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300台限定の「シビックMUGEN RR」。メーカー直系が徹底的に作りこんだ、まさに“本物” | クルマ情報サイトーGAZOO.com

300だい限定げんていの「シビックMUGEN RR」。メーカー直系ちょっけい徹底的てっていてきつくりこんだ、まさに“本物ほんもの

  • シビックMUGEN RR

    シビックMUGEN RR

かつてF1にもエンジンを供給きょうきゅうしていた「無限むげん」は、ホンダ創業そうぎょうした本田ほんだそう一郎いちろう子息しそくである本田ほんだ博俊ひろとしこした会社かいしゃである(現在げんざいは「株式会社かぶしきがいしゃ無限むげん」がブランドを保有ほゆう事業じぎょうになうのはM-TECしゃ)。
そんな関係かんけいもありホンダしゃせんもんあつかってモータースポーツ活動かつどうやスポーツパーツの開発かいはつ販売はんばいをおこなっているのだが、いっぽうでかれらの仕事しごとのひとつが「ホンダ本体ほんたいではできないことを実現じつげんする」であることもまた事実じじつだろう。

自動車じどうしゃメーカーとしてのホンダは、いうまでもなくだい企業きぎょうである。だから小回こまわりをかせる必要ひつようもとめられる事業じぎょう得意とくいではないし、おく製品せいひんにグレーゾーンはゆるされない。具体ぐたいてきえば、かつて「改造かいぞう」がご法度はっととされていた時代じだい自動車じどうしゃメーカーがチューニングパーツを販売はんばいするのはむずかしかった。
また、車両しゃりょうはあくまでも大量たいりょう生産せいさん前提ぜんていなので販売はんばいする車両しゃりょうたか生産せいさんせい前提ぜんていとなるほか、あまりにも少数しょうすうのターゲットそうけてめたものもやりにくい。

そこで活躍かつやくするのが、小規模しょうきぼ小回こまわりをかせてうごきやすく、めた商品しょうひんだってあつかえるたか自由じゆうった組織そしきだ。ホンダにとっての無限むげんがそれなのだ。無限むげんがホンダしゃようのスポーツパーツを手掛てがけていたのには、そんな背景はいけいがある。

「ホンダ本体ほんたいではできないことを実現じつげんする」というのは、スポーツパーツにまらない。めた市販しはんしゃ開発かいはつ製造せいぞう、そして販売はんばい無限むげん仕事しごとのひとつである。その代表だいひょうといえるのが2007ねんがつ発売はつばいした「シビックMUGEN RR(ダブルアール)」なのだ。

  • 限定300台のシビックMUGEN RR

    限定げんてい300だいのシビックMUGEN RR

無限むげんゆめのひとつであったコンプリートカーの開発かいはつ販売はんばい具現ぐげんするもの」

無限むげんはシビックMUGEN RR発表はっぴょうのプレスリリースにそう明記めいきしている。
同車どうしゃ無限むげんがはじめて市販しはんまでこぎつけた完成かんせいしゃであり、モータースポーツ活動かつどうやスポーツパーツの販売はんばいおこなってきた無限むげんにとってその発売はつばいおおきないちした瞬間しゅんかんだったのだ。

もちろん、発売はつばいされたクルマはとことんしゅはいった渾身こんしん作品さくひん。ベースとしているのはホンダ「シビック タイプR」。FDがたばれる、同車どうしゃ唯一ゆいいつのセダンボディとしているタイプである。
そこにエンジン、サスペンション、そしてエクステリアにインテリアと多岐たきにわたって無限むげんれ、1だいだい手作業てさぎょうそう。トータルで仕上しあげた「完成かんせいしゃ」としてオーナーのもとへとどけられる特別とくべつなクルマだったのだ。

ノーマルにたいして15psアップで、排気はいきりょう2.0Lの自然しぜん吸気きゅうきエンジンながら240psを発生はっせいするエンジンは、吸排気はいきけい変更へんこうのみならず専用せんようのプロフィールをつカムシャフトをわせてチューニング。
それをめるサスペンションは減衰げんすいりょく5段階だんかい調整ちょうせいしき専用せんようタイプとし、専用せんよう鍛造たんぞうホイールにブリヂストンと共同きょうどう開発かいはつした専用せんようタイヤをいてコーナリングパフォーマンスがたかめられた。

はしりの水準すいじゅんたかめるには、ブレーキも重要じゅうようだ。
強化きょうかタイプのブレーキパッドやフィーリングのダイレクトかんとコントロールせいてい膨張ぼうちょうりつのブレーキホースをむほか、ブレーキローターもより高性能こうせいのうなタイプに交換こうかんたか動力どうりょく性能せいのうやコーナリング性能せいのうわせて能力のうりょくげた。

インテリアは、RECAROと共同きょうどう開発かいはつした専用せんようセミバケットシートをフロントに採用さいよう着座ちゃくざだか公道こうどうようのノーマル (公道こうどうよう) とローポジション(サーキットよう)にえられるのも特徴とくちょうてきで、ショートストロークされたシフトレバーとあいまってスポーツドライビングのホールドせい操作そうさポジションの最適さいてき実現じつげんしている。

そしてスタイル。マイナスリフトを実現じつげんするために前後ぜんごバンパーやフロントグリル、角度かくど調整ちょうせいしきのウイングをわせた大型おおがたリヤスポイラーなどが通常つうじょうのタイプRから変更へんこうされている部分ぶぶんだが、フロントバンパーやリヤウイングは軽量けいりょうのため高価こうかなカーボンせい採用さいよう。アルミボンネットもふくめ、こだわりをかんじさせるカスタマイズとなっていた。

  • 走行するシビックMUGEN RR
  • シビックMUGEN RRのフロントフェンダー
  • シビックMUGEN RRのリアフェンダー
  • シビックMUGEN RRのリアウイング

価格かかく消費しょうひ税込ぜいこみで477まん7500えん。ベースの「シビック タイプR」が283まん5000えんだったので200まんえんじゃく上乗うわのせとなるのだが、中身なかみかんがえればげきやすえるだろう。パーツだいにカスタマイズ費用ひよう、そして開発かいはつ費用ひようかんがえれば、無限むげん十分じゅうぶん利益りえきのこしたとはとてもかんがえられない。

  • シビックMUGEN RRを製造している様子
  • シビックMUGEN RRのホワイトボディ

ノーマルでは実現じつげんできない、徹底てっていしたつくりこみがおこなわれたスペシャルなシビック タイプR。シビックMUGEN RRは、ホンダ本体ほんたいではなく無限むげんだからこそ実現じつげんできた特別とくべつなモデルなのだ。
大量たいりょう生産せいさんむずかしいことから、用意よういされたのはわずか300だいだった。しかし、オーダーをけはじめるとしばたあいだ完売かんばい数々かずかずしばりがある量産りょうさんしゃメーカーにはできない、究極きゅうきょくのタイプRを目指めざした「本物ほんもの」の価値かち理解りかいしたひとは、けっしてすくなくなかったのだ。

  • シビックMUGEN RRのエンブレム
  • 走行するシビックMUGEN RR

ぶん工藤くどう貴宏たかひろ 写真しゃしん:M-TEC)

かたがれる希少きしょうしゃたち

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