キャリアと人生じんせいで失敗しっぱいしないポイントは、28・35・45歳さい？適職てきしょく決きめ、定年ていねん後ごの目処めど…

「Thinkstock」より

　筆者ひっしゃは、学生がくせいや若手わかてビジネスパーソンを相手あいてにキャリア・プランニングの話はなしをすることがよくある。一般いっぱんにキャリア・プランニングが必要ひつような理由りゆうが3つある。

　第だい1にして最大さいだいの理由りゆうは、自分じぶんの人材じんざい価値かちをつくるには時間じかんが必要ひつようだからだ。人材じんざい価値かちは、

（1）ある仕事しごとができるという能力のうりょく
（2）その能力のうりょくを実際じっさいに仕事しごとに使つかったという実績じっせき

という2つによって構成こうせいされるが、仕事しごとのスキルを身みに付つけるにも、能力のうりょくを具体ぐたい的てきに仕事しごとで使つかうにも数すう年ねん単位たんいの時間じかんが掛かかる。そして、誰だれにとっても時間じかんは有限ゆうげんだから、計画けいかくと戦略せんりゃくが必要ひつようになる。

　仕事しごとのスキルを身みに付つけるのにどのくらいの時間じかんが必要ひつようかは、仕事しごとの種類しゅるいや求もとめるレベルにもよるが、多おおくの場合ばあい、「集中しゅうちゅう的てきな努力どりょくの下したに2年ねん」過すごすと、一いち人前にんまえとまでいわずともその仕事しごとの素人しろうととは異ことなるレベルに達たっすることができると、筆者ひっしゃは考かんがえている。あるいは、2年ねん努力どりょくしてもレベルが上あがらない仕事しごとは本人ほんにんに向むいていないともいえる。短期たんき的てきな計画けいかく、あるいは試行錯誤しこうさくごの目処めどとして「2年ねん」という期間きかんは、適当てきとうである場合ばあいが多おおい。

　第だい2に、自分じぶんについても会社かいしゃについても将来しょうらいのことはわからないからだ。特とくに、学生がくせい時代じだいに自分じぶんの職業しょくぎょう適性てきせいを見極みきわめることなど不可能ふかのうだ。端はし的てきにいって、まずは就職しゅうしょくしてみて、試行しこう錯誤さくごしながら自分じぶんがどういった「職しょく」において人材じんざい価値かちをつくっていくのかを見みつけなければならない。しかし、この試行錯誤しこうさくごはいつまでも続つづけられるわけではない。
　
　自分じぶんの適職てきしょくは、考かんがえて決きめるものというよりは、働はたらいてみて「出会であう」ものだ。また、やりたいと思おもう仕事しごとでも、チャンスが与あたえられない場合ばあいがあるし、チェンスを得えるための努力どりょくが必要ひつようだ。加くわえて、自分じぶんから職しょくや機会きかいを選えらぶために、キャリアプランニングの知識ちしきの一部いちぶとして転職てんしょくの方法ほうほうも知しっておく必要ひつようがある。

●年齢ねんれい的てき制限せいげん

　第だい3の理由りゆうは、チャンスを得えることができる年齢ねんれい的てきな時期じきに限かぎりがあることだ。若手わかて社員しゃいんとして仕事しごとを与あたえられながら仕事しごとのスキルを身みに付つけることができるのは、概おおむね20代だいの間あいだまでだ。また、ビジネスパーソンの能力のうりょく上じょうの全盛期ぜんせいきは30代だい前半ぜんはんだ。仕事しごと上じょうの実績じっせきをつくったり、人材じんざい価値かちを他人たにんに印象いんしょうづけたりできるのは、主おもにこの年代ねんだいだ。