ソーラ・レイとは、
- 太陽光線を意味する英語
- 1989年に発売された平沢進の曲
- 機動戦士ガンダムに登場する巨大兵器
である。ここでは3について記載する。
概要
初登場は第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」。コロニーそのものを砲身に見立てた巨大大量破壊兵器で、宇宙世紀初のコロニーレーザーでもある。
ソーラ・レイはいわゆる炭酸ガスレーザーの一種と言われている。二酸化炭素やヘリウムなどをコロニー内部のシリンダーに充填し、エネルギーを加えて電磁波を増幅。原子を衝突させて発射するというもの。エネルギー供給には太陽光パネルが使用され、ソーラ・レイの周囲には大量のパネルが展開される。影を落とすと出力が落ちるという事で、邪魔なムサイに退避命令を出している。砲身コロニーには大量のスラスターが装備されており、これを使って射角を変更する。
劇中の活躍
一年戦争末期の12月22日、ジオン軍は来るべき決戦に備え、切り札となりうるソーラ・レイの建造に着手した。砲身そのものにはコロニーを流用し、3バンチコロニーのマハルが選ばれた。貧困層300万人の住民を強制疎開させると、さっそく改造工事が行われた。しかし時間が無い事から凝った作りには出来ず、エネルギー源の太陽光システムは他コロニーからの流用で済ませている他、発射実験も行っていない。レーザー集光や冷却時間の問題から、再発射には膨大な時間(約10日程度)が掛かると予想され、実質1発限りの兵器だった。開発責任者として技術将校のアサクラ大佐が着任、計画を推進した。
その頃、地球連邦軍は一大反攻作戦を開始。ジオン軍の宇宙要塞ソロモンを攻略し、勢いに乗っていた。追い詰められたジオン軍だったが、かろうじてア・バオア・クー攻防戦前にソーラ・レイが完成した。ソーラ・レイ自身移動が出来ず、敵に散開されると効果が激減するので存在は秘匿された。このためソーラ・レイの存在を知っていたのは軍上層部やカスペン大佐、モニク・キャディラック特務大尉など一握りであった。そんな中、デギン公王が密かに連邦軍と接触し、隠密裏に和平交渉を進めているとの情報が入った。総帥のギレン・ザビはこれを阻止すべくソーラ・レイの使用を決定。
12月30日21時5分、ゲル・ドルバ照準でソーラ・レイが発射された。放たれた巨大な光の放流は真っ直ぐに真空を貫き、ア・バオア・クー要塞をかわして連邦軍艦隊を貫通。大量のサラミスやマゼラン、ジムが犠牲となった。その中にはデギン公王とレビルの乗艦であるグレート・デギンとフェーベも含まれており、両陣営のトップが同時に死亡する異常事態に発展。和平交渉すら跡形も無く吹っ飛ばしてしまった。これを近くで見ていたアムロは「あれは憎しみの光だ!」と絶叫している。またグラナダ方面に向かっていた第603技術試験隊も光芒を観測。遠く離れていたにも関わらず、その光は艦橋内を真っ白に染めた。
ソーラ・レイ照射により連邦軍艦隊は戦力の30%を喪失し、指揮系統が混乱。ア・バオア・クー攻防戦に投入する予定だったソーラシステムをも喪失し、星一号作戦に大きな悪影響を及ぼした。残存の艦艇はホワイトベースを基点に集結し、再編成を強いられる事になる。ソーラ・レイによる大損害は、本来迂回するはずだったア・バオア・クーを急遽攻略せざるを得なくなったとする説もあり、何がともあれ連邦軍に災厄をもたらした。ソーラ・レイが挙げた戦果は、ギレンの演説にも使われている。
小説版『コロニーが落ちた地で…』下巻では、ソーラ・レイの被害によって地球軌道上の連邦軍艦艇が引き抜かれ、手薄になる事態に陥っている。ジオン軍が生物環境兵器アスタロスを宇宙に打ち上げてようとしている状況での手薄化は連邦軍には痛恨事だった。アスタロスの重要性を鑑み、改めて封鎖艦隊が急派されたが、どうしても24時間は掛かる計算だった。
その後、ソーラ・レイは使用されずに放置。終戦を迎えた後、どうなったかは不明。
トミノメモでは
ガンダムが途中で打ち切りにならなかった場合の展開が書かれたトミノメモによると、ソーラ・レイは2回発射される予定だったという。
第47話「ジオン最終兵器を探れ」でソーラ・レイ建造のための疎開が行われる。第48話「ジュピター船団を撃つ」で、シャアから提案される形でソーラ・レイの存在が明らかになる。どうやらシャアのアイデアだったらしい。この報告を聞いたギレンは勝利を確信したという。第49話「ソーラ・レイ パート1」で遂にその全貌が明らかになる。そしてグラナダを攻略し、月の裏側に出てきた連邦軍艦隊に第一射が加えられる。連邦軍の半分の戦力が消し飛び、第50話「ソーラ・レイ パート2」で第二射を行ってレビルもろとも艦隊を消し飛ばした。その後、アムロとシャアがソーラ・レイを巡って攻防戦を繰り広げる予定だった。
余談
関連項目
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