無駄むだなものを「捨すてて」人生じんせいを豊ゆたかにするための思考しこう法ほう

　人生じんせいもビジネスにおいても、何なにか一ひとつ得えようとすると、何なにか一ひとつ失うしなうことがある。一方いっぽうで何なにか一ひとつ捨すてれば、何なにか一ひとつ新あたらしいものを得えることもある。日常にちじょう生活せいかつの中なかでも、こうした「トレードオフ」を実感じっかんすることが多おおいだろう。

　新あたらしいものを手てに入いれるためには、捨すてるということに意識いしきしなくてはいけない。では、どう捨すてればいいのか？

　『「捨すてる」思考しこう法ほう 結果けっかを出だす81の教おしえ』（毎日新聞まいにちしんぶん出版しゅっぱん刊かん）は、立たて命いのち館かんアジア太平洋たいへいよう大学だいがく学長がくちょうの出口いでぐち治明じめい氏しが、「捨すてる」ことの重要じゅうよう性せいを具体ぐたい的てきな事例じれいを示しめしながら解とき明あかし、職種しょくしゅ・業界ぎょうかいを問とわず一生いっしょう役立やくだつ「トレードオフの極意ごくい」を紹介しょうかいする一いち冊さつだ。

捨すてることで人生じんせいから無駄むだがなくなる

　得えるために捨すてる。しかし、捨すてることが苦手にがてな人ひとも多おおいだろう。では、余計よけいなものを手放てばなす習慣しゅうかんはどのように身みにつければいいのか。

　ものを捨すてるときのキーポイントは2つあるという。それが「時間じかん」と「分量ぶんりょう」だ。「今週こんしゅう中ちゅうに片付かたづける」と決きめたら、必かならず守まもって時間じかん内ないに実行じっこうする。そして、段だんボール3箱はこ分ぶんを捨すてると決きめたら、箱はこがいっぱいになるまで黙々もくもくと詰つめる。「いつまで」と「どのくらい」をとにかく決きめてしまうなど、マイルールをつくることが重要じゅうようになる。

　また、捨すてるものはモノだけではない。怒いかりを捨すてれば仕事しごとがスムーズに進すすむと出口いでぐち氏しは述のべる。ある心理しんり学がくの専門せんもん家かの話はなしでは「人間にんげんが怒おこられて成長せいちょうすることは決けっしてない」そうだ。怒おこられることで行動こうどうが萎縮いしゅくしてしまい、成長せいちょうが阻害そがいされるという。 そもそも、怒おこることにもエネルギーや時間じかんを使つかう。感情かんじょうを爆発ばくはつさせれば、一時いちじ的てきに気分きぶんが晴はれるとしても、冷静れいせいさを取とり戻もどすための時間じかんが必要ひつようになり、結果けっか的てきに時間じかんを無駄むだにすることになる。怒いかりという感情かんじょうは何なにも生うみ出ださないといえるのだ。

　さらに、空気くうきを読よむクセも捨すてていい。空気くうきを読よめない人ひとは、実じつは仕事しごとができる人ひとだという。仕事しごと以外いがいのことに惑まどわされず、自分じぶんがすべきことの目的もくてきを考かんがえているからだ。

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　何なにかを得えようとするだけでなく、何なにかを捨すてていくということにも意識いしきを向むけたい。それが未来みらいにつながっていくからだ。捨すてるべきものは潔いさぎよく捨すてる。本書ほんしょから捨すてる思考しこう法ほうを学まなび、日常にちじょう生活せいかつでも活用かつようしてみてはどうだろう。（T・N／新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）
※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。