(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「部下をほめて育てる」で逆効果…もう部下は昇給・出世を動機には頑張りません | ビジネスジャーナル
ビジネスジャーナル > キャリアニュース > 部下ぶかをほめてそだてる」でぎゃく効果こうか
NEW

部下ぶかをほめてそだてる」でぎゃく効果こうか…もう部下ぶか昇給しょうきゅう出世しゅっせ動機どうきには頑張がんばりません

新刊しんかんJP
※画像はイメージ(新刊JPより)。
画像がぞうはイメージ(新刊しんかんJPより)。

 上司じょうしという存在そんざいは、会社かいしゃからもとめられている成果せいかげつつ、部下ぶかのマネジメントをおこない、チームのレベルを底上そこあげしていくことがもとめられている。

 これは言葉ことばうほど簡単かんたんではない。とく部下ぶかのマネジメントは、まず一人ひとりひとりのことをよくていなければいけないし、アドバイスするにしても相談そうだんるにしても、適切てきせつなタイミングがある。「これをやってほしい」と仕事しごとわたしても、スムーズにこなしてくれる部下ぶかばかりではないだろう。

 となると、部下ぶかまかせず「自分じぶんがやったほうはやい」とおもってしまいがちだが、これでは部下ぶか成長せいちょうせず、チームのレベルもがらない。上司じょうしもとめられている役割やくわりは、人材じんざい育成いくせいし、チームとして成果せいかすこと。そのためには、しっかり部下ぶかとの関係かんけい構築こうちくしなければいけない。

 では、部下ぶかとの関係かんけいきずくためにはどうすればいいのか。

 『できる上司じょうし会話かいわが9わり』(はやし健太郎けんたろうちょ三笠みかさ書房しょぼうかん)は、「会話かいわ」に注目ちゅうもくし、部下ぶか育成いくせいするにはどんなコミュニケーションをるべきかがかれているいちさつだ。

部下ぶかは「ほめる」のではなく「承認しょうにんする」

 昨今さっこん人材じんざい育成いくせいのトレンドは「ほめてそだてる」だ。

 しかし、積極せっきょくてきにほめても、部下ぶか反応はんのうにぶく、期待きたいどおりの成長せいちょうせてくれないこともおおい。ほめているのに、一体いったいなぜなのか。著者ちょしゃは「これはこるべくしてこっていること」だとべる。

 たしかにほめることは、部下ぶかのモチベーションをげるうえで効果こうかてき方法ほうほうひとつだ。

 しかし、無意味むいみにほめつづけてはぎゃく効果こうかになることもある。だんだんと「忖度そんたくする部下ぶか」がまれ、ほめてもらえる行動こうどうだけをとるようになるのだ。

 また、ほめられることにれてしまい、なにをしてもしんひびかなくなることもある。これではモチベーションアップにはつながらない。使つかぎると機能きのうしなくなるのだ。

 では、効果こうかてきなほめかたはあるのか?

 それは自分じぶんしんから「ほめたい」とおもったときにほめればいい。部下ぶか育成いくせいにおいて、「ほめる」よりも大切たいせつなことがある。それは「承認しょうにん」だ。

 相手あいてがそこにいること、行動こうどうしたこと、発言はつげんしたことなどにたいして「づいているよ」「ているよ」「っているよ」ということをしっかり相手あいて言葉ことばつたえる。そうすることで、部下ぶか承認しょうにん欲求よっきゅうたされる。

 たとえば、部下ぶか財布さいふえたとき「いいデザインだね」とつたえるのが「ほめる」ことならば、「財布さいふえたんだね」とづいてあるのが「承認しょうにん」だ。「承認しょうにん」は「ほめる」よりも、中立ちゅうりつてき表現ひょうげんとして部下ぶかとどくのだ。

 著者ちょしゃかんがえる「承認しょうにん」の利点りてんは、「ほめる」よりも使つかいやすいてんだ。成果せいかていない部下ぶかたいしても、「すすんでるね」「その調子ちょうしだよ」という言葉ことばとおして、そのプロセスを承認しょうにんしてあげられる。

 承認しょうにん言葉ことばは、部下ぶかのモチベーションをたかめることに役立やくだつほか、部下ぶかたいして建設けんせつてきなフィードバックをするときに、部下ぶかがそれを素直すなおれる下地したじづくりにつながる。 ほめることが苦手にがてひとでも、「承認しょうにん」はできるだろう。部下ぶかのやっていること、かんがえていることをみとめること、それをまずは実践じっせんしてみよう。

部下ぶかの「やるスイッチ」をれるにはどうすればいい?

 もうひと本書ほんしょから、部下ぶかの「やるスイッチ」のかたについてご紹介しょうかいしよう。

 部下ぶかおなじことをなん説明せつめいしているのに、なかなかおぼえてくれないということはないだろうか。

 もちろん、「いちおぼえろ」というのは、人間にんげん記憶きおく限界げんかい無視むししたはなしだが、ジムのパーソナルトレーナーのようにかえおしえていきながら、手間てま労力ろうりょく時間じかんをかけてもなかなか仕事しごとおぼえてくれないというときはどうすればいいのか。

 その原因げんいんは、部下ぶか仕事しごとたいする「やるスイッチ」がはいっていないことだと著者ちょしゃ指摘してきする。そして、そのスイッチをれるのは上司じょうしだ。

 しかし、スイッチとなるものがなになのかが重要じゅうようだ。とく一昔ひとむかしまえくらべると、スイッチとなるものがっているという。

 たとえば「マイホーム」「マイカー」といった物質ぶっしつてきゆたかさと、「出世しゅっせ」「昇給しょうきゅう」という経済けいざいてきゆたかさの指標しひょうをリンクさせることで、スイッチをれられたときもあった。ところが、現代げんだい価値かちかん多様たようによって、スイッチもひとそれぞれになった。出世しゅっせ興味きょうみがないひとたりまえになり、おな会社かいしゃでずっとはたらつづけるという価値かちかんうすくなっている。

 そんな時代じだいなかで、どうやってスイッチをれればいいのだろうか。

 著者ちょしゃは、部下ぶかいちにんひとりにとって、なにが「鼻先はなさきのニンジン」なのかをさぐ必要ひつようがあるとべる。そこで必要ひつようなのが対話たいわだ。部下ぶかとの対話たいわとおして相手あいて感情かんじょう心情しんじょうたいする理解りかいふかめ、相手あいてにとってのモチベーションとなるものをつけ必要ひつようがある。

 上司じょうしとしてもとめられていることは、一個人いっこじんとして仕事しごと推進すいしんする能力のうりょくだけでなく、組織そしきとしての成果せいかげるために、部下ぶかうごきやすい仕組しくみをつくることだ。その仕組しくみづくりに、部下ぶかとの信頼しんらい関係かんけい必要ひつよう不可欠ふかけつ多少たしょう手間てまがかかったとしても、信頼しんらい関係かんけいをつくりあげよう。

 また、なん説明せつめいしても仕事しごとおぼえない理由りゆうひとつとして、上司じょうしがわ説明せつめい仕方しかた問題もんだいがあるケースもある。自分じぶんでやればできるのだが、それをだれかにおしえたり、つたえたりするのが苦手にがてひと意外いがいにいるのだ。

 本書ほんしょむと、上司じょうし立場たちばにあるひとはまず自分じぶん自身じしん見直みなおすことからはじまるだろう。そのうえで、部下ぶかとの関係かんけいについてかんがえる。相手あいてうごいてくれないときは、自分じぶんつたかた原因げんいんがあることもおおい。

 全体ぜんたい結果けっかせるチームづくりをしようとしている上司じょうしにとって、つよ味方みかたとなるいちさつだ。(新刊しんかんJP編集へんしゅう
ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。

新刊JP

新刊しんかんJP

書評しょひょう著者ちょしゃ編集へんしゅうしゃ書店しょてんへのインタビュー、出版しゅっぱん業界ぎょうかい最新さいしん情報じょうほう読書どくしょ面白おもしろくする企画きかく記事きじなどを配信はいしんし、読者どくしゃに「つぎほん」をつけてもらうことをコンセプトとしたウェブメディア。

新刊しんかんJP公式こうしきサイト

Twitter:@sinkanjp

部下ぶかをほめてそだてる」でぎゃく効果こうか…もう部下ぶか昇給しょうきゅう出世しゅっせ動機どうきには頑張がんばりませんのページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、, , 最新さいしんニュースをビジネスパーソンけにいちはやくおとどけします。ビジネスの本音ほんねせまるならビジネスジャーナルへ!

RANKING

17:30更新こうしん
  • キャリア
  • ビジネス
  • 総合そうごう