POKELOID(ポケロイド)とは、主にゲーム内の『ポケモンのなきごえ』を使って演奏した動画に付けられるタグである。
『スタイル』による違い
一口に『POKELOID』といっても、動画によって様々なスタイルを用いて演奏が行われており、楽しみ方が異なってくる。 そこでここでは各スタイルの解説を個別に行うことでタグ全体の概要とさせていただく。
ムクホークスタイル
ピッチ変更を行わず、たくさんのポケモンの鳴き声をほぼそのままメロディのリズムに合わせるスタイル。詳しい成り立ちは「ムクホークスタイル」を参照。
鳴き声をほとんどいじらない=音程が合わないことが多いということなので、原曲も使用するのが前提である。鳴き声をそのまま使うので視聴者にも分かりやすい反面、どの部分でどのポケモンの鳴き声を使うのか製作者のセンスが問われるスタイルでもある。
ヤブクロンスタイル(仮称)
POKELOIDとシュペランカー戦法の組み合わせはムクホークスタイルの一種とされていた。しかし、従来のムクホークスタイルは『リズムとアクセントを重視し、音程はそれほど気にしない』傾向にあるのに対し、シュペランカー戦法は『ピッチ変更こそ行わないものの、音程はしっかり合わせる』というスタンスであるため、別のスタイルとして扱われることとなった。
- 音程が合うのでメロディラインがはっきりする
- 音源の切り抜きや引き延ばしなどをムクホークスタイルよりも多用する
- 音程という縛りによって使われるポケモンの被りが多くなる
といった特徴を持つ。3.のデメリットに関しては、曲調がコロコロ変わったり途中で転調する曲目を選ぶことによりある程度緩和されるので、制作時には意識したいところ。
なお、「ヤブクロンスタイル」となっているのはこのスタイルの元凶の人の動画に「ヤブクロンの人」のタグが付いているためであり、他のスタイルと比べてヤブクロンが目立って使われているわけではない。そのため別の呼び方の方がいいのではないかという意見もあることを注記しておく。そもそも、現在のところこのスタイルで投稿しているのは一人のみだったり。
アリアドスタイル
ピッチ変更を用いることで、鳴き声だけでメロディに加えて伴奏までも演奏できるスタイル。その万能さから原曲不使用である動画も多い。
『POKELOID』タグが生まれたきっかけとされる『ポケモン×千の風になってシリーズ』を見れば分かるとおり、そのまま使ってもカオスになるポケモンがほとんどなため、基本的には鳴き声の一部を切り抜き、一部はループ音源とすることで演奏を成りたせている。その関係上ムクホークスタイルと比べると原形を失うが、後述するトリトドンスタイルよりは分かりやすいのでPOKELOIDのスタイルの中では中間的存在といえる。一種類のポケモンでは音素が足りないため複数のポケモンを用いて演奏することが多い。また、どうしてもノイズが残ってしまうため、たくさんの音を重ねるとうるさくなってしまう繊細なスタイルでもある。
なぜアリアドスタイルなのかというと、『ポケモン×千の風になってシリーズ』の作者がアリアドスを動画に多用しているため。その心地よい音色から一部からは歌姫と呼ばれることも。
トリトドンスタイル(仮称)
ピッチ変更や音の切り抜きだけではなく様々なエフェクトをかけることにより、一匹のポケモンから多数の音源を作り出すことを可能としたスタイルのこと。詳しい成り立ちは『鳴き声で作曲シリーズ』を参照。
大幅に加工するため、「原型を留めていない」という指摘が多くなってしまうのは避けられないだろう。そのためポケモンは一種類のみ使い、ポケモンの個性を明確にするのが一般的である。また、アリアドスタイルではどうしても残ってしまうノイズを取り除けるため、音色はきれいになり和音を重ねやすくなる。その性質上多量の音素を含むDS以降のポケモンを得意とするが、逆に初代金銀のポケモンは音素が少なく制作が難しいとされる。
その他のPOKELOID動画
ポケモン図鑑
ポケモン図鑑のタグとしては『図鑑改訂シリーズ』が有名だが、最近のポケモン図鑑MADでは歌詞にポケモン名などを合わせる垰瀬内シリーズに近いものなど、「説明文を改訂する」という趣旨から外れ『図鑑改訂シリーズ』タグが付けられないものが増えてきた。そこで、「"ポケモン"図鑑を"VOCALOID"のように歌わせる」という意味でPOKELOIDタグが付けられることがある。もちろん、ポケモンのなきごえと競演している動画も存在する。
ポケモンの音MADとの関係
単純に「ポケモンの音MAD」として制作した場合であっても、ポケモンにとってなきごえは切っても切り離せない音素材であるため、POKELOIDタグを付けるにふさわしい場合が多い。
また、「ポケモン関連のキャラクターを人力VOCALOIDとして扱っていればそれはPOKELOIDではないか」という意見もあるため、ゲームのなきごえが使われていないポケモン音MADでも問題なく採用されることもある。
←左:アニメ(スマブラ)のピカチュウの鳴き声を使用/右:エメラルドのシンガーソングおやじの声を使用→
関連項目