異能生存体とは、装甲騎兵ボトムズの世界において、ギルガメス軍レッドショルダー部隊隊長ヨラン・ペールゼン大佐(当時)が提唱した概念。
具体的には「どんな事態に遭遇しても、何をされても死なない生命体」。
彼等はブッ潰しても、切り刻んでも、焼いても死ぬ事はない。
時に利己的に、時に利他的に、たとえ神にだって従わず、自らの環境を変えてまで生存する。
概要
異能生存体は、極めて低い遺伝確率(約250億分の1、あるいはそれ以下)で発生する、生存率の極端に高い個体を指す。
彼等は異常に高い生命力と、強靱な生存本能に裏打ちされた行動力、そして奇跡と言える程の悪運によって、生還が絶望視されるような戦場で特攻同然の作戦に参加しても、生き残ってしまう。
単に生命力や治癒能力が高い生物とは異なる点は、その存在自体がいわゆるチートや超常現象に近いことである。
彼等は、本人の意図に関係なく、周囲の人間の行動や思考、更には自らが置かれた環境すらも改変し、生存する。
その肉体は決して不死身ではないが、無意識に自らが死なない状況を作り出し、時には理不尽とも思える奇跡的現象を発生させることで致命傷を回避し、生存を続ける。
奇跡的現象の例を挙げると
などが確認されている。
さらに参考までに異能生存体の異常回復力に対面したある軍医長の叫びの言葉を挙げる。
この異能生存体は宇宙工場群コンプラントの墜落に巻き込まれ、軍医長の勤める病院へ運ばれた。
全身火傷! 脊椎損傷! 頭蓋骨陥没! 内臓破裂! 大腿骨の複雑骨折!
それでも、偶然幸運な条件が重なって助かることだってあるさ!
だがなぁ、そういうのが50も100も重なると……もう神秘だ! 奇跡だっ!
しかもそんな怪我人がわずか10日でベッドを抜け出して、どこ行ったんだぁ!
また、もし異能生存体が別作品の能力と相対した場合には以下のような状況が発生すると思われる。
- デスノートに名前を書こうとしても、名前を書く事を妨げる何らかの事態が発生。
- 直死の魔眼を使用しても、死の点が捉えられない。あるいは死の点を突けない状況に陥る。
- 絶対遵守のギアスによって自殺を命じても、異能生存体自身がそれを実行できない。
ただし、そもそもこれらの能力を有した存在と敵対すらしない可能性も高い。
実例として、『第2次スーパーロボット大戦Z』におけるルルーシュ・ランペルージは、キリコ・キュービィーに対して「キリコをギアスで操る事は不可能」と解釈できる発言を行っており、その後もキリコをギアスで操るような事態は発生しなかった。
更に同作の作中には人智を超えた”神”とも言える存在が複数登場したのだが、彼らは他のスーパーロボットよりも、単なるアーマード・トルーパーに搭乗した一兵卒に過ぎないキリコの存在を恐れる姿を見せていた。
しかし、上記のような実績をもった存在でさえ、死亡が確認された時点で近似値として除外される可能性もある。
異能生存体の周囲では、戦乱や大規模な破滅的状況(都市や惑星の崩壊など)が発生する事も多いが、そのような状況は「異能生存体が自らを生存させるため(無意識に)発生させている」可能性が高い。
また、異能生存体と言えど、外傷による苦痛や精神的外傷への耐性は常人と同等である。多くの死と引き換えにもたらされる不死性は異能生存体を孤独にし、精神的に疲弊させる原因となっている一方で、彼ら自身が戦場や危険地域に滞在する事を望んだり、異能生存体の存在自体が戦乱の原因となる事も多い。
本編における異能生存体をめぐる諸事
異能生存体研究の第一人者であるヨラン・ペールゼン大佐は、理想の戦闘集団を作り上げるべくレッドショルダー部隊を設立。そこでキリコ・キュービィーを発見、異能生存体と判断しその能力を利用しようとするが、神にすら従わないキリコを御することはできず、断念。代替策として身体能力を強化した人間、パーフェクトソルジャーの開発に方針転換している。
ペールゼンが残した研究文書は後に「ペールゼン・ファイルズ」と呼称され、ギルガメス軍内部で注目された。
情報省のフェドク・ウォッカム次官は同文書を元に異能生存体と思われる5人の兵士を集め、バーコフ分隊を結成。彼らは異常に高い生存率と戦闘能力を活かして戦果を上げたが、惑星モナド侵攻作戦においてキリコ・キュービィーを残し全滅している。実際には彼らの内、異能生存体はキリコ1人しかおらず、他の4人は奇跡的な生存能力を持つただの人間、即ち近似値に過ぎなかったのである。
また、バーコフ分隊の結成は、異能生存体の存在が戦略的価値を有するかを試す実験でもあったが、最終的に惑星モナドが消滅するという結果はギルガメス軍に多大な被害を齎した。
この事実から、ペールゼンは「異能生存体の異能性は、周囲の人間や異能生存体当人の思惑に関係なく“個体の生存”という目的に沿って発動し、その結果を予測、利用することは不可能」という結論を出し、ウォッカム自身も異能の力に判断力を奪われていたという、認めがたくもある残酷な真実を提示した。
なお、古代クエント文明で誕生した突然変異種「異能者」と異能生存体が同一の存在であるかは不明である。
代表例
異能生存体の代表的な例(候補、あるいは近似値も含む)は以下の通り。
などが挙げられる。
高い危機回避能力や自己防衛本能により危険を回避する、そもそも危険に近づくこと自体を無意識的に避けるタイプは死なないという点で異能生存体に近いが、本質的には別種の存在である。
危機回避能力の代表例としては、渋川剛気(グラップラー刃牙)の護身術の完成形「真の護身」が挙げられる。
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