【『ラストマン』感想かんそう8話わ】福山ふくやま雅治まさはると大泉おおいずみ洋ひろし、積つみ重かさねた信頼しんらいの再さい確認かくにん By - かな 公開こうかい:2023-06-14 更新こうしん:2023-06-14 かなドラマコラムラストマン-全盲ぜんもうの捜査そうさ官かん-京本きょうもと大我だいが大泉おおいずみ洋ひろし永瀬ながせ廉れん福山ふくやま雅治まさはる Share Post LINE はてな コメント Twitterを中心ちゅうしんに注目ちゅうもくドラマの感想かんそうを独自どくじの視点してんでつづり人気にんきを博はくしている、かな(@kanadorama)さん。 2023年ねん4月がつスタートのテレビドラマ『ラストマン』(TBS系けい)の見みどころを連載れんさいしていきます。 かなさんがこれまでに書かいたコラムは、こちらから読よめます。 ある程度ていど生いきていれば、誰だれしも触ふれてほしくない傷きず、ずっと隠かくしておきたいことの一ひとつや二ふたつある。 誰だれかへの不義理ふぎりだったり、忘わすれられない恨うらみだったり、それは加害かがいかもしれない、被害ひがいかもしれない。 隠かくしておきたいことを誰だれかが無理むりに暴あばこうとするとき、咄嗟とっさに逃にげるか、激はげしく怒おこるか。 さらに、もしそれが簡単かんたんに縁えんの切きれない信頼しんらいしている誰だれかなら。 画像がぞうを見みる(全ぜん17枚まい) アメリカから交換こうかん研修けんしゅう制度せいどを利用りようして日本にっぽんにやってきたのは、全盲ぜんもうのFBI捜査そうさ官かん・皆実みなみ広見ひろみ(福山ふくやま雅治まさはる)だった。 皆みな実じつはアテンド担当たんとうの護まもる道心どうしん太朗たろう(大泉おおいずみ洋ひろし)を相棒あいぼうに、盲目もうもくながら高たかい能力のうりょくで捜査そうさ一いち課かの難事件なんじけんをいくつも解決かいけつしていく。 当初とうしょは渋しぶりながら皆みな実じつに同行どうこうしていた心太ところてん朗ろうとの間あいだにも、バディとして阿吽あうんの呼吸こきゅうが生うまれつつある矢先やさき、心太ところてん朗ろうは皆実みなみの来日らいにちの経緯けいいと自分じぶんをアテンドに指名しめいした理由りゆうを知しってしまう。 それは、心太ところてん朗ろうの実みの父親ちちおや・鎌田かまた國士くにお(津田つだ健次郎けんじろう)が起おこした41年ねん前まえの強盗ごうとう放火ほうか殺人さつじんと深ふかくかかわっていた。 犯罪はんざい者しゃの息子むすこという過去かこを頑かたくなに思おもい出だしたくない心太ところてん朗ろうは皆みな実じつに失望しつぼうし、バディの仲なかは断絶だんぜつしてしまう。 そんな中なか、皆実みなみと吾妻あづま(今田いまだ美よし桜さくら)はバスジャックの現場げんばに居合いあわせることになり、皆みな実じつは犯人はんにん・清水しみず拓海たくみ(京本きょうもと大我だいが)の銃じゅうで肩かたを撃うち抜ぬかれて重傷じゅうしょうを負おう。 バディはバラバラ、皆みな実じつは重傷じゅうしょう、犯行はんこう現場げんばのバスに乗のり合あわせたことすら知しらせるすべがない。八方塞はっぽうふさがりの中なか、バスジャック犯はんの奇妙きみょうな要求ようきゅうが明あかされる。 やはり今回こんかいは、互たがいに離はなれ、意思いし疎通そつうの手段しゅだんが限かぎられた状態じょうたいであっても、それぞれを信しんじて相手あいてのために成なすべきことを果はたすバディのありように胸むねが熱あつくなった。 血ちまみれのハンカチに書かかれたシンディーという皆実みなみだけが呼よぶ名な、銃弾じゅうだんの数かずを伝つたえられれば必かならず制圧せいあつしてくれると信しんじる心太ところてん朗ろうの奔走ほんそう。 共ともに、ある理由りゆうにすれ違ちがいがあったとしても、互たがいの能力のうりょくと犯罪はんざいに立たち向むかう真摯しんしさへの信頼しんらいは、既すでに揺ゆるがないだけの積つみ重かさねが二に人にんにはあった。 今回こんかい、ゲストとしてバスジャックの犯人はんにんを演えんじたのはアイドルグループ『SixTONES』の京本きょうもと大我だいが。 名なもない群衆ぐんしゅうから無責任むせきにんに投なげつけられた悪意あくいで、仕事しごとも家族かぞくも失うしなった青年せいねんの絶望ぜつぼうと狂気きょうきを哀かなしく演えんじきった。 今いま作さく、ラストマンは3話わの俳優はいゆう殺人さつじんでは不倫ふりんのイメージダウンより正当せいとう防衛ぼうえいの殺人さつじんを選えらぶ展開てんかい、5話わのインフルエンサー殺人さつじん事件じけんでは『SNSで力ちからを得えるために同どう業者ぎょうしゃを排除はいじょする』等とう、SNSや世論せろんの評価ひょうかと、刑事けいじ事件じけんとしての重大じゅうだいさのズレやねじれを問とうエピソードが多おおく扱あつかわれている。 今回こんかいは、同姓どうせい同名どうめいというだけでネットのデマで生活せいかつ全すべてを破壊はかいされた青年せいねんの復讐ふくしゅう劇げきである。 しかしいざ真実しんじつの箱はこを開あけてみたとき、特定とくていの犯人はんにんは存在そんざいせず、ネットで無責任むせきにんに石いしつぶてを投なげた人々ひとびとはどこまでも他人事たにんごとで、何なんともいえない空むなしい解決かいけつになった。 これらはSNSと人ひとの権利けんりの関かかわりが整備せいびされようとしている過渡かと期きとしての『いま』を捉とらえたストーリーの数々かずかずだと思おもうと興味深きょうみぶかい。 逮捕たいほの瞬間しゅんかん、手錠てじょうをかけたのは永瀬ながせ廉れん演えんじる護まもる道泉どうせん。犯人はんにんとして手錠てじょうをかけられたのは京本きょうもと大我だいが。 二人ふたりともアイドルとしての存在そんざい感かんと、有望ゆうぼうな若手わかて俳優はいゆうとしての顔かおを持もつ。 『正ただしさや善ぜん』を体現たいげんする刑事けいじが、『虚実きょじつの狭間はざまで大衆たいしゅうの無責任むせきにんな言葉ことばに晒さらされ傷きずつく存在そんざい』として犯人はんにんを捕とらえるそのシーンは、ともにアイドルとしての側面そくめんを持もつだけに、鋭するどく胸むねをつかれる瞬間しゅんかんだった。 バスジャックの解決かいけつ後ご、帰国きこくする予定よていを目前もくぜんに、皆実みなみは再ふたたび心太ところてん朗ろうに41年ねん前まえの事件じけんを共ともに追おってほしいと説得せっとくする。 皆実みなみの元もと妻つま・デボラ(木村きむら多た江え)の話はなしから、皆実みなみが心太ところてん朗ろうを求もとめたのは利用りようしたいからではなく、同おなじ過酷かこくな事件じけんのサバイバー、同志どうしとして求もとめたのだと知しった心こころ太朗たろうは過去かこに向むきあう決意けついを固かためる。 「結果けっか、知しらなければよかった現実げんじつを突つきつけられるだけかもしれませんよ。皆実みなみさんにとっても」 噛かみしめるように確たしかめる心太ところてん朗ろうの言葉ことばに思おもう。 父ちちが心底しんそこ憎にくくて過去かこを封ふうじたのではない、もしも父ちちが悪人あくにんではないと微かすかな希望きぼうを手てにしたとして、その希望きぼうがもう一度いちど砕くだかれるのが怖こわかったのかもしれないと。 だが、どんな事実じじつにも私わたしたちは揺ゆらがないという皆実みなみの言葉ことばが力強ちからづよく響ひびいた。 それは、誰だれかが隠かくしているものだ。誰だれかが隠かくしたいことは、返かえせば他たの当事とうじ者しゃにとって暴あばく価値かちのあるものだということだ。深ふかく隠かくされているなら深ふかいほどに。 二人ふたりが開ひらく重おもい扉とびらの向むこうには何なにが待まっているだろうか。 この記事きじの画像がぞう(全ぜん17枚まい) ドラマコラムの一覧いちらんはこちら [文ぶん・構成こうせい/grape編集へんしゅう部ぶ] かな Twitterを中心ちゅうしんに注目ちゅうもくドラマの感想かんそうを独自どくじの視点してんでつづり人気にんきを博はくしている。 ⇒ かなさんのコラムはこちら 森口もりぐち博子ひろこ、タクシーに乗のって行いき先さきを告つげたら運転うんてん手しゅが…?タクシー運転うんてん手しゅの対応たいおうに反響はんきょうが上あがりました。タクシーに乗車じょうしゃして、目的もくてき地ちを告つげると…? GACKT「キミは誰だれかから嫌きらわれてない」 続つづく言葉ことばに「腑ふに落おちた」「心しんが軽かるくなった」の声こえGACKTさんが、心しんのバランスを崩くずしそうな人ひとへ送おくった言葉ことばは?ネット上じょうで反響はんきょうが上あがっています。 Share Post LINE はてな コメント
Twitterを中心 に注目 ドラマの感想 を独自 の視点 でつづり人気 を博 している、かな(@kanadorama)さん。
2023年 4月 スタートのテレビドラマ『ラストマン』(TBS系 )の見 どころを連載 していきます。
かなさんがこれまでに書 いたコラムは、こちらから読 めます。
ある程度 生 きていれば、誰 しも触 れてほしくない傷 、ずっと隠 しておきたいことの一 つや二 つある。
さらに、もしそれが簡単 に縁 の切 れない信頼 している誰 かなら。
アメリカから交換 研修 制度 を利用 して日本 にやってきたのは、全盲 のFBI捜査 官 ・皆実 広見 (福山 雅治 )だった。
それは、心太 朗 の実 の父親 ・鎌田 國士 (津田 健次郎 )が起 こした41年 前 の強盗 放火 殺人 と深 くかかわっていた。
そんな中 、皆実 と吾妻 (今田 美 桜 )はバスジャックの現場 に居合 わせることになり、皆 実 は犯人 ・清水 拓海 (京本 大我 )の銃 で肩 を撃 ち抜 かれて重傷 を負 う。
バディはバラバラ、皆 実 は重傷 、犯行 現場 のバスに乗 り合 わせたことすら知 らせるすべがない。八方塞 がりの中 、バスジャック犯 の奇妙 な要求 が明 かされる。
やはり今回 は、互 いに離 れ、意思 疎通 の手段 が限 られた状態 であっても、それぞれを信 じて相手 のために成 すべきことを果 たすバディのありように胸 が熱 くなった。
しかしいざ真実 の箱 を開 けてみたとき、特定 の犯人 は存在 せず、ネットで無責任 に石 つぶてを投 げた人々 はどこまでも他人事 で、何 ともいえない空 しい解決 になった。
これらはSNSと人 の権利 の関 わりが整備 されようとしている過渡 期 としての『いま』を捉 えたストーリーの数々 だと思 うと興味深 い。
『正 しさや善 』を体現 する刑事 が、『虚実 の狭間 で大衆 の無責任 な言葉 に晒 され傷 つく存在 』として犯人 を捕 らえるそのシーンは、ともにアイドルとしての側面 を持 つだけに、鋭 く胸 をつかれる瞬間 だった。
バスジャックの解決 後 、帰国 する予定 を目前 に、皆実 は再 び心太 朗 に41年 前 の事件 を共 に追 ってほしいと説得 する。
「結果 、知 らなければよかった現実 を突 きつけられるだけかもしれませんよ。皆実 さんにとっても」
だが、どんな事実 にも私 たちは揺 らがないという皆実 の言葉 が力強 く響 いた。
それは、誰 かが隠 しているものだ。誰 かが隠 したいことは、返 せば他 の当事 者 にとって暴 く価値 のあるものだということだ。深 く隠 されているなら深 いほどに。
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