今いま号ごう巻頭かんとうは、古川ふるかわ日出男ひでおさん「うつほ物語ものがたり」１９０枚まいc。須磨すまの寓居ぐうきょから「古川ふるかわマジック」が美うつくしく炸裂さくれつし、私わたしたちは時空じくうをゆらぎ物語ものがたりの起源きげんまで運はこばれることでしょう。「うつほ」のつぎの作品さくひんが「うつせみ」、というのは偶然ぐうぜんなのですが、偶然ぐうぜんとは思おもえませんでした。紗倉さくらまなさんの中篇ちゅうへん「うつせみ」を一挙いっきょ掲載けいさいします。整形せいけいを繰くり返かえす祖母そぼとグラビアアイドルの孫まご。姿すがた形がたと存在そんざいのはざま。

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古川ふるかわ日出男ひでおさん「うつほ物語ものがたり」

須磨すまの寓居ぐうきょにうつほの首巻しゅかん「俊しゅん蔭かげ」のみ運はこび入いれた光ひかる君きみは、筆ふでを通とおして七なな絃の琴きんの一族いちぞくの歴史れきしを絵えに描えがきはじめる——。時じ空間くうかんが超ちょう凝縮ぎょうしゅくされたとき、私わたしたちはそこに物語ものがたりの起源きげんを見みる。

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紗倉さくらまなさん「うつせみ」

整形せいけいを繰くり返かえすばあちゃんが目指めざすのは、どんな顔かおなんだろう。河川かせんに囲かこまれた街まちで、辰子たつこは鏡かがみに映うつした自分じぶんを見みつめる。

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月つきぬ走はしいや、馬うまぬ走はしい」で群像ぐんぞう新人しんじん文学ぶんがく賞しょうを受賞じゅしょうした、豊永とよなが浩平こうへいさんの小しょう特集とくしゅうを組くみました。本誌ほんし連載れんさい陣じんの武田たけだ砂鉄さてつさんをき手きてにしたインタビュー「歴史れきしからたぐり寄よせる「言葉ことばと響ひびき」」。倉本くらもとさおりさんに鋭するどく解読かいどくしていただいた書評しょひょう「生せいを掘削くっさくしていく語かたり」。豊永とよながさんによる受賞じゅしょう作さくに対たいしてのエッセイ「ぼく（ら）の亡霊ぼうれいたち」の３本立ほんだて。単行本たんこうぼんとあわせてお読よみいただき、若わかき才能さいのうのデビューに立たち会あっていただけたらうれしいです。

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豊永とよなが浩平こうへいさん、き手きて：武田たけだ砂鉄さてつさん「歴史れきしからたぐり寄よせる「言葉ことばと響ひびき」」

群像ぐんぞう新人しんじん文学ぶんがく賞しょう受賞じゅしょう作さく『月つきぬ走はしいや、馬うまぬ走はしい』はいかにして生うまれたのか。歴史れきしといまを接続せつぞくし言葉ことばを紡つむぐ、壮大そうだいな試こころみの出発しゅっぱつ点てん。

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倉本くらもとさおりさん「生せいを掘削くっさくしていく語かたり」

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豊永とよなが浩平こうへいさん　本ほんの名刺めいし「ぼく（ら）の亡霊ぼうれいたち」

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創作そうさくは充実じゅうじつの４作さく。くどうれいんさん「残のこること」、高橋たかはし源一郎げんいちろうさんの連作れんさく「オオカミの」、長野ながのまゆみさん「晴はれ、時々ときどきレモン雨う」にくわえて、翻訳ほんやくがひとつ。「日常にちじょう生活せいかつに潜ひそむ息苦いきぐるしさを絶妙ぜつみょうな比喩ひゆと繊細せんさいなタッチで浮うき上あがらせ、多おおくの読者どくしゃの共感きょうかんを得えてきた」（訳者やくしゃ解説かいせつより）中国ちゅうごくの作家さっか・張ちょう天たかし翼つばささん「春はるの塩しお」は、中国ちゅうごくの読書どくしょサイト「豆まめ瓣べん」で２０２２年ねん国内こくないフィクション第だい１位いとなった『如雪如山』からの一いち篇へんです。訳者やくしゃである濱田はまだ麻矢まやさんの解説かいせつとともに。

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くどうれいんさん「残のこること」

タケトに作つくるはずだったミートソーススパゲティの材料ざいりょうが、いまだに冷蔵庫れいぞうこにあるのが嫌いやで、春巻はるまきの皮かわでラザニアを作つくっている。

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高橋たかはし源一郎げんいちろうさん「オオカミの」

ろしあというクニの「ホン」を「チョウセイ」するために、わたしは「ナカのヒト」を知しる準備じゅんびをする。

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 張ちょう天たかし翼つばささん、濱田はまだ麻矢まやさん訳やく・解説かいせつ「春はるの塩しお」 

わたしはすなわち彼女かのじょだから――。妊娠にんしん・出産しゅっさんをする彼女かのじょを、わたしは小ちいさく見守みまもっている。「普通ふつう」という言葉ことばに押おし込こめるにはあまりにも苦くるしく、孤独こどくな経験けいけん。中国ちゅうごく最大さいだいの読書どくしょサイト「豆まめ瓣べん」で、国内こくないフィクション第だい一いち位いに選えらばれた『如雪如山』からの一いち篇へん。

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長野ながのまゆみさん「晴はれ、時々ときどきレモン雨う」 

クラフト作家さっかである真帆まほさんの工房こうぼうを訪たずねたぼくは、母ははが父ちちではない人ひとの骨ほねをメモリアルグラスにしようとしていたことを知しる。

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QuizKnockの一員いちいんとして活躍かつやくする一方いっぽうで哲学てつがくの研究けんきゅう者しゃの顔かおを持もつ田村たむら正ただし資しさんの「クイズが人生じんせいと交錯こうさくするとき―江藤えとう淳あつし、スラムドッグと「君きみのクイズ」」。文芸ぶんげい誌しで初はじめての批評ひひょうとなります。ニューヨーク・タイムズなどで紹介しょうかいされ話題わだいになっている金井かない美恵子みえこさんの『軽かるいめまい』。ケイト・ザンブレノさんによる解説かいせつエッセイを、西山にしやま敦子あつこさんの訳わけで特別とくべつ掲載けいさいします。今いま号ごうの「論点ろんてん」は、在米ざいべいジャーナリストのシェリーめぐみさんによる「私わたしたちは疲つかれ果はてている―親おやパレスチナ運動うんどうと大統領だいとうりょう選せんの行方ゆくえ」。前回ぜんかいのアメリカ大統領だいとうりょう選せんのときにも寄稿きこういただいたシェリーさんに、今いま号ごうと選挙せんきょ直後ちょくごの１月がつ号ごうで現地げんちリポートをお願ねがいします。

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田村たむら正ただし資しさん「クイズが人生じんせいと交錯こうさくするとき――江藤えとう淳あつし、スラムドッグと「君きみのクイズ」」

頭あたまを悩なやませ導みちびき出だした答こたえに、「ピンポン」と正解せいかいのブザーが鳴なる。ゲームの勝かち負まけを超こえて、人生じんせいを巻まき込こむエンターテインメントである「クイズ」に秘ひめられた、不遜ふそんな二に面めん性せいとは。

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ケイト・ザンブレノさん、西山にしやま敦子あつこさん訳やく「金井かない美恵子みえこ『軽かるいめまい』英語えいご版ばん・巻末かんまつエッセイ」

『軽かるいめまい』英語えいご版ばんはニューヨーク・タイムズやアトランティックで紹介しょうかいされるなど話題わだいになっている。『ヒロインズ』の著者ちょしゃによる解説かいせつエッセイを特別とくべつ掲載けいさいする。

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シェリーめぐみさん「私わたしたちは疲つかれ果はてている――親おやパレスチナ運動うんどうと大統領だいとうりょう選せんの行方ゆくえ」

ガザでの停戦ていせんを求もとめて、若者わかものたちが声こえを上あげた。大統領だいとうりょう選挙せんきょが迫せまるアメリカで、いま何なにが起おきているのか。

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本誌ほんし連載れんさいを単行たんこう本ほん化かした奈倉なくら有里ありさん『文化ぶんかの脱走だっそう兵へい』の刊行かんこうを記念きねんして、川上かわかみ弘美ひろみさんに書評しょひょう「人間にんげん」をいただきました。「本ほんの名刺めいし」は、岸本きしもと佐知子さちこさん『わからない』。岩川いわかわありささん「養生ようじょうする言葉ことば」、竹田たけだダニエルさん「世界せかいと私わたしのA to Z」（近々ちかぢか装よそおいを新あらたに連載れんさい開始かいし予定よてい）、三木みき那由なゆ他たさん「言葉ことばの展望てんぼう台だい」が最終さいしゅう回かいを迎むかえています。それぞれ単行たんこう本ほん化かを楽たのしみにお待まちください。野口のぐち武彦たけひこさんが逝去せいきょされました。吉村よしむら千せん彰あきらさんに追悼ついとう文ぶんをお願ねがいしました。謹つつしんでお悔くやみを申もうし上あげます。

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川上かわかみ弘美ひろみさん「人間にんげん」

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岸本きしもと佐知子さちこさん「本ほんの名刺めいし」／『わからない』

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岩川いわかわありささん「養生ようじょうする言葉ことば」

わたしはいつも死しにたかった。約やく一いち年ねん半はん前まえ、この連載れんさいの原点げんてんとなる文章ぶんしょうはそう始はじまった。自分じぶん自身じしんに手当てあてをし耳みみを傾かたむける。他者たしゃとの境界きょうかいに気きがつき、対話たいわのなかであなたに出会であう。惑まどいながら、あなたは恢復かいふくの過程かていにある。

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竹田たけだダニエルさん「世界せかいと私わたしの A to Z」

アメリカのＺ世代せだいの生いき方かたや価値かち観かんから、絶望ぜつぼうと未来みらいが見みえる。地続じつづきの私わたしたちはこれからも考かんがえ続つづける。

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三木みき那由なゆ他たさん「言葉ことばの展望てんぼう台だい」

私わたしとあなたは社会しゃかいを背負せおって向むき合あいながらコミュニケーションを続つづけている。新あたらしい関係かんけいが生うまれる可能かのう性せいを信しんじて。

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吉村よしむら千せん彰あきらさん「三さん十じゅう七なな年ねん後ごの「逝ゆく花はな」」

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