聖ひじり杯はい単語たんご

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記事きじ編集へんしゅう

聖ひじり杯はいとは最大さいだい級きゅうの聖せい遺物いぶつである。

概要がいよう

イエス・キリストが最後さいごの晩餐ばんさんで使用しようしたとされる杯はい。いろんな伝説でんせつ、ゲーム、映画えいが、物語ものがたりに登場とうじょうする。有名ゆうめいなところでは中世ちゅうせいヨーロッパで広ひろまったアーサー王おう物語ものがたりや、映画えいが「インディ・ジョーンズ　最後さいごの聖戦せいせん」など。イエス・キリストの血ちを受うけた杯はいとみなされることもある（後述こうじゅつ）。

最後さいごの晩餐ばんさんに使つかわれたとされるものがスペインのバレンシア大聖たいせい堂どうに、イエス・キリストの血ちを受うけたとされるものがアメリカのメトロポリタン美術館びじゅつかんにそれぞれ保管ほかんされている。と言いっても考古学こうこがく的てきに確定かくていされたものではなく、これ以外いがいにも複数ふくすうある。どれが本物ほんものなのか不明ふめい。どれも本物ほんものではないのかもしれない。

今いま現在げんざいでも世界せかい各地かくちで聖ひじり杯はいと思おぼしき遺物いぶつが発見はっけんされている。

また、料理りょうり動画どうがで使つかわれる食器しょっき類るいのことを指ゆびす場合ばあいもある。
ニコニコ動画どうが内うちでは、ニコニコキッチンで毎回まいかい漆うるし塗ぬりのどんぶりを使つかっていたため、視聴しちょう者しゃからそう呼よばれ始はじめ他ほかの動画どうがにも広ひろまったようである。

聖書せいしょ内ないでの記述きじゅつ

上記じょうきのように伝説でんせつや創作そうさく作品さくひんで多おおく言及げんきゅうされるが、新約しんやく聖書せいしょの福音ふくいん書しょではさほど多おおくの記載きさいがあるわけではない。

最後さいごの晩餐ばんさんの時ときに「イエスが飲のむために使つかった杯はい」だと思おもっている人ひとも多おおいかと思おもうが、実じつは新約しんやく聖書せいしょ内うちの記述きじゅつからするとそうとも言いい切きれない。新約しんやく聖書せいしょの四よん福音ふくいん書しょ（マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ）のうち最後さいごの晩餐ばんさんでのこの杯はいに関かんする記述きじゅつがあるのはヨハネ以外いがいの三みっつ。

その三みっつを参照さんしょうすると、イエスが「最後さいごの晩餐ばんさん」でこの杯はいで何なにかを飲のんだという明確めいかくな記述きじゅつはない。記載きさいされているのは、イエスがこの杯はいの中身なかみを弟おとうと子こたちに分わけ与あたえたというのみである（マタイ第だい26章しょう27節せつ、マルコ第だい14章しょう23節せつ、ルカ第だい22章しょう17節せつおよび20節せつ）。

ただしそのときイエスは「これから後ご、神かみの国くにで飲のむまでの間あいだは、ぶどう製せいのものは飲のまないよ」（マタイ第だい26章しょう29節せつ、マルコ第だい14章しょう25節せつ、ルカ第だい22章しょう18節せつ）とも言いっているので、この晩餐ばんさんでこの世よで最後さいごのぶどう製せいの飲料いんりょう（おそらくワイン）を飲のんだ可か能のう性せいも高たかい。

「血ちを受うけた」杯はい

この最後さいごの晩餐ばんさんで弟おとうと子こたちに杯はいの中身なかみを分わけ与あたえた時とき、イエスは有名ゆうめいな「これは皆みなのために流ながす、私わたしの契約けいやくの血ちだよ」（マタイ第だい26章しょう28節せつ、マルコ第だい14章しょう24節せつ、ルカ第だい22章しょう20節せつ）という決きめ台詞ぜりふを残のこしている。「血ちを受うけた」という表現ひょうげんはこの言葉ことばに由来ゆらいするものであり、別べつに実際じっさいに処刑しょけいの際さいの血ちを受うけたというわけではないと思おもわれる。

実際じっさい、イエスが処刑しょけいされるときに流血りゅうけつしたという記載きさいがあるのは四よん福音ふくいん書しょの内うちでは「ヨハネによる福音ふくいん書しょ」のみである（十字架じゅうじかに固定こていされる時ときに体からだに打うたれる釘くぎなどにより、流血りゅうけつしている可か能のう性せいが高たかいだろうとは想像そうぞうできるが）。その「ヨハネによる福音ふくいん書しょ」でも「槍やりで刺さされた傷口きずぐちから血ちと水みずが流ながれ出でた」と書かいてあるのみ（第だい19章しょう34節せつ）であり、「器うつわでその血ちを受うけた」などという記述きじゅつはない。

なお、現在げんざいの教会きょうかいでも「聖きよし体からだ拝領はいりょう」「聖きよし餐式」などの名称めいしょうで、上記じょうきの最後さいごの晩餐ばんさんのエピソードになぞらえて器うつわに注そそいだ飲料いんりょうを「イエス・キリストの血ち」として口くちにする儀式ぎしきを行おこなう場合ばあいがある。この器うつわを「聖きよし杯はい」と呼よぶこともある。

映画えいがやゲームなどにおいては

聖ひじり杯はいが登場とうじょうする作品さくひんは多々たたあり大体だいたいが「願ねがいを叶かのうえてくれる」「不老不死ふろうふし」この二ふたつに要約ようやくされている。

ゲームではアイテムとして使つかった場合ばあいに戦闘せんとう不能ふのうのキャラを蘇生そせいするなどその力ちからの片鱗へんりんを見みせてくれる。

上記じょうきのような「イエス・キリストに関連かんれんした聖せい遺物いぶつ」として登場とうじょうするとは限かぎらない。例たとえばゲーム作品さくひん「Fate/stay night」の物語ものがたりの根幹こんかんである「聖ひじり杯はい戦争せんそう」での「聖きよし杯はい」は、イエス・キリストとは関係かんけいがない。