(Translated by https://www.hiragana.jp/)
協定世界時 - Wikipedia

協定きょうてい世界せかい

国際こくさい原子げんし由来ゆらいする原子げんしけい時刻じこく、UT1世界せかい同調どうちょうするべく調整ちょうせいされた基準きじゅん時刻じこく

協定きょうてい世界せかい(きょうていせかいじ、英語えいご: coordinated universal time[1], フランス語ふらんすご: temps universel coordonné[1][注釈ちゅうしゃく 1])とは、国際こくさい原子げんし (TAI) に由来ゆらいする原子げんしけい時刻じこくで、UT1世界せかい同調どうちょうするべく調整ちょうせいされた基準きじゅん時刻じこく[2][注釈ちゅうしゃく 2]言語げんごによって頭字かしらじことなるため、共通きょうつう略称りゃくしょうとして UTCさだめられている。

時間じかんたい色分いろわけされた世界せかい地図ちず

概要がいよう 編集へんしゅう

協定きょうてい世界せかい国際こくさい度量衡どりょうこうきょく (BIPM) が国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん基準きじゅんけい事業じぎょう (IERS) の支援しえんけて維持いじするときこくけいで、標準ひょうじゅん周波数しゅうはすうむくいとき信号しんごう発射はっしゃ基礎きそであり、国際こくさい単位たんいけい (SI) びょうもとづく国際こくさい原子げんしどう歩度ほど[注釈ちゅうしゃく 3]だが、整数せいすうびょうだけことなる。UT1 世界せかい近似きんじてき一致いっちさせるため、びょう挿入そうにゅうまたは除去じょきょするうるうびょう調整ちょうせいおこなっている[3][4]。UT1 と UTC のは、国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん基準きじゅんけい事業じぎょうのウェブサイト[5]確認かくにんできる[6][7]

世界せかい各地かくち標準時ひょうじゅんじ協定きょうてい世界せかい基準きじゅんとしている。日本にっぽん標準時ひょうじゅんじ (JST) は、協定きょうてい世界せかいより9あいだすすめた時間じかんである[8][9]

名称めいしょう 編集へんしゅう

略称りゃくしょう 編集へんしゅう

協定きょうてい世界せかい略称りゃくしょうUTC である[1]

協定きょうてい世界せかい頭字かしらじ表記ひょうきすると、英語えいごcoordinated universal time[1] で “CUT”、フランス語ふらんすごtemps universel coordonné[1] で “TUC”、イタリアtempo coordinato universale[1] で “TCU” となり、言語げんごごと表記ひょうき差異さいしょうずるため、国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう (ITU) は共通きょうつう略称りゃくしょうとして “UTC” をさだめた[10]既存きそん世界せかい (UT) の種類しゅるいは UT のあとに数字すうじしてUT0、UT1など表記ひょうきされ、“UTC” はこれらとも整合せいごうする。略称りゃくしょうからぎゃくした えい: universal time coordinated, ふつ: universel temps coordonné など、非公式ひこうしき表記ひょうき[11]一部いちぶ散見さんけんする。

同義語どうぎご 編集へんしゅう

協定きょうてい世界せかいは、歴史れきしてき理由りゆうから特定とくてい分野ぶんや同義語どうぎごとしてあつかわれるいくつかの用語ようご存在そんざいする。

GMT と Z は、航法こうほう通信つうしん分野ぶんやで UTC と同義語どうぎごとしてみとめられる[12][13]子午線しごせんを1あいだごとの時刻じこく英字えいじいち文字もじ対応たいおうさせて東経とうけい正数せいすう西経せいけい負数ふすう表記ひょうきすると、15=A、30=B、45=C、60=D、75=E、90=F、105=G、120=H、135=I、150=K、165=L、180=M、-15=N、-30=O、-45=P、-60=Q、-75=R、-90=S、-105=T、-120=U、-135=V、-150=W、-165=X、-180=Y、0=Z となる[14]本初ほんしょ子午線しごせん中心ちゅうしんとする時間じかんたいは(Z) であらわされ、通信つうしん通話つうわひょう文字もじ Z に使用しようするかたりZulu であることから[15]「UTC」を「Zどき」や “Zulu time” とあらわすことがある。

時刻じこく最大さいだい精度せいど整数せいすうびょうあつか場合ばあいはGMTと世界せかい (UT) はUTC の意味いみ使用しようされ、GMTはUTCまたはUTに置換ちかんしてあらわ[16][17]

国際こくさい原子げんしとの関係かんけい 編集へんしゅう

国際こくさい原子げんしは、1970ねん国際こくさい度量衡どりょうこう委員いいんかい (CIPM) が定義ていぎした時刻じこくけいである。「国際こくさい単位たんいけいにおける時間じかん単位たんいであるびょう定義ていぎしたがい、いくつかの機関きかん運転うんてんされている原子げんし時計とけい指示しじもとづき国際こくさいほう時局じきょく (BIH) がさだめる基準きじゅんとなる時刻じこく座標ざひょう」と定義ていぎされている[18]1988ねんからは、それまでの国際こくさいほう時局じきょくわり国際こくさい度量衡どりょうこうきょく1972ねん以降いこう協定きょうてい世界せかい国際こくさい原子げんし完全かんぜん同調どうちょうする歩度ほど整数せいすうびょう維持いじするように管理かんりしている[19][20][12][13]

国際こくさい原子げんし起点きてんは、世界せかい UT2 の1958ねん1がつ1にち00ふん0びょうである[注釈ちゅうしゃく 4][21]各国かっこくごとげんしめせ時間じかんかんする国立こくりつ研究所けんきゅうじょなどが実施じっしし、原子げんし時計とけいデータを国際こくさい度量衡どりょうこうきょく送信そうしんして国際こくさいてき時刻じこく目盛めもり算出さんしゅつ参加さんかしている[2]

世界せかいおよび調整ちょうせい 編集へんしゅう

UT1 世界せかい各国かっこく天文台てんもんだい地球ちきゅう自転じてん観測かんそくデータをもとに国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん基準きじゅんけい事業じぎょうさだ[22][23]地球ちきゅう自転じてん周期しゅうきはおよそ10ねん周期しゅうき長短ちょうたんミリびょう単位たんい不規則ふきそくさで変動へんどうしているが、協定きょうてい世界せかい1972ねん以降いこう国際こくさい原子げんし整数せいすうびょう維持いじしつつ UT1 世界せかい近似きんじてき一致いっち保証ほしょうするため、びょう挿入そうにゅうまたは除去じょきょするうるうびょう調整ちょうせい導入どうにゅう[12][13][4]偏差へんさ0.9びょう[注釈ちゅうしゃく 5]以内いない[24][4]おさめるべく、国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん観測かんそく事業じぎょう中央ちゅうおうきょくΔでるたUT1 (UT1-UTC) の予測よそくもとづきさだめている[22][23]2018ねん1がつ現在げんざい協定きょうてい世界せかい国際こくさい原子げんしから正確せいかくに37びょうだけおくれている。

きゅう協定きょうてい世界せかい調整ちょうせい 編集へんしゅう

1971ねんまで使つかわれたきゅう協定きょうてい世界せかい (UTC) は、公認こうにんされたセシウム原子げんし振動しんどうすうF0 とし、周波数しゅうはすうびょう間隔かんかく  そのオフセット「50 × n × 10−10n整数せいすう」を sさだめ、 歩度ほどをできるだけ変更へんこうせずに UT2 世界せかい近似きんじてき一致いっちるため F を1年間ねんかん固定こてい[25][26]していた。UT2 世界せかいと 0.1 びょう以上いじょうしょうじたときはつきの1にち0 (UT) に 0.1 びょうのステップ調整ちょうせい実施じっしし、オフセットおよびょう信号しんごう修正しゅうせいりょう時期じき国際こくさいほう時局じきょく (BIH)[注釈ちゅうしゃく 6]関係かんけい天文台てんもんだい協議きょうぎしてさだめていた[27][26]

標準ひょうじゅん電波でんぱ発射はっしゃされるほう信号しんごう搬送波はんそうは位相いそう同期どうき[28][26](CCIR勧告かんこく460[29])しており周波数しゅうはすう時間じかん逆数ぎゃくすうあらわされるため周波数しゅうはすうオフセットは時間じかん時刻じこくわせる手段しゅだんとなることから、周波数しゅうはすう基準きじゅんから故意こい遷移せんいさせて積算せきさんした時刻じこく信号しんごう歩度ほどを UT2 世界せかい歩度ほど近似きんじさせた[30]。UT2 世界せかいは UT1 世界せかい既知きちぶし変動へんどう補正ほせいして平滑へいかつしたものだが地球ちきゅう自転じてん角速度かくそくど不規則ふきそく変動へんどうし、歩度ほどを1年間ねんかん一定いっていにするきゅう協定きょうてい世界せかい (UTC) とのつきはつに0.1びょう単位たんいでステップ調整ちょうせいした[27][26]

歴史れきし 編集へんしゅう

きゅう協定きょうてい世界せかい 編集へんしゅう

きゅう協定きょうてい世界せかい (UTC) は標準ひょうじゅん電波でんぱほう信号しんごう同期どうきする国際こくさい協定きょうていもとづき1960ねんころから試験しけんてき運用うんようされ、1961ねん1がつ1にち制度せいど開始かいしし、1964ねん1がつ1にちから正式せいしき採用さいようされて1971ねんすえまで[31][28][32]使用しようされた。

1950年代ねんだいセシウム原子げんし時計とけい実用じつようされ、標準ひょうじゅん電波でんぱ周波数しゅうはすう原子げんし周波数しゅうはすう標準ひょうじゅん基準きじゅんとし、時刻じこく地球ちきゅう自転じてんもとづく UT2 世界せかい基準きじゅんとするほう信号しんごう発射はっしゃされていた[33]各国かっこくほう機関きかんがそれぞれ独立どくりつ発射はっしゃして相互そうご無関係むかんけい[34]だった。人工じんこう衛星えいせい国際こくさい観測かんそく興隆こうりゅうし、世界せかいのデータをせいやくするため国際こくさいてき統一とういつ方法ほうほうで UT2 の時刻じこく利用りようつよのぞまれ、1959ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくイギリス中心ちゅうしん標準ひょうじゅん電波でんぱ周波数しゅうはすうほう信号しんごう同期どうき合議ごうぎしてむくい信号しんごうは ±1 ms標準ひょうじゅん周波数しゅうはすうは ±1×10−10目標もくひょう同期どうき[31]はかった。

きゅう協定きょうてい世界せかい周波数しゅうはすうオフセットとステップ調整ちょうせい[35][36]
年月日ねんがっぴ オフセット (×10−10) ステップ調整ちょうせい (s)
1960 −150 なし
1961-01-01 −150 なし
1961-08-01 −150 +0.050
1962-01-01 −130 なし
1963-01-01 −130 なし
1963-11-01 −130 −0.100
1964-01-01 −150 なし
1964-04-01 −150 −0.100
1964-09-01 −150 −0.100
1965-01-01 −150 −0.100
1965-03-01 −150 −0.100
1965-07-01 −150 −0.100
1965-09-01 −150 −0.100
1966-01-01 −300 なし
1967-01-01 −300 なし
1968-01-01 −300 なし
1968-02-01 −300 +0.100
1969-01-01 −300 なし
1970-01-01 −300 なし
1971-01-01 −300 なし

1960ねん国際こくさい電波でんぱ科学かがく連合れんごう (URSI) だい13かい総会そうかいや1961ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) だい11かい総会そうかいむくい信号しんごう国際こくさい同期どうきかんする問題もんだい討議とうぎされ具体ぐたいされ、セシウム原子げんし振動しんどう標準ひょうじゅん周波数しゅうはすう (9192631770 Hz) が公認こうにん[37][38]される。

天測てんそく航法こうほう測地そくち人工じんこう衛星えいせい観測かんそくなどは地球ちきゅう自転じてんもとづく世界せかいようするが、物理ぶつりがくなどは時間じかん単位たんいだけが必要ひつよう世界せかい適当てきとうであることから、標準ひょうじゅん電波でんぱ周波数しゅうはすう原子げんしもとづき、時刻じこく世界せかいもとづくものになり、公認こうにんされたセシウム原子げんし振動しんどうすうF0 とすると、周波数しゅうはすうびょう間隔かんかく 決定けっていF は1年間ねんかん固定こていする。 sオフセットで1960ねん−150×10^−10 だった。ほん方式ほうしき標準ひょうじゅん時計とけい歩度ほどが1年間ねんかん固定こていされ、地球ちきゅう自転じてん角速度かくそくど不規則ふきそく変動へんどうし、ほうされる時刻じこく世界せかいしょうじるため世界せかいとのつきはつ50 ms [注釈ちゅうしゃく 7]単位たんいでステップ調整ちょうせいした。周波数しゅうはすうオフセットは国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう毎年まいとし決定けっていすることが採択さいたくされた[39][38]

ほんほう方式ほうしきは1960ねんごろからアメリカとイギリスが試験しけんてき開始かいしし、日本にっぽんフランススイスカナダなどすうヶ国かこく国際こくさい無線むせん通信つうしん諮問しもん委員いいんかい (CCIR)国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうによる正式せいしき採択さいたくたず順次じゅんじ実施じっし[28]した。日本にっぽん郵政省ゆうせいしょう電波でんぱ研究所けんきゅうじょ (RRL)JJYで1961ねん9がつから実施じっし[40][41]している。

1963ねん国際こくさい無線むせん通信つうしん諮問しもん委員いいんかいだい10かい総会そうかい議決ぎけつ[33]1964ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい12かい総会そうかいで、ほう世界せかい近似きんじするよう1年間ねんかん一定いってい周波数しゅうはすうオフセット(50 × n × 10−10、n は整数せいすう)とし、世界せかいと 0.1 びょう以上いじょうしょうじたときはつきの1にち0UTに 0.1 びょうのステップ調整ちょうせい実施じっしし、オフセットおよびょう信号しんごう修正しゅうせいりょう時期じき国際こくさいほう時局じきょく (BIH)関係かんけい天文台てんもんだい協議きょうぎうえ決定けっていしてむくい信号しんごう国際こくさいてき同期どうきする、きゅう協定きょうてい世界せかい (UTC) 方式ほうしきが、おおくのくに勧告かんこく実施じっし設備せつび研究けんきゅうようするため議論ぎろんすえ[41]勧告かんこく[27][26]された。

原子げんし周波数しゅうはすう標準ひょうじゅん保有ほゆうしない国々くにぐに協定きょうてい世界せかい不可能ふかのうで、西にしドイツ独特どくとく形式けいしきでのほう継続けいぞくし、ソビエト連邦れんぽうはステップ調整ちょうせいを 0.05 びょうはば実施じっしするなど、きゅう協定きょうてい世界せかい (UTC) のほう方式ほうしき国際こくさいてき同一どういつ歩調ほちょうではなかったが、1967ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい13かい総会そうかい方式ほうしき変更へんこう要求ようきゅう意見いけんられるも、利用りようしゃがようやく習熟しゅうじゅくしつつあり、ソビエト代表だいひょうが 0.1 びょうのステップ調整ちょうせいならば同調どうちょう可能かのう言明げんめいし、継続けいぞくまる[42][43]

協定きょうてい世界せかい改善かいぜん 編集へんしゅう

1967ねん - 1968ねんだい13かい国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかい (CGPM) でセシウム原子げんし周波数しゅうはすう標準ひょうじゅんもとづくSIびょう定義ていぎ採択さいたくされ[44]物理ぶつりがく計測けいそく関係かんけいしゃ中心ちゅうしんきゅう協定きょうてい世界せかい周波数しゅうはすうオフセット廃止はいし意見いけん増加ぞうか[30]する。

きゅう協定きょうてい世界せかい運用うんよう煩雑はんざつで1びょうきざみも一様いちようでないなどの不都合ふつごうから、1970ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい14かい総会そうかいきゅう協定きょうてい世界せかい大幅おおはば改善かいぜんさく決議けつぎされて周波数しゅうはすうオフセットの廃止はいしうるうびょう導入どうにゅう協定きょうてい世界せかい国際こくさい原子げんしとの (TAI-UTC) を整数せいすうびょうとすること、すくなくとも 0.1 びょう精度せいどで UT1 世界せかいもとめることができる情報じょうほうとして DUT1(UTCとUT1の) を標準ひょうじゅん電波でんぱほう信号しんごうふくめることなどが勧告かんこくされる[12][13]

1971ねん国際こくさい無線むせん通信つうしん諮問しもん委員いいんかいちゅうあいだ会議かいぎで、細部さいぶ具体ぐたいさくふく現行げんこう協定きょうてい世界せかい決定けっていされ、TAI-UTC を整数せいすうにする特別とくべつ調整ちょうせいふくめて1972ねん1がつ1にち00ふん0びょうUTC(1972ねん1がつ1にち00ふん10びょう (TAI))から実施じっしされた。うるうびょう調整ちょうせいは1がつ1にちまたは7がつ1にちで、協定きょうてい世界せかいは UT1 世界せかいが 0.7 びょうえぬように国際こくさいほう時局じきょく調整ちょうせい管理かんりされ、以後いご世界せかい (UT0, UT1, UT2)、こよみひょう (ET)、国際こくさい原子げんし協定きょうてい世界せかい仲介ちゅうかいしてむすばれる[45]

きゅう協定きょうてい世界せかいのステップ調整ちょうせいは UT2 基準きじゅんだがうるうびょう調整ちょうせいは UT1 基準きじゅんである。これは UT1 が地球ちきゅう自転じてん角度かくどそのものをしめし UT2 は平滑へいかつしたもので測地そくち天測てんそく航法こうほうには UT1 のほうがより直接的ちょくせつてき利用りようできるからである[46]

国際こくさい無線むせん通信つうしん諮問しもん委員いいんかい決議けつぎした標準ひょうじゅん電波でんぱ時刻じこく基準きじゅんは、きゅう協定きょうてい世界せかいまでは UT2 が基準きじゅんだが現行げんこう協定きょうてい世界せかい採択さいたくに UTC 基準きじゅん変更へんこう[33]された。

1973ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい15かい総会そうかい協定きょうてい世界せかい管理かんり規則きそく改訂かいてい決議けつぎされ、UT1-UTC の許容きょようを ±0.7 びょう以内いないから ±0.950 びょうへDUT1の最大さいだいを0.9びょうにとどめるために拡大かくだいする、うるうびょう実施じっし時期じき追加ついかすることが勧告かんこく[47][24]される。1974ねん3がつ国際こくさい無線むせん通信つうしん諮問しもん委員いいんかい会議かいぎ協定きょうてい世界せかい運用うんよう規則きそく(CCIR勧告かんこく460[3]げん ITU-R勧告かんこくTF.460[4])が改訂かいていされ、UTC-UT1 の絶対ぜったい許容きょよう限界げんかいを 0.9 びょう以内いないひろげること、時刻じこく調整ちょうせいうるうびょう実施じっし予定よてい従来じゅうらい協定きょうてい世界せかい6がつまつおよび12がつまつだいいち優先ゆうせん、3がつまつと9がつまつだい優先ゆうせんとしてくわえること、が1975ねん1がつ1にちから実施じっし[48]された。

協定きょうてい世界せかいもとづく標準時ひょうじゅんじ推奨すいしょう 編集へんしゅう

1973ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい15かい総会そうかいにおいて、だい4委員いいんかいこよみ)とだい31委員いいんかい)の共同きょうどう決議けつぎだい1ごう(1973ねん8がつ採択さいたく25)で、SIびょうもとづく単一たんいつ世界せかいてき協調きょうちょうされた時計とけい時間じかんのぞまれること、協定きょうてい世界せかいからSIびょうもとづく国際こくさい原子げんしることが一般いっぱんてき可能かのうであること、および、UTC標準ひょうじゅん電波でんぱ航法こうほう測量そくりょう必要ひつようとされる精度せいど平均へいきん太陽たいよう直接的ちょくせつてき提供ていきょうすることを考慮こうりょし、すべてのくに標準時ひょうじゅんじ通報つうほうのための基礎きそとして、UTC を採用さいようすることが勧告かんこくされた[24]

1975ねんだい15かい国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかいでは、「協定きょうてい世界せかい」としょうされるときけいが、きわめてひろ使用しようされ、おおくの場合ばあいほう発信はっしんきょくによって放送ほうそうされ、放送ほうそう利用りようしゃたいして同時どうじ標準ひょうじゅん周波数しゅうはすう国際こくさい原子げんしおよ近似きんじてきひとつの世界せかいまた平均へいきん太陽たいようとしてもよい)を提供ていきょうしていることを考慮こうりょし、この協定きょうてい世界せかいが、おおくのくに法定ほうてい常用じょうよう基礎きそとなっていることを確認かくにんし、この使用しよう十分じゅうぶん推奨すいしょうあたいするものであると評価ひょうかすることが決議けつぎされた[49][50]

IERSの設立せつりつ国際こくさい度量衡どりょうこうきょくへの移管いかん 編集へんしゅう

1985ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうだい19かい総会そうかいにおいて、それまで協定きょうてい世界せかい (UTC) を管理かんりしてきた国際こくさいほう時局じきょく (BIH) を廃止はいしして、国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん観測かんそく事業じぎょう(IERS、げん国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん基準きじゅんけい事業じぎょう)を1988ねん1がつから発足ほっそくさせることになる。そして、国際こくさいほう時局じきょく (BIH) が管理かんりしていた国際こくさい原子げんし (TAI) を国際こくさい度量衡どりょうこうきょく (BIPM) に移管いかんすることみとめ、しん組織そしき国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん観測かんそく事業じぎょう (IERS) の中央ちゅうおうきょく世界せかい各地かくち観測かんそくをもとに、ΔでるたUT1 (UT1-UTC) やきょく運動うんどうめ、うるうびょう決定けっていおこなうことになった[22][23]

1988ねんからは、国際こくさいほう時局じきょくおこなっていた、国際こくさい原子げんし協定きょうてい世界せかいなどの原子げんし時計とけい標準ひょうじゅん周波数しゅうはすうかんする業務ぎょうむ国際こくさい度量衡どりょうこうきょく (BIPM) が責任せきにんつことになり、国際こくさい度量衡どりょうこうきょく (BIPM) が世界せかい各国かっこく関係かんけい機関きかん管理かんりする原子げんし時計とけいのデータから、国際こくさい原子げんし協定きょうてい世界せかい決定けってい維持いじ管理かんりするようになる[19][20]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ 本来ほんらいは「調整ちょうせいされた世界せかい調整ちょうせい世界せかい)」のだが、多数たすうくに法定ほうてい常用じょうよう基礎きそられており、日本語にほんごでは意訳いやくした「協定きょうてい世界せかい」が定訳ていやくとなっている。
  2. ^ 国際こくさい原子げんし調整ちょうせいくわえてつくられた世界せかいで、国際こくさい協定きょうていもとづき人為じんいてき維持いじされている時刻じこくけいである。
  3. ^ びょう間隔かんかく
  4. ^ SIびょうは「基底きてい状態じょうたいにある2つのセシウム133原子げんしちょう微細びさいじゅんあいだ遷移せんい対応たいおうする放射ほうしゃ周期しゅうき9192631770ばいひとしい時間じかん」との定義ていぎ1967ねん国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかい議決ぎけつされた。
  5. ^ 1975ねん改訂かいてい
  6. ^ げん国際こくさい地球ちきゅう回転かいてん基準きじゅんけい事業じぎょう
  7. ^ URSI決定けってい

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ a b c d e f ITU-R 2013, p. 5.
  2. ^ a b BIPM 2014.
  3. ^ a b 電波でんぱ研究所けんきゅうじょ 1983, p. 310.
  4. ^ a b c d ITU-R 2002, p. 3.
  5. ^ IERS (2013ねん5がつ21にち). “Earth orientation data” (html) (英語えいご). IERS Data / Products. ドイツ連邦れんぽう地図ちず測地そくちちょう (Federal Agency for Cartography and Geodesy). 2014ねん1がつ5にち閲覧えつらんリンクさきのPlots
  6. ^ IERS (2013ねん5がつ21にち). “Plots: EOP 08 C04 (IAU2000) one file” (html) (英語えいご). Earth orientation data. ドイツ連邦れんぽう地図ちず測地そくちちょう (Federal Agency for Cartography and Geodesy). 2014ねん1がつ5にち閲覧えつらん2だんひだりのUT1-UTCのグラフで、1972ねん以後いご不連続ふれんぞく箇所かしょうるうびょう挿入そうにゅうである。
  7. ^ IERS (2013ねん5がつ21にち). “Plots: FINALS.DATA (IAU2000)” (html) (英語えいご). Earth orientation data. ドイツ連邦れんぽう地図ちず測地そくちちょう (Federal Agency for Cartography and Geodesy). 2014ねん1がつ5にち閲覧えつらん2だんひだりのUT1-UTCグラフであかせんかく定値ていちあおせん予測よそくである。
  8. ^ 日本にっぽん標準時ひょうじゅんじグループの業務ぎょうむ紹介しょうかい 情報じょうほう通信つうしん研究けんきゅう機構きこう、「日本にっぽん標準時ひょうじゅんじは、とうグループが生成せいせいする協定きょうてい世界せかいUTC(NICT)を9時間じかん東経とうけい135ぶん時差じさすすめた時刻じこくです。」「JST(Japan Standard Time)日本にっぽん標準時ひょうじゅんじ 上記じょうきUTC(NICT)を9あいだすすめた時刻じこくです」
  9. ^ 無線むせんきょく運用うんよう規則きそくだいひゃくよんじゅうじょう規定きていもとづく標準ひょうじゅん周波しゅうはすうきょく運用うんようかんする事項じこう”. 2020ねん3がつ9にち閲覧えつらん
  10. ^ (英語えいご) Frequently asked questions (FAQ), National Institute of Standards and Technology, (2010-02-03), http://www.nist.gov/pml/div688/utcnist.cfm#cut 2012ねん5がつ10日とおか閲覧えつらん 
  11. ^ BelleSerene (2009-05-27) (英語えいご), French time: "heure légale", http://www.ybw.com/forums/archive/index.php/t-202760.html 2012ねん5がつ10日とおか閲覧えつらん 
  12. ^ a b c d ゆみしげる 1970, p. 284.
  13. ^ a b c d IAU 1970, p. 20.
  14. ^ Seiko, https://www.seiko-watch.co.jp/support/instruction/pdf/G300.pdf#search=%27%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3+%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%27 p.18
  15. ^ ITU-R 2013, p. 18.
  16. ^ 飯島いいじま重孝しげたか「IAUだい16かい総会そうかい出席しゅっせきして」『日本にっぽん時計とけい学会がっかいだい80ごう日本にっぽん時計とけい学会がっかい東京とうきょう、1977ねん3がつ15にち、51-58ぺーじISSN 0029-0416NAID 110002777551NCID AN001957232014ねん1がつ26にち閲覧えつらん  
  17. ^ IAU (1976). XVIth General Assembly, Grenoble, France, 1976 / XVIe Assemblee Generale, Grenoble, France, 1976 (pdf). IAU General Assembly (英語えいご/フランス語ふらんすご). Paris: The International Astronomical Union. p. 27. 2014ねん1がつ17にち閲覧えつらん
  18. ^ BIPM 2006, pp. 68, 付録ふろく1.
  19. ^ a b 新美にいみ幸夫ゆきお 1997, pp. 478–479, §6.
  20. ^ a b BIPM 1987.
  21. ^ BIPM 2006, pp. 23, 65–66, §2.1.1.3、付録ふろく1.
  22. ^ a b c ざいよししゅう 1986, pp. 71–72.
  23. ^ a b c IAU 1985, pp. 3–7.
  24. ^ a b c IAU 1973, p. 20.
  25. ^ とら正久まさひさ 1965, pp. 4–5, §8.
  26. ^ a b c d e IAU 1964, pp. 16–17.
  27. ^ a b c とら正久まさひさ 1965, pp. 4–6, §8.
  28. ^ a b c とら正久まさひさ 1965, p. 5.
  29. ^ 電波でんぱ研究所けんきゅうじょ 1983, p. 309.
  30. ^ a b 安田やすだ嘉之よしゆき 1983, p. 6.
  31. ^ a b 飯島いいじま重孝しげたか 1971a, pp. 54–55, §2.
  32. ^ 新美にいみ幸夫ゆきお 1997, p. 478, §5.
  33. ^ a b c 安田やすだ嘉之よしゆき 1983, p. 5, だい1ひょう.
  34. ^ とら正久まさひさ原子げんし原子げんし時計とけい(<しょう特集とくしゅう>計測けいそく制御せいぎょ)」『日本にっぽん機械きかい学會がっかいだい72かんだい607ごう日本にっぽん機械きかい学会がっかい東京とうきょう、1969ねん8がつ5にち、1093ぺーじISSN 0021-4728NAID 110002467594NCID AN001873942014ねん2がつ2にち閲覧えつらん  
  35. ^ 飯島いいじま重孝しげたか 1971a, p. 58, ひょう1.
  36. ^ 安田やすだ嘉之よしゆき 1983, p. 6, だい2ひょう.
  37. ^ 飯島いいじま重孝しげたか 1971a, pp. 54–55, §2,§3.
  38. ^ a b IAU 1961, p. 33.
  39. ^ 宮地みやじ政司せいじIAU総会そうかいだより(6) 位置いち天文学てんもんがく関係かんけいしょ分科ぶんかかい」(PDF)『天文てんもん月報げっぽうだい55かんだい1ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう三鷹みたか、1961ねん12月、21-22ぺーじISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:33044632014ねん1がつ19にち閲覧えつらん 
  40. ^ 飯島いいじま重孝しげたか雑報ざっぽう—0.1びょうほう信号しんごう調整ちょうせい」(PDF)『天文てんもん月報げっぽうだい55かんだい1ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう三鷹みたか、1963ねん12月、8–9ぺーじISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:33044902014ねん1がつ26にち閲覧えつらん 
  41. ^ a b とら正久まさひさ 1964, p. 256.
  42. ^ とら正久まさひさ 1967, p. 43, §4.
  43. ^ IAU (1967). XIIIth General Assembly, Prague, Czechoslovakia, 1967 / XIIIe Assemblée Générale, Prague, Tchécoslovaquie, 1964 (pdf). IAU General Assembly (英語えいご/フランス語ふらんすご). Paris: The International Astronomical Union. p. 19. 2014ねん1がつ18にち閲覧えつらん
  44. ^ BIPM 2006, pp. 65–66, 付録ふろく1.
  45. ^ 飯島いいじま重孝しげたか 1971b, pp. 324–325, §4,§5.
  46. ^ 飯島いいじま重孝しげたか 1971b, p. 325, §4.
  47. ^ 飯島いいじま重孝しげたか「IAUだい15かい総会そうかい出席しゅっせきして」『日本にっぽん時計とけい学会がっかいだい68ごう日本にっぽん時計とけい学会がっかい東京とうきょう、1973ねん12月25にち、57-60ぺーじISSN 0029-0416NAID 110002777404NCID AN001957232014ねん1がつ26にち閲覧えつらん  
  48. ^ 古賀こが保喜ほきだい7かい CCDS 会議かいぎ出席しゅっせきして」『日本にっぽん時計とけい学会がっかいだい73ごう日本にっぽん時計とけい学会がっかい東京とうきょう、1975ねん3がつ30にち、60ぺーじISSN 0029-0416NAID 110002777471NCID AN001957232014ねん2がつ1にち閲覧えつらん  
  49. ^ BIPM 2006, p. 70, 付録ふろく1.
  50. ^ BIPM (1975ねん). “BIPM - Résolution 5 de la 15e CGPM” (html) (フランス語ふらんすご). BIPM - Résolutions de la 15e CGPM. BIPM. 2014ねん1がつ30にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう