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2040年のフィジカルインテリジェンス:『ビジネス2.0』の視点:オルタナティブ・ブログ
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2040ねんのフィジカルインテリジェンス

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文部もんぶ科学かがくしょうは2024ねん7がつ、「次世代じせだい半導体はんどうたいのアカデミアにおける研究けんきゅう開発かいはつとうかんする検討けんとうかい報告ほうこくしょ」を公表こうひょうしました。

ほん報告ほうこくしょなか注目ちゅうもくされるのが、2040ねんのフィジカルインテリジェンス実現じつげんけたエッジAI半導体はんどうたい研究けんきゅう開発かいはつです。

フィジカルインテリジェンス」は、ロボティクス、モビリティ、IoT機器ききといったさまざまな分野ぶんやにAIをみ、物理ぶつりてき世界せかい高度こうど知能ちのう発揮はっきさせるあらたな技術ぎじゅつ領域りょういきしています。

これをささえる中心ちゅうしん技術ぎじゅつが「エッジAI半導体はんどうたい」です。エッジAI半導体はんどうたいは、てい消費しょうひ電力でんりょく高速こうそく処理しょり可能かのうにし、リアルタイムでの判断はんだん行動こうどう可能かのうにする技術ぎじゅつとして、今後こんご社会しゃかい変革へんかくにおいて重要じゅうよう位置いちめるといいます。

今回こんかいは、その研究けんきゅう開発かいはつ現状げんじょう課題かだい、そして2040ねんけての展望てんぼうについてげたいとおもいます。

出典しゅってん次世代じせだい半導体はんどうたいのアカデミアにおける研究けんきゅう開発かいはつとうかんする検討けんとうかい報告ほうこくしょ 2024.6

エッジAI半導体はんどうたいとはなにか?

エッジAI半導体はんどうたいは、従来じゅうらいのクラウドベースのAIとはことなり、端末たんまつ自体じたいがリアルタイムでデータを処理しょりし、自己じこ学習がくしゅう意思いし決定けっていおこなうことができる技術ぎじゅつです。たとえば、自動じどう運転うんてんしゃ産業さんぎょうようロボットなど、即時そくじせいもとめられる場面ばめん重要じゅうよう機能きのうにないます。

現在げんざい半導体はんどうたい技術ぎじゅつでは、AIの計算けいさん処理しょり多大ただいなエネルギーを消費しょうひしますが、エッジAI半導体はんどうたい目指めざすところは、エネルギー効率こうりつ飛躍ひやくてき向上こうじょうさせながらも、高速こうそくかつだい規模きぼ処理しょり能力のうりょく実現じつげんすることです。具体ぐたいてきには、2040ねんまでにAIの演算えんざん効率こうりつを1000〜10,000TOPS/W(Tera Operations Per Second Per Watt)にまでげることが目標もくひょうとしています。

出典しゅってん次世代じせだい半導体はんどうたいのアカデミアにおける研究けんきゅう開発かいはつとうかんする検討けんとうかい報告ほうこくしょ 2024.6

エッジAI半導体はんどうたい実現じつげんけた技術ぎじゅつてき課題かだい

エッジAI半導体はんどうたい開発かいはつにおいて、複数ふくすう技術ぎじゅつてき課題かだい顕在けんざいしており、以下いかにその主要しゅようなポイントをげます。

1. 次世代じせだいAI回路かいろ設計せっけい

エッジAIは、現実げんじつ世界せかいでの動作どうさ最適さいてきされたAI回路かいろ開発かいはつかぎとなります。現在げんざい記憶きおくない演算えんざん(CiM)やのうがたコンピューティングといったあたらしい計算けいさんアーキテクチャが注目ちゅうもくされています。これらの技術ぎじゅつにより、AIの計算けいさん効率こうりつ飛躍ひやくてき向上こうじょうする見込みこみです。しかし、このような回路かいろ実現じつげんするためには、これまでにないあたらしい材料ざいりょうやデバイス技術ぎじゅつもとめられています。

なかでも、GAAFET(ゲートぜんしゅうがた電界でんかい効果こうかトランジスタ)といったしん構造こうぞうのトランジスタや、ちょうきょくうすチャネルを使用しようした次世代じせだいトランジスタの開発かいはつ重要じゅうよう課題かだいとなっています。

2. こう集積しゅうせきてい消費しょうひ電力でんりょく

エッジAI半導体はんどうたいのさらなる進化しんかには、高密度こうみつど半導体はんどうたい集積しゅうせき不可欠ふかけつです。高密度こうみつど半導体はんどうたい集積しゅうせきでは、よりおおくのデータを効率こうりつてき処理しょりできるようになりますが、その一方いっぽうで、エネルギー消費しょうひおさえることがもとめられます。

そのため、あらたな材料ざいりょうや3次元じげん集積しゅうせき技術ぎじゅつ駆使くしすることで、この問題もんだい解決かいけつしようとするみがすすんでいます。たとえば、次世代じせだいのヘテロインテグレーション技術ぎじゅつ活用かつようし、AI半導体はんどうたい必要ひつよう高度こうどねつマネジメント技術ぎじゅつ高性能こうせいのうトランジスタの実現じつげん目指めざしています。

3. 次世代じせだい通信つうしんとセンサー技術ぎじゅつ

AIがリアルタイムで処理しょりおこなうためには、デバイス同士どうし通信つうしん速度そくど飛躍ひやくてき向上こうじょうする必要ひつようがあります。

次世代じせだい高速こうそく通信つうしん技術ぎじゅつ(100Gbps以上いじょう)や、複数ふくすうのセンサーを統合とうごうしたマルチモーダルセンサーの開発かいはつ重要じゅうようです。これにより、デバイス同士どうし相互そうご連携れんけいし、より効率こうりつてきかつ精度せいどたか情報処理じょうほうしょり可能かのうとなります。とくに、これらの技術ぎじゅつ自動じどう運転うんてんしゃやロボティクス、さらにはスマートシティの実現じつげんにおいておおきな役割やくわりたすと期待きたいされています。

日本にっぽんにおけるエッジAI半導体はんどうたい

日本にっぽん材料ざいりょう技術ぎじゅつ半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうちにおいてつよみをくにであり、エッジAI半導体はんどうたい分野ぶんやでも競争きょうそうりょく発揮はっきできる可能かのうせいがあります。とくに、しん材料ざいりょう次世代じせだいトランジスタ技術ぎじゅつにおいては、世界せかい先駆さきがけた研究けんきゅう開発かいはつすすめらるなど、競争きょうそう優位ゆういっている領域りょういきもあります。

一方いっぽうで、課題かだいもあります。日本にっぽん半導体はんどうたい産業さんぎょう一時期いちじき世界せかいてき地位ちいから後退こうたいし、現在げんざいはシェアが10%以下いかにまで低下ていかしています。エッジAI半導体はんどうたい研究けんきゅう開発かいはつにおいても、グローバルな競争きょうそう激化げきかするなかで、先端せんたん技術ぎじゅつ開発かいはつスピードや人材じんざい確保かくほ課題かだいとなっています。

今後こんご展望てんぼう

2040ねんまでにフィジカルインテリジェンスを実現じつげんするためには、日本にっぽん国内外こくないがいのアカデミアや産業さんぎょうかい連携れんけいし、エッジAI半導体はんどうたい研究けんきゅう開発かいはつ推進すいしんすることが重要じゅうようとなっています。

エネルギー効率こうりつ大幅おおはば改善かいぜんもとめられるAI回路かいろ開発かいはつや、次世代じせだい通信つうしん・センサー技術ぎじゅつとの統合とうごうすすむことで、未来みらい産業さんぎょう構造こうぞうおおきくわる可能かのうせいもあります。

今後こんご未来みらい産業さんぎょう構造こうぞう視野しやにいれていくなかで、エッジAI半導体はんどうたいささえる技術ぎじゅつだけでなく、そのユースケース(具体ぐたいてき活用かつようシナリオ)の実証じっしょう展開てんかい重要じゅうようとなります。

日本にっぽんしん材料ざいりょう次世代じせだいトランジスタ技術ぎじゅつつよみを一方いっぽう、グローバル競争きょうそう激化げきかするなか、さらなるスピードかんのある研究けんきゅう開発かいはつ人材じんざい確保かくほ課題かだいにもなっています。

アカデミアと産業さんぎょうかい連携れんけいし、次世代じせだい技術ぎじゅつ開発かいはつとユースケースの創出そうしゅつむことで、日本にっぽんからあらたな産業さんぎょう創造そうぞうする。フィジカルインテリジェンス社会しゃかいをリードするための日本にっぽん半導体はんどうたい産業さんぎょう今後こんご展開てんかい注目ちゅうもくしていきたいとおもいます。

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