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兄からの性的虐待、後遺症に苦しむ女性が知った「ほんとうの病名と治療法」…「同じ境遇だった方が、救われてほしい」(佐藤 隼秀) | マネー現代 | 講談社
2024.07.25

あにからの性的せいてき虐待ぎゃくたい後遺症こういしょうくるしむ女性じょせいった「ほんとうの病名びょうめい治療ちりょうほう」…「おな境遇きょうぐうだったほうが、すくわれてほしい」

注意ちゅういほん記事きじには、性的せいてき虐待ぎゃくたい実体験じつたいけんふく表現ひょうげんがございます。閲覧えつらんにはご注意ちゅういください。

小林こばやしエリコさん(47)は、幼少ようしょうあにからの性的せいてき虐待ぎゃくたいけてそだった。他者たしゃ要求ようきゅうつよことわることができない性格せいかくわざわいし、中学生ちゅうがくせいになるころにはトラウマが精神せいしんてき症状しょうじょうとしてあらわれるようになってしまう。そしてそれは小林こばやしさんの生活せいかついまむしばんでいる。「あにのせいで、わたし人生じんせい滅茶苦茶めちゃくちゃになりました」としながらも、「せい被害ひがい後遺症こういしょうから回復かいふくしていく過程かていをおつたえしたかったからです」と、「現代げんだいビジネス」の取材しゅざいこたえてくれた。前編ぜんぺん恐怖きょうふしんから抵抗ていこうできず…あにからの性的せいてき虐待ぎゃくたいけた女性じょせいが「つきかい」しか風呂ふろはいらなくなった「切実せつじつ事情じじょう〉とあわせておみください。

一生いっしょうはたらけない」と絶望ぜつぼうして

あにからの性的せいてき虐待ぎゃくたいおさまってからも、中学生ちゅうがくせいじゅく講師こうしむねさわられるなどの精神せいしんてきトラウマをった小林こばやしさん。その短大たんだい卒業そつぎょうし、20さい実家じっかて、就職しゅうしょく活動かつどうはじめる。しかし当時とうじ就職しゅうしょく氷河期ひょうがきだったこともあり、就職しゅうしょくしたのはしゃ残業ざんぎょうだいなし、月給げっきゅう手取てどり12まんえんというきびしい条件じょうけん編集へんしゅうプロダクションだった。生活せいかつ困窮こんきゅうしていたが、会社かいしゃめるという選択肢せんたくしれなかった。

「いじめやせい加害かがい影響えいきょうからか、いやなことをことわれない人間にんげんになってしまいました。自分じぶん感情かんじょうをずっと無視むししてきてきたので、感覚かんかく麻痺まひしてしまったように、なに心地ここちいのか、なにがつらくて不快ふかいなのかがわからないのです。編集へんしゅうプロダクションでの仕事しごと理不尽りふじんだとおもいましたが、めるということはかんがえませんでした。しかし一方いっぽうで、しんからだ限界げんかいたっしていました」

小林こばやしエリコさん。これまでせい被害ひがい、いじめ、生活せいかつ保護ほご精神せいしん障害しょうがいってきた経験けいけん発信はっしんしている。おも著作ちょさくに『この地獄じごくきるのだ(イースト・プレス)』、『わたしはなにわるくない(晶文社しょうぶんしゃ)』がある/筆者ひっしゃ撮影さつえい
 

精神せいしん疾患しっかんによる後遺症こういしょうくわえ、経済けいざいてき苦難くなんでやりれない気持きもちになった小林こばやしさんは、就職しゅうしょくから半年はんとし自殺じさつ未遂みすいはかった。そのまま精神病せいしんびょうとうに1ヵ月かげつはん入院にゅういんし、退職たいしょく余儀よぎなくされ、医師いしからはすうねん単位たんいでの休養きゅうようをすすめられた。

その実家じっかもどった小林こばやしさんは、デイケアにかよいながら社会しゃかい復帰ふっき目指めざした。しかし、症状しょうじょうおもうように改善かいぜんせず、そのうちリーマンショックがおとずれたことで、小林こばやしさんは社会しゃかい復帰ふっきむずかしいと絶望ぜつぼうかんつのらせていく。

「このころは、20だいかえしをぎており、社会しゃかいとの接点せってんがないことがつらく、世間せけんからのこされていくあせりや不安ふあんおおきかった。デイケアの仲間なかま会話かいわすることで正気しょうきたもっていましたが、それも結局けっきょくごまかしごまかしなわけです。自宅じたくかえると『一生いっしょうはたらけない』と絶望ぜつぼうして、アルコールにおぼれ、結果けっかてき自宅じたくでも自殺じさつ未遂みすいをしてしまいました」

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