつさせておくと、後々あとあとの仕事しごとが圧倒的あっとうてきにやりやすくなるのは確たしかです。そのためにも有意義ゆういぎな新人しんじん時代じだいを送おくりたいところ。本書ほんしょはその助たすけになってくれるはずです。
（新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）

※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。