今週の日経平均株価は、海外の半導体株の決算に振り回されたものの
週末には3万9000円を挟んで値動きの少ない膠着した相場展開に
今週(10月15〜18日)の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて624.05円(1.58%)安い3万8981.75円で終えました。
■日経平均株価チャート/日足・3カ月
10月14日に米国市場でNYダウとS&P500指数がともに史上最高値を更新した流れを受け、連休明けとなる15日の日経平均株価は買い先行で始まり、一時は4万257.34円と約3カ月ぶりに4万円の大台を回復。しかし、その後は値動きの少ない膠着した相場展開となり、15日は前日比304円高ながら安値引け(その日の最安値で取引を終えること)となりました。
10月15日の米国市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の低調な決算が嫌気されて急落し、半導体株を中心に大きく売られました。この影響を受けた翌16日の日経平均株価も前日比730円安に。ただし、500円を超える下落で取引が始まった後は小動きで推移し、節目の3万9000円辺りでの底堅さが意識されました。
10月17日は3万9000円を挟んで推移。翌18日は、前日17日に発表されたTSMC(TSM:台湾積体電路製造)の好決算により、ASMLホールディングをきっかけとした半導体株への不安が後退しました。また、同じく17日に発表されたネットフリックス(NFLX)の決算を受けた時間外取引での上昇が材料視される場面も見られましたが、午前中に上昇した後は、3万9000円を挟んでの推移になりました。
来週の日本市場は、決算を手掛かりとした個別物色が中心となるが、
10月27日に衆院選を控えて全体的に売買が手控えられる流れに
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万8500 ~ 3万9500円
来週(10月21〜25日)の日経平均株価は、日米の主要企業の決算に影響される相場展開が予想されます。また、日経平均株価は3万9000円辺りでの底堅さが見られるため、押し目狙いの買い意欲が強そうです。
なお、10月17日に決算を発表したディスコ(6146)は7%を超えるリバウンドを見せました。7月11日につけた高値をピークに調整が続いていましたが、アク抜け(悪材料が出尽くして相場が落ち着くこと)が意識されそうです。来週もこのままディスコの上昇が続くようだと、他の半導体株を見直す動きにつながることが期待できます。
来週はニデック(6594)、ファナック(6954)など、主要企業の決算発表が本格化するため、決算内容を手掛かりとした個別銘柄の物色に向かいやすいでしょう。決算評価の動きが強まると、低迷が続いているハイテク企業などの押し目を拾う動きも期待できます。
ただし、10月27日に衆議院議員総選挙を控えているため、その結果を見極めるまで積極的な売買は手控えられる見込みです。「自民党の過半数割れ」がメディアで報じられていることから国内投資家は選挙の影響を織り込み済みですが、海外投資家は政治不安を嫌うため、政権交代の可能性が高まれば株安を警戒した売りが強まりそうです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
ベースフードが+71.09%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはベースフード(2936)でした。10月16日にメルコホールディングス(6676)の代表取締役社長である牧寛之氏が大株主に浮上したことが材料視されて上昇。16日受付分の大量保有報告書(5%ルール)で判明し、保有割合は8.36%となっています。
値上がり率2位のJESCOホールディングス(1434)は、10月15日に2025年8月期の連結純利益が前期比9%増の11億円になりそうだと発表したことが材料視され、ストップ高を交えて上昇しました。設備投資案件や災害対応、再生可能エネルギーの需要が伸び、新設工事や更新工事の受注を見込んでいるようです。
値上がり率3位はコンヴァノ(6574)。明確な材料は確認できませんでしたが、9月の高値2845円から10月11日には1528円まで下げており、リバウンドを狙った個人主体の資金が集中したようです。
一方、今週の値下がり率ランキング1位はマックハウス(7603)でした。チヨダ(8185)が10月11日に子会社であるマックハウス株をすべて売却すると発表。売却株はTOB(株式公開買い付け)により再生ファンドが取得するとしており、TOB価格(32円)にサヤ寄せする動きで下落しました。
値下がり率2位のリックソフト(4429)は10月11日、2025年2月期・上期(3〜8月)の連結営業利益が2億2000万円(前年同期比23.6%減)だったと発表したことが嫌気されました。
■今週の出来高 トップ5 |
順位 |
出来高(株) |
銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
|
1 |
595,921,800 |
NTT(東P・9432) |
2 |
593,485,600 |
ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
3 |
463,937,300 |
ランド(東S・8918) |
4 |
271,771,200 |
三菱重工業(東P・7011) |
5 |
234,326,200 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
【来週の主要イベント】
米国のベージュブック、米独欧のPMI、米国のテスラ、アマゾンの決算、
国内のニデック、ファナックの決算、東京メトロなど3社のIPOに注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<10月21日(月)>
◆伸和ホールディングス(7118)札証アンビシャス上場
◆独9月生産者物価指数(PPI)
◆米9月景気先行指標総合指数
<10月22日(火)>
◆Schoo(264A)東証グロース上場
◆決算:コメリ(8218)
◆香9月消費者物価指数(CPI)
◆米10月リッチモンド連銀製造業指数
◆決算:ロッキード・マーチン(LMT)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)
<10月23日(水)>
◆東京地下鉄(9023)東証プライム上場
◆決算:ニデック(6594)、日本航空電子工業(6807)、KOA(6999)
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米9月中古住宅販売件数
◆米地区連銀経済報告(ベージュブック)
◆ボーイング(BA)、IBM(IBM)、ラムリサーチ(LRCX)、テスラ(TSLA)
<10月24日(木)>
◆決算:キヤノン(7751)
◆独10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆独10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆英10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆英10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米10月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米9月新築住宅販売件数
◆決算:アマゾン・ドット・コム(AMZN)
<10月25日(金)>
◆リガク・ホールディングス(268A)東証プライム上場
◆決算:信越化学工業(4063)、ファナック(6954)
◆10月東京都区部消費者物価指数(CPI)
◆9月企業向けサービス価格指数
◆8月景気先行指数/一致指数改定値
◆独10月IFO企業景況感指数
◆米9月耐久財受注
◆米10月ミシガン大学消費者態度指数 確報値
【来週の注目銘柄】
「パーソルホールディングス」「神戸物産」「サンリオ」
の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
パーソルホールディングス(2024年10月18日時点)
|
業種 |
市場・コード |
株価 |
予想PER |
実績PBR |
サービス業 |
東P・2181 |
259.2円 |
17.6倍 |
2.88倍 |
「2030年に100万人のはたらく機会を創出」を中期経営計画の目標に設定
転職サービス「doda(デューダ)」など人材紹介事業での実績が増加しているほか、オーストラリアで展開する施設管理事業で受注が増えています。中期経営計画では「人の可能性を広げることで、2030年に100万人のより良いはたらく機会を創出する」ことを価値創造ゴールとして定め、実現を目指しています。株価は自社株買いが終了したこともあって、9月3日につけた288.8円をピークに調整が続いていましたが、足元では上向きで推移している75日移動平均線が下値支持線として機能し、緩やかなリバウンドを見せています。上値抵抗線として意識される25日移動平均線を明確に上放れてくると、さらなる上昇が期待できます。 |
|
神戸物産(2024年10月18日時点)
|
業種 |
市場・コード |
株価 |
予想PER |
実績PBR |
卸売業 |
東P・3038 |
4198円 |
43.1倍 |
7.56倍 |
7月からの円高進行の追い風がそろそろ顕在化することに期待
食品スーパーの「業務スーパー」をフランチャイズで展開。商品調達から実際の出荷まで数カ月のタイムラグがあると見られ、7月からの円高の追い風がそろそろ顕在化してくる可能性があります。また、物価高のなか、安さを売りにした「業務スーパー」に対するニーズは高いでしょう。株価は、9月20日につけた4715円を高値に調整が続いていますが、足元で下値支持線として意識される13週移動平均線まで下げてきており、いったんは反転上昇が期待できるポイントに来たと言えます。円高の追い風が月次動向に表れてくると、株価上昇に向かいそうです。 |
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サンリオ(2024年10月18日時点)
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業種 |
市場・コード |
株価 |
予想PER |
実績PBR |
卸売業 |
東P・8136 |
4193円 |
34.5倍 |
13.38倍 |
株主優待に長期保有優遇制度を導入し、株価が下がりにくい状況に
株主優待制度において、長期で保有する株主を優遇する企業が増えています。サンリオはすでに株主優待制度を導入済みでしたが、8月2日、新たに長期保有優遇制度を導入。従来のテーマパーク共通優待券や株主優待券に加え、300株以上を3年以上継続保有する株主に対して限定グッズなどを贈る制度を新設しました。株価は上向きで推移する25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが継続。長期保有の株主が増えることで戻り待ちの売り圧力は強まりにくく、下値支持線辺りでの押し目狙いがおすすめです。 |
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