大須賀めぐみとは?常に血が飛ぶ、バイオレンスな作風が特徴!
漫画家を志望して投稿漫画を描いていたという彼女は、当初は少女漫画誌に漫画を投稿していたそうです。
しかしバイオレンスな描写が多く、恋愛要素の少ない作風だったため、少女漫画誌から少年誌へ投稿先を変更し、2002年に『トンパチ』という作品でデビューしました。活動を続けるうち、2007年から初の連載『魔王 JUVENILE REMIX』を手けることになります。
その後は『魔王 JUVENILE RIMIX』のスピンオフ作品である『Waltz』、ゲームをテーマにした『VANILLA FICTION』など多彩な作品を生み出し人気を集めています。
大須賀めぐみの代表作 !魔王は果たして誰なのか?『魔王 1―JUVENILE REMIX』
伊坂幸太郎が手掛けた小説『魔王』を、少年漫画としてアレンジした本作は、彼女の初連載作品にして、代表作の1つです。
原作小説同様に2部構成となっていますが、主人公・安藤は高校生に年齢が下げられ、さらに伊坂の人気作である『グラスホッパー』の世界観を絡めながら物語は進行していきます。
- 著者
- ["大須賀 めぐみ", "伊坂 幸太郎"]
- 出版日
1度考え出すと周囲の声も耳に入らないほど集中してしまうクセのある安藤は、その変なクセや「自分の思っていることを他人に話させる超能力・腹話術」があるなどと周りに吹聴したことから「変な子」として仲間外れにされてしまいました。
そんな幼少期の苦い思い出から、当たり障りなく「人に合せて生きること」が幸せだと考えるようになった安藤が、街の自警団「グラスホッパー」と遭遇するところから、物語は急速に進んでいきます。
もう1人のメインキャラクターである、グラスホッパーのリーダー・犬養舜二(いぬかいしゅんじ)は、中性的な顔立ちの美丈夫で、不思議な魅力を持ち、周囲の人間を惹きつけ、「正義の使者」として称えられるカリスマ的存在です。
そんな犬養に魅せられ、グラスホッパーの信者となった人間たちの狂気や、犬養自身の残忍で冷酷な裏の顔を知ってしまい、「犬養は本当に正義の味方なのか?」と徐々に疑念を持つようになる安藤は、己の信じる正義のために、世界をめぐって犬養と対決します。
果たして犬養とはいったい何者なのでしょうか? さらに、「正義とは?」「愛とは?」 を問いながら人間の禍々しい部分にもメスを入れた重厚な物語です。圧倒的な世界観を楽しんでみてください。
世界を巻き込んだゲームの行く末は……『VANILLA FICTION』
本作は、バッドエンドの物語しか書けない売れっ子作家・佐藤忍(さとうしのぶ)を主人公に展開するダークファンタジー漫画です。
自身の小説が映画化されることになり、順風満帆な様子の佐藤。ある日、廃ビルの上から落ちてきたキーホルダーを1人の少女に届けに行ったことで、ストーリーは動き出します。
- 著者
- 大須賀 めぐみ
- 出版日
- 2012-12-12
佐藤が足を踏み入れた廃ビルの中では、2人の男が争っていました。そのうちのナイフを持った男に、佐藤は次のターゲットとして認定されてしまいます。
もちろん佐藤は武器になるようなものは持っておらず、ただ殺されるのを待つばかりと思われましたが、作家としての観察眼や洞察力、持ち前のネガティブさで相手の男の「バッドエンド」なシーンを予想することで、相手の行動を読み、なんとかピンチを切り抜けることに成功しました。
辛くも危機を脱した佐藤が助けた少女・牧野エリとの出会いが、世界を巻き込んだ壮大な「双六ゲーム」の始まりとなるのです。序盤でくり広げられる白熱した展開に、物語への期待は一気に高まります。
さらに、「双六ゲーム」の進行役だという男・太宰や、もう1人のゲームのプレイヤー・鞠山など個性豊かな登場人物たちも加わり、作品を盛り上げます。
佐藤の行く末には、いったいどのような結末が待っているのでしょうか?怒涛の展開にページを捲る手が止まりませんよ!