超越数とは、有理数係数の代数方程式の解として表されない複素数のことである。
概要
複素数の中で、a0,a1,…anを有理数として(ただしan≠0)、代数方程式anxn+an-1xn-1+…+a0=0の解となるような複素数を代数的数というが、超越数とは、そのような有理数係数の代数方程式の解にならない複素数のことである。
簡単に言うと「代数的数でない複素数」のことである。
無理数であるか
しばしば聞かれる問題に、「超越数は無理数であるか」というものがある。
結論から言えばNoである。
なぜなら、有理数・無理数は実数の中の分類であるのに対し、代数的数・超越数は複素数全体の分類なので、無理数は虚数とならないのに対し、超越数は虚数となり得るからである。
ただし、対象を実数に限定すれば、「超越数は無理数」は正しいと言える。
実数の中では、「有理数ならば(実数の)代数的数」が成立するので、対偶を取って「(実数の)超越数ならば無理数」も成立するからである。
超越数の例
超越数の有名な例としては、円周率πや自然対数の底eが挙げられる。
また、他にも、2√2やlog23、eπといった数も超越数である。
関数の値が超越数になる例は意外と多く、例えば、x=0を除く代数的数xに対し、ex、sinx、cosx、tanx、sinhx、coshx、tanhxは超越数となる。
また、x=0を除く代数的数xと超越数yについて、x+y、xyは超越数となる。
他にもたくさんの超越数の例があり、詳細はwikipedia「超越数」等を参照のこと。
超越数かどうか未判明の数
現在も代数的数であるか超越数であるか未判明の数は多く存在し、オイラーの定数γ※、π+e、π-e、πe、π/e、ee、ππ、πeなどの数は、超越数であるかどうかはおろか、無理数であるかどうかも分かっていない。
※lim(n→∞)(1/1+1/2+1/3+…+1/n-logn)の値
その他の性質
超越数は代数的数と異なり、超越数同士の四則演算の結果が超越数になるとは限らない(π-π=0やe/e=1を考えれば簡単に分かるであろう)。
また、代数的数の集合は可算集合であったが、超越数は非可算集合である(複素数全体が非可算集合、代数的数全体は可算集合なので、複素数全体から代数的数を除いた超越数も非可算集合となる)。
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