いそがしすぎてほん時間じかんがない」「1さつるのに時間じかんがかかる」「んでもんでもにつかない」――そんななやみをかかえているビジネスパーソンはすくなくありません。ほんめばいいことはわかっているのに、自主じしゅてきめないひともいるでしょう。
なんほんをどうみ、どうかしていくか――はたらくうえで必携ひっけいのビジネススキルを良書りょうしょからしたのが『ひとでわかる! るだけ読書どくしょ本書ほんしょは、コスパやタイパを重視じゅうしする現代げんだいてき読書どくしょスタイルを重視じゅうしするひとにとっても、魅力みりょくてきき&活用かつようほうです。たった「かみ1まい」をるだけでほんもっと大事だいじなポイントが圧倒的あっとうてきなわかりやすさで理解りかいでき、用意よういしたワーク1まいめるだけでそくスキルできる1さつ。それも1まんさつ読書どくしょ体験たいけんと1まんにんおしえてきた社会しゃかいじん教育きょういく経験けいけんから、絶対ぜったいんでほしい24さつαあるふぁ紹介しょうかい。ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後どくごには、紹介しょうかいしたほん有機ゆうきてきにつながっていく仕掛しかけがあなたのビジネススキルを飛躍ひやくてき向上こうじょうさせます。

なぜ働きながら本を読むのは難しいのか?Photo: Adobe Stock

話題わだいしょを「かみ1まい」にまとめてみた

 わたし今年ことしから海外かいがい(マレーシア)に教育きょういく移住いじゅうしています。先日せんじつ義父ぎふはは日本にっぽんからてくれたので、「なんさつほんってきてほしい」とおねがいしていました。そのうちの1さつが、今年ことし話題わだいさくとなっている『なぜはたらいているとほんめなくなるのか』(三宅みやけかおりかいちょ集英社しゅうえいしゃ)です。

るだけ読書どくしょ』とどうじ「読書どくしょ」がテーマということもあり、さっそく熟読じゅくどくしました。評判ひょうばんどおりの素晴すばらしいほんでしたので、わたしなりのまなびを『るだけ読書どくしょ』とおなじフレームワークで「かみ1まい」にまとめてみました。

なぜ働きながら本を読むのは難しいのか?

 以下いか、この「かみ1まい」にそって本書ほんしょをガイドしていきます。

全身ぜんしんから半身はんしん」の解像度かいぞうどげる

 本書ほんしょではほんめなくなる理由りゆうとして、仕事しごと一辺倒いっぺんとうとしてしまう日本にっぽん労働ろうどう環境かんきょうげています。そこで、全身ぜんしん全霊ぜんれいではなく「半身はんしん」ではたらける社会しゃかい志向しこうし、読書どくしょをはじめとした文化ぶんかてき生活せいかつもどしていこう提唱ていしょうしています。

 著者ちょしゃ文芸ぶんげい批評ひひょうですが、わたし普段ふだん社会しゃかいじん教育きょういく世界せかい研修けんしゅう講演こうえんとうさまざまな学習がくしゅう機会きかい登壇とうだんしている現場げんば人間にんげんです。また、これまでにビジネスしょを10さつ以上いじょういてきた作家さっかでもあります。ビジネススキルやキャリア教育きょういく分野ぶんや仕事しごとをするにあたって、人材じんざい育成いくせいやビジネスしょ自己じこ啓発けいはつしょ歴史れきしとうについて独自どくじ研究けんきゅうつづけてきました。

 したがって、本書ほんしょについても(とく歴史れきしパート)大変たいへん興味深きょうみぶかむことができたのですが、「全身全霊ぜんしんぜんれいではなく半身はんしんで」とかれていた部分ぶぶんについては、より現場げんばちか感覚かんかくとして、もうすこ解像度かいぞうどげて理解りかいしておきたいとかんじました。

 まず、わたし普段ふだんから「諸悪しょあく根源こんげん長時間ちょうじかん労働ろうどうとする仕事しごとかん」というはなしをしているので、「半身はんしん目指めざそう」という主張しゅちょうについては100%賛同さんどうです。

 そのうえで、日々ひび研修けんしゅう講演こうえんとうでは、「だからこそ、1時間じかんかかっていた仕事しごとを15ふん処理しょりできるようにしよう」「そうやって時間じかん捻出ひねりだして、健康けんこう文化ぶんかてき生活せいかつもどしていこう」といったながれで、生産せいさんせい向上こうじょう役立やくだつビジネススキルをまなんでもらっています。

 すなわち、けっして「半身はんしん=ほどほどでいいじゃないか」ではなく、「半身はんしんませられるだけのたか生産せいさんせいはたらけること」に力点りきてんいているわけです。また、仕事しごと自体じたい真剣しんけんに、熱中ねっちゅうして、あくまでも「全霊ぜんれい」でむことを前提ぜんていにしています。

全身ぜんしん」ではたらくしかないひとたちにも文化ぶんかてき生活せいかつ

 くわえて、このはなしはここでわりません。なぜなら、そうやって「半身はんしんはたらけるちから」をにつけたひとなかには、会社かいしゃからさらにおおくの業務ぎょうむけられ、いつまでっても限界げんかいまではたらかされつづけてしまう……。そんなビジネスパーソンも数多あまたくいるという実態じったいがあるからです。

 だからこそ、半身はんしんはたらけるほどに生産せいさんせい向上こうじょうできる技術ぎじゅつ」を手渡てわたすだけでなく、それでも結局けっきょく多忙たぼうになってしまう人達ひとたちに、なにとかして文化ぶんかてき生活せいかつ両立りょうりつできるような手助てだすけをしたい。

 そんなビジネス現場げんば切実せつじつなやみにこたえるべく、読書どくしょ仕事しごとかすことができる手法しゅほう独自どくじ構築こうちくして、『るだけ読書どくしょ』のようなほんとして上梓じょうしもしています。誤解ごかいをしてほしくないのでもう一度いちど明記めいきしますが、わたし本書ほんしょの「半身はんしん社会しゃかいへ」という主張しゅちょうには100%賛同さんどうしています。

 ただ、社会しゃかいじん教育きょういく現場げんばから本書ほんしょ主張しゅちょう見上みあげてみると、そうはっても現実げんじつてきには「全身ぜんしん」ではたらかざるをないひとたちが多数たすういて、かれ彼女かのじょらのかおがどうしてもかんできてしまうのです。それでもなにとか「読書どくしょのような文化ぶんかてき生活せいかつたのしみたい」というせいこえ日々ひび直面ちょくめんしている立場たちばとしては、やはり「読書どくしょじゅつ」のようなスキルを構築こうちくして手渡てわた責務せきむがあります。

『なぜはたらいているとほんめなくなるのか』をんだひとは、「どうすればはたらいていてもほんめるようになるのか」かんする現場げんば目線めせんでの現実げんじつかい凝縮ぎょうしゅくした『るだけ読書どくしょ』も、ぜひってみてください。

ほん原稿げんこう書籍しょせき『ひとでわかる! るだけ読書どくしょ著者ちょしゃろしです)