「勝手かってに部下ぶかが育そだつ」ための6つのステップ

　デジタル社会しゃかいとなった現代げんだいはとかくビジネス環境かんきょうの変化へんかが激はげしく速はやい。

　企業きぎょうにとっては社内しゃないの先輩せんぱいたちの経験けいけんやノウハウがあっという間まに陳腐ちんぷ化かし、背中せなかを見みて学まなぶという方法ほうほうが通用つうようしなくなってきている。その影響えいきょうを受うけるのは人材じんざい育成いくせいである。

「勝手かってに部下ぶかが育そだつ」ための6つのステップ

　これからのビジネスで求もとめられるのは、教おそわったことを忠実ちゅうじつに実行じっこうするだけでなく、自みずから考かんがえて実行じっこうする自律じりつ型がたの人物じんぶつ。そうは言いわれるが、そんな人材じんざいはいったいどうすれば育そだつのか？

　『社員しゃいんが「いつの間まにか」成長せいちょうするスゴイ育そだて方かた 自みずから動うごく社員しゃいんをつくる最高さいこうの人材じんざい育成いくせい』（富士通ふじつうラーニングメディア著ちょ、ダイヤモンド社だいやもんどしゃ刊かん）はこんな企業きぎょうの悩なやみや疑問ぎもんに答こたえ、人材じんざい育成いくせいにおいて「人ひと」に関かんする悩なやみから解放かいほうされるために必要ひつようなノウハウを紹介しょうかいする。

　社員しゃいんが自律じりつ的てきに育そだつ人材じんざい育成いくせいには、6つのステップがある。

ステップ1「人材じんざい戦略せんりゃくを立たてる」

　変化へんかが激はげしい時代じだいだからこそ、ぶれないための指針ししんが必要ひつようになる。人材じんざい戦略せんりゃくに求もとめられるのは、多様たような「一流いちりゅう」たちを生うみ出だすこと。そして、多様たような一流いちりゅうたちが共きょう創そうしてビジネスを生うみ出だしていくための指針ししんを立たてることが重要じゅうようになる。

ステップ2「人材じんざい育成いくせいのしくみをつくる」

　しくみとは、維持いじするためのものではなく、変かえるためにこそ存在そんざいする。

ステップ3「現場げんば定着ていちゃくの仕掛しかけをつくる」

　定着ていちゃくというと、社員しゃいん全員ぜんいんに浸透しんとうするという解釈かいしゃくをしがちだが、変化へんかが激はげしい現代げんだいでは、全員ぜんいんに浸透しんとうする頃ころにはもうそのしくみは陳腐ちんぷ化かしてしまう。なので、ここでも変化へんかし続つづけることが前提ぜんていとなる。「定着ていちゃく＝しくみや施策しさくの評価ひょうかができるまでの時間じかん」とし、しくみをこれまでよりも細こまかなサイクルで評価ひょうかし、さらに改善かいぜんしていく。

ステップ4「現場げんば力りょくを向上こうじょうする」

　「一いち人前にんまえ」ではなく、社員しゃいんそれぞれが自分じぶんの持もち場ばで最高さいこうの成果せいかを発揮はっきする「一流いちりゅう」をたくさん育そだてることが重要じゅうよう。現場げんばに自律じりつした人材じんざいをうまく配置はいちできるかどうかで、企業きぎょうの実績じっせきは大おおきく左右さゆうする。

ステップ5「人材じんざい力りょくを診断しんだんする」

　社員しゃいん1人にん1人にんの現状げんじょうを客観きゃっかん的てきな数字すうじで示しめしてあげることで、社員しゃいん自身じしんが自分じぶんの課題かだいを認識にんしきし、成長せいちょうしていける。人材じんざい力りょく診断しんだんは社員しゃいんの自律じりつ性せいを高たかめることにつながる。

ステップ6「人ひとと組織そしきの才能さいのうを引ひき出だす」

　タレントマネジメントは、自社じしゃの社員しゃいんの「最適さいてきな育成いくせい」と「最適さいてきな人材じんざい配置はいち」を実現じつげんしようという考かんがえ方かた。「一流いちりゅう」を育そだてるためには、そもそも資質ししつや適性てきせいのある人材じんざいを選えらぶことが必要ひつようとなる。特とくに適切てきせつな人材じんざい配置はいちは重要じゅうようで、配置はいちを変かえるだけでパフォーマンスが上あがる人材じんざいはいくらでもいる。適切てきせつな人材じんざい配置はいちは、何なん年ねんもかかる育成いくせいに対たいして費用ひよう対たい効果こうかは高たかい。

　突然とつぜん、優秀ゆうしゅうな部下ぶかが辞やめてしまう、売上うりあげや利益りえきを任まかせられる人材じんざいが育そだたないなど、人材じんざい育成いくせいに悩なやむ企業きぎょうは多おおいはず。経営けいえい、人材じんざい育成いくせいや現場げんばのチームづくりに携たずさわる人ひとは、本書ほんしょの自律じりつ型がたの社員しゃいんを育そだてる方法ほうほうを実践じっせんしてみてはどうだろう。（T・N／新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）
※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。