エッセイ

なめらかな人ひと

百瀬ももせ 文あや プロフィール

たとえこの地球ちきゅうに散ちり散ぢりに住すむことになったとしても家族かぞくでいられるように、わたしたちは将来しょうらいの約束やくそくをしない－ー群ぐん像ぞうの好評こうひょう連載れんさいがついに単行本たんこうぼん化か。新進しんしん気鋭きえいの美術家びじゅつかによる清冽せいれつなエッセイ。「実際じっさいのところ別べつに名前なまえ自体じたいはどうでもいいとは思おもうが、必かならずしも恋愛れんあいにもとづかない関係かんけいをときどき家族かぞくと名乗なのることができたりする社会しゃかいになったらいいのにな、とは心しんから思おもう。　けれど、わたしの中なかにある「家族かぞく」への固執こしつは、おそらくもっと身勝手みがってで、ままならない何なにかに紐ひもづいている。自分じぶんの心しんと体からだが誰だれにも支配しはいされることのない家いえを、安心あんしんして帰かえれることが約束やくそくされた家いえを、わたしはこの手てで作つくり直なおしたかったのだと思おもう」（本文ほんぶんより）目次もくじなめらかな人ひと　　　　　　　　　　　　ママと娘むすめ　　　　　　　　　　　　　　骨ほねが怖こわい　　　　　　　　　　　　　　交差点こうさてん　　　　　　　　　　　　　　　ビオランテ　　　　　　　　　　　　　カラオケ日和びより　　　ねじれたヌード　　　　　　　　　　　底意地そこいじの悪わるい　　　　　　　　　　　　ドクメンタの夜よる　　　　　　　　　　　晋すすむ吾われのスカート　　　　　　　　　　　肉にくを噛かむ　　　　　　　　　　　　バッド・ゲームの向むこう側がわ　　　　　　　見みない、見みえない、見みなくていい　　身籠みごもり　　　　　　　　　　　　　　　あの銅鑼どらが鳴なる前まえに　　　　　　　　　石いしに歯は　　　　　　　　　　　　　　　ぬいぐるみたちの沈黙ちんもく　　　　　　　　労働ろうどうと蕩尽とうじん　　　　　　　　　　　　　マイホーム　　　　　　　　　　　　　続ぞく・マイホーム　　　　　　　　　　　白しろい塀へい　　　　　　　　　　　　　　　遥はるかなるゾーニング　　　　　　　　　秘密ひみつの融点ゆうてん　　　　　　　　　　　　　砂すなのプール　　　　　　　　　　　　　あとがき