AI半導体 エヌビディアvsトヨタ 頂上決戦＃13Photo:SOPA Images/gettyimages

表向おもてむきは“総論そうろん賛成さんせい”で進すすんでいるトヨタグループによる株式かぶしき持もち合あい解消かいしょう。だが、トヨタ自動車とよたじどうしゃ本体ほんたいとデンソーやアイシンといったグループ主流しゅりゅう派はとでは、持もち合あい株かぶ見直みなおしの進すすめ方かたに温度おんど差さがあるようだ。特集とくしゅう『AI半導体はんどうたい エヌビディアvsトヨタ 頂上ちょうじょう決戦けっせん』の＃13では、トヨタグループ主要しゅよう8社しゃにおける政策せいさく保有ほゆう株かぶの売却ばいきゃく状じょう況きょうを明あきらかにすると共ともに、売却ばいきゃく積極せっきょく派はのデンソーとアイシンが見据みすえる「財務ざいむ改革かいかくの本丸ほんまる」の正体しょうたいを明あきらかにする。（ダイヤモンド編集へんしゅう部ぶ　浅島あさじま亮子あきこ）

トヨタ大本営だいほんえい方針ほうしんがお墨付すみつき
資本しほん効率こうりつを高たかめて新しん領域りょういきに投資とうし

　トヨタグループの間あいだでは、怒濤どとうの勢いきおいで持もち合あい株かぶ（政策せいさく保有ほゆう株かぶ）の解消かいしょうが進すすんでいる。

　従来じゅうらい、グループ企業きぎょうや取引とりひき先さき企業きぎょうなどと互たがいに株式かぶしきを持もち合あうことで、相手あいて企業きぎょうの経営けいえいに口くちを出ださずに経営けいえいの安定あんてい化かを図はかることができた。だが、海外かいがい企業きぎょうに劣おとる資本しほん効率こうりつや、コーポレートガバナンス（企業きぎょう統治とうち）上じょうの機能きのう不全ふぜんが日本にっぽんの伝統でんとう的てき企業きぎょうの経営けいえい課題かだいとして浮上ふじょうするようになった。

　そうした情勢じょうせいを受うけて、昨年さくねん11月がつ、トヨタ自動車とよたじどうしゃがグループ内ないの株式かぶしき持もち合あいを見直みなおす方針ほうしんを正式せいしきに表明ひょうめいした。

　政策せいさく保有ほゆう株かぶを縮減しゅくげんして資本しほん効率こうりつを高たかめ、その売却ばいきゃくで得えた資金しきんを、電動でんどう化かやソフトウエア化かといった新しん領域りょういきへの投資とうしに傾かたむける──。この大本営だいほんえい方針ほうしんにお墨付すみつきを得えた形かたちで、グループ各社かくしゃでは雪崩なだれを打うつように持もち合あい株かぶの見直みなおしが始はじまっている。

　本稿ほんこうでは、トヨタグループ主要しゅよう8社しゃにおける政策せいさく保有ほゆう株かぶの売却ばいきゃく状じょう況きょうを公開こうかいする。中なかでも特とくに、“売却ばいきゃく積極せっきょく派は”とされるのがデンソーとアイシンだ。

　次じページ以降いこうでは、デンソーを事例じれいに取とり、減へらす銘柄めいがらと残のこす銘柄めいがらを決きめる「判断はんだん基準きじゅん」を明あかしていく。売却ばいきゃく積極せっきょく派はがその先さきに見据みすえている「財務ざいむ改革かいかくの本丸ほんまる」とは何なになのか。