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日本国憲法第28条とは (ニホンコクケンポウダイニジュウハチジョウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい28じょう単語たんご

1けん
ニホンコクケンポウダイニジュウハチジョウ
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日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい28じょうとは、日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい3しょうくにみん権利けんり義務ぎむ)に存在そんざいする条文じょうぶんである。

概要がいよう

憲法けんぽうだい28じょう勤労きんろうしゃたいし、団結だんけつする権利けんり団結だんけつけん)、団体だんたい交渉こうしょうをする権利けんり団体だんたい交渉こうしょうけん)、その団体だんたい行動こうどうをする権利けんり団体だんたい行動こうどうけん)を保障ほしょうしている。この3つの権利けんり労働ろうどう三権さんけんという。

日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい28じょう 勤労きんろうしゃ団結だんけつする権利けんりおよ団体だんたい交渉こうしょうその団体だんたい行動こうどうをする権利けんりは、これを保障ほしょうする。

憲法けんぽうだい28じょう勤労きんろうしゃたいして権利けんり保障ほしょうしている。日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい3しょうくにみん権利けんり義務ぎむ)のなかで権利けんり保障ほしょうするたいぞうが「ひと」とか「くにみん」ではないのはだい28じょうだい37じょうだけである。

労働ろうどう三権さんけんあるじからだである勤労きんろうしゃは、労働ろうどう組合くみあいほうだい3じょう定義ていぎされる労働ろうどうしゃたり、「職業しょくぎょう種類しゅるいわず、賃金ちんぎん給料きゅうりょうそのこれにじゅんずる収入しゅうにゅうによつて生活せいかつするもの」とされる[1]公務員こうむいん勤労きんろうしゃふくまれるかかについては消極しょうきょくせつもあるが、判例はんれい一貫いっかんして積極せっきょくせつ立場たちば[2]

19世紀せいき資本しほん主義しゅぎ経済けいざい発展はってんするなかで、労働ろうどうしゃひく賃金ちんぎん長時間ちょうじかん労働ろうどうなどの劣悪れつあく労働ろうどう条件じょうけん失業しつぎょうのためにきびしい生活せいかつ余儀よぎなくされた。労働ろうどうしゃ使用しようしゃ雇用こようあるじ)のあいだちからのために、労働ろうどうしゃ不利ふり立場たちばたざるをえない。そのため、劣位れついにある労働ろうどうしゃ使用しようしゃ対等たいとう立場たちばたせることをてきとして、日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい28じょうにより労働ろうどう三権さんけん保障ほしょうしている。さらに日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい27じょう労働ろうどうしゃ権利けんり保障ほしょうし、だい27じょうだい28じょう労働ろうどう基本きほんけん広義こうぎ)を保障ほしょうしている。

解釈かいしゃく

労働ろうどう三権さんけん内容ないよう

労働ろうどう三権さんけん内容ないようつぎとおりである。

  1. 団結だんけつけん労働ろうどうしゃあるじからだとなってあるじてき労働ろうどう条件じょうけん維持いじあらためぜん経済けいざいてき地位ちい向上こうじょうはかることをあるじたるてきとする団体だんたい結成けっせいする権利けんり労働ろうどう組合くみあい結成けっせいけん
  2. 団体だんたい交渉こうしょうけん労働ろうどうしゃ団体だんたい使用しようしゃ労働ろうどう条件じょうけんについて交渉こうしょうする権利けんり
  3. 団体だんたい行動こうどうけん労働ろうどうしゃ団体だんたい労働ろうどう条件じょうけん実現じつげんはかるために団体だんたい行動こうどうおこな権利けんり争議そうぎけん組合くみあい活動かつどうけん二分にぶんされる。

1.の団結だんけつけんは、日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい21じょう保障ほしょうされる「結社けっしゃ自由じゆう」の1つであるが、そのなか労働ろうどう組合くみあい結成けっせいけんのみをゆびす。労働ろうどう組合くみあいほうだい2じょう労働ろうどう組合くみあい定義ていぎされており、労働ろうどうしゃ労働ろうどう条件じょうけん維持いじあらためぜん経済けいざいてき地位ちい向上こうじょうゆびして結成けっせいする団体だんたい労働ろうどう組合くみあいであり、共済きょうさい事業じぎょう福利ふくり事業じぎょうのみをてきとする団体だんたい労働ろうどう組合くみあいではなく、あるじとして政治せいじ運動うんどうまた社会しゃかい運動うんどうてきとする団体だんたい労働ろうどう組合くみあいではない。

1.の団結だんけつけんは、団体だんたいとしての意思いし形成けいせい行動こうどうする自由じゆう団体だんたい自体じたい自由じゆう)をふくみ、団体だんたい内部ないぶ問題もんだいおおやけけんちから使用しようしゃ不当ふとう介入かいにゅうすることをきんじるものであり、労働ろうどう組合くみあいほうだい7じょうだい3ごうでそのことが明示めいじされている[3]。さらに、労働ろうどう組合くみあい構成こうせいいんたいして合理ごうりてき範囲はんいないにおいて労働ろうどう組合くみあいゆびしるべしゃふくしたがえもとむめるという内部ないぶ統制とうせいけん団結だんけつけんふくまれる[4]

2.の団体だんたい交渉こうしょうけんなかには、労働ろうどう組合くみあい使用しようしゃ合意ごういして労働ろうどう協約きょうやくむす権利けんり労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけん)がふくまれる。労働ろうどう協約きょうやくは「職場しょくば憲法けんぽう」ともわれるほどこうちからつよく、労働ろうどう協約きょうやくはんする労働ろうどう契約けいやく[5]就業しゅうぎょう規則きそく[6]こうとなる(労働ろうどう組合くみあいほうだい16じょう労働ろうどう基準きじゅんほうだい92じょうだい1こう)。労働ろうどう協約きょうやく最長さいちょう期間きかんは3ねんである(労働ろうどう組合くみあいほうだい15じょう)。

3.の団体だんたい行動こうどうけん争議そうぎけん争議そうぎ行為こういおこな権利けんり)と組合くみあい活動かつどうけん労働ろうどう組合くみあい争議そうぎ行為こうい以外いがい活動かつどうをする権利けんり)で構成こうせいされるが、中核ちゅうかくとなるのはつね争議そうぎけんである。このため「憲法けんぽうだい28じょう労働ろうどう三権さんけん団結だんけつけん団体だんたい交渉こうしょうけん争議そうぎけんである」と表現ひょうげんすることもおお[7]

3.の団体だんたい行動こうどうけんなか組合くみあい活動かつどうけん保障ほしょうされる組合くみあい活動かつどうは、印刷物いんさつぶつまわすること、公園こうえんなどで集会しゅうかいひらいてシュプレヒコールげること(「権利けんりをがんばってあるじちょうするぞ~」「おぉ~」などとだいこえげること)、デモ行進こうしんをすること、などがれいである。

労働ろうどう三権さんけん性質せいしつ

労働ろうどう三権さんけんは、くにたい労働ろうどうしゃの「人間にんげんあたいする生存せいぞん」を保障ほしょうする措置そちようもとむする社会しゃかいけん[8]としての側面そくめん[9]、それを制限せいげんするような立法りっぽうその国家こっか行為こうい禁止きんしする自由じゆうけん[10]としての側面そくめんあわつ。

労働ろうどう三権さんけん具体ぐたいてき保障ほしょうするため、労働ろうどう基準きじゅんほう労働ろうどう組合くみあいほう労働ろうどう関係かんけい調整ちょうせいほうのいわゆる労働三法ろうどうさんぽう制定せいていされている。

また、憲法けんぽうだい28じょう労使ろうし対等たいとう実現じつげん労働ろうどうしゃ権利けんり保護ほごてきとする条規じょうきであるため、憲法けんぽうだい28じょうによって公営こうえい企業きぎょうかんおおやけちょう使用しようしゃだけでなく民間みんかん企業きぎょう使用しようしゃにも労働ろうどうしゃ労働ろうどう三権さんけん尊重そんちょうする義務ぎむせられる。つまり、憲法けんぽうだい28じょう私人しじん私人しじん関係かんけいわたし人間にんげん)において直接ちょくせつ適用てきようされる。このことについてはわたし人間にんげん効力こうりょくろん記事きじ参照さんしょうのこと。

日本にっぽん公務員こうむいんたいする労働ろうどう三権さんけん制限せいげん

争議そうぎけん一律いちりつ剥奪はくだつされる

日本にっぽん公務員こうむいんは、団体だんたい行動こうどうけんなか争議そうぎけんいちりつ剥奪はくだつされている。罰則ばっそくきびしいものからならべるとつぎのようになる。

争議そうぎ行為こうい否定ひていする法規ほうき 違反いはんしたときの罰則ばっそく
防衛ぼうえい出動しゅつどういのちれいけた自衛隊じえいたいいん自衛じえいかん 自衛隊じえいたいほうだい64じょうだい2こうだい122じょうだい1ごう 7ねん以下いか懲役ちょうえきまた禁錮きんこ
治安ちあん出動しゅつどういのちれいけた自衛隊じえいたいいん自衛じえいかん 自衛隊じえいたいほうだい64じょうだい2こうだい120じょうだい1ごう 5ねん以下いか懲役ちょうえきまた禁錮きんこ
いつもの自衛隊じえいたいいん自衛じえいかん 自衛隊じえいたいほうだい64じょうだい2こうだい119じょうだい3ごう 3ねん以下いか懲役ちょうえきまた禁錮きんこ
国家こっか公務員こうむいんなかのいわゆる非現業ひげんぎょう 国家こっか公務員こうむいんほうだい98じょうだい2こうだい111じょうの2だい1ごう 3ねん以下いか禁錮きんこまた100まんえん以下いかばっきむ
地方ちほう公務員こうむいんなかのいわゆる非現業ひげんぎょう 地方ちほう公務員こうむいんほうだい37じょうだい1こうだい62じょうの2 3ねん以下いか禁錮きんこまた100まんえん以下いかばっきむ
地方ちほう公営こうえい企業きぎょう職員しょくいん地方ちほう公務員こうむいんなかのいわゆる現業げんぎょう 地方ちほう公営こうえい企業きぎょうひとし労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい11じょうだい1こうだい12じょう 解雇かいこ
行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいん身分みぶん国家こっか公務員こうむいん 行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい17じょうだい1こうだい18じょう 解雇かいこ
特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん身分みぶん地方ちほう公務員こうむいん 地方ちほう公営こうえい企業きぎょうひとし労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい11じょうだい1こうだい12じょう 解雇かいこ

国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがっておおやけけんちから行使こうしかかわる公務員こうむいん非現業ひげんぎょう公務員こうむいんという。非現業ひげんぎょう公務員こうむいん争議そうぎ行為こういたいする罰則ばっそくは3ねん以下いか禁錮きんこまた100まんえん以下いかばっきむで、きびしい。

国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがってけんちから行使こうしせずにざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいん現業げんぎょう公務員こうむいんという。地方ちほう公営こうえい企業きぎょう職員しょくいん地方ちほう公務員こうむいん)や、かつてのさん公社こうしゃ現業げんぎょううち現業げんぎょうかかわる国家こっか公務員こうむいんが、現業げんぎょう公務員こうむいんてんかたれいである。これらの争議そうぎ行為こういたいする罰則ばっそく最高さいこうでも解雇かいこである[11]

あるじつとむ大臣だいじん監督かんとく官庁かんちょう大臣だいじん)または設立せつりつ団体だんたいちょう認可にんかされた予算よさんしたがってざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいん行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいん身分みぶん国家こっか公務員こうむいん[12])と特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん身分みぶん地方ちほう公務員こうむいん[13])である。これらの公務員こうむいんは、厳密げんみつうと現業げんぎょう公務員こうむいんではない。これらの争議そうぎ行為こういたいする罰則ばっそく最高さいこうでも解雇かいこである。

争議そうぎけん剥奪はくだつされた歴史れきし

1925とし制定せいていされた治安ちあん維持いじほう労働ろうどう運動うんどう弾圧だんあつできる法律ほうりつだった。

敗戦はいせん直後ちょくご1945ねん10月15にちGHQ治安ちあん維持いじほうはいし、労働ろうどう運動うんどう許可きょかした。そして労働ろうどう組合くみあいほう1945ねん12月21にち国会こっかい可決かけつされ、1946ねん3月1にち施行しこうされた。治安ちあん部門ぶもん公務員こうむいんたいして労働ろうどう三権さんけん否定ひていしたものの、非現業ひげんぎょう公務員こうむいん現業げんぎょう公務員こうむいんおおやけしゃ職員しょくいんたいして労働ろうどう三権さんけんみとめて争議そうぎ行為こうい許可きょかした。

つづいて労働ろうどう関係かんけい調整ちょうせいほう1946ねん9がつ20日はつか国会こっかい可決かけつされ1946ねん10月13にち施行しこうされた。非現業ひげんぎょう公務員こうむいんたいして争議そうぎけん剥奪はくだつしたが、現業げんぎょう公務員こうむいんおおやけしゃ職員しょくいんたいする争議そうぎけん容認ようにんつづけられた。

しかし1947ねん2がつ1にちにむけて国鉄こくてつ労働ろうどう組合くみあいゼネラルストライキいちネスト)を計画けいかくしていたところ、それを察知さっちしたGHQ中止ちゅうしめいじた。そしてGHQけた芦田あしだひとし内閣ないかく1948ねん7がつ31にちせいれい201ごうはっして現業げんぎょう公務員こうむいん争議そうぎ行為こうい禁止きんしした。さらには国家こっか公務員こうむいんほう地方ちほう公務員こうむいんほう公共こうきょう企業きぎょうからだ労働ろうどう関係かんけいほうなどで現業げんぎょう公務員こうむいんおおやけしゃ職員しょくいんさん公社こうしゃ現業げんぎょう)の争議そうぎ行為こういがすべて禁止きんしされていった。

さん公社こうしゃ現業げんぎょうたいする争議そうぎ行為こうい禁止きんしは、1970年代ねんだい国鉄こくてつにおける順法じゅんぽう闘争とうそうストけんスト実施じっし理由りゆうとなった。

21世紀せいき現在げんざい日本にっぽん公務員こうむいんいちりつ争議そうぎ行為こうい禁止きんしされている。

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん以外いがい公務員こうむいん団結だんけつけん保障ほしょうされる

日本にっぽんにおいて、「治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん以外いがい公務員こうむいん団結だんけつけん保障ほしょうされている。

ただし、公務員こうむいん労働ろうどう組合くみあい加入かにゅうしない権利けんり消極しょうきょくてき労働ろうどう組合くみあい結成けっせいけん)をみとめられていて、オープンショップせいとなっている。国家こっか公務員こうむいんほうだい108じょうの2だい3こう地方ちほう公務員こうむいんほうだい52じょうだい3こう行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい4じょうだい1こう地方ちほう公営こうえい企業きぎょうひとし労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい5じょうだい1こうによってそうさだめられている。

このため公務員こうむいん労働ろうどう組合くみあい使用しようしゃたいして「わが々から除名じょめいされた労働ろうどうしゃ一定いってい期間きかんぎたあとにいずれの労働ろうどう組合くみあいにも加入かにゅうしないようなら、使用しようしゃはその労働ろうどうしゃ解雇かいこすべき」といった労働ろうどう協約きょうやくむすぶことができず、組合くみあいいんたいして「くびのううことをけないのなら除名じょめいして、解雇かいこちかづけてやる」ということができず、内部ないぶ統制とうせいけんよわくなりがちで、労働ろうどう組合くみあいとしての組織そしきちからよわくなりがちである。

ちなみに日本にっぽん民間みんかん企業きぎょう労働ろうどう組合くみあいはたいていがユニオンショップせいになっている。「わが々から除名じょめいされた労働ろうどうしゃ一定いってい期間きかんぎたあとにいずれの労働ろうどう組合くみあいにも加入かにゅうしないようなら、使用しようしゃはその労働ろうどうしゃ解雇かいこすべき」といった労働ろうどう協約きょうやくむすんでおり、内部ないぶ統制とうせいけんつよく、労働ろうどう組合くみあいとしての組織そしきちからがややつよい。

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん以外いがい公務員こうむいん団体だんたい交渉こうしょうけん保障ほしょうされるが制限せいげんあり

日本にっぽんにおいて、「治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん以外いがい公務員こうむいん団体だんたい交渉こうしょうけん保障ほしょうされている。

ただし、非現業ひげんぎょう公務員こうむいん国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがっておおやけけんちから行使こうしかかわる公務員こうむいん)は、使用しようしゃ管理かんり運営うんえいについて団体だんたい交渉こうしょうおこなうことができず、労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけんっていない。国家こっか公務員こうむいんほうだい108じょうの5だい2こうだい3こう地方ちほう公務員こうむいんほうだい55じょうだい2こうだい3こうによってそうさだめられている。

一方いっぽうで、現業げんぎょう公務員こうむいん国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがってけんちから行使こうしせずざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいん)は、使用しようしゃ管理かんり運営うんえいについて団体だんたい交渉こうしょうおこなうことができないが、労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけんっている。地方ちほう公営こうえい企業きぎょうひとし労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい7じょうだい1こうによってそうさだめられている。

また、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいん特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいんのように、あるじつとむ大臣だいじん監督かんとく官庁かんちょう大臣だいじん)や設立せつりつ団体だんたいちょう認可にんかされた予算よさんしたがってざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいんも、使用しようしゃ管理かんり運営うんえいについて団体だんたい交渉こうしょうおこなうことができないが、労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけんっている。行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい8じょうだい1こう地方ちほう公営こうえい企業きぎょうひとし労働ろうどう関係かんけいかんする法律ほうりつだい7じょうだい1こうによってそうさだめられている。

ちなみに民間みんかん企業きぎょう労働ろうどう組合くみあいは、使用しようしゃ管理かんり運営うんえいについて団体だんたい交渉こうしょうおこなうことができ、労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけんっている。

かりやすくひょうにするとつぎのようになる。

使用しようしゃ管理かんり運営うんえいについて団体だんたい交渉こうしょうする権利けんり 労働ろうどう協約きょうやく締結ていけつけん
非現業ひげんぎょう公務員こうむいん国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがっておおやけけんちから行使こうしかかわる公務員こうむいん × ×
現業げんぎょう公務員こうむいん国会こっかいまたは地方ちほう議会ぎかい議決ぎけつされた予算よさんしたがってけんちから行使こうしせずざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいん ×
行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいん特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいんあるじつとむ大臣だいじん設立せつりつ団体だんたいちょう認可にんかされた予算よさんしたがってざいサービス提供ていきょうをする公務員こうむいん ×
民間みんかん企業きぎょう労働ろうどうしゃ

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん労働ろうどう三権さんけんをすべて否定ひていされる

日本にっぽんにおいて、自衛じえいかんうみうえ保安ほあんかん刑務けいむかんいれくに警備けいびかん警察官けいさつかん消防しょうぼうといった治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいんは、団結だんけつけん否定ひていされており、その結果けっかとして労働ろうどう三権さんけんをすべて否定ひていされる。

団結だんけつけんゆるされず労働ろうどう組合くみあい存在そんざいしないのだから、団体だんたい交渉こうしょうけんや「団体だんたい行動こうどうけんなか組合くみあい活動かつどうけん」も発生はっせいしない。

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいん団結だんけつけん否定ひていする法規ほうき罰則ばっそくつぎのようになっている。

団結だんけつけん否定ひていする法規ほうき 違反いはんしたときの罰則ばっそく
自衛隊じえいたいいん自衛じえいかん 自衛隊じえいたいほうだい64じょうだい1こうだい119じょうだい2ごう 3ねん以下いか懲役ちょうえきまた禁錮きんこ
海上保安庁かいじょうほあんちょうにおいて勤務きんむする職員しょくいんうみうえ保安ほあんかん 国家こっか公務員こうむいんほうだい108じょうの2だい5こうだい110じょうだい20ごう 3ねん以下いか禁錮きんこまた100まんえん以下いかばっきむ
刑事けいじ施設しせつにおいて勤務きんむする職員しょくいん刑務けいむかん
警察けいさつ職員しょくいん警察官けいさつかん)の国家こっか公務員こうむいん
いれくに警備けいびかん 出入でいりくに管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほうだい61じょうの3の2だい4こう国家こっか公務員こうむいんほうだい108じょうの2だい5こうだい110じょうだい20ごう 3ねん以下いか禁錮きんこまた100まんえん以下いかばっきむ
警察けいさつ職員しょくいん警察官けいさつかん)の地方ちほう公務員こうむいん 地方ちほう公務員こうむいんほうだい52じょうだい5こう
消防しょうぼう職員しょくいん消防しょうぼう

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいんは、くにみん生命せいめい財産ざいさん保護ほご社会しゃかい治安ちあん維持いじ直接的ちょくせつてきたずさわるためにきびしいふくつとむぶんまわしりつようもとむされる。

しかし、労働ろうどう組合くみあい本来ほんらいてき労働ろうどうしゃ使用しようしゃ対抗たいこう関係かんけい前提ぜんていとするものである。このため労働ろうどう組合くみあい構成こうせいいんであることは実際じっさい問題もんだいとしてうえつかさとの対抗たいこう関係かんけい構築こうちくすることを意味いみする。

ゆえに、うえつかさいのちれい絶対ぜったいてきふくしたがえすることをとくようもとむされる職場しょくばでは、労働ろうどう組合くみあい結成けっせいそのものをみとめる余地よちがないとされている。

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいんたいする救済きゅうさい制度せいど

治安ちあん部門ぶもんぞくする公務員こうむいんのなかで、自衛じえいかんうみうえ保安ほあんかん刑務けいむかんいれくに警備けいびかん・「警察官けいさつかんなか国家こっか公務員こうむいん」といった国家こっか公務員こうむいんには労働ろうどう組合くみあいわりとして人事院じんじいんというものが用意よういされており、労働ろうどう待遇たいぐう問題もんだいがあるとかんがえるときは人事院じんじいん相談そうだんすることができる。

また「警察官けいさつかんなか地方ちほう公務員こうむいん」・消防しょうぼうといった地方ちほう公務員こうむいんには労働ろうどう組合くみあいわりとして人事じんじ委員いいんかいまたはおおやけひらた委員いいんかいというものが用意よういされており、労働ろうどう待遇たいぐう問題もんだいがあるとかんがえるときは人事じんじ委員いいんかいまたはおおやけひらた委員いいんかい相談そうだんすることができる。

関連かんれん項目こうもく

日本国にっぽんこく憲法けんぽう
だい1しょう 天皇てんのう 1 2 3 4 5 6 7 8
だい2しょう 戦争せんそう放棄ほうき 9
だい3しょう くにみん権利けんりおよ義務ぎむ 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
だい4しょう 国会こっかい 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64
だい5しょう 内閣ないかく 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75
だい6しょう つかさほう 76 77 78 79 80 81 82
だい7しょう 財政ざいせい 83 84 85 86 87 88 89 90 91
だい8しょう 地方ちほう自治じち 92 93 94 95
だい9しょう あらためただし 96
だい10しょう 最高さいこう法規ほうき 97 98 99
だい11しょう 補則ほそく 100 101 102 103

脚注きゃくちゅう

  1. *日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ』375ページ
  2. *日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ』376ページ全逓ぜんてい東京とうきょうちゅう事件じけん最高裁さいこうさい判決はんけつ昭和しょうわ41ねん10月26にち)でも「みぎべた労働ろうどう基本きほんけんは、たんにわたし企業きぎょう労働ろうどうしゃだけについて保障ほしょうされるのではなく、公共こうきょう企業きぎょうからだ職員しょくいんはもとよりのこと、国家こっか公務員こうむいんやを地方ちほう公務員こうむいんも、憲法けんぽうはちじょうにいう勤労きんろうしゃにほかならない以上いじょう原則げんそくてきには、その保障ほしょうけるべきものとほぐされる。『公務員こうむいんは、全体ぜんたい奉仕ほうししゃであつて、一部いちぶ奉仕ほうししゃではない』とする憲法けんぽういち五条ごじょう根拠こんきょとして、公務員こうむいんたいしてみぎ労働ろうどう基本きほんけんをすべて否定ひていするようなことはゆるされない。」とべている。
  3. *日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ377ページ
  4. *三井みつい美唄びばい炭鉱たんこう労組ろうそ事件じけん最高裁さいこうさい判決はんけつ昭和しょうわ43ねん12月4にち)で「憲法けんぽうはちじょうによる労働ろうどうしゃ団結だんけつけん保障ほしょう効果こうかとして、労働ろうどう組合くみあいは、そのまと達成たっせいするために必要ひつようであり、かつ、合理ごうりてき範囲はんいないにおいて、その組合くみあいいんたいする統制とうせいけんゆうするものとかいすべきである。」とべられている。
  5. *労働ろうどう契約けいやく労働ろうどうしゃ1人ひとり使用しようしゃむす契約けいやくなかで、労働ろうどうしゃ労働ろうどう提供ていきょうして使用しようしゃ賃金ちんぎん支払しはらうことをめるものである。労働ろうどう契約けいやくほうだい6じょう参照さんしょうのこと。
  6. *就業しゅうぎょう規則きそく使用しようしゃ一方いっぽうてき制定せいていする職場しょくばない規則きそくである。
  7. *全逓ぜんてい東京とうきょうちゅう事件じけん最高裁さいこうさい判決はんけつ昭和しょうわ41ねん10月26にち)で「憲法けんぽうはちじょうさだめるところによつて、経済けいざいうえ劣位れつい勤労きんろうしゃたいして実質じっしつてき自由じゆうひらたひとしとを確保かくほするための手段しゅだんとして、その団結だんけつけん団体だんたい交渉こうしょうけん争議そうぎけんひとし保障ほしょうしようとするものである。」と表現ひょうげんしている。『日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ』375ページでも「「その団体だんたい行動こうどうをする権利けんり」とはすなわち争議そうぎけんであり、本条ほんじょうは、労働ろうどうしゃ団結だんけつけん団体だんたい交渉こうしょうけんおよび争議そうぎけん(これらは労働ろうどうさんけんとか労働ろうどう基本きほんけんとかばれる)を保障ほしょうしようとしたものである」と記述きじゅつされている。
  8. *社会しゃかいけんは「国家こっかによる自由じゆう」と表現ひょうげんされ、国家こっかたいして積極せっきょくてき作為さくいようもとむする権利けんりであり、積極せっきょくてき権利けんりとか積極せっきょくてき自由じゆうともわれる。『日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ127ページ130ページ
  9. *全逓ぜんてい東京とうきょうちゅう事件じけん最高裁さいこうさい判決はんけつ昭和しょうわ41ねん10月26にち)で「この労働ろうどう基本きほんけん保障ほしょうねらいは、憲法けんぽう五条ごじょうさだめるいわゆる生存せいぞんけん保障ほしょう基本きほん理念りねんとし、勤労きんろうしゃたいして人間にんげんあたいする生存せいぞん保障ほしょうすべきものとする見地けんちち、一方いっぽうで、憲法けんぽうななじょうさだめるところによつて、勤労きんろう権利けんりおよび勤労きんろう条件じょうけん保障ほしょうするとともに、他方たほうで、憲法けんぽうはちじょうさだめるところによつて、経済けいざいうえ劣位れつい勤労きんろうしゃたいして実質じっしつてき自由じゆうひらたひとしとを確保かくほするための手段しゅだんとして、その団結だんけつけん団体だんたい交渉こうしょうけん争議そうぎけんひとし保障ほしょうしようとするものである。」と表現ひょうげんされており、労働ろうどう三権さんけん日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい25じょう生存せいぞんけん基本きほん理念りねんとすることがゆび摘されている。生存せいぞんけん社会しゃかいけんてんかたとされる。
  10. *自由じゆうけんは「国家こっかからの自由じゆう」と表現ひょうげんされ、国家こっか作為さくいようもとむする権利けんりであり、消極しょうきょくてき権利けんりとか消極しょうきょくてき自由じゆうともわれる。『日本国にっぽんこく憲法けんぽうろん 法学ほうがくくさむらしょ7 2011ねん4がつ20日はつか初版しょはん成文せいぶんどう佐藤さとう幸治こうじ127ページ130ページ
  11. *おおやけしゃ現業げんぎょううち現業げんぎょうかかわる国家こっか公務員こうむいんには国家こっか公務員こうむいんほうではなく公共こうきょう企業きぎょうからだとう労働ろうどう関係かんけいほうexit適用てきようされた。そのだい18じょうで「争議そうぎ行為こういをしたものは解雇かいこする」とさだめられていた。
  12. *独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん通則つうそくほうだい51じょうさだめられている。
  13. *地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんほうだい47じょうさだめられている。
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