LANTIRN単語たんご

• 概要がいよう[1]
• 開発かいはつ/運用うんよう史し
• バリエーション
• その他た
• 関連かんれんコミュニティ
• 参考さんこう文献ぶんけん/関連かんれん商品しょうひん/関連かんれん項目こうもく/外部がいぶリンク
• 脚注きゃくちゅう
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この記事きじは変態へんたい企業きぎょうロッキード・マーティン製せいの航空機こうくうき搭載とうさい光ひかり学がくセンサーに付ついて扱あつかってます。黄色きいろい電撃でんげきネズミの仲間なかまはコッチを参照さんしょう→ランターン

LANTIRN（ランターン Low Altitude Navigation and Targeting Infrared for Night）とは、マーティン・マリエッタ（現げん:ロッキード・マーティン）社しゃが製造せいぞうする、航空機こうくうき搭載とうさい用ようターゲティング・ポッドである。

この項こう目めではAN/AAQ-14の海軍かいぐん向むけ発展はってん型かたAN/AAQ-25（LANTIRN 40K）及および輸出ゆしゅつ型かたのAN/AAQ-19 Sharpshooter（シャープシュータ）目め標しめぎ指ゆび示しめせシステム、AN/AAQ-20 Pathfinder（パスファインダー）夜よる間あいだ低てい高度こうど赤外線せきがいせん航法こうほうシステム、LANTIRNにIRSTを追加ついかしたTiger Eye(タイガーアイ)、の解説かいせつも行おこなう。

概要がいよう^[1]

現代げんだいの戦闘せんとう機きが敵国てきこく内陸ないりく部ぶに対たいして爆ばく撃げきを実施じっしする場合ばあいは、夜よる間あいだに超ちょう低ひく空そら飛行ひこうで侵入しんにゅうするのが探知たんち・被弾ひだんを避さける上うえで理想りそうだが、山やまの稜線りょうせんや鉄塔てっとうなどの障害しょうがい物ものなどに衝突しょうとつする危険きけんも増加ぞうかする。ジェット戦闘せんとう機きは爆ばく撃げき目め標しるべの上うえをごく短時間たんじかんで航こう過すごしてしまうので目め標しるべをミスしてしまう蓋然性がいぜんせいも高たかまるが、パイロットは地上ちじょうへの激げき突を避さけるために操縦そうじゅうに集中しゅうちゅうしなければならないので地表ちひょうのビデオ映像えいぞうを映うつしているモニターばかり見みているわけにもいかない…という問題もんだいを解決かいけつするためにLANTIRNが開発かいはつされた。

このシステムは地形ちけい追随ついずいレーダーや赤外線せきがいせんビデオと連動れんどうしてパイロットを誘導ゆうどうし、超ちょう低ひく空そらで飛行ひこうしつつプリセット高度こうどを維持いじして目め標しめぎ上のぼる空そらに到達とうたつすると目め標しるべをモニター画面がめんに示しめして攻撃こうげき許可きょかをパイロットに求もとむめ、パイロットが許可きょかするとレーザー誘導ゆうどう爆ばく弾だんか赤外線せきがいせん画像がぞう誘導ゆうどうミサイル（マヴェリック）をシステムで最適さいてきなタイミングを計算けいさんして放出ほうしゅつする。

このLANTIRNによって、F-16のような単座たんざ戦闘せんとう機きでも夜よる間あいだにたった一いち回かい目め標しめぎ上のぼる空そらを航こう過かすれば精密せいみつ誘導ゆうどう兵器へいきを確実かくじつに目め標しるべに叩はたき込こめるようになった。その能のう力ちからは1991年ねんの湾岸わんがん戦争せんそうで世界せかいを驚嘆きょうたんさせ、その後ごは世界せかい中なかのハイテク兵器へいきメーカーがLANTIRNの同格どうかく品ひん、類似るいじ品ひんの開発かいはつに走はしることとなった。

開発かいはつ/運用うんよう史し

 空そら軍ぐん型がたF-4（と少すくな数かず運用うんようされていたF-105やA-7）の更さら新用しんようとして導入どうにゅうが始はじまっていたF-16に、単機たんきでの精密せいみつ攻おさむ撃げき能力のうりょくを与あたえる為ため、1980年ねんにマーティン・マリエッタとアメリカ国こく防ぼう総省そうしょうで開発かいはつ契ちぎり約やくが結むすばれ、1983年ねん2月がつにAN/AAQ-13航法こうほうポッドの試作しさく品ひんが、同どう年とし7月がつにはAN/AAQ-14標しるべ定ていポッドの試作しさく品ひんが納入のうにゅうされて、85年ねんに生なま産さん契約けいやくが結むすばれたが、開発かいはつの遅おくれから契約けいやく履行りこうは、翌年よくねんの11月まで引ひき延のばされた。87年ねんの4月がつから、量産りょうさん型がた航法こうほうポッドの納おさめ入いれが行おこなわれるようになったが、AN/AAQ-14標定ひょうていポッドは、開発かいはつや生産せいさんが遅おくれ、LANTIRNが機材きざいとして正式せいしきに運用うんようが承認しょうにんされたのは、湾岸わんがん危機きき発生はっせい直後ちょくごの89年ねん9月がつであった。

湾岸わんがん戦争せんそう当時とうじの納入のうにゅう数すうは、AN/AAQ-13は、F-15EとF-16 Block 4X配備はいび部隊ぶたいに行いき渡わたる285基もとであったのに対たいし、AN/AAQ-14は32基きで、F-15Eの一部いちぶに装備そうびさせるのが精一杯せいいっぱいであった。このため、地上ちじょう部隊ぶたいによる、レーザー照射しょうしゃと言いう支援しえんが受うけられる、近接きんせつ航空こうくう支援しえん時ときは兎うさぎも角かく、敵てき地ち奥おく深しんくへと侵攻しんこうする、航空こうくう阻止そし攻撃こうげきでは、 AGM-65かAGM-88しか精密せいみつ誘導ゆうどう兵器へいきを運用うんようできなかったF-16の戦果せんかは、事前じぜんの予想よそうを下回したまわるものとなり、文字もじ通とおりの大だい編隊へんたいで襲撃しゅうげきしたにもかかわらず、煙幕えんまくによって煙けむに巻まかれ、後日ごじつ、F-117がとどめを刺さした核かく施設しせつへ攻撃こうげきやCASでのA-10無双むそう、F-15EやF-111によって行おこなわれた、タンクプリンキング戦術せんじゅつやスカッド狩かりの引ひき立たて役やくでしかなかった。

AN/AAQ-14の納入のうにゅうの遅おくれは、F-15E配備はいび部隊ぶたいにも影かげ響ひびきを与あたえ、場合ばあいによっては、2機きないし4機き編隊へんたいの隊長たいちょう機きがレーザーの照射しょうしゃ、編隊へんたい機きがレーザー誘導ゆうどう爆ばく弾だんを投下とうかする、バディレーシング方式ほうしきの運用うんようも行おこなわれた。

アメリカ空軍くうぐん以外いがいへの販売はんばいは、湾岸わんがん戦争せんそう終結しゅうけつ後ご、イスラエルとサウジアラビアに対たいして輸出ゆしゅつされたF-15E用ようの機材きざいとしてが初はじめてで、輸出ゆしゅつ向むけの製品せいひんでは、アメリカ軍ぐん仕様しようの物ものと比ひ較した場合ばあいに若干じゃっかん能のう力ちからを制限せいげんしたものが販売はんばいされていたが、2000年代ねんだいにイスラエル向むけに輸出ゆしゅつされた物ものは、アメリカ空軍くうぐんで後継こうけい機材きざいであるAN/AAQ-33の配備はいびが始はじまっていた事こともあり、本ほん国くに仕様しようの物ものが引ひき渡わたされた。

1990年代ねんだい中盤ちゅうばんに、AN/AAQ-14のA-10やB-1による運用うんようも検討けんとうも行おこなわれたが、予算よさんの問題もんだいで計画けいかくその物ものが放棄ほうきされたが、2000年代ねんだいになってから実行じっこうされた、A-10の近代きんだい化か改修かいしゅうやB-1BのCAS対応たいおう化かとして、AN/AAQ-28やAN/AAQ-33の運用うんよう能のう力ちからを持もつ様ようになった。

2010年ねん現在げんざい、アメリカ空軍くうぐんに配備はいびされている物ものは、AN/AAQ-14のみであるが後継こうけい機材きざいであるAN/AAQ-33との入いれ替かえが進すすんでおり、余剰よじょう機材きざいは、従来じゅうらいは単機たんきでのレーザー誘導ゆうどう爆ばく弾だんの運用うんようを考慮こうりょしていなかった、アメリカ空軍くうぐんの現役げんえき部隊ぶたいのF-16 Block 3X/5X（CCIP改修かいしゅう型かた）配備はいび部隊ぶたいへの転出てんしゅつ（州しゅう空軍くうぐんのF-16 Block 3X配備はいび飛行ひこう隊たいでは、主あるじにAN/AAQ-28を運用うんよう）が進すすんでいる他ほか、アメリカ海軍かいぐん向むけのAN/AAQ-25は、ライノとAN/AAQ-28の組くみ合あわせに更新こうしんされる形かたちで、これを運用うんようするF-14やS-3と共ともに退役たいえきしている。

バリエーション

LANTIRNはAN/AAQ-13航法こうほうポッドとAN/AAQ-14標定ひょうてい（照準しょうじゅん）ポッドの一対いっついで構成こうせいされているが、湾岸わんがん戦争せんそう当時とうじのF-16のようにAN/AAQ-13航法こうほうポッドのみやイラク戦争せんそう時どきのF-14やS-3のようにAN/AAQ-14（正確せいかくには発展はってん型かたのAN/AAQ-25）のみを搭載とうさいするという柔軟じゅうなんな運用うんようも可か能のうである。

AN/AAQ-13

AN/AAQ-13は、LANTIRNシステムの航法こうほうポッドで、Kuバンドの地形ちけい追従ついしょうレーダーとFLIR用ようの赤外線せきがいせんセンサーを内蔵ないぞうしている。この機材きざいに内蔵ないぞうされた地形ちけい追従ついしょうレーダーは、搭載とうさいする機体きたいのオートパイロットと連動れんどうさせることにより地表ちひょうもしくは建造けんぞう物ぶつなどの障害しょうがい物ものから約やく30m以上いじょうの高度こうどで事前じぜんに設定せっていしたコースに沿そって飛行ひこうすることが可か能のうである。また、パイロットによる操縦そうじゅうで低ひく空そら飛行ひこうを行おこなう場合ばあい、HUDに投影とうえいされた画像がぞうに重かさねる形かたちでフライトボックスと呼よばれる飛行ひこう可か能のうなコースを表示ひょうじし、この枠わくの中心ちゅうしんをトレースさせる形かたちで航空機こうくうきを飛行ひこうさせることにより、地形ちけい障害しょうがいを回避かいひしながらの高速こうそく低ひく空そら飛行ひこうを可か能のうとしている。

AN/AAQ-14

AN/AAQ-14は、LANTIRNシステムの照準しょうじゅんポッドで、前方ぜんぽう監視かんし用ようの赤外線せきがいせんセンサーとマーキング用ようのレーザー発信はっしん機きで構成こうせいされている。同様どうようの機材きざいはベトナム戦争せんそう当時とうじに実用じつよう化かされた、AN/AVQ-10 ベイブナイフやAN/ASQ-153（AN/AVQ-23） ベイプスパイク、AN/AVQ-26 ペイブタック等とうも存在そんざいしたが、兵へい装そうステーションを潰つぶしてしまう程ほど大だい型かたであったり、レーザー照射しょうしゃ機きと爆ばく弾だん投下とうか機きの二に機き以上いじょうの編隊へんたいで無むければ運用うんようできない、機体きたい搭載とうさい位置いちの関係かんけいで、レーザーの照射しょうしゃ方向ほうこうが限定げんていされるため、左ひだり方向ほうこうへの大おおきな旋回せんかいを行おこなわなけれ誘導ゆうどう爆ばく弾だんの命中めいちゅうまでレーザーの照射しょうしゃが出来できないと言いった運用うんよう上じょうの制約せいやくが存在そんざいしたが、AN/AAQ-14は、誘導ゆうどう用ようレーザの照射しょうしゃ範囲はんいを拡大かくだいする事ことによって、これらの問題もんだいを解決かいけつした。

AN/AAQ-19/AN/AAQ-20

AN/AAQ-19は、AN/AAQ-14照準しょうじゅんポッドの、AN/AAQ-20は、AN/AAQ-13航法こうほうポッドの輸出ゆしゅつ仕様しようで、本ほん国くに仕様しようと比ひ較した場合ばあいに、若干じゃっかん性せい能のうが劣おとるとされており、タイフーンやグリペンと言いったヨーロッパ製せい戦闘せんとう機きでは、照準しょうじゅん/航法こうほうポッドの統合とうごう型かたのAN/AAQ-28、ラファールのように自じ国くに製せいのタレスDamoclesを採用さいようした事こともあり、配備はいび国くには、イスラエルや韓国かんこく、サウジアラビアやトルコと言いった、F-15EとBlock 20以降いこうのF-16のどちらか、もしくは双方そうほうを運用うんようする国くにに限かぎられている。

AN/AAQ-25

NA/AAQ-25（LANTIRN 40K）は、NA/AAQ-13にGPS連動れんどう機き能のうと運用うんよう上限じょうげん高度こうどを目め標しるべ物ぶつから40000ft（約やく12000メートル）まで引ひき上あげた改良かいりょう型かたで、アメリカ海軍かいぐんの空母くうぼ航空こうくう団だんが運用うんようしていたF-14やS-3に搭載とうさいされていた。

NA/AAQ-25の運用うんよう改修かいしゅうが行おこなわれていたF-14は、RIO席せきコンソールの右みぎ下かに装備そうびされていた、TARPS（戦術せんじゅつ航空こうくう偵察ていさつポッドシステム）用ようのモニターと差さし替かえる形かたちで、この機材きざいのコントロールパネルを取とり付つけた為ため、TARPSとNA/AAQ-25の同時どうじ運用うんようは不可能ふかのうと言いわれているが、TARPSの運用うんよう能のう力ちからをもつF-14A/Bは、少数しょうすうしか、配備はいびされていなかった。

S-3への搭載とうさいは、2008年ねんにイラク国くに内うちで活動かつどうする、武装ぶそう勢ぜい力ちから捜索そうさくに投入とうにゅうされていたP-3の一部いちぶで、想定そうてい外がいの機体きたい老朽ろうきゅう化かが発見はっけんされた事ことによる、稼働かどう機き数すう減少げんしょうの穴あな埋うめとしS-3が派遣はけんされた際さい、余剰よじょう機材きざいとなっていたNA/AAQ-25の搭載とうさい改修かいしゅうを行おこない派遣はけんされた。2010年ねん2月がつ現在げんざい、現地げんちでは未いまだ戦闘せんとうが続つづいており、派遣はけん部隊ぶたいの具体ぐたい的てきな活動かつどうや戦果せんかは公おおやけ表あらわされていない。

AAS-42 タイガーアイ

AAS-42 タイガーアイは、AN/AAQ-14（輸出ゆしゅつ型かたのAN/AAQ-19）及およびAN/AAQ-33（輸出ゆしゅつ型かたのPantera）で使用しようされているパイロンに、F-14Dやスーパーホーネットと同どう形式けいしきのIRSTを追加ついか装備そうびした物もので、外見がいけんは、従来じゅうらいは板いた状じょうの形状けいじょうだったものが、IRST関連かんれん機器ききを搭載とうさいした為ため、箱はこ形かたちの形状けいじょうに変かわっている。2010年ねん2月がつ現在げんざい、F-15KやF-15SGで採用さいようしている。

その他た

同様どうようの外部がいぶ装備そうび式しき光ひかり学がくセンサーは、赤外線せきがいせん前方ぜんぽう監視かんし装置そうちとしての機き能のうに特とく化かした（筈はずだが、照準しょうじゅん支援しえん用ようの測はか距機能のうも有あったりする……）航空こうくう自衛隊じえいたいがF-2の装備そうび品ひんとして採用さいようしたJ/AAQ-2、一基いっきの機材きざいに、航法こうほうポッドと照準しょうじゅんポッドの機き能のうを詰つめ込こんだ、ラファエル/ノースロップ・グラマン　LITENINGIIなどが存在そんざいする。

関連かんれんコミュニティ

参考さんこう文献ぶんけん/関連かんれん商品しょうひん/関連かんれん項目こうもく/外部がいぶリンク

参考さんこう文献ぶんけん

• トム・クランシーの戦闘せんとう航空こうくう団だん解剖かいぼう (新潮しんちょう文庫ぶんこ)
• 航空こうくうファン1996年ねん11月号ごう/1998年ねん1月がつ号ごう
• 世界せかいの傑作けっさく機き別冊べっさつ　F-14トムキャット
• 世界せかいの傑作けっさく機き　No137 S-3バイキング

関連かんれん商品しょうひん

こちらで紹介しょうかいしている商品しょうひんは模型もけい用ようの物ものです、実機じっきに搭載とうさいしても作動さどういたしません。

主おもな搭載とうさい機き

• F-14
• F-15E
• F-16 （Block4x　Block5x Block4x/5xCCIP改修かいしゅう対応たいおう機き　Block50+/52+等とう）
• S-3

脚注きゃくちゅう

1. *「AI戦争せんそう論ろん　進化しんかする戦場せんじょうで自衛隊じえいたいは全滅ぜんめつする」兵頭ひょうどう二に十じゅう八はち 2018 飛鳥新社あすかしんしゃ pp.206-207