(Translated by https://www.hiragana.jp/)
太陽時 - Wikipedia

太陽たいよう(たいようじ、英語えいご: solar time)とは、太陽たいよう運動うんどう地表ちひょうじょうから観測かんそくし、天球てんきゅううえもっとたか位置いちたっする、もしくは正中せいちゅう子午線しごせん通過つうか)の時刻じこく正午しょうごとするというかんがかたもとづく時刻じこくけいである。

観測かんそくてんごとに定義ていぎされる地方ちほうであり、地球ちきゅう自転じてんもとづく時刻じこくけいぞくする。

種類しゅるい 編集へんしゅう

太陽たいよう 編集へんしゅう

太陽たいよう(したいようじ、えい: apparent solar time)または太陽たいよう(しんたいようじ、えい: true solar time)とは太陽たいようもとづく太陽たいようである。明治めいじから大正たいしょうごろまで真時さんときともばれた[1][2]太陽たいよう太陽たいようがその場所ばしょでの子午線しごせんつづけて2かい通過つうかする時間じかん間隔かんかくである。太陽たいよう日時計ひどけい使つかってはかることができる。

時計とけい普及ふきゅうした現代げんだい社会しゃかいでは太陽たいようをあまり利用りようする場面ばめんはないが、日照ひでり確保かくほすることを目的もくてきとした建築けんちくぶつ規制きせい日影ひかげ規制きせい)では、太陽たいようもちいられる[3][4]

ひとし時差じさ 編集へんしゅう

太陽たいようしたじゅつ平均へいきん太陽たいようとのひとし時差じさぶ。

太陽たいようながさは2つの理由りゆうから1ねんとおして変化へんかする。だいいち地球ちきゅう軌道きどう楕円だえんであって円軌道えんきどうではないため、地球ちきゅう近日きんじつてん付近ふきんでははや遠日点えんじつてん付近ふきんではゆっくりと公転こうてんする(ケプラーの法則ほうそく参照さんしょうのこと)。だい地球ちきゅう地軸ちじくかたむいているために、太陽たいよう普通ふつう地球ちきゅう赤道あかみち真上まうえ運行うんこうせずに1ねんつうじて赤道せきどうとある角度かくどをもって運行うんこうするようにえる。すなわち黄道こうどうてん赤道せきどう一致いっちしておらず、地軸ちじくかたむきのぶんだけてん赤道せきどうからずれて交差こうさしている。このため太陽たいようてん赤道せきどうからとお時期じきにははやく、てん赤道せきどうちか時期じきにはおそ天球てんきゅうじょう運行うんこうするようにえる(太陽年たいようねん参照さんしょうのこと)。これらの理由りゆうによって、3月(26~27にち)や9月(12~13にち)の太陽たいようは6月(18~19にち)や12月(20~21にち)よりもみじかくなる。

平均へいきん太陽たいよう 編集へんしゅう

平均へいきん太陽たいよう(へいきんたいようじ、えい: mean solar time)は恒星こうせいにちしゅう運動うんどう観測かんそくもとづいて、太陽たいよう平均へいきんうように調整ちょうせいされた仮想かそうてき安定あんていした時計とけいきざ時間じかんう。平均へいきん平時へいじともばれる[5][6]平均へいきん太陽たいようながさ(LOD(Length of Day)と略称りゃくしょうされる。)は潮汐ちょうせきによる影響えいきょうのために精密せいみつには一定いっていではないが、2013ねん平均へいきんでは、86 400びょう(=24あいだ)とくらべて1~2ミリびょう程度ていどなが[7][8]詳細しょうさいは、地球ちきゅう自転じてんまたはうるうびょう参照さんしょうのこと。

太陽たいようはこの平均へいきん太陽たいようくらべてぶしによって最大さいだい22びょうみじかく、また29びょうながくなる。このようなみじかなが連続れんぞくするために1ねんつうじてると両者りょうしゃ最大さいだいやく17ふんすすみ、またやく14ふんおくれる。

平均へいきん太陽たいようをシミュレートするために歴史れきしじょう様々さまざま方法ほうほうもちいられてきた。もっと初期しょき使つかわれたのは水時計みずどけいで、紀元前きげんぜん2千年紀せんねんきなかばから紀元きげん2千年紀せんねんき初期しょきまでやく4千年紀せんねんきにまたがって利用りようされた。1千年紀せんねんき中期ちゅうきより以前いぜんには水時計みずどけいたん太陽たいようわせられていただけだったため、よるでも使つかえるというてんのぞけば日時計ひどけい指針ししんとすかげ使つかうのとくらべておおきな利点りてんはなかった。

しかしそれにもかかわらず、太陽たいよう恒星こうせいたいして黄道こうどうじょうひがしへとうごくことはこの時代じだいにもられていた。それゆえ1千年紀せんねんき中期ちゅうき以降いこうには平均へいきん太陽たいようめるために恒星こうせいにちしゅう運動うんどう使つかわれ、恒星こうせい運動うんどう時計とけい比較ひかくしてその誤差ごさ見積みつもられた。バビロニア天文学てんもんがくしゃひとし時差じさっており、その補正ほせいおこなっていた。また太陽たいようとはことなる恒星こうせい周期しゅうき、すなわち恒星こうせいっていて水時計みずどけいよりも正確せいかく平均へいきん太陽たいようもとめるために恒星こうせい利用りようしていた。これ以降いこう理想りそうてき平均へいきん太陽たいよう使つかわれるようになり惑星わくせいつき太陽たいよう運動うんどう記述きじゅつもちいられた。

機械きかい時計とけい地球ちきゅう自転じてんによる天然てんねんの「恒星こうせい時計とけいなみ精度せいどたっしたのは20世紀せいきはいってからであった。1928ねんに、経度けいどによらない共通きょうつう基準きじゅん時刻じこく概念がいねんとして、グリニッジ平均へいきんぎ、「世界せかい」がグリニジよるより起算きさんするとき明確めいかくしめ用語ようごとして定義ていぎされ[9]、1935ねん国際こくさいてき使用しようすることが採択さいたくされた[10]今日きょう原子げんし時計とけい地球ちきゅう自転じてんよりもはるかにこう精度せいど一定いっていだが、現在げんざいでも世界せかい(UT1)をめるために恒星こうせい運動うんどう観測かんそく使つかわれている。実際じっさいには1900年代ねんだいわりころから地球ちきゅう自転じてん運動うんどう銀河系ぎんがけいそと電波でんぱげん集団しゅうだんたいして定義ていぎされるようになり、この自転じてん速度そくど定数ていすうばいして世界せかい(UT1)に変換へんかんされている。現在げんざい協定きょうてい世界せかい(UTC)は国際こくさい原子げんしもとづきながらも、世界せかい(UT1)を近似きんじさせる目的もくてきで,そのが0.9びょう以下いかとなるよううるうびょう挿入そうにゅうする調整ちょうせいほどこされている。

天文てんもん 編集へんしゅう

歴史れきしてきには天文学てんもんがくにおける太陽たいようにちかい正午しょうごであった。すなわち正午しょうご日付ひづけ更新こうしんされ、これを「天文てんもん」(astronomical time)とぶ。真夜中まよなか正子まさこ)に日付ひづけわらないので、夜間やかん天文てんもん観測かんそくおよび記録きろく都合つごうい。天文てんもん伝統でんとうクラウディオス・プトレマイオス はじまる[注釈ちゅうしゃく 1]

これにたいして正子まさこにちかいとする時刻じこくけいは「常用じょうよう市民しみん)」(civil time)とばれる。

天文てんもん使用しよう一般いっぱん社会しゃかいでは間違まちがいをこしやすいので、1925ねん1がつ1にちからは天文学てんもんがくにおいても天文てんもん廃止はいしおこない、正子まさこ真夜中まよなか)をにちかいとする「常用じょうよう」の方式ほうしき統一とういつされた。

ただし、ユリウスどおりについては、つづ正午しょうごにちかいとしている[11][12]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ 海軍かいぐんへい学寮がくりょう航海こうかい教授きょうじゅしょ』 5かん海軍かいぐんへい学寮がくりょう東京とうきょう、1871ねん全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:40067381NDLJP:846974 
  2. ^ 中山なかやま智行ともゆき航海こうかいじゅつ運用うんようじゅつ術語じゅつごかいせつ中山なかやま海士あままなぶかん大阪おおさか、1918ねん全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:43023578NDLJP:955436 
  3. ^ 建築けんちく基準きじゅんほう昭和しょうわ25ねん法律ほうりつだい201ごう)』1950ねん5がつ24にちだい56じょうの2。  e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  4. ^ 建築けんちく基準きじゅんほう施行しこう規則きそく昭和しょうわ25ねん建設省けんせつしょうれいだい40ごう)』1950ねん11月16にちだい1じょうの3 ひょう2の(30)こうだい10じょうの16だい1ごうひょうの(と)こう  e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  5. ^ 上田うえだみのる天体てんたい観測かんそくほう恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく東京とうきょう、1949ねん全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:48000347NDLJP:1154244 
  6. ^ 中山なかやま智行ともゆき 1918.
  7. ^ [1] 自然しぜん科学かがく研究けんきゅう機構きこう 国立こくりつ天文台てんもんだい、よくある質問しつもん質問しつもん4-4)1にちながさは変化へんかしているの?
  8. ^ [2] 右側みぎがわのグラフが最近さいきん年間ねんかん程度ていどの、「LODから86 400びょういた」の変化へんかしめしている
  9. ^ Société d'Astronomie d'Anvers へん雑録ざつろく 万国ばんこく天文学てんもんがく協会きょうかいだいさんかい総会そうかいいち寺田てらだぜいづくり やく天文てんもん月報げっぽうだい21かんだい11ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう北多摩きたたまぐん三鷹みたかむら、212-214ぺーじ、1928ねん11月。ISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:3304101、ガゼットアストロノミークISSN 0374-3241https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1928/pdf/192811.pdf2014ねん1がつ9にち閲覧えつらん 
  10. ^ 日本にっぽん天文てんもん学会がっかいへん)「雑報ざっぽう 万國ばんこく天文学てんもんがく協会きょうかいだいかい総会そうかい記事きじ」(PDF)『天文てんもん月報げっぽうだい28かんだい11ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう北多摩きたたまぐん三鷹みたかむら、1935ねん11月、193ぺーじISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:33041862014ねん1がつ9にち閲覧えつらん 
  11. ^ [3] 国立こくりつ天文台てんもんだいこよみ計算けいさんしつこよみWiki >1にちはじまり
  12. ^ 日本にっぽん天文てんもん学会がっかいへん)「雑報ざっぽう みどりたけし平均へいきんそうろん」(PDF)『天文てんもん月報げっぽうだい18かんだい10ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう北多摩きたたまぐん三鷹みたかむら、1925ねん10がつ、156ぺーじISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:33040632014ねん2がつ2にち閲覧えつらん p.157 下段げだん最後さいご段落だんらく

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ 正午しょうごいちにち起点きてんにする理由りゆうはもうひとつある。ひとし時差じさ捨象しゃしょうすれば、太陽たいよう南中なんちゅう観測かんそくすることにより、その地点ちてん地方ちほうでの正午しょうご容易よういれる。これにたいして正子まさこ認識にんしきすることは、正確せいかく時計とけい存在そんざいしない時代じだいには困難こんなんである。

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう