ルノー・R26

**ルノー R26**
	カナダGPでのR26; フェルナンド・アロンソがドライブ
カテゴリー	F1
コンストラクター	ルノー
デザイナー	ボブ・ベル; ティム・デンシャム; ディノ・トソ
先代せんだい	ルノー・R25
後継こうけい	ルノー・R27
主要しゅよう諸しょ元もと
エンジン	ルノーRS26
燃料ねんりょう	エルフ
タイヤ	ミシュラン
主要しゅよう成績せいせき
チーム	マイルドセブン・ルノーF1チーム
ドライバー	1. フェルナンド・アロンソ; 2. ジャンカルロ・フィジケラ
出走しゅっそう時期じき	2006年ねん
コンストラクターズタイトル	1（2006年ねん）
ドライバーズタイトル	1（2006年ねん）
通算つうさん獲得かくとくポイント	206
初戦しょせん	2006年ねんバーレーンGP
初はつ勝利しょうり	2006年ねんバーレーンGP
最終さいしゅう戦せん	2006年ねんブラジルGP
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ルノー・R26 (Renault R26) はルノーF1が2006年ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけんに投入とうにゅうしたフォーミュラ1カー。ボブ・ベル（テクニカルディレクター）、ティム・デンシャム（チーフデザイナー）、ディノ・トソ（チーフエアロダイナミシスト）によって設計せっけいされ、2006年ねんの開幕かいまく戦せんから最終さいしゅう戦せんまで実戦じっせん投入とうにゅうされた。

概要がいよう

R26はダブルタイトルを獲得かくとくしたルノーR25の正常せいじょう進化しんか版ばんという印象いんしょうが強つよいものとなった。エンジンは新しんレギュレーションにより、3リッターV10から2.4リッターV8に縮小しゅくしょうされた。

フロントエンドでの大おおきな変更へんこう点てんはR25に比くらべてノーズが幅広はばひろとなり、その高たかさが若干じゃっかん下さげられたこと^[1]。開幕かいまく前まえには従前じゅうぜんの細ほそいノーズもテストされたが、それがシーズン中ちゅうに実戦じっせん投入とうにゅうされることはなかった。そして、マシンの外観がいかんで目立めだつもう一ひとつの変更へんこう点てんがサイドポンツーンのエアインテーク。下方かほうに向むけて大おおきく絞しぼり込こまれるスキャロップド処理しょりが、R25よりも更さらに極端きょくたんになっている。なお、この絞しぼり込こみはエンジンの発熱はつねつ量りょうが下さがったことで可能かのうになったものであるが、冷却れいきゃくの厳きびしいトラックでは昨年さくねんまでのようなシャークルーバーを設もうけたサイドポンツーンも併あわせて使用しようされた。

リアカウルは全体ぜんたい的てきにシェイプアップされた。カウル後ご端はしに至いたってはエンジンブロックも覗のぞき見みることが難むずかしい程ほどに大おおきく絞しぼられ、R25では大おおきく膨ふくらんでいたコークボトル周辺しゅうへんのカウリングもR26ではきれいに削けずられている。また、V8エンジンへの移行いこうに伴ともなってエンジンカウルも極限きょくげんまで絞しぼられており、エンジンやギアボックスを収おさめるために大型おおがたのバルジ加工かこうが施ほどこされた。そして、リアウイングについてはメインプレーンの中央ちゅうおう部ぶが湾曲わんきょくして持もち上あげられたバージョンも使用しようされ、これは今いままでの3Dウイングのトレンドとは逆行ぎゃっこうするデザインともなった^[2]。

トランスミッションには7速そくセミオートマが採用さいようされたが、これは新あたらしいV8エンジンのトルク特性とくせいを考慮こうりょしてのことである^[3]。また、シームレスシフトの投入とうにゅうは見送みおくられ、翌年よくねんのR27で初はじめて採用さいようされることとなった。

マスダンパー

R26の速はやさの秘密ひみつとしてクローズアップされたのが慣性かんせいダンパー（マスダンパー）である。これはおもりとばねを使つかった制せい震ふるえ装置そうちで、一般いっぱんには市販しはん車しゃのサスペンションや高層こうそう建築けんちくの免めん震ふるえ構造こうぞうなどに普及ふきゅうしている^[4]。ルノーの場合ばあいはサスペンションではなく、ノーズコーン内部ないぶに垂直すいちょくにおもりを吊つり下さげ、上下じょうげにバネを挟はさんだ装置そうちを使用しようしていると推測すいそくされた^[5]。路面ろめんのバンプを乗のり越こえる際さい、車体しゃたいとおもりの上下動じょうげどうがずれることでピッチングを相殺そうさいし、車くるま高だかを維持いじしてダウンフォース発生はっせい量りょうを安定あんていさせる効果こうかがある。他たチームもマスダンパーを使用しようしていたが、ルノーはこれを最もっとも使つかいこなしていたとみられた^[4]。

2006年ねんシーズン

フェルナンド・アロンソとミハエル・シューマッハ（アメリカGP）

前年ぜんねん同様どうようシーズン開幕かいまくから好調こうちょうで、第だい2戦せんマレーシアGPでは1982年ねんフランスGP以来いらい24年ねんぶりとなるルノーの1-2フィニッシュを達成たっせい。フェルナンド・アロンソ開幕かいまく戦せんから6勝しょうも含ふくめた9戦せん連続れんぞく表彰台ひょうしょうだい獲得かくとくし、特とくに第だい6戦せんスペインGPから第だい9戦せんカナダGPまで4戦せん連続れんぞくのポール・トゥ・ウィンを果はたし、シーズン中盤ちゅうばんまでに大おおきなリードを築きずいた。

しかし、FIAはマスダンパーを違法いほうな可動かどう空そら力りょく装置そうちと判断はんだんし、第だい11戦せんフランスGP後のちに使用しよう禁止きんしを通達つうたつ。ルノーはタイヤの接地せっち面めんを最適さいてき化かする装置そうちであると反論はんろんし、国際こくさい控訴こうそ審しんに裁定さいていが委ゆだねられる事態じたいとなった。最終さいしゅう的てきには判決はんけつにより第だい14戦せんトルコGPから搭載とうさいが正式せいしきに禁止きんしされ、ルノーはラップタイムで0.3秒びょうを失うしなったとみられた^[4]。その審議しんぎ中ちゅうの間あいだとなった第だい12戦せんと第だい13戦せんでも使用しよう可能かのうであったが、制裁せいさい回避かいひのため、マシンから撤去てっきょしてレースに挑いどんだが、この影響えいきょうもあり、シューマッハに後おくれを取とった。

アロンソは第だい13戦せんハンガリーGPはタイヤ装着そうちゃくミス、第だい15戦せんイタリアGPはエンジンブローで無得点むとくてんに終おわり、フェラーリのミハエル・シューマッハにポイントで並ならばれた。しかし、シューマッハの猛追もうついを辛からくもしのぎ、7勝しょうを挙あげて2年ねん連続れんぞくのワールドチャンピオンを獲得かくとくした。

また、チームメイトのジャンカルロ・フィジケラは1勝しょう、表彰台ひょうしょうだい5回かいを含ふくめて全ぜん18戦中せんちゅう16戦せんでポイントを獲得かくとくするという安定あんていした走はしりでドライバーズランキング4位いを獲得かくとく。両りょうドライバーの活躍かつやくにより、ルノーは2年ねん連続れんぞくでダブルタイトルを獲得かくとくするという快挙かいきょを達成たっせいした。

スペック

シャーシ

冬季とうきテストでジャンカルロ・フィジケラがドライブするR26。R25と酷似こくじした細身ほそみのノーズが装着そうちゃくされている

全長ぜんちょう 4,800 mm
全幅ぜんはば 1,800 mm
全高ぜんこう 950 mm
ホイルベース 3,100 mm
前ぜんトレッド 1,450 mm
後こうトレッド 1,400 mm
重量じゅうりょう 605kg
ブレーキキャリパー AP
ブレーキディスク・パッドヒトコ
ホイール OZ
タイヤミシュラン
ギヤボックス 7速そくセミオートマチック/チタン製せいケーシング

エンジン

ルノー初はつのF1用ようV8エンジンとなったRS26

エンジン名めい RS26
気筒きとう数すう・角度かくど V型がた8気筒きとう・90度ど
排気はいき量りょう 2,400cc
エンジン重量じゅうりょう 95kg
スパークプラグチャンピオン
燃料ねんりょう・潤滑油じゅんかつゆエルフ
イグニッションマニエッティ・マレリ
インジェクションマニエッティ・マレリ

記録きろく

年とし	No.	ドライバー	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	17	18	ポイント	ランキング
年とし	No.	ドライバー	BHR	MAL	AUS	SMR	EUR	ESP	MON	GBR	CAN	USA	FRA	GER	HUN	TUR	ITA	CHN	JPN	BRA	ポイント	ランキング
2006	1	フェルナンド・アロンソ	1	2	1	2	2	1	1	1	1	5	2	5	Ret	2	Ret	2	1	2	206	1位い
2006	2	ジャンカルロ・フィジケラ	Ret	1	5	8	6	3	6	4	4	3	6	6	Ret	6	4	3	3	6	206	1位い