服ふく選えらびや食事しょくじの店みせ選えらび、インテリアのレイアウトや仕事しごとの筋すじまで、さまざまなジャンルについて言いわれる「センスがいい」「悪わるい」という言葉ことば。あるいは、「あの人ひとはアートがわかる」「音楽おんがくがわかる」という芸術げいじゅつ的てきセンスを捉とらえた発言はつげん。
何なにか自分じぶんの体質たいしつについて言いわれているようで、どうにもできない部分ぶぶんに関かかわっているようで、気きになって仕方しかたがない。このいわく言いい難がたい、因数いんすう分解ぶんかいの難むずかしい「センス」とは何なにか？　果はたしてセンスの良よさは変かえられるのか？　

音楽おんがく、絵画かいが、小説しょうせつ、映画えいが……芸術げいじゅつ的てき諸しょジャンルを横断おうだんしながら考かんがえる「センスの哲学てつがく」にして、芸術げいじゅつ入門にゅうもんの書しょ。
フォーマリスト的てきに形かたちを捉とらえ、そのリズムを楽たのしむために。
哲学てつがく・思想しそうと小説しょうせつ・美術びじゅつの両輪りょうりんで活躍かつやくする著者ちょしゃによる哲学てつがく三さん部ぶ作さく（『勉強べんきょうの哲学てつがく』『現代げんだい思想しそう入門にゅうもん』）の最終さいしゅう作さく、満まんを持もたしていよいよ誕生たんじょう！


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　さて、実じつは、この本ほんは「センスが良よくなる本ほん」です。
　と言いうと、そんなバカな、「お前まえにセンスがわかるのか」と非難ひなんが飛とんでくるんじゃないかと思おもうんですが……ひとまず、そう言いってみましょう。
「センスが良よくなる」というのは、まあ、ハッタリだと思おもってください。この本ほんによって、皆みなさんが期待きたいされている意味いみで「センスが良よくなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見みるときの「ある感覚かんかく」が伝つたわってほしいと希望きぼうしています（「はじめに」より）。
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◆著者ちょしゃプロフィール
千葉ちば雅也まさや（ちば・まさや）
1978年ねん栃木とちぎ県けん生うまれ。東京大学とうきょうだいがく教養きょうよう学部がくぶ卒業そつぎょう。パリ第だい10大学だいがくおよび高等こうとう師範しはん学校がっこうを経へて、東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん総合そうごう文化ぶんか研究けんきゅう科か超ちょう域いき文化ぶんか科学かがく専攻せんこう表象ひょうしょう文化ぶんか論ろんコース博士はかせ課程かてい修了しゅうりょう。博士はかせ（学術がくじゅつ）。立命館大学りつめいかんだいがく大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう科か教授きょうじゅ。『動うごきすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成せいせい変化へんかの哲学てつがく』（第だい4回かい紀伊國屋きのくにやじんぶん大賞たいしょう、第だい5回かい表象ひょうしょう文化ぶんか論ろん学会がっかい賞しょう）、『勉強べんきょうの哲学てつがく――来きたるべきバカのために』、『アメリカ紀行きこう』、『デッドライン』（第だい41回かい野間のま文芸ぶんげい新人しんじん賞しょう）、「マジックミラー」（第だい45回かい川端かわばた康成やすなり文学ぶんがく賞しょう、『オーバーヒート』所収しょしゅう）、『現代げんだい思想しそう入門にゅうもん』（新書しんしょ大賞たいしょう2023）など著書ちょしょ多数たすう。